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2020年
5月31日(日)
13:36

コラム集

●つむじ風 5月29日
 先ごろ開かれた県建設業協会の定時総会で、会長職のバトンが木下紘氏から向井田岳氏に手渡された。木下前会長の任期中には台風10号、台風19号と2度の大災害が発生。建設業界のトップとして行政機関と連携し災害対応に努めた。副会長と兼務で盛岡支部長を務めていた13年度には、8月豪雨災害に迅速に対処するなど、災害対応のエキスパートだった▼ここ何代かの建設業協会のトップの顔ぶれを振り返ってみる。公共投資の最盛期に望月茂氏、公共事業や建設産業の存在意義が問われた時代には宮城政章氏、東日本大震災という未曽有の国難にあっては宇部貞宏氏、復興期における二度の台風災害という非常時の木下氏。その時々の建設産業を取り巻く社会情勢との符号が見て取れる▼単なる偶然、強引な後付け、何とでも言えるだろう。それでもやはり時代は人を選んでいる。今年は復興・創生期間の最終年度。さらにはアフターコロナ、ウィズコロナという混沌とした社会情勢。向井田新会長の下、県内建設業はどのような時代を生き抜いていくのだろうか。
●つむじ風 5月28日
 地域防災力の強化へ、横軸の道路整備計画が動き出す。東北地方整備局三陸国道事務所は、一般国道106号宮古盛岡横断道路「田鎖蟇目道路」(宮古市、延長7・2㌔)に新規で事業着手する。田鎖蟇目道路は、防災機能の強化などを目的とする自動車専用道路。20年度に調査設計に入る▼田鎖蟇目道路は、同事務所が施工中の宮古盛岡横断道路「蟇目~腹帯地区」と、県が整備した「宮古西道路」(供用済み)を結ぶ区間。将来的に宮古盛岡横断道路の一部をなすこととなり、救急医療体制の強化などにつながる▼国道106号は急峻な地形を通り、河川が並行。16年台風10号の際には、道路決壊に伴う全面通行止めが発生した。当時は大幅な迂回が必要とされ、宮古・盛岡間のアクセスに通常の2倍ほどの時間を要した▼田鎖蟇目道路は、復興庁の財源措置ではなく、通常事業による道路改築の位置付けになるそう。ただ、近年は台風など自然の猛威に振り回されることも多い。将来世代に活用される安全な道路とするためにも、整備促進に寄せる地域の声が重要になる。
●つむじ風 5月27日
 岩手県警察がまとめている交通事故発生状況。25日現在の速報値を見ると、件数は前年比べ18%減の625人。一方、死者は21人で同16・7%増。県警では、今年発生した死亡事故の約7割は、車線をオーバーする単独衝突や正面衝突の事故と指摘している▼緊張感を持った安全運転を呼び掛けるとともに、運転手に対しては▽横断しようとする歩行者がいないことが明らかな場合を除き、停止できる速度で進行する義務がある▽横断しようとしている人や横断中の人がいる場合は必ず停止―というチェック・ストップ運動の実施を求めている▼さらに歩行者に対しては、STOP(止まる)、SEE(見る)、STAY(待つ)―の3S運動の徹底を呼び掛けている。県内59カ所で指定している安全モデル横断歩道をホームページの中で公表している▼ここ数日、寒暖の差が大きい。暖かくなると、運転者ばかりでなく歩行者も気が緩みがち。ハンドルを握る運転者にとって、交通ルールを知らなかったでは済まされないもの。社内で確認するとともに、改めて徹底したい。
●つむじ風 5月26日
 新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の解除を受け、本県でも臨時休業していた公共施設や観光施設が順次再開している。感染症予防対策に取り組みつつも、地域経済に少しでも活気が戻ればと思う▼25日には、休館していた高田松原津波復興祈念公園の、東日本大震災津波伝承館や道の駅「高田松原」、国営追悼・祈念施設の主要施設が再開。道の駅のスタッフによれば「まだ、訪れる人はまばら」とのことだったが、隣県からの観光客の姿も見られ、徐々に休館前の雰囲気を取り戻しつつあるようだ▼一方で、祭りなどイベントの開催休止が相次いで発表されている。沿岸では今年の「釜石よいさ」や、陸前高田市の「うごく七夕」「けんか七夕」などの開催が見送られた。大勢の人が集まるためとはいえ、苦渋の決断だったに違いない▼こうしたイベントは、復興に向け地域住民に一体感を生み、被災地経済の活性化にも寄与してきたはず。今年の中止は非常に残念だが、来年改めて開催された際は、災害に負けない、市民の活気ある姿を見せてほしいと思う。
