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2019年
7月18日(木)
10:27

コラム集

●つむじ風 7月18日
 「森と湖に親しむ旬間」が21日からスタートする。森林や湖に親しみ心と体をリフレッシュしながら、森林やダムなどの重要性を広めることが目的で、全国各地でダム堤体内や水源林の見学会などのイベントが開催される▼28日には、恒例の「盛岡・北上川ゴムボート川下り大会」が開催される。梅雨前線が北上する時期だけに、雨のため中止になったこともある。今回は盛岡市制施行130年の記念すべき年でもあり、ぜひ青空の下で盛り上がりを見せてほしいものだ▼川は大地を潤し、作物の実りをもたらすとともに、かつては大量の物資輸送にも欠かすことができなかった。内陸に道路が整備され、物資輸送が車中心となる中で、人間と川との関わりも希薄になっていったような気がする▼だが川下り大会に参加する多くのボートを見ると、改めて人と川との関わり深さを感じずにはいられない。盛岡かわまちづくり事業では、舟運の本格運航に向けて社会実験なども行われている。三つの河川に囲まれる盛岡市。川が新たな観光の目玉として、役立つ日も遠くない。
●つむじ風 7月17日
 国土交通省が昨年11月に設置したインフラツーリズム有識者懇談会。2020年に向けインフラツーリズム魅力倍増プロジェクトを立ち上げ、モデル地区での社会実験や国内外への広報、インバウンド対応などに取り組む▼12日にモデル地区5カ所を選び発表した。東北からは、宮城県大崎市の鳴子ダムが選ばれた。同ダムは、日本人技術者により造られた日本初のアーチダム。周辺には温泉、名勝、史跡などがあり、農業遺産の大崎耕土も含めた流域連携モデルとなっている▼同省と林野庁は、毎年7月21日から同31日までを「森と湖に親しむ旬間」と定め、ダムや森林の役割について理解を深めてもらおうと、各地でイベントなどを展開。県内の多くのダムで県建設業協会とも連携しながらイベントを企画・実施している▼参加者にとっては、見て・聞いて・触れて…非日常を体感できる数少ない機会。企画・実施者としては、普段は意識することが少ない森林やダムなどが果たす役割を知ってもらう絶好の機会。参加者の逸る気持ちを前に、いかに伝えるかが重要となる。
●つむじ風 7月16日
 ここ数年でドローンが、さまざまな分野に活用され、広く認知されるようになった。施工現場では、ICT施工の一環で3D設計データの作成などに活用される。ICT施工まではいかなくても、日常的な進捗管理に使用する業者も多い▼建設業を体験する催しなどでも、バックホウなどとともにドローンの操作が実践されるようになってきている。ドローンを使用する職業の一つに、建設業を思い浮かべる人も多くなってきただろうか▼ドローンを活用する建設業者に、使用に際してのルールなど聞くと、対応はまちまちに感じる。操作する職員の限定、飛行条件の細かな設定、パーティの編成を義務付けるなど綿密にしている企業もあれば、簡単なルールのみを定める企業も見受けられる。備える装備品にも違いがある▼普及とともに、墜落事故などのドローンを起因としたトラブルも多くなってきている。今後、法規制などで操縦するためのルールが、さらに厳格化されることも考えられるが、事故防止へ社独自で詳細なルールを定めておくことも肝要に思われる。
●つむじ風 7月12日
 県建設業協会盛岡支部ではこのほど、県立盛岡工業高等学校に対して実習用の教材を寄贈。生徒たちの成長を願い、土木科には鉄筋と道路補修材、建築・デザイン科には木材を贈った▼同支部では、14年度から同校の2年生を対象とした合同就職説明会を実施しているほか、支部企業を紹介するパンフレットを作成するなど、担い手の育成・確保に向けた独自の事業を展開している。その成果もあってか、18年度は同校土木科から管内企業に就職する生徒数が県外を上回ったという▼今回の教材寄贈は、地元の企業が生徒たちを見守っているというメッセージを送ることにもつながる。学校側との信頼関係が一層強くなることも期待され、保護者に地元企業を意識してもらう機会も増えるかもしれない▼人材確保競争社会において、まずは全産業の中から建設業、続いて建設業の中から地元企業、最後に地元企業の中から自社が選ばれることは、いかに細い道の如くであるか。最後は企業努力になるが、業界団体として積極的なPRに努めることは無駄ではないだろう。
