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2024年
6月26日(水)
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コラム集

●つむじ風 6月25日
 東北地方整備局三陸国道事務所は、山田町内に位置する三陸沿岸道路・山田北インターチェンジ(IC)のフル化を計画。20日付で工事の第1弾を公告し、着工に向けた準備を進めていく▼事業は、国道45号の防災上のあい路を回避するため、同ICに北向きの乗り降りを整備し、災害時の道路ネットワーク機能を確保するもの。今回の整備箇所は、同町石峠第3地割。山側に新設するランプの本線合流部分で、道路土工、地盤改良工、擁壁工を施す予定となっている▼管内の三陸沿岸道路では、宮古市内の津軽石パーキングエリア(PA)に、トイレ棟の新築も計画されている。PAへのトイレ設置は県内では初。事業は津軽石PAの上下線に各1棟、木造平屋建ての床面積37・54平方㍍のトイレを設置するもの。工事は5月末に公告され、7月の開札を控える▼21年12月の全線開通後、地域振興を後押ししている三陸沿岸道路。さらなる利便性の向上、沿線住民の安全安心な暮らしを支える取り組みを進めることで、沿岸部の縦軸幹線としての機能を高めてほしいと思う。
●つむじ風 6月24日
 先週の県内は、季節を先取りしたような暑さが続き、30度を超える真夏日に見舞われた日もあった。まだ、身体が暑さに慣れていない時期などとして、熱中症への注意がさまざまな場面で呼び掛けられている▼個人的にここ数週間は、道路清掃や草刈り、施工現場、建設業の体験学習など野外で取材する機会に多く恵まれ、日差しの強さや暑さを肌身で感じている。周囲は建設業従事者とあって、熱中症対策をしっかり講じている印象を持ちながら取材していた▼さまざまな熱中症対策があるが近年、空調服を着用する従事者が目立つようになり、業界では定着してきているように感じる。ここ数週取材した野外でのイベント、移動中などにも施工現場で交通誘導員や作業員らが着用しているのをよく見かける。暑さが厳しい昨今、さらなる熱中症対策に関するアイテムが出てくることにも期待がかかる▼季節先取りの暑さが続いたが、梅雨入りすれば今度は梅雨寒や長雨に見舞われる日が続くことも予想される。一層、体調面には気を配って日々の業務に励んでいきたい。
●つむじ風 6月21日
 社会資本整備の上流部に当たる建設関連業務。それは同時に、公共事業の減少局面では真っ先に影響を受けることを意味する。東日本大震災からの復興工事が最盛期を迎えていた段階から、事業量の急激な減少を訴える声が挙がっていた▼県建設関連業団体連合会はこのほど、県内企業への積極的発注拡大や公共事業予算の確保などを県に対して要望。この中では、チャレンジ型入札制度や同一企業の重複落札への対策など、受注の偏在を防ぐための入札制度の見直しも提言した。県側も受注実績の少ない企業の受注拡大に対する一定の理解を見せ、業界との意見交換を積極的に行っていく意向を示した▼設計業務の成果品の精度向上は、施工者の立場からも重要な課題。現地にあった設計図書による入札が行われれば、契約後の円滑な着工につながる。元請けにとってプラスが多ければ、下請けや資材業者に対する好影響も期待できる。建設関連業における入札制度の改善は、川上から川下まで幅広い影響を与えるテーマであることを、行政当局は理解する必要がある。
●つむじ風 6月20日
 先ごろ、決起大会を開いた北岩手・北三陸横断道路整備促進期成同盟会(会長・鈴木重男葛巻町長)。関係市町村の代表者や、国・県などの来賓ら約90人が出席した。大会では、県北部を横断する広域道路ネットワークの早期整備・着工などを関係機関に求める決議を採択した▼鈴木会長は「北・北道路を何とか実現したい」と強い思いを語った。達増拓也知事は来賓祝辞の中で、(仮称)久慈内陸道路に触れ、「今年度は、現道課題が多く確認された葛巻町内において、より詳細な地形図を用いて調査を進めるなど、一層調査を推進する」との考えを示した▼同盟会の大会決議では、「北岩手・北三陸を横断する広域道路ネットワークについて、早期に広域移動を支える基幹道路として整備・着工されること」などを採択。今後は関係機関に対し、力強く要望を実施していく▼広大な県土を誇る岩手において、道路は骨格とも言える重要なインフラ。特に県北地域では、道路網の脆弱性が指摘されることも多い。道路の必要性を整理して国などに訴え、整備の具現化につなげたい。