●つむじ風 5月25日
 11年の震災以後、国で復興道路や復興支援道路、県で復興支援道路に位置付け、多くの路線が整備されてきた。多くの区間で供用となり、残る区間も今年度中に供用を予定する個所が大半となっている▼新たな路線が整備され通行が快適になった一方で、快適になったことで新たな弊害が生じている個所もあると聞く。さらに措置を講じる必要がある個所もあるようだ▼2年ほど前に供用となった一関市の国道284号室根バイパスでは、路線で凍結しやすい個所があり、供用した年の冬には凍結路面でのスリップとみられる多重事故が発生。供用前に地元住民らが同バイパスを見学した際にも、「冬場は運転が怖いかも」といった声が聞かれたが、心配が現実になった。県では今年度、同バイパスの2カ所に、消融雪施設の設置を計画している▼改良後も利用状況の把握や利用者の声をしっかり聞くなどして、新路線の効果を一層発現するための措置を講じてほしいと思う。加えて来年度以降も、まだまだ残る必要個所の道路改良が切れ目なく進められることが願われる。
●つむじ風 5月22日
 国土交通省は先ごろ、「建設業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を策定した。「三つの密」が生じクラスター感染発生リスクが高い状況となることを回避するための、各種対策を提示している▼従業員や作業員の体調管理、設備や機器類のこまめな消毒などは、従来からの延長線上で対応できると思われるが、内装仕上げや設備工事など室内作業における工事エリアごとの区画設定、狭い場所や居室における作業への入室人数の制限などの対策では、工程管理に一層の工夫が必要になるだろう▼ガイドラインの中には、対面による打ち合わせの削減に向けたウェブ会議や、メール・電話の活用なども盛り込まれている。建設現場におけるリモートワークの拡大と捉えるのは性急に過ぎるものの、これを機会に現場代理人の日常からの業務負担が軽減されることを期待したい▼現状ではやむを得ないが、現場見学会の開催は控えることになりそうで、少々寂しい感じがする。ウェアラブルカメラを活用した「リモート現場見学会」なども一つの手か。
●つむじ風 5月21日
 台風1号が日本に接近した影響で、本県でもここ数日、雨が降り続いている。5月に入ってからの台風発生は例年に比べ遅く、それが日本に接近したのは4年ぶりとか▼世界中で猛威を振っている新型コロナウイルス。自粛効果もあり、39県で緊急事態宣言が解除された。大都市圏の感染者も日に日に減少している。日本の高温多湿な気候も、今後のコロナウイルス感染抑制の後押しになると期待したい▼近年、多くの台風が列島を直撃し、各地で大きな爪痕を残している。昨年の台風19号は、東日本一帯に甚大な被害をもたらした。ただ今年は、例年と状況が異なる。気温が下がり始める台風シーズンに再度、新型コロナウイルスが感染拡大期を迎えているかもしれない▼避難場所となる学校の体育館などは、耐震化や吊り天井の落下防止などが計画的に進められている。安全度は向上したが、台風などの自然災害と、新型コロナの感染拡大期が重なる可能性もある。例えば被災者同士を遮るつい立てなど、新たな資機材が必要にならないか。秋まで残された時間は少ない。
●つむじ風 5月20日