●つむじ風 7月11日
 県北広域振興局土木部二戸土木センターは、二戸市の都市計画道路荒瀬上田面線岩谷橋の架け替えを進めている。現地では仮橋の供用を開始し、新橋を施工中。市街地の中心部に位置する歴史ある橋梁として、市民からの期待も大きいのではないか▼新橋の橋長は約106㍍。計画幅員は16~19㍍(一部右折レーン設置)で、両側に3・5㍍幅の歩道も設置される。工事では1期、2期に分けて、橋桁を半分ずつ架け替えるイメージ。1期分の上部工は発注済みで、製作を進めている▼同センターでは、事業の見える化を積極的に進める意向だ。冨岡治安所長は「市民から注目されている橋。小学校の児童に現場を見ていただくなど、身近な現場をPRする取り組みを進めたい」と意気込みを語る▼日々、様々な業種で担い手が不足しているとの報道を目にする。人の定着は、地域の課題。一度遠くに離れても戻ろう、この場所に住みたいと思ってもらえるような取り組みが大切に。子どもたちには身近な現場とともに、まちの歴史を見つめ、地域への愛着を深めてほしい。
●つむじ風 7月10日
 気象庁は、地方公共団体防災担当者向け気象防災ワークショップ(WS)プログラムを公開。教材はこれまでの土砂災害編と中小河川洪水災害編に、このほど風水害編が追加された▼同庁のホームページから教材などはダウンロード可能。多くの情報の中から必要な情報の読み取り方や避難情報発令の判断など、行政ばかりでなく現場の最前線で行動する建設企業や建設関連団体にとっても参考になるのではないだろうか▼同プログラムは、静岡大学防災センターの牛山素行教授らが監修。牛山教授は、WSは達成感を比較的容易に味わうことができることから、「麻薬的な魅力がある」と指摘。「WSで交わされた議論や思考が、その次の取り組みにつながっていくことが望まれる(困難ではあるが)」などのコメントを寄せている▼「備えていたことしか、役には立たなかった。備えていただけでは、十分ではなかった」、「備え、しかる後にこれを超越してほしい」は、東日本大震災からの教訓。訓練のための訓練とならぬよう、次につながる取り組みにしたい。
●つむじ風 7月9日
 陸前高田市気仙町に建設中の道の駅「高田松原」は、先月28日に内部の工事を除く建物本体が完成。今後は、施設内に設ける県の震災津波伝承館や、同市の産直施設の整備に入る予定で、今秋のオープンに向け準備が進められていく▼道の駅は、高田松原津波復興祈念公園の中核となる(仮称)国営追悼・祈念施設エリアに再建されるもの。15年1月には、重点「道の駅」にも選定されている。施設隣に残る、震災の津波で被災した旧道の駅(タピック45)は、震災遺構として活用が図られていく計画だ▼内部に設置される震災津波伝承館(愛称・いわてTSUNAMIメモリアル)の展示テーマは、「いのちを守り、海と大地と共に生きる」。震災の実情と教訓を伝えることで、防災のあり方を国内外へ発信していく施設となる▼道の駅は、本県の南の玄関口に当たるため、三陸沿岸をはじめ県全体へ来訪者をいざなう役割も担う。9月開催のラグビーワールドカップも見据え、多くの人に「岩手」を知ってもらうためにも、開館に向け着実な整備が求められるだろう。
●つむじ風 7月8日
