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- 県内塗装2団体トップに聞く 中東情勢の影響で続く価格高騰と調達難 一部工事への支障も懸念
- 中東情勢の不安定化に伴い、塗料用シンナーをはじめとするナフサ由来の石油製品の供給が滞っているとされる問題で、国土交通省や経済産業省は、日本全体として必要となる量は確保しているとした上で、供給の「目詰まり」解消に向けた取り組みを進めている。一方で、本県の塗装工事業においては塗料やシンナーの価格高騰と調達難が続いており、一部工事に支障が出ることも懸念されている。本県塗装工事業における資材調達の現状と問題点について、日本塗装工業会県支部の松田隆二支部長と、県塗装工業組合の近江樹一郎理事長に聞いた。
日塗装本部が4月上旬に実施した会員向けアンケートによると、調査実施時点で約7割の企業が、塗料について「数量制限」または「入手困難」と回答。特にもシンナーについては「通常通り入手できる」とする回答は3%に満たず、さび止めや防水材にも不足感が出ている。シンナーについては6割以上が納期未定、価格は約5割が「1・5~2倍」、「2倍以上」という回答も約2割という結果が出ている。
本県塗装業界からは、「日塗装の調査は4月上旬。現状はより深刻になっている」と指摘する声が上がる。松田支部長は「塗料、シンナー、ビニールなどの副資材に至るまで急激に値上がりしていることに加えて、流通が滞っている。調達と価格のダブルパンチが1カ月以上続くという異常事態だ。私たちとしては見積書の期限を1カ月とすることや、最終的な協議とするなどの対策を取らざるを得ない」と話す。
小規模事業者が多い県塗装工業組合の組合員はさらに深刻だ。近江理事長は「さび止めやシーラーが入ってこない。最初の工程で使う資材が調達できず、工事に着手できない会社もあると聞いている。小規模事業者ほど、中東情勢の影響を強く受けている」と、組合員の苦境を訴える。
国内では、年明けに大手塗料メーカーのシステム障害により納品遅れなどが生じていたことに、今回の中東情勢が加わったことで、塗料などの供給が一層深刻化したという側面もある。水性塗料への代替の可能性を探る動きも見られるが、水性塗料も樹脂を用いることから中東情勢が水性塗料にも波及してくる懸念があるため、代替性に対しては疑問符が付く。
両団体は13日、中東情勢の影響について県との意見交換を行った。両団体からは席上、塗料、シンナー、ビニールなど副資材の急激な値上がりに加えて、流通が停滞している状況を説明。松田支部長は「スライド条項の柔軟な適用と運用、手続きの簡素化」「適正な工期設定と工期延長の柔軟な運用」「発注の平準化」などを要請し、近江理事長は、中小企業向けの資金繰り支援が必要だと訴えた。県側からは、「庁内連絡会議」の場などで商工労働観光部が中心となって県内経済への影響把握に努めている状況や、スライド条項の適用、工期延長への対応など県の対策に関する説明があった。
今後について近江理事長は「流通が回復しても、以前の水準に価格が戻ることは期待できないだろう。また工期の遅れを取り戻すために工事が集中し、人手不足が深刻になることが懸念される」と、現状の先に控える課題も注視。その上で「ホルムズ海峡が開放されても、ただちに状況が改善するとは限らない。仮に長期化するようであれば、民間工事の中止や延期が増えるなど、局面ごとに新たな問題が出てくのでは」と身構える。
松田支部長は「個々の企業努力で乗り越えられる問題ではない。日塗装県支部と県塗装工業組合が連携して、業界全体の問題として行政当局に課題解決を呼び掛けていく。県からも国に対して、地方の切実な実態を届けていただくことをお願いしたい」と、官民が連携しての課題解決を呼び掛けている。