 新型コロナウイルスのPCR検査について厚生労働省は、新たな相談の目安として、「37度5分の発熱が4日以上」としていた表記を削除した。毎朝測定している自宅での体温、心拍数、血圧の記録は続けている▼学生時代に体温や脈拍の数値をノートに記入。傾向が分かりやすいように定規で各数値を結ぶものの、ボールペンのインクでノートが黒くなったのを覚えている。今では、スマホのアプリで数値を入力すると、自動でグラフ化や平均まで算出してくれる▼約1カ月の測定の平均を見ると、体温が35度5分前後、脈拍は下が70・上が110mmHg、脈拍は50前後といったところ。グラフは、ほぼ同じ時間に測定しているのだが、予想以上に日によって異なる。体が疲れていると感じている時や夜更かしをした時に測定した数値は、高い傾向にあることが分かった▼数日前には汗ばむほどの陽気が、肌寒い日に一変。新型コロナウイルスの影響も重なり、ストレスにより心や体に思わぬ変調をもたらす可能性もある。改めて、日々の体調管理と健康観察に努めたい。
●つむじ風 5月19日
 県内では初夏の日差しの下、各地で本格的な田植えシーズンに入った。先週初めは風の強い日もあったが、以降は穏やかな天候となり、作業もはかどった様子。新緑に映える早苗の景色は、見る者を清々しい気持ちにさせてくれる▼県南の郷里で稲作を営む知人からは、「今年は雪が少なかったからな」と、水不足を心配する声も聞かれた。作付面積がさほど広くないため、「米だけでは暮らしていけない」というが、それでも米作りは水の管理など手間が掛かるもの。収穫期まで天候に恵まれてほしいと思う▼国内では、11日に沖縄地方が梅雨入り。九州地方では先週末、前線の影響で大雨となったエリアもあり、土砂災害への警戒が呼び掛けられている。東北地方も次第に梅雨入りとなっていくのだろうが、昨今は雨の降り方も変化しており注意が必要だ▼本県にとって農業は主要産業の一つ。将来にわたり農業を活性化させていくためにも、今後の気候変動を予測し、ため池や用排水施設など生産基盤の点検・整備を図っていくことが求められるだろう。
●つむじ風 5月18日
 建設事業の整備計画を取材していて、「新型コロナウイルスの影響でスケジュールが変更になる可能性がある」と伺うことが多くなってきた。業界団体の総会シーズンを迎えているが、今年度の事業は新型コロナウイルスの状況次第な部分もあるだろう。団体によっては、総会資料に「状況により事業の実施可否や延期、規模縮小などに対応する」との文面も目にし、業界にも着実に影響が出てきている▼建設業は、景気動向の影響を最も受けやすい業種の一つとされる。今回の状況で景気動向が悪くなっていくことで、仕事量の減少に拍車がかかることが懸念される▼景気動向の影響を受けやすい反面、建設業の業績を良くすることが、経済活性化に即効性のあるものになるとの考え方も聞く。その点も訴えながら建設事業の確保について、業界を挙げて求めていくことも有用に感じる▼震災以前には、各業界団体で整備必要個所を調査するなど、自分らの手で仕事量を確保するための活動を行っていた。いま一度そのような活動を、活発にすることも必要な気がする。
●つむじ風 5月15日
 新型コロナウイルス対策のため最前線の現場で働く人たちに向けて、毎週金曜日正午に感謝の拍手を送る「フライデーオベーション」。4月から国内でもこの運動が始まり、本県では矢巾町が今月1日からスタートしている▼岩手医科大学がある町としては、医療・看護関係者らへの感謝の意を示すことは極めて自然な行為なのだろう。金曜日正午に町役場や町内企業などで30秒間の拍手を送っているほか、JR矢幅駅とその周辺に、町建設業協議会などが横断幕を設置している▼町建協の横断幕は駅西駐車場側にあり、矢幅駅を利用する関係者がホームから目にすることができる。町建協の佐々木和久会長は「人々の命と暮らしを支えるため、多くの人たちが頑張ってくれている」と、すべての関係者への感謝の意を示している▼建設業も災害時おいて住民の生命と財産を守るために最前線で働く立場であり、存在自体がインフラの一つ。医療、看護、消防、救急などと比較しても、重要性は何ら遜色ない。その矜持を持ちながら、いまは医療関係者らをサポートしたい。
●つむじ風 5月14日