 山間部などを運転している際、斜面などにかなりの数のソーラーが設置されているのを目にする機会が多くある。ここ数年で規模の大きな太陽光発電施設が県内各地にも増え、太陽光を導入する一般住宅も増えた▼太陽光をはじめとした再生可能エネルギーの普及は、国の再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度などを起因に進んだ。ただ、買い取り制度が見直されることとなったほか、メガソーラーを巡る諸問題も出てきている▼岡山県では、全国でも珍しい県単位で、太陽光発電施設の設置を禁止する区域を定める条例が成立。土砂災害の恐れがある傾斜地などが区域で、安全性が確保できる場合には、例外的に知事が設置を許可できるものとなっている▼岡山での条例制定は、昨年の西日本豪雨で、太陽光パネルが損壊し、周囲へ被害が及んだことを踏まえてのもの。景観や災害などの問題、普及に向けたしっかりとした制度設計確立などの課題を抱えはするものの、自然環境面や新たな産業創出などへ果たす役割は大きい。議論を深めた上での普及が望まれる。
●つむじ風 7月5日
 先ごろ、20年度の県立学校の編成内容が示された。母校の再編や学級減などの動きを見ながら、時の流れにしみじみされた読者の方もいらっしゃるかと思う▼建設業との関連が深い工業高校の動きを見ると、一関工業高校が電気科と電子科を統合して電気電子科に、電気電子科と建築設備科を持つ宮古工業高校は宮古商業高校と統合して「宮古商工高校」となる。今回は土木系の学科に大きな動きは無いものの、今後も少子化が進展すれば、将来的には再編や廃止の対象になる可能性も否定できない▼建設業における担い手の育成・確保は社会的な要請。各社とも就職後のOJTや富士教育訓練センターへの社員派遣などで社員のスキルアップを図っている。今後は建設投資の右肩下がりが予測され、社員教育に時間もお金も掛けられない企業も増えていくことも考えられる▼人材育成の土台は学校教育。ましてや地域防災の一端を担う土木分野はなおさらだ。工業高校での土木部門の維持に加えて、県立産業技術短期大学校に土木科を新設するぐらいの発想がほしいところだ。
●つむじ風 7月4日
 県内は久しぶりの好天となっているが、梅雨前線が停滞する九州地方では、豪雨に見舞われている。滝のような雨が数日間続いている鹿児島市では3日午前、市内全域の約60万人に避難指示を出した▼24時間の間に「平年の7月1カ月分の雨」とは、聞くだけで身震いが止まらない。今後も雨が降り続く天気予報という。ここ数年、西日本は局地的な豪雨被害に見舞われてきた。人的被害が発生しないよう祈らずにはいられない▼今後、太平洋高気圧が強まり、前線が北上すれば、本県で同様の被害が発生しないとも限らない。温暖化の影響からか、北日本でも雨の降り方が変わった。滝のような豪雨に見舞われることも多くなった▼国は、北上川上流ダム再生事業に新規着手。四十四田ダムのかさ上げや御所ダムの操作の見直しなどにより、治水安全度の向上を図るとしている。同事業の早期完成を期待したい。同時に自分自身を含め、危機を前にして正常性バイアスに陥ったりしないだろうか。過去の被害事例を学ぶとともに、常に家族と対応策などを話し合いたい。
●つむじ風 7月3日
 国土交通省は、バリアフリー情報を含む歩行空間ネットワークデータを観光や防災など多方面に活用する方法を検討する。検討に向け、実証事業に協力できる自治体等の募集を今月1日から開始した▼歩道の段差や幅などをデータ化した「歩行空間ネットワークデータ」は、移動の負担が少ない観光ルートや状況・ニーズに合った避難ルートの選定など。観光や防災などの分野でICT化を進める手段の一つとしての活用も期待される▼具体的には、車いす使用者やベビーカー利用者が、出発地から目的地までのルートを検索。段差や幅員などのデータをもとに、それぞれの属性に応じて、通行できるルートを表示することが可能になるとか。紙の地図では表現できなかったことが可能になる▼ただ、データになりずらいやっかいな問題がある。画面を縦や横向きに持ち、眺めたり、話したり、操作したり…。真っすぐ歩いているようで、斜めに歩いている「歩きスマホ」の存在だ。歩行空間におけるせっかくの取り組みが、台無しにならないようにしていかなければならない。
●つむじ風 7月2日