●つむじ風 6月19日
 高速道路の4車線化事業を進めるNEXCO東日本。4車線化事業が気候変動への適応事業(グリーンプロジェクト)に該当するとして、㈱格付投資情報センターからサステナビリティ・ファイナンスに関する第三者評価を取得したと発表した▼同ファイナンスは、社会的・環境的課題を解決する事業に充当することを目的とした資金調達手段。秋田自動車道の北上西インターチェンジ(IC)から湯田IC間が対象区間となっており、大雪時のネットワーク代替性確保を目指す▼北上西ICから湯田ICの延長は約19・5㌔、事業費は約980億円を見込む。現道には7トンネルと11橋梁あり、延長が長いトンネルが多いのが特徴で、橋長100㍍以上が7橋ある。新たな車線でも同数のトンネルと橋梁の整備が見込まれている▼24年度から進入路など土工工事に入り、25年度からはトンネル工事を予定。26年度には土工工事やトンネル工事を継続するとともに、橋梁下部工にも入る見通しだ。調達した資金などを活用し、着実な工事推進と一日も早い4車線化が望まれる。
●つむじ風 6月18日
 災害の歴史、経験を後世に伝えていくため、災害資料伝承館の新設を計画する宮古市。施設は建築工事の入札が終了。現在は設備工事2件が公告中で、25年7月の開設を目指し事業の進捗が図られていく▼施設は、同市田老地区の旧田老総合事務所跡地に整備。規模は、鉄骨造平屋建ての床面積462・04平方㍍で、内部には展示室や多目的室などを設置。津波、台風などの災害の歴史をテーマに、災害年表や体験者の証言映像、災害の痕跡を残す実物などの展示が想定されている▼大槌町でも震災津波伝承事業の一環として、同町須賀町地内に、町全体の追悼・鎮魂の場となる(仮称)鎮魂の森の新設を計画。整備工事は全ての入札を終え、今後は園路やメインエントランス、植栽、芳名碑・献花台の設置などが進められていく。全体完成は25年7月の予定だ▼災害による犠牲者を二度と出さないためにも、被災の経験と教訓を次世代へ伝承していかなくてはならない。2市町の施設とも、次の災害に備え命を守る取り組みについて考えることのできる場になればと思う。
●つむじ風 6月17日
 小学生の我が子は近ごろ、格闘技を習いたいと話してくる。聞けば、放課後児童クラブに置いてある漫画に夢中になっているようで、その漫画の主人公などに魅力を感じている様子。子どもたちにとって、漫画の影響力の大きさを改めて感じさせられる▼県建設業協会が発刊した「我らイワケン株式会社」のように、次代を担う子どもたち向けに漫画を制作する業界は多いようだ。業界への理解を深めるとともに、興味を持つ子が増えてくれればと思う▼漫画では、週刊誌などで建設業について描いた作品を見たこともあるが、おおむね高校生以上を読者層と位置付ける青年誌に掲載されるケースが多い印象はある。憧れのような気持ちを抱いてもらうには、中学生以下にも見てもらえるような環境が必要にも感じる▼少年誌でも、建設業に関わりがあるものを題材にした作品が連載された事例はある。中には、著名な漫画家が描いた作品もあるものの、いわゆるヒット作になるまでは至らなかったようだ。子どもたちのブームになるような作品が生まれてくれないものか。
●つむじ風 6月14日