 東日本大震災で被災した漁港施設の復旧・復興事業が一区切りとなった宮古市。今後、震災の影響で休止となっていた通常分の事業を進めていくこととなる▼漁港整備事業では、津軽石漁港において新たな防波堤を整備する計画で、20年度に第1弾の基礎工事に着手する。同漁港では、海側からの波浪に対する防波堤を整備済み。今回新設するのは、西側(内陸側)からの風・波への耐波浪性を高める防波堤となる。小堀内漁港(摂待地区)などの防波堤かさ上げなどについても、計画的に進めていく▼漁港施設等機能保全事業では、浦の沢漁港など3漁港を対象に、施設の長寿命化に向けた補修計画をまとめる。市管理漁港19港のうち、16港の機能保全計画は策定済みとなっており、20年度実施の業務により一通りの調査が完了する▼これらの漁港は、ワカメやコンブ、ウニ、アワビなどの産地。将来を見据えた施設整備や適切な維持管理は、地域のなりわい・まちの活力を支える。三陸の味覚を岩手のみならず、全国・世界へと届けることにもつながっていく。
●つむじ風 5月13日
 復興庁は、東日本大震災の発災から10年目を迎えることを踏まえ、「東日本大震災発災10年復興発信事業」を実施する。東日本大震災の復興支援に取り組んできた民間団体等が対象で、締め切りは6月22日まで▼同事業は、復興庁より委託を受けた㈱JTBが受託者として事務局を行う国の事業。支給総額は2100万円程度を想定。これまでの復興に際し、復興支援のノウハウ・課題や、各地から寄せられたさまざまな支援に対する感謝の意を、諸外国を中心に発信することを目指す▼事業例として、▽被災者支援等の活動により得られたノウハウを諸外国に共有するための広報活動▽防災対策に係わる住民への広報手法等に関するノウハウの共有▽防災教育を軸とした教育旅行に関するノウハウの共有▽諸外国から受けた支援に対する感謝のメッセージを伝える広報活動―を挙げている▼先行き不透明な中で、模索しながら進めていくことになるだろう。東日本大震災後の自然災害や新型コロナウイルスなどを経験し、新たな形で感謝を伝える機会となることを期待したい。
●つむじ風 5月12日
 陸前高田市は、震災での仮設団地を一部残し、被災者の暮らしを体験してもらう施設として整備する。先月末には、整備に係る設計を入札。今後、年度内の完工に向け準備が進められていく▼体験施設として残す住宅は、旧米崎中学校にある神田仮設団地(全18棟)のうちの2棟。同校グラウンドは地域で活用するため、グラウンド周りに配置する方針だ。仮設のため、常設には基礎工が必要となることから、曳家(ひきや)で移動し整備する予定としている▼体験施設は、同市や大学などが実施する防災・減災プログラムでの活用を想定。プログラムの参加者に、実際に泊まってもらい、仮設での暮らしがどのようなものか知ってもらうことが、ねらいとなっている▼同校敷地内には、18年西日本豪雨の被災地で、災害救助法に基づく応急仮設住宅として、日本で初めて採用された移動式木造住宅「ムービングハウス」も設置されており、新旧仮設の比較もできそうだ。リアリティーのある防災学習を通じ、応急仮設の在り方や課題について考えられる施設になればと思う。
●つむじ風 5月11日
 仕事柄、社用車での移動時間が長く車内でラジオを聞く機会も多い。ラジオを流している職場もあるだろうし、作業しながら流している工事現場もあるだろう▼ラジオ業界もまた、岐路の時期を迎えているとされ、閉局する局が増えているようだ。ネット配信サービスにより全国のラジオ局の番組を聴け、聴取率の分析も容易になり、各局の取り組みが一層重要になるなどの予測がなされている▼時代の変化を察知して、順応した企業活動をしていけるかが、生き残りに必須なのはどの業界も同様。建設業界では、ICT、週休二日制など課題を多く抱えるものの、業界を上げ課題解決に取り組んでいかなければ、今後の生き残りは難しくなる▼震災関連の復興事業が終盤を迎えていることに加え、新型コロナウイルスを起因とした情勢など、今年度はさまざまな面で変革の年となることも考えられる。年齢を重ねるにつれて、フットワークが鈍くなり変化への対応も億劫になりがちではあるものの、仕事、プライベートでもあまり敬遠することなく取り組んでいきたい。
●つむじ風 5月8日