 大槌町の新港町に完成した、おおつち地場産業活性化センター安渡地区研究棟。同町が農林水産物の付加価値向上のため、生産者らの加工・実証研究施設として整備したもので、今後、産業の6次化推進に向け活用が図られていく▼規模は、鉄骨造2階建てで、延べ床面積は約480平方㍍。施設内には、加工生産機能(食品製造スペース)や、試験・研究機能、貸室機能(チャレンジショップのスペース)、研修室機能(事業者などの研究・休憩スペース)を設置している▼町では施設を活用し、新産業の創出と新たな生産技術の確立を目指していく方針。新規事業者が事業に挑戦できる機能、第1次産業就労希望者の研修施設機能などを設けることで、人口の維持・増加、所得の向上につなげていきたい考えだ▼陸前高田市でも中心市街地に、チャレンジショップを整備。事業所や物販、飲食店舗が入居する予定となっている。被災地復興の新たな原動力を生み出すためにも、地元生産物の高付加価値化や、起業者を支援する取り組みを進めていく必要があるだろう。
●つむじ風 7月1日
 道路沿いの植物は、通行する上で支障となることも多い一方、きれいな花が咲いている様子は、ドライバーらの目を楽しませる存在にもなる。この時期には、アジサイなどが多く見られる▼一関市の県道相川平泉線沿いなどには、多くのアジサイが見られる。県建設業協会一関支部が04年に植樹したもので、その数は約1000本に及ぶ。近隣に位置する地域の観光資源「みちのくあじさい園」を生かしたもので、毎年、同園のオープン時期に合わせて管理しており、今年度も先日実施した▼アジサイの管理には、いろいろ大変な面があると聞く。苦慮しながらも、毎年の継続した管理で、今シーズンも元気に花が咲く様子が見られる▼「みちのくあじさい園」については、今シーズン6月29日にオープン。同園は国内最大級の規模とされ、約2㌔の散策路に約400種4万株ものアジサイが植えられている。今月28日までの約1カ月間、開園となる。近隣路線のアジサイとの相乗効果で、地元住民の癒しとなり、観光客誘致などへも一役買う存在となることが望まれる。
●つむじ風 6月28日
 1カ月ほど前の当欄で、砂防分野における研究者の人材育成が課題になっているという主旨の原稿を掲載した。土砂災害の防止や被害軽減に向けて、砂防の観点が重要になる一方で、大学教育における砂防分野の維持が困難になっているようだ▼災害時の適切な避難を促すためには、土砂災害に対する関心を高め、防災気象情報や避難情報などに対する理解を深めることが重要。行政と住民をつなぐ「通訳」を担う人材の育成が急務と思われる▼岩手大学の井良沢道也教授は、大学入学の前段階から砂防に対する関心を高める工夫や、長期間にわたって研究を継続できる環境づくりの重要性を強調。行政機関がバックアップしてのスペシャリスト育成の一環として、「砂防ホームドクター(仮称)」の制度創設も提唱している▼既往の土砂災害が少ない本県であるが、土砂災害危険個所数は1万4000カ所を超える。津波対策の基本的な考え方の一つである「防災文化の醸成と継承」は土砂災害でも同様であり、「砂防ホームドクター」は有効な取り組みと思われる。
●つむじ風 6月27日
 全国的な人口減少・高齢化の波を受け、地域の活力という視点が重視されるようになった。「コンパクト+ネットワーク」の言葉も浸透してきたように感じられる。まちの骨格となる存在は、道路だろう▼先ごろ、東北地方整備局三陸国道事務所の髙松昭浩所長にインタビューする機会を得た。髙松所長は、三陸沿岸道路が次々に開通を迎えていることに触れ、「仙台が日帰り圏内に入ってくる」「地域の思いが、首都圏から人を呼び込む力になる」と語っていた▼三陸地域に人を呼び込むための一つの工夫として、震災伝承施設「たろう観光ホテル」「田老防潮堤」が記された案内標識の設置が挙げられる。標識は縦1・4㍍、横3・2㍍のサイズで、道の駅たろう付近の入り口交差点などに設置されている。震災記憶の伝承などにも結びつくアイデアではないか▼三陸地域では、三陸沿岸道路の整備が最盛期を迎えている。地域住民らは、開通への期待を寄せていることだろう。「復興道路+震災遺構」を未来につなげ、地域の活性化や防災力の強化を図っていきたい。
