カレンダー

2020年
10月1日(木)
01:44

コラム集

●つむじ風 9月30日
 気象庁は、土砂災害や洪水など大雨による身の回りの危険が分かる「危険度分布」を提供している。さらに多くの人に知ってもらおうと、「危険度分布」の愛称を募集している▼具体的には、大雨警報の土砂災害と浸水被害、洪水警報の危険度分布がある。雨による災害の危険度を5段階で色分けして、地図上にリアルタイムで表示。活用することで、災害から自分自身や大切な人の命を守ることができる情報となっている▼実際に、洪水情報の危険度分布を見ると、初めに日本地図が表示される。岩手県を拡大すると、北上川が太く水色で示されるが、驚くのはその他の河川の数。県内を縦横無尽に毛細血管のように流れている。本県に限らず、全国的に同じような特徴が見られる▼台風や集中豪雨などにより、毎年のように発生する水害。近年は、激甚化・頻発化が懸念されている。普段は穏やかに流れている川なのに…。過去の水害の教訓として、決して忘れてはならない言葉だ。自宅や会社、現場周辺で土砂災害や浸水害、洪水の危険性がないか今一度、確認したい。
●つむじ風 9月29日
 日本海溝沿いなどの巨大地震で想定される県内の津波浸水区域を、内閣府が公表したことを受け、沿岸各地で内容の説明や、想定に基づく対応が検討されている▼