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が、31日まで延長された。新型コロナウイルス感染症対策専門家会議からは「新しい生活様式」も示され、本県でも「新しい生活様式」の実践を通じて感染拡大の防止と社会経済の維持を両立させるとしている▼「BC」「AC」という言葉を最近よく耳にする。「BC」「AD」(紀元前・紀元後)の間違いかと思っていたが、「Before・Corona」「After・Corona」(コロナ前・コロナ後)とのこと。新型コロナウイルスの蔓延を境界線にした、資本主義のあり方や社会構造の大変化という意味らしい。ミクロな観点で言えば「新しい生活様式」も、コロナ後の社会構造の一つと考えられる▼生活様式が新しくなれば、住まい方や人の動き方も変化する。必然的に、求められる国土の姿や社会資本の姿も違ったものになっていく。これが新しい土木的な都市開発につながるか、あるいは電気や空調など設備工事が主軸となっていくか。建設業も「コロナ前・後」で変化していくのだろうか。
●つむじ風 5月7日
 例年なら、春の大型連休明けは、行楽疲れでなかなか仕事に身が入らないという状況になりがち。今シーズンは連休中、家の中での生活がメーンで、例年とは違った気持ちで連休明けを迎えた読者も多いかと思われる▼「GW」を今シーズンは「我慢ウイーク」とやゆもされているが、もうしばらく「我慢」の日々は続く。自粛が続けば、さまざま影響が出てくるだろうが、どんなに長く寒さの厳しい冬でも春の来ない冬はない。4月は下旬を中心に寒い日々だったが、5月に入り暖かさも日に日に増してくるに違いない。気候とともに、コロナ禍の好転も願わずにいられない▼総会シーズンとなる今月だが、書面議決のみを予定している業界団体が多く見受けられる。三密を避けるよう入念に対策を講じた上で総会を開き、総会後の懇親会を自粛する業界団体も多いと思われる▼総会での改選により、新役員の顔ぶれが大きく変わる業界団体もあるだろう。今後の状況が見通せないのは厳しいが、気持ちを新たにして、活動を活発化できる時に向けて備えておきたい。
●つむじ風 5月1日
 本県を代表する地ビールメーカー㈱ベアレン醸造所。「いわて働き方改革AWARD2019」最優秀賞を受賞するなど、本県における働き方改革のトップランナーとしても知られている▼イクボス宣言による子育て支援にも早くから取り組み「小学校までの子に対象を延長した所定外労働時間の制限、短時間勤務制度の導入」「出産・介護による離職者の再雇用の制度化」「育児や介護での復職時に有給休暇を30日間プラス」などの制度を導入。男性の育休取得100%宣言も行っている▼同社の嶌田洋一専務取締役は、「短期的には必ずしもプラスだけではないが、経営者が長期的な視点に立ち、ぶれずに取り組むことが大切」と話す。経営者が覚悟と意思を明確に示した上で具体的な施策を現場スタッフに任せ、承認・助言する姿勢も重要と思われる▼工場やレストランなど幅広い部門を有する同社の事例は、建設企業にとっても参考になりそうだ。今年のGWは「ステイホーム週間」。地ビールを楽しみながら、各社の働き方改革を考える時間に充ててみては。
●つむじ風 4月30日
 国土交通省や内閣府などが主催し、防災・減災の取り組みの一環として、毎年5月を水防月間と定めている。今回のリーフレットには、中央部に「“事前の備え”で想定外にも対応せよ!」と記されている▼期間中には、関係機関と協力し、各地域で水防訓練や水防団などと河川管理者による合同巡視などさまざまな取り組みを実施している。今年度は、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を踏まえ、総合水防演習に関しては、実施を見送るという▼近年、地球温暖化の進行に伴い、前例のない巨大台風や集中豪雨による水害の発生リスクが高まっている。リーフレットでは、いつ起こるかもしれない、「もしも」の時に備えて、防災に対する意識を持つこと、日ごろから水害に対する準備や対策を強く求めている▼リーフレットには、「あなたの備えは万全ですか?」とも。事前の備えとして、ハザードマップの確認を強く呼び掛けている。このような時期だからこそ、改めて過去の洪水を学ぶとともに、会社や自宅、現場周辺のハザードマップについても確認したい。