●つむじ風 6月26日
 国土交通省は、河川上空を活用したドローンによる河川パトロールを実施するための検討や技術開発を推進中。物流等の民間事業者によるドローン利用の検討も進められている▼国交省は、河川上空をドローンの飛行経路として安全に利用・活用することを目的とした民間事業者との意見交換会を開く予定。現在、参加事業者を募集中で、締め切りは7月5日となっている。改めて、ドローンの可能性を感じさせる▼先日、土木建築分野に特化したドローンスクールが開校。同校の校長は、盛岡市内で建築業を営む社長。開校に向け講師を募集すると10人ほどが応募してきた。「本業で求人募集すると一人も応募がないのに、ドローン関係となるとこんなに応募があるものか」と複雑な表情を見せる▼ドローンからの映像は、これまでとは異なる角度から捉えることができ、建設業の魅力も違った目線で伝えることができるのではないだろうか。「きっかけはドローン」というエピソードが聞かれるかもしれない。建設業の魅力を伝える手段として積極的に活用していきたい。
●つむじ風 6月25日
 22日の開通で、宮城県気仙沼市から宮古市までが結ばれた三陸沿岸道路。7月に釜石鵜住居復興スタジアムで開催される「ワールドラグビーパシフィック・ネーションズカップ2019」にも間に合う形となり、会場までのアクセスルートとして大会の成功をサポートしていく▼開通式で、ラグビーワールドカップ(W杯)のアンバサダーを務める桜庭吉彦さんは、整備効果として「W杯開催地の釜石市や、県内各地の宿泊施設、交通拠点などを結ぶ安定した輸送ルートが確保できる」と期待しつつ、「人や物だけでなく、多くの人の心をつなぐ道路となってほしい」と、高速交通網を活用した被災地の復興に思いを込めていた▼三陸沿岸道路は今回の開通で、総延長359㌔のうち261㌔、7割超が開通。岩手分では213㌔中、開通区間は129㌔と6割に達した。県内では、南三陸国道事務所管内の整備が終了。今後は、宮古以北での工事に力が注がれていく。沿線自治体の連携を深め、復興をより加速させるためにも、1日も早い全線供用が求められるだろう。
●つむじ風 6月24日
 自宅の敷地に雑草が増えてきて、草刈りが週末の日課の一つになっている。除草剤をまいているが、次の週になると別な個所で生え始め、いたちごっこのようになっている▼道路沿線の雑草もだいぶ背丈が高くなってきた。草刈り作業は、建設業者が請け負う業務の一つだが、地域によって請け負う業者が決まりづらい状況になっているとも聞く。発注機関では、着実に請け負ってもらうため発注件数を増やして、1業者当たりの担当範囲を狭めるなどの対応も取っているようだ▼地元住民らが道路の維持管理の一部を担う住民協働による草刈業務も盛んになってきている。とある発注機関では、外部委託で実施している全草刈業務のうち、道路関連で7割程度が住民協働により実施されているという▼住民協働による草刈りには、さまざま課題もあるようだが、さらに広まっていく可能性もあるだろう。一方で、技術力を持ち、長年作業に携わる建設業者にこそできる部分も多くある。両者が請け負う部分の分担を適切に、より良い公共施設の維持につながればと思う。
●つむじ風 6月21日
 18年夏に県内建設関連業6団体で設立した「県建設関連業団体連合会」。同連合会は先ごろ、県に対する初めての要望を行った。県内企業への積極的な発注拡大などを要望し、業界課題の解決に向けた支援を呼び掛けた▼建設関連業は、建設業に先んじて復興需要のピークアウトが到来している。目立った新規投資が見込まれず、維持やメンテナンス関係の仕事が建設業の主流となれば、測量や用地補償などの仕事が激減することは不可避。加えてi-Constructionによって業際が溶解し、ICT施工の下請けに甘んじるのではとの危惧が地元コンサルにはある▼要望会には県土整備部長を筆頭に、県土整備部と農林水産部の職員が30人近く出席。関連する部局が多いということもあるのだろうが、出席した顔ぶれを見る限り、業界側の危機意識を受け止め、その声に耳を傾けるという姿勢を示したものと思われる。要望内容がどの程度施策に反映されるか未知数だが、連合会を立ち上げ、業界の問題意識を一本化した効果が出始めているのではないだろうか。
