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- 県建築住宅課 中山の園施設整備設計業務の手続き開始 12月下旬にも最優秀者を特定
- 県土整備部建築住宅課は14日付で、簡易公募型プロポーザル方式で中山の園改築等工事設計業務の手続き開始を公告した。「中山の園」については、施設と設備の老朽化や入所者の高齢化・重度化に対応するため、全面的な施設整備を計画している。今回の業務は、施設整備のための基本・実施設計を作成するもの。BIM活用に係るEIRを適用する。参加表明書の提出は30日午後5時まで。技術提案書の提出は12月9日午後5時までとなっており、12月下旬にも最優秀者を特定する。
参加表明書の提出者は、単体企業または共同企業体。単体企業の場合の主な参加資格は、▽一級建築士事務所の登録を受けている者▽県の建築関係建設コンサルタント業務に登録され、意匠を申請業務としている者で、岩手県内に本店を有する者▽一級建築士が5人以上在籍―など。そのほか設計実績や技術者の配置でも条件が設けられている。
共同企業体の場合は、2者の構成員からなる任意に結成されたもので、▽一級建築士事務所の登録を受けている者▽県の建築関係建設コンサルタント業務に登録され、意匠を申請業務としている者▽構成員のいずれかは県内に本店を有する者―などの資格を有する上に、代表者と構成員に分けて一級建築士の在籍人数や設計実績、技術者の配置などで条件が設けられている。
参加表明書の提出は30日午後5時まで。技術提案書の提出者については、参加表明書の審査を行った上で、5者程度に絞り込む方針だ。技術提案書の提出期限は、12月9日午後5時まで。設計者選定委員会(委員長・小野寺哲志県土整備部まちづくり担当技監)で技術提案書とヒアリングの内容を審査し、12月下旬にも最優秀者を特定する。
同業務の参考業務規模は2億3000万円程度(税込み)。最優秀者との間で見積もりを行い、2026年1月中旬ごろにも正式に契約を締結したいとしている。業務の履行期限は27年3月15日までとなっている。
中山の園は、一戸町中山字軽井沢地内に位置。県が1979年に知的障がい者の総合援護施設として設置し、2006年度に県社会福祉事業団に運営を移管した。
施設全体の延べ床面積は2万1788・83平方㍍で、障害者支援施設、生活介護事業所、障害福祉サービス事業所、相談支援事業所で構成される。開設から40年以上が経過し、施設・設備の老朽化が進行。直近でも毎年のように施設や設備の修繕、改修、機器更新が行われている。
また、入所者の高齢化による心身の機能低下が進み、日常生活における介助の度合いが高まっているほか、複数の疾患を有し通院支援や服薬管理、特別食の提供などが必要になっている。加えて、高齢化により就労や生産活動が困難になった利用者や、精神科病院を退院した人への生活介護支援なども行っている。
新しい施設は、現在地を中心に整備するほか、県立一戸病院建物内(一戸町)と障害者支援施設みたけの杜隣接地(滝沢市)に一部を移転整備する。各施設の概要を見ていくと、現在地の施設は、延べ床面積1万2551・2平方㍍で、新築・大規模改修での対応となる。定員は120人で、地域移行を目指す人、若年の重度障がい者、強度行動障がいを有する人などが主な対象となる。
一戸病院建物内は大規模改修で対応する。施設の延べ床面積は1497・7平方㍍で、定員は30人。主な対象者は高齢障がい者等となっている。
みたけの杜隣接地では、滝沢市穴口に延べ床面積2431・1平方㍍の施設を新築する。定員は40人で、高齢障がい者等を主な対象とする。
今回の業務では、このうち新築(改築)に係る5施設が対象となる。現在地では、新居住棟C(想定延べ床面積2128・49平方㍍)、新居住棟D(同2069・09平方㍍)、活動棟(同1008・36平方㍍)、サービス棟(同670・78平方㍍)の4施設。さらに、みたけの杜隣接に整備される新居住棟F(同2431・12平方㍍)の合わせて5施設が対象となっている。設計の計画条件として、▽最適なゾーニング・動線計画▽原則として平屋建て▽現在地で整備する施設は相互に渡り廊下等で接続▽ZEB Ready相当以上の水準確保▽木材利用の促進への配慮―などが求められている。
現時点での予定工事費は約57億円(税込み)。25―26年度で基本・実施設計を行い、27―29年度の3カ年で建設工事を実施したいとしている。