●つむじ風 4月28日
 19年度から県立大槌高校と大槌町が協働で展開している、同校の魅力化推進事業。入学者の確保が喫緊の課題となる中、多くの中学生が通いたくなる学校を目指し、さまざまな取り組みが進められている▼同校では、19年度の入学者数が42人と、08年度比で65%も減少。生徒減による統廃合で高校が町内から無くなれば、億単位の経済的損失や働き手の減少など、地域にとって大きな痛手となることが指摘されている▼高校の安定的な存続を図るため、同校の魅力化推進事業は行政の後押しを受け、19年度に始動した。生徒らが掲げた魅力化コンセプトは「大海を航る、大槌(ハンマー)を持とう」。ハンマーには「強み」という意味を込め、自分の強みを見つけられる学校にしていくことを目標に据えている▼事業では昨年度、大槌の将来像や課題について探る「三陸みらい探求」など、生徒が地域を舞台に学ぶ活動を展開。今年度の入学者が増えるなど徐々に成果も見え始めているようだ。将来を主体的に生きる人材の育成が、まちの魅力づくりにもつながればと思う。
●つむじ風 4月27日
 先週は明け方にやや強い地震が発生、先々週は週末に大雨や洪水警報が発令される雨に見舞われた地域が生じた。幸い大きな被害は発生しなかったものの、自然災害の怖さを改めて感じる機会となった読者も多かったのではないだろうか▼内閣府が公表した日本海溝・千島海溝沿いで巨大地震が発生した場合の津波高や浸水域の推計では、本県で最大30㍍近くの津波が想定されるなど、甚大な被害になると推計されている。今後、ワーキンググループを設置し、20年度中に提言をまとめる見通しだ▼コロナ禍の中で災害が起きた場合の対応について、多くのメディアでも取り上げられている。避難所では三密が懸念される状況だが、さまざまな考え方があるように見受けられる。特にも水害に関しては、居住地のハザードマップなどをしっかり把握した上で、状況によっての在宅避難を提唱する有識者もいるようだ▼いずれ、生命を守るためにも「想定外」で対応できないで済ますことは許されない。あらゆる事態に備えて、方針を検討しておくことが求められる。
●つむじ風 4月24日
 県内建設業における19年の労働災害による死傷者数(確定値)は256人。前年から13人、増減率で4・8%の減と、2年連続で前年を下回った。死亡者数は、前年から3人減少しての6人。3年ぶりに前年を下回ったが、全産業の死亡労働災害の75%と高い割合を占めているのが気になるところだ▼県は先ごろ「県における建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する計画」を策定した。いわゆる「職人法」に基づく県計画として一人親方等を含む建設工事従事者の安全と健康の確保に関する施策を整理したもので、盛り込まれている施策は既存のものが中心であるが、県、岩手労働局、業界団体による具体的な取り組み事項を記載している点が県計画のポイント▼復興需要の一段落が見られつつも、台風10号の工事は最盛期にあり、台風19号の復旧工事が本格化するなど、沿岸部を中心に工事の輻輳が予想される。県計画にあるように、発注者、労働行政、建設業界がそれぞれ果たすべき役割を果たすことで、建設現場における労働災害と健康障害の防止に努めたい。
●つむじ風 4月23日