●つむじ風 6月20日
 トイレ関連会社6社による研究活動組織「学校のトイレ研究会」は、全国の自治体と小中学校を対象にアンケートを実施している。小中学校への調査で「学校施設のうち施設改善が必要な場所」として65%がトイレと回答したという▼特に学校でのトイレの失敗は後々、トラウマとなることが多い。医師へのアンケートで、学校でトイレを我慢することは「健康に悪影響を及ぼすことがある」と94%が回答したとか。いま家庭は洋式がほとんどで、和式トイレを経験する機会は非常に少ない▼酷暑が続く中、学習環境改善に向けて、全国の小中学校でエアコンの設置工事が進められている。国の1年限りの支援措置のため、今年度内に設置工事を終え、来年度から供用とする自治体も多い▼一方でトイレの問題は昔からで、一部の自治体では率先して洋式化を進めているものの、同研究会の調査が示す通り、計画的に進められているとは言い難い。学校施設全体の改築・改修の中で、トイレの改善に取り組むことが多いからなのか。学校のトイレ改善は、古くて新しい問題である。
●つむじ風 6月19日
 国土交通省は、毎年8月を「道路ふれあい月間」として、道路の愛護活動や道路の正しい利用の啓発などの各種活動を推進。活動の一環として道路ふれあい月間の推進標語を一般から募集した▼全国から4704作品の応募があり、11日に最優秀賞3作品と優秀賞6作品を公表。最優秀賞の小学生の部は「この道は 世界につづく ゆめとびら」、中学生の部は「真っ白な 地図に描こう マイロード」。一般の部は「ふるさとの 未来を託す 道がある」▼小学生の部の「ゆめとびら」という言葉からは新鮮な、中学生の作品からは力強い決意や可能性が秘められた印象を受ける。一般の部の最優秀作品に対し、ある委員からは「詠めば詠むほど味が出てくる」とコメントしている▼道路ふれあい月間内の8月10日は道の日。県建設業協会各支部や各社が道路清掃を行っている。真っ白な地図の状態から、道路の清掃活動に取り組み、毎年の活動として定着。その地道な活動が、世界につづくゆめとびらであり、ふるさとの未来を託すことにつながる活動であると信じたい。
●つむじ風 6月18日
 震災の津波により、約1・3㌔にわたる砂浜が消失した釜石市鵜住居町の根浜海岸。県では総延長450㍍、砂浜幅約30㍍の養浜整備を計画し現在、砂浜再生に向けた工事を進めている▼同海岸の砂浜再生事業は、2期に分け実施。計画では1期工事分として、養浜延長の3分の1となる150㍍、養浜砂1万4000立方㍍を、箱崎フィッシャリーナ側で整備。鵜住居川河口側には、防砂突堤1基も設置する。2期工事では残る突堤から1期工事エリアまでの養浜工300㍍、養浜砂2万6000立方㍍を整備する予定だ▼現在進む1期工事は、突堤部分などで鋭意、進捗が図られている。1期分については、9月開催のラグビーワールドカップまでの完了を計画。2期は今年度で工事に着手し、20年度の完成が見込まれている▼釜石市隣の大槌町でも浪板海岸で、県が砂浜再生事業を進めており、年度内で工事に入る模様だ。両海岸とも、地元にとって重要な観光資源となっているだけに、にぎわいの回復、地域の復興に向け、1日も早い再生が求められるだろう。
●つむじ風 6月17日
 岩手・宮城内陸地震の発災から11年となった。発災した瞬間に現地にいて、その後、業界の初期対応を目の当たりにした身として、未だ忘れることはない▼地震時に、応急対応などに当たった県建設業協会一関支部では、災害協定を結ぶ県や一関市、平泉町と毎年訓練を重ね、体制のさらなる強化を図っており、今年も10日に災害情報伝達訓練を実施した。同支部では、情報伝達の手段に災害情報支援システム(ASP)を活用している▼毎年の訓練で、情報伝達はよりスムーズに行われるようになっている一方、なかなか不備が改善しきれていない点、加えて新たな課題も生じている。システムにより慣れるため、触れる機会をもっと増やす必要性を指摘する声も聞かれる▼訓練を幾度と重ねている中であっても課題が見つかり、繰り返しの実施が大切に感じる。加えて、自然災害の頻度や規模、建設業界の状況など、刻々と変化している状況下、求められる対応が変わってくることも考えられる。しっかり対応できるよう備えていくことも必要になるだろう。