 建設業界紙の記者職にありながら何だが、理系科目はことごとく苦手だ。これは中学2年生からなので、ちょっとやそっとではない筋金入り。「自然科学の単位が足りない!…あ、夢か」と、未だに大学時代の悪夢に魘されることも▼バーツラフ・シュミル『Invention and Innovation』(河出書房新社)が読まれているそうだ。「歴史に学ぶ『未来』のつくり方」の副題からして期待させる。すでに読了した方も多いだろう▼内容は「歓迎されていたのに、迷惑な存在になった発明」「主流となるはずだったのに、当てがはずれた発明」「待ちわびているのに、いまだに実現されない発明」等々…。翻訳も平易で読みやすいが、もう少し理系の素養があれば、さらに面白く読みこなせただろうに…。詳細は各自ご確認を▼読み進めながら、ふと思った。これって建設業振興施策も同じじゃないか。革命的な魔法の杖を期待するのではなく、歴史から学び、信頼の置ける手法を着実に進めていくことこそ必要。これは根っからの文系人間にも分かる。
●つむじ風 6月13日
 東北建設業協会連合会(千葉嘉春会長)が先日開いた24年度通常総会では、東北地方整備局の山本巧局長による講演が行われた。東北地方のインフラと地域建設業という視点から、重要な論点が示されたように思う▼山本局長は「『人口が減っている中、これ以上インフラが必要ないのではないか』という主張もあるが、本当にそうなのか」と問題提起。「道路ネットワークなどが整備されてきたことにより、東北は成長してきた」と訴えた。東北地方の幹線道路ネットワークの変化を示しながら、東北が関東方面などへ農産物を出荷したり、企業立地の進展により半導体や自動車関連のサプライチェーンの一部を担ったりしていることを紹介した▼山本局長は「地域建設業は警察や消防と同じく、地域になくてはならない産業」と強調。継続的な国土強靱化の重要性も説いた▼東北建設業協会連合会や東北6県の各建設業協会では、「東北は一つ」を合言葉に、公共事業予算の確保などを進める。24年度も地域建設業の意義、社会資本整備の重要性を強く打ち出したい。
●つむじ風 6月12日
 先日開かれたEE東北24では、一般社団法人アシストスーツ協会が「アシストスーツ体験会」を開催。東北で初めての試みで、多くの来場者が実際に装着し、機能や効果を体感していた▼建設業は、他産業と比較して高齢化が進み、担い手不足の深刻化が懸念されている。主催者は、アシストスーツにより、身体負担が軽減し、苦渋作業から脱却。女性や高齢者など多様な人材が安全に働き、生産性向上にもつながることを期待して企画したという▼実際に装着し20㌔の重荷を持ってみると、個人的な感想だが劇的な軽さとはならなかった。ただ、重荷を持ったままアシスト機能を外してみると、思った以上にずしりと全身に重さが伝わってきた。一方、腕に付けるタイプは、ばねやダンパーを用いた動かす技術を用いた設計で、一定の角度で継続する作業が楽になると感じた▼高齢化が進む建設業…。担い手不足が深刻な建設業…。この現状を打ち破るためにも、担い手の確保・育成が何よりも重要だが、長く働くことができる環境を整えていくということも重要だろう。
●つむじ風 6月11日
 旧矢作小学校の跡地利用について、検討していく方針の陸前高田市。先週は跡地利用に関する用地調査測量設計が入札され、年度内で造成設計などを進める予定だ▼旧矢作小は、同市矢作町字愛宕下に位置しており、敷地面積は約1万2000平方㍍。同小は今年度内での解体を計画しており、対象となる施設は校舎(鉄筋コンクリート造2階建て、延べ床面積1831平方㍍)と、屋内運動場(鉄骨造平屋建て、床面積479平方㍍)。このほか、倉庫など敷地内の建物は全て撤去する予定となっている▼跡地利用については、地元から周辺の矢作地区コミュニティセンターや国保二又診療所、市消防団矢作分団第1部消防屯所の移転整備が要望されているという。現在の矢作分団第1部消防屯所に足を運んでみたが、幅員の狭い道路を上った先に屯所があり、緊急時の交通は難しそうに感じた▼市では地元の要望に沿った形での対応を視野に、検討を進めていく考えだ。矢作地区の安全安心な暮らしを支えるためにも、着実な取り組みが求められるだろう。
●つむじ風 6月8日