 主要地方道盛岡和賀線の花巻市轟木地区に整備を進めている道の駅「はなまき西南」が、県内34番目の道の駅に登録された。オープンは今秋。20日には、花巻市役所で登録証の伝達式が行われた▼盛岡和賀線は、花巻温泉郷や花巻南温泉郷など、花巻を代表する観光地へのアクセスルート。しかも同路線沿いには、これまで道の駅はなかった。新型コロナの感染拡大防止に向けて緊急事態宣言発令中のため、地域間の交流は閉ざされているが、新型コロナを制する時は必ずやって来る。温泉郷への玄関口として、道路利用者に愛される施設となるはずだ▼第1回道の駅が登録されたのは、今から27年前の1993年。県内では、同じ花巻市内の道の駅「石鳥谷」(当時は石鳥谷町)が登録を受けた。第52回登録の13カ所を加え、今や全国で1173カ所を数える▼道の駅「石鳥谷」では現在、30周年のリニューアルオープンを目指し、施設再編に向けた作業が進められている。初登録から四半世紀。道の駅は「地方創生・観光を加速する拠点」として、新たなステージを迎えた。
●つむじ風 4月22日
 東北地方整備局や本県などで構成する震災伝承ネットワーク協議会が募集している東日本大震災の事実や記憶、経験や教訓を伝える「震災伝承施設」。国土地理院が提供するウェブ地図・地理院地図上で、それら施設の掲載を始めた▼地理院地図は、空中写真や標高地図など様々なコンテンツを提供している。それらのコンテンツに震災伝承施設の所在地や情報が示され、周辺がどのような地形に囲まれ、当時どのような状況であったかを確認。現在までにどのように環境が移り変わってきているのかも学ぶことができる▼さらに、スマートフォンやタブレットなどの位置の追従機能を使えば、現地で場所ごとの標高とその変化も分かる。現在、224件が地理院地図上に表示され、今後も新規の震災伝承施設を定期的に追加していく予定▼現地に足を運び五感を通して感じてほしいとの思いはあるものの、新型コロナウイルスの影響を考えれば、不要不急の外出は控えなければならない。まずは、遠く離れた場所から、震災を知り教訓を学べるツールとして活用したい。
●つむじ風 4月21日
 釜石市が市中心部の海沿いに、盛土などで整備していた避難路(通称・グリーンベルト)が、今月から利用可能となった。今回の完成で、港周辺から高台まで最短で避難できるルートを確保。災害時の津波低減効果にも期待が寄せられる▼グリーンベルトは、同市港町の釜石港湾事務所周辺から同市浜町の市営釡石ビル前交差点までの延長約750㍍。高さは標高8㍍から12㍍で、堤状の盛土部分や陸閘の上部が避難路になっている。市道などからの上り口としては階段6カ所、スロープ5カ所が設置されている▼普段は遊歩道として利用されているため、現地では市民がマスク姿で散歩する様子も見られた。実際に歩いてみると、同事務所周辺から浜町の高台にある緊急避難場所まで10分ほど。港湾利用者などにとって、津波発生時の安全安心の拠り所となるだろう▼グリーンベルトは、釜石港の湾口防波堤や防潮堤と合わせ、多重防災の一翼を担う施設にもなる。避難路を整備するに至った経緯や、津波防護の考え方など、震災の教訓を伝える象徴になればと思う。
●つむじ風 4月20日
 世界的な名医が遠く離れた場所から手術を行い、多くの難病患者が救われる│。未来の技術として紹介されていた事例が、今春から運用開始の5G(第5世代移動通信システム)により、実現や普及へ着実に近づいてきた▼5Gの主要性能の一つが、通信のタイムラグが大幅に少なくなる「超低遅延」。リアルタイムでの遠隔操作が可能となり、自動運転でも信頼性が向上するとされる。新型コロナウイルスの感染防止に向けた緊急事態宣言で、不要不急の外出自粛などが要請される事態だが、こうした事態にも5Gの性能は効果を発揮することが考えられる▼5Gによる遠隔操作は、建設業界でも実験が始まっている。工事現場への行き来が減ることなどにより、担い手確保などへ大きな期待が寄せられる▼以前、遠隔操縦式バックホウを操作するオペレーターに話を伺った際、「モニターのみでの作業は、バケットの位置がつかみづらいなど相当難しい」と話していた。新たな技術を使いこなすには、経験の積み重ねが重要。少しでも早い本格運用、普及が願われる。
●つむじ風 4月17日