●つむじ風 6月14日
 先ごろ県庁で、達増拓也県知事と髙田昌行東北地方整備局長が懇談した。髙田局長は19年度中の復興道路と復興支援道路の開通見通しを示し、高速交通網の着実な進捗状況を紹介。またクルーズ船の寄港を生かした地域活性化に向けた期待を示し、港湾と道路の連携強化の必要性を説いた▼宮古│室蘭間のフェリー航路の開設、釜石港でのガントリークレーンの供用開始と外貿定期航路の開設については、復興計画策定時の想定を上回るインフラの整備効果と言われる。インフラのストック効果が適正に発揮された事例であり、さらなる社会資本整備や民間投資を呼び込む契機になることが期待される▼懇談の席では、地方におけるインフラ整備の必要性を内外に情報発信することの重要性についても意見を交わした。知事は花巻空港の国際定期便にも触れて「外国と沿岸がつながった」と表現。半導体や自動車製造業など、製造業への好影響に対する期待も示している。建設業界も「がんばろう!東北」などの場を通じて、経済団体と連携して情報発信していく必要がある。
●つむじ風 6月13日
 県沿岸広域振興局土木部岩泉土木センターは、16年台風10号災害からの復旧・復興事業に力を注いでいる。岩泉町内を流れる小本川と安家川の河川改修では、19年度に河道掘削や橋梁下部工工事を本格化する。砂防事業に関しても、19年度内に残る14カ所の堰堤工事を発注する予定だ▼小本川、安家川の現地を見ると、護岸ブロックが形をなし始めていた。橋梁の架け替え工事が本格的にスタートすれば、地域との調整や工程管理がより大切になるだろう。幹線道路の国道455号を走行すると、砂防堰堤の整備進ちょくが確認できる所も。安全な暮らしに直結する事業として、地域からの注目度も高いのではないか▼全国的に梅雨の時期を迎え、大雨や出水など自然災害への備えが重要だ。地域住民を守るためにも、ハード・ソフトの両面での対策が求められる▼住民からは河川・砂防事業などの早期完了が期待されている。地元建設業はハードの根幹を担うとともに、地域の変化などを察知する目を持つ産業。受発注者それぞれの目を生かし、事業を完遂させてほしい。
●つむじ風 6月12日
 平成30年7月豪雨、平成29年の九州北部豪雨、平成27年関東・東北豪雨、平成26年8月豪雨における広島県の土砂災害、平成25年8月の豪雨では本県でも…。近年、線状降水帯に伴う集中豪雨による土砂災害が頻発している▼政府は、国家プロジェクトと位置付けられている戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)による成果を活用し、「土砂災害危険度評価システム」を開発。国土交通省は、今出水期から、重大な土砂災害につながる可能性のある線状降水帯を早期に検知する機能を持つ同システムの機能検証に入る▼同システムは、▽気象レーダの強雨域の形状等から線状降水帯の形成を自動抽出▽線状降水帯による土砂災害危険度の表示▽各地域での土砂災害危険度の高まりを過去との比較により表示│などの機能を有する。各種情報を面的に把握できるのが特徴だろう▼リアルタイムで土砂災害発生危険度を把握することが可能となる同システム。システムの情報を国や県から市町村に正確・迅速に伝達し、住民の実効性のある避難の促進につなげたい。
●つむじ風 6月11日
 陸前高田市内で整備中の高田松原津波復興祈念公園。園内の震災遺構のうち、旧気仙中学校と旧道の駅高田松原「タピック45」については、見学できる施設とするため現在、改修に向けた準備が進められている▼改修設計は年度内の履行期限で、県が公告済み。旧タピック45は屋上のみ、旧気仙中は施設内の一部を立ち入り可能とする方針で、被災当時の状態に極力手を付けず、改修する計画だ。順調に推移すれば来年度で工事を行い、21年度の公開が見込まれている▼気仙川河口に程近い旧気仙中は、残っている校舎の屋上に津波の高さを示すボードが設置されており、3階建ての建物が完全に水没したことが分かる。旧タピック45は、屋上階段が現地の見学会でも度々使われており、改修によって見学者が周囲の復興の様子を見渡せる施設となりそうだ▼園内の新たな道の駅では、今秋、県の震災津波伝承館が開館する予定となっている。周囲の震災遺構とも、うまくリンクさせながら、津波の脅威や避難の重要性など、震災の教訓を伝える施設になればと思う。
●つむじ風 6月10日
 本県の内陸―沿岸間を移動すると、冬期なら雪の量の違いを感じることが多いが、この時期には気温差を感じる。内陸部では、30度を超えるような暑さだった一方、沿岸部では最高気温が20度にも満たないという日もざらにある▼内陸と沿岸の気温差の大きさは、体調面にも大きく影響しかねない。個人的にも内陸│沿岸間を移動する機会が多いだけに、気を付けているつもりではあるものの、それでも少し体調を崩しがちになってしまうこともある▼沿岸部の工事現場へ向かうため、朝早くに内陸部を出発し、夜遅くに帰っている作業員らも多いことだろう。気温差に加えて、日々の作業による疲れ、さらには長時間の移動による疲れなど、体調を崩しかねない要素が多くある▼各現場とも、作業員の体調管理のため、さまざま思考を凝らしていることと思う。寒暖への各種対応のほか、長時間の移動に関して、できる限り快適に過ごせるよう車種にまで配慮しているとの話を聞く。これからは、雨や暑さなど厳しい現場条件の時期となり、一層注意して仕事に臨みたい。
●つむじ風 6月7日
 今年も7月1日から、全国安全週間が実施される。安全週間は1928年(昭和3年)に初めて実施されて以来、一度も中断することなく続けられ、今年で92回目を迎える▼安全週間といえばスローガン。第1回の「一致協力して怪我や病気を追払ひませう」から戦時中の統制色が強いものをはさみ、戦後15年間はスローガン無し。61年からは科学的・組織的な安全管理の推進に向けて、スローガンが復活している▼キーワードの一つは「みんな」。71年の「みんなで見なおそう、設備と作業の安全を!」以来、昨年度までに26回登場。一度に複数登場した分も含めれば、計30回使われている。ほかに目立つのは「設備」「作業」「環境」「トップ」「文化」など。「設備」は92年以降は登場しておらず、安全対策の主流がハードからソフトへと変遷していることも見て取れる▼令和初のスローガンは「新たな時代にPDCA、みんなで築こうゼロ災職場」。定番の「みんな」に加えて、PDCAというローマ字が初めて登場した。新しい元号を意識したものだろうか。
●つむじ風 6月6日
 旅行会社でダム特集が組まれるなど、ダムの人気は高まる一方。以前は、少数のマニア向けのスポットだったが、今では「ダム女(じょ)」なる言葉も使われ出した。ご当地ダムカレーやダムカードなども人気だ▼県企業局では、電気事業や工業用水道事業を広くアピールするため、管理する施設をデザインした「企業局施設カード」の配付を開始した。種類はダム1種類、発電所17種類、工業用水道4種類の合わせて22種類に、コンプリート認定カードを加えた23種類。施設見学会や訪問時などに配布される▼個々のカードには施設の写真のほか、裏面には施設の概要や特徴が記載されている。北上川の5大ダムと同様に、これらの各施設が農業用水に、発電に、工業用水にと、本県の発展を支えてきた▼全国各地で局地的な豪雨が発生し、河川の氾濫が相次いだこともあり、ダムの必要性が広く浸透するようになったが一時期、「ダムは無駄」などと揶揄された時期もあった。次代を担う子どもたちに、しっかりとダムや発電施設、工業用水施設などの役割を伝えたい。
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