 3日朝に、能登地方で震度5強の地震が発生したが、テレビを見ていたときに流れてきた緊急地震速報には驚いた。近ごろ地震が多い印象があるが、朝方や夜遅くに発生しているものも多いように思われ、備えの大切さを改めて思い知らされる▼14日で、岩手・宮城内陸地震の発災から16年となる。当時、発生直後から応急復旧などに対応した県建設業協会一関支部では、教訓を踏まえて発生以降、災害情報伝達訓練を毎年重ねている。今年は、12日に同支部会館で災害協定を結ぶ県や一関市、平泉町と訓練を予定している▼同支部では、インターネット上の災害情報共有システムを災害時の情報伝達に導入しているが、訓練での課題などを踏まえて、より円滑で正確に報告できるよう、システム自体の改良も行っている。体制の盤石化を図っている▼訓練や、課題を踏まえたシステム改良の積み重ねで、行政に伝える情報の精度が高くなっていると同支部では捉える。今年の訓練でも改めて体制などを確認し、頻発している地震や豪雨などの有事に備えていく。
●つむじ風 6月7日
 6日付の本紙1面、全建の今井雅則新会長が就任に当たっての会見の中で、「若い人たちが夢や誇りを持って活躍できる、憧れの産業となるよう力を尽くす」との主旨で発言していた。県建設業協会でも「若者が夢を持って将来を託せる産業」を目指す姿の一つとして、さまざまな取り組みを重ねている▼同じ紙面に「4割が建設系以外の出身」という見出し。富士教育訓練センターの受講生のうち、建設系学科の大学・専門高校などの外から入職した割合は35・6%だとか。専門分野を学びながら建設の道に進まなかった人の割合が多いのか、専門外から建設業に目を向ける機会が増えたのかは分からないが、同センターでは今後も建設業の魅力発信に取り組んでいく考えとのこと▼随分と耳に馴染んできた『建設業の新3K』。設計労務単価は12年連続で上昇しており「給与」は充実してきた。週休2日に取り組む企業も増えて「休暇」だって悪くないはず。「希望」については測れないが…。それでは、建設業の魅力って何だろう。改めてそこから考えていかないと。
●つむじ風 6月6日
 県建設業協会久慈支部(岩瀬張敏行支部長)の会員らは、洋野町内で発生した豚熱の防疫対応に力を注いでいる。県建設業協会(向井田岳会長)の本部では、先ごろ久慈市の久慈建設会館を訪れ、岩瀬張支部長らと情報を共有した▼岩瀬張支部長は、「現地の土を掘ってみなければ、分からない面がある。一部区画では、水が出たところもある。周辺環境への配慮も大切だ」と、実際の埋却溝の掘削作業の難しさを語っていた。将来を見据えつつ、「今回の豚熱だけではなく、緊急時の地元作業員の確保が難しくなっている。今後の対応上の課題でもある」とも▼向井田会長は「地域が存続していくためには、地元建設業者の存在が必要不可欠だ」と、国や県などの関係機関に訴えている。さらには、協会員が災害対応などに当たっているという事実を、広く知ってもらう大切さも説いていた▼自然災害や家畜伝染病などに対する備えの重要性を改めて実感する。地域の担い手、守り手とも呼ばれる建設産業。地域を熟知する産業が身近にいることは、県民の一人として心強い。
●つむじ風 6月5日
 リノベーションまちづくりを進める花巻市。その一環として23年度に公共空間の積極的活用を図り、エリアの魅力向上を目的に花巻中央エリアで社会実験を実施。このほど、実施報告書をまとめた▼昨年7~9月にかけて、花巻中央広場や大堰川プロムナード、旧まちなかビジターセンターなどを対象に、全3回の社会実験を行った。公共空間を活用したイベント等の開催には、使用許可や規制などが必要となるため、イベント実施者に代わり市が相談を受け、申請を行うなど支援した▼調査結果を見ると、成果として「公共空間の持つ非日常感や特別感が来場者の満足度を上げる」としている。一方、トイレやゴミ箱が少ないことなど、イベント利用目的の場ではないため、今後の設営や運営時に検討が必要との課題を挙げている▼24年度は「花巻みち活」として続ける。日常的に活用しやすい場所となる方法を検証するため、実験内容の提案・実施希望を受け付けるプロポーザル枠を新たに設けた。社会実験を通して、花巻らしい公共空間の可能性を引き出してほしい。
●つむじ風 6月4日
 県は、宮古市内の一般県道花輪千徳線「花輪橋」について、架け替え事業を推進。詳細設計は現在公告中で、月内での開札が予定されている▼同市田鎖・千徳地内に位置し閉伊川に架かる花輪橋は、橋長272・7㍍。12径間の混合橋で1960年に建設されており、市民に長く親しまれてきた。宮古盛岡横断道路が開通する以前は、盛岡から山田へ向かう際など、国道106号から宮古中央インター線に入るため、同橋を利用していたドライバーも多いはず▼現橋は老朽化が進んでいるほか、橋脚の間隔が狭いため、増水時に流木などが川の流れを妨げることも懸念されていた。公告中の詳細設計業務で示す橋梁の規模は、橋長263・2㍍で、形式は鋼4径間連続合成細幅箱桁橋。最大支間長は68・1㍍となっている。架け替え位置は現橋よりも若干、上流側にシフトする見通しだ▼周辺地域の住民にとって花輪橋は、欠くことのできない生活の要となるもの。安全・安心な暮らしや幹線道路へのアクセスを支えるため、着実な事業の進捗を図ってほしいと思う。
●つむじ風 6月3日
 一関労働基準監督署などが主唱する「夏季死亡災害ゼロ101日運動」は、1日から始まった。今年は、①墜落災害をなくそう②製造装置等機械設備による労働災害をなくそう③車両系機械による災害をなくそう④熱中症をなくそう―の四つを重点事項に掲げ、9月9日までの期間中、死亡災害ゼロが強く呼び掛けられている▼一関労基署によると、08年から23年度までの16年間で30件の死亡災害が発生。そのうち、半分の15件が建設業で発生しているほか、類別で最も多い墜落、転落の7件のうち5件が建設業によるもの。建設業での安全対策が、目標達成の鍵との見方もできる▼車両系機械による死亡災害も4件と多い状況。前年は、熱中症による災害が突出して多かったこともあり、今年の重点項目に前述の四つが掲げられた▼以前は、運動期間中が通常時期より死傷災害が少なかったものの近年、運動期間中の方が発生件数が多くなっているという。長年、運動を展開してきた慣れと分析されており、強化運動期間としての認識を強く持つよう呼び掛けている。
●つむじ風 5月31日
 今年の県勢功労では、建設業界からは元建設業協会会長の木下紘氏が受章した。木下氏に対し県は、建設業界の発展への貢献や東日本大震災をはじめとする自然災害への対応などの功績を挙げている▼東日本大震災に際しては建協副会長として当時の宇部貞宏会長を補佐して被災地を何度も訪問し、地元会員企業をサポート。会長としては16年の台風10号災害の発災直後に正副会長団で現地入りし、いち早く岩泉支部と久慈支部に対する支援態勢を整えた▼もう一つの功績としては、盛岡支部長を兼務していた13年の8月豪雨に際しての迅速な対応が挙げられる。当時の木下氏のインタビュー記事を見ると、災害時などに即応性のある企業を支部役員として選定しているとのコメントがあった。災害の激甚化・頻発化を見越した先見性のある人選と言える▼今年の県勢功労では、岩手大学名誉教授の齋藤徳美氏も受章。木下氏、齋藤氏に共通するのは、決して大上段に構えることのない、地に足の付いた防災意識。県民の生命と財産を守るため、等身大の取り組みこそ重要だ。
●つむじ風 5月30日
 県建設業協会(向井田岳会長)は、28日の24年度定時総会で、24年度の事業計画を決定した。地域の守り手としての責務を将来にわたって果たせるよう、さまざまな取り組みを展開していく▼24年度の事業計画では、「社会インフラ予算の確保と国土強靱化の計画的推進」「生産性の向上(設計積算と入札制度)」「働き方改革」などを盛り込んだ。このほか、「建設需要創造対策」「防災・安全対策事業の推進」「地域社会貢献事業の推進」など、取り組みの内容は多岐にわたる▼うち防災・安全対策事業の推進では、建設労働災害の防止に向けた安全パトロールをはじめ、地震・津波および台風の被害などに備えるための防災活動などを展開。県建設業協会「防災の日」(3月11日)の防災訓練なども継続し、情報共有と連絡体制を強化していく。さらには、家畜伝染病の防疫対応に向けた体制強化も▼同協会の本部と各支部の事業計画に目を通すだけでも、地域建設業の存在の大きさを実感する。本紙としても建設業界の意義、社会資本整備の重要性を強く発信したい。
●つむじ風 5月29日
 厚生労働省は、職場のハラスメントに関する実態調査の報告書を公表した。昨年12月に全国の従業員30人以上の企業・団体を対象に2万5000件に郵送し、7933件から回収。回収率は31・7%だった▼調査結果のまとめの企業調査では、過去3年間にハラスメントの相談で多いのはパワハラが64・2%、セクハラが39・5%、顧客等からの著しい迷惑行為27・9%など。予防・解決のために実施している取り組みとして「相談窓口の設置と周知」が最も高くなっている▼労働者等調査結果では、過去3年間にパワハラを一度以上経験した割合の業種別を見ると建設業が26・8%と最も高い。その内容は、「脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言」が半数近くを占め、ついで「業務上明らかに不要なこと、遂行不可能なことの強制、仕事の妨害」が多いという▼建設業は、現場事務所での仕事が多い。新入社員が研修期間を経て、現場に配属される時期でもある。「人によって感じ方が異なる」「ハラスメントかどうかの判断が難しい」との理由で手をこまねいてはならない。
●つむじ風 5月28日
 昨年12月に起工式を実施し、国により事業の進捗が図られている宮古盛岡横断道路の「田鎖蟇目道路」。先週は終点部に整備する橋梁のA2橋台下部工を公告。A1橋台は既に発注済みで、工事は今後、本格化していく見通しだ▼田鎖蟇目道路は、宮古市田鎖から同市蟇目を結ぶ延長7・2㌔の自動車専用道路。区間には主要構造物として、トンネル4本と橋梁2橋の設置が計画されている▼今回A2橋台が公告された橋梁は、建設場所が同市蟇目地内。架設する閉伊川左岸側に整備するもので、橋長は228㍍、有効幅員は12―30・632㍍。上部形式は鋼3径間連続細幅箱桁橋。同橋周辺には(仮称)蟇目インターチェンジも整備される計画で、合わせて将来的には現道・国道106号の付け替えも予定されている▼今後、区間の施工が本格化すれば、工事車両などで交通量も増えていくはず。先週は宮古盛岡横断道路の腹帯水神トンネル前で交通事故が発生していた。作業前に交通ルールや安全運転のポイントを再度確認し、事故防止に努めてしてほしいと思う。
●つむじ風 5月27日
 一関遊水地事業の促進を目指し、治水事業予算の確保へ要望などを展開する一関遊水地事業促進協議会の24年度総会が先日開かれ、今年度の事業計画などが決まった。同会は、一関市や奥州市、平泉町、各市町議会、土地改良区、商工会議所らで組織する▼総会では、一関市北上川治水地権者会が地役権設定の進展により解散したことで、協議会から脱会することも報告された。地権者会の会長を務めた須藤彌志正さんが、会員に感謝の言葉を話した▼22年に催された一関遊水地事業50年の集いで、彌志正さんや父の故・弥左衛門さんが地権者として、どんな思いで事業に関わったかの話は、印象に強く残っている。「父のことを話す機会をいただいた」と感謝する姿も印象的だった▼遊水地事業は着実に進展し、地元などでは竣工式の予定時期なども話題になっているという。竣工には至っていないものの、既に幾度も効果を発現している。施工などに携わる建設業者らとともに、事業に理解を示し協力する地権者のおかげで、安全・安心な暮らしは確保されている。
●つむじ風 5月24日
 全国安全週間は1928(昭和3)年に初めて実施され、今回で97回目。戦時中も一度も中断することなく、人命尊重の基本理念の下、安全意識の高揚と安全活動の定着に向けた活動が進められてきた▼安全週間と言えばスローガン。第1回は「一致協力して怪我や病気を追拂ひませう」と、いい雰囲気を漂わせている。これが33(昭和8)年には「國の護りぞ 身を守れ」と戦時色が出てくる。以降も38(昭和13)年は「安全報國 銃後の護り」、41(昭和16)年は「總力戦だ 努めよ安全」、44(昭和19)年は「決戦一路 安全生産」と、安全というよりも産業報国の色が強くなる一方▼戦後は、安全週間から統制色を排除しようという考えなどから、しばらくスローガン無しの時代が続いたようだ。さて今年は「危険に気付くあなたの目 そして摘み取る危険の芽 みんなで築く職場の安全」。韻を踏むなど、なかなか洒落たつくり。建設業を取り巻く社会環境は厳しいものの、総力戦や決戦などの言葉を必要としない時代に仕事に打ち込めることを幸福に思いたい。
●つむじ風 5月23日
 建設業界団体の総会・懇親会では、三陸沿岸道路など、県内のインフラ整備の話題になることが多い。「三陸沿岸道路の開通によって通勤圏が広がり、現場の行き来が便利になった」との声も。沿線自治体の首長は、地域のインフラを生かしながら、雇用の場の確保や、にぎわいの創出に向けた意気込みを語っていた▼先ごろ、国交省や北海道、東北6県、政令市の土木部長などによる24年度春季の北海道・東北地方ブロック土木部長等会議が、盛岡市で開かれた。会議では、「今後の急激な人口減少や災害の激甚化、インフラの老朽化に対応したインフラマネジメント」も話題の一つだった▼インフラマネジメント関係では、国交省本省側と自治体などで、「国土強靱化とメンテナンスを表裏一体で進める必要がある」との認識を共有した▼現在利用されている数々のインフラは、地域に不可欠なもの。将来にわたって、インフラ機能を維持・発揮することは、広い県土を有する岩手の重要課題だ。今後も意見交換の場などを生かし、地域の飛躍に必要なインフラを考えたい。
●つむじ風 5月22日
 気象庁は、全国を11ブロックに分け線状降水帯による大雨の呼び掛けを半日程度前から行っていた。28日からは、対象地域を府県単位に絞り込む▼今回の予測には、新たな予測技術として、18時間先まで延長された水平解像度2キロの局地モデル(LFM)と、メソアンサンブル予報(MEPS)の降水量予測から算出した危険度を活用。それらをもとに予報官が判断する▼線状降水帯が発生すると、大雨災害発生の危険度が急激に高まることがある。ただ、府県単位で呼び掛けただけで避難を促しているわけではなく、ほかの大雨情報と合わせて活用することが大切だろう。大雨災害に対する危機感を早めに持ち、ハザードマップや避難所・避難経路の確認などの行動につなげることが重要だ▼同庁は、2029年から市町村単位での危険度分布形式の情報を半日前から提供開始する見通し。四国4県に相当する面積を有する本県だけに、早期の実現が待たれる。さらに、情報の伝達方法や情報そのものが有する意味など受け手に対する理解も高めていかなければならない。
●つむじ風 5月21日
 本県の北上山系を縦走する国道340号。先週は、沿線市町村で構成する整備促進期成同盟会の総会が開かれ、安全・安心な交通の確保へ早期整備を求める決議を採択した▼340号は陸前高田市を起点とし内陸部を縦走。青森県八戸市に至る総延長約250㌔の幹線道路。北上山系の4市4町1村を結び、沿線地域の産業、観光、医療を支えている。三陸沿岸道路や宮古盛岡横断道路、東北横断自動車道といった横軸とも接続。広域的な道路網を形成するほか、災害発生時には「命の道」としての役割も果たす▼区間では、ネックとなっている宮古―岩泉間で県が2工区の改良事業を推進中。このうち宮古市内の和井内―押角工区では今年度も道路改良工事を継続。岩泉町内の浅内工区では道路の詳細設計、用地測量を進めていく計画だ▼総会では各市町村から、狭あい・急カーブ区間の改良や歩行空間などの早期整備が要望されていた。地域の暮らし、将来のまちづくりを支える重要路線だけに、予算の確保など地方の声をしっかりと中央へ伝えていく必要があるだろう。
●つむじ風 5月20日
 建設関連団体の総会シーズンを迎えている。総会の場で、業界の発展に尽力してきた会員企業の従業員らを表彰する団体は多い。長い年月、仕事に当たってきた従業員らには頭が下がる▼各団体で催される優良従業員の表彰だが、対象となる従業員が年々減ることに頭を悩ます団体も多くなってきている。少し前までは、毎年10人以上の受賞対象者がいたものの、今年度は数人しかいないと嘆く声も耳にする。中には、実際の対象者は多いものの、毎年数人ずつ選出しているような会員企業もあると聞くが、やはり大分減ってきているようだ▼従事者の平均年齢が上がり続けている建設業だが、高齢から働くことに区切りをつけたベテラン社員が増えているほか、転職する中堅社員、建設業への従事が長続きしない若手社員も多くなっている表れか▼表彰の様子を取材している際、表彰状を受け取る場面、さらには経営者と受賞者が並んでの記念撮影や写真の提供を依頼されることもある。表彰者の晴れの舞台を取材していて、従業員の存在は宝と改めて思わされる場面だ。
●つむじ風 5月17日
 東北地方整備局が進める北上川上流ダム再生事業の事業促進に向けて、流域5市町で構成する期成同盟会がこのほど設立された。会長を務める盛岡市の内舘茂市長は設立総会の席上、予算確保の厳しさへの認識を示した上で「関係自治体が一体となって、中央に要望していく取り組みが必要だ」と、関係自治体の連携を呼び掛けた▼北上川上流ダム再生事業は、四十四田ダムのかさ上げと御所ダムの操作方法変更により治水機能増強を図るもの。四十四田ダムは全国でも珍しいコンクリートとアースフィルの複合ダムであることから十分な技術的検討が必要であり、この間のソフトによる洪水被害対策の充実も不可欠▼設立総会後の意見交換会では、同盟会を構成する各自治体のトップからダム再生事業への期待に加えて、流域治水の必要性を強調する声が聞かれた。ダム再生事業の事業推進を目的とする期成同盟会であるが、関係自治体における流域治水の議論を深める場となればなお良い。地域住民の生命と財産を水害から守るため、使えるツールは全て使ってほしい。
●つむじ風 5月16日
 岩泉町は、同町門字町地内に小川地区複合施設の建設を計画している。24~25年度の2カ年で建設工事を進めていく予定だ。24年度当初予算には、整備事業費として約3億円を盛り込んでいる▼同町では、同町役場小川支所の老朽化の解消と合わせて、診療所などの機能を集約した複合施設の整備を計画。小川支所、総合交流センター、小川診療所、放課後児童クラブの四つの機能を集約し、防災機能の強化や子育て環境の構築などを図る▼同町によると、施設の利用者らが地域の歴史を感じられるよう、小川炭鉱のレンガと、救沢(すくいざわ)念仏剣舞の袴の模様をモチーフとしたデザインも検討しているそうだ。デザインに工夫を凝らすことにより、多くの人々に施設を身近に感じてもらいたいとしている▼昨今、地方部の人口減少や少子高齢化の進行などが話題になることが多い。県内のさまざまな地域では、今後も、施設の複合化などが進むことが予想される。地域の拠点性を高めて、人が集い、定着する―。地域の独自色を持った魅力ある拠点整備に期待したい。
●つむじ風 5月15日
 気象庁は10日、エルニーニョ現象が近いうちに終息し、一方で夏から秋にかけてラニーニャ現象が発生する可能性が次第に高まる見込みだと発表。日本への影響に注意を呼び掛けている▼ラニーニャ現象が発生すると、西太平洋熱帯域の海面水温が上昇し、積乱雲の活動が活発となる。日本付近では、夏季は気温が高くなる傾向にあり、冬季は気温が低くなる傾向があるという。本格的な暑さを前に早めの熱中症対策が求められる▼消防庁は、4月29日から5月5日までの全国の熱中症による救急搬送人員は664人と公表。現場などでも割合は少ないものの16人が搬送されている。本県は12人で前年同時期と比べ5人増加し、内訳は高齢者9人、成人2人、少年1人。発生場所を見ると、住居5人、公衆(屋外)3人、道路2人などとなっている▼厚生労働省は、熱中症ガイドの中で、携帯用の応急手当カードを紹介している。その中で、「いつもと違うと思ったら119番。救急車到着まで、作業着を脱がせ水をかけ、全身を急速冷却」を呼び掛けている。忘れずにいたい。
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