 「国でも新型コロナウイルス感染症の蔓延時期における避難所マニュアルがない」。14日に開かれた県と市町村との新型コロナウイルス感染症対策に係る意見交換会の席上、県の担当者から出た一言。三密を避けての避難所運営、きめ細かな観察や必要に応じての個室対応などの方策が示された▼今月7日に内閣府などから出された事務連絡「避難所における新型コロナウイルス感染症への更なる対応について」を見ると、可能な限り多くの避難所の開設、衛生環境の確保、症状が出た人のための専用スペースの確保など、9項目が挙げられている。避難者が発症した場合には「保健福祉部局と十分に連携の上で、適切な対応を事前に検討すること」とある▼いずれにせよ、日常からの基本的な対策の徹底こそが肝要ということか。建設業界が避難所に直接関与するケースは少なそうだが、発電機や資機材の提供などでの出入りや避難所から復旧現場に直接向かうような事例は容易に想定される。「非常時が日常」の建設業界。日頃からの備えが一層重要になる。
●つむじ風 4月16日
 軽米町役場や県立軽米高等学校では、同町出身の人気漫画家が描いたキャラクターたちのポスターが出迎えてくれる。漫画ファンの人気スポットの一つになっているのではないか▼同町の話によると、夏祭りではその漫画に関連するフォトロケーションが毎年企画されているとのこと。舞台・モチーフとなった場所を巡りながら、記念写真を撮影したり、食事をしたりして楽しむというイベントだ▼同町は、まちのにぎわい創出に向けて、ホールや図書館などを備える(仮称)かるまい交流駅を建設する。20年度から、いよいよ工事に取り掛かる。車を運転できない子ども・お年寄りが歩いて行ける施設。交流・学習の場、憩いの空間としての利用が期待される。同町は漫画に関連する何らかのスペースも設けたいとしており、ファン同士の交流にも期待を寄せる▼人口減少下の自治体はまちの活性化を図ろうと、工夫を凝らしている。まちの広がりにつながる施策が大切に。自治体のキャラクターを見つけ、持ち味を外に発信・表現することが鍵になるだろう。
●つむじ風 4月15日
 国土交通省は、総務省や文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、日本機械工業連合会と共催で「第9回ロボット大賞」の募集を開始した。第8回の国土交通大臣賞には、東北大学や国際航業㈱などによるドローンを用いた火山噴火時の土石流予測システムが選ばれている▼ロボット大賞は、社会に役立っているロボットを表彰する観点から、実績のあるものが主な対象。だが、将来の市場創出への貢献度や期待度が高いなど、今後の社会に貢献することが期待されるロボットも対象▼応募者は、ロボット等の用途により、ロボット本体、高度ICT基盤技術、研究開発、人材育成、ものづくり、社会インフラ・災害対応・消防などの部門や分野から選択することができる。応募書類の提出は6月5日まで▼コロナ禍の中、「接触機会を減らすことで感染者が減少する」と呼び掛けている。必要は発明の母。ロボット本体やロボット関連技術は、接触機会の減少につながる可能性があるのではないだろうか。この難局を切り開く光が生まれることを期待したい。
●つむじ風 4月14日
 陸前高田市の中心市街地に完成し、13日に一般供用を開始した市民文化会館。11日の開館記念式典では、関係者らがテープカットなどで、新たなまちの顔となる拠点施設の完成を喜び合っていた▼施設の愛称には、市が公募した865作品の中から、最優秀賞の「奇跡の一本松ホール」が付けられた。式典では、最優秀賞に選ばれた広田小学校3年の高橋琉唯君が、「奇跡の一本松と同じように、会館にもたくさんの人に来てほしいと思い考えた」と、ネーミングの由来を語っていた▼戸羽太市長も式典のあいさつで、会館と周辺施設を連携させた、街中のにぎわい創出に期待を込めていた。一方で新型コロナウイルスの感染予防のため、近接する高田松原津波復興祈念公園内の震災津波伝承館や道の駅「高田松原」、国営追悼・祈念施設が、12日から5月6日まで休館となってしまったことは残念な限りだ▼一日も早くウイルスによる混乱が終息し、会館が復興のシンボルとして、市内外からの自由な交流を生み出し、中心部に活気をもたらすものになればと思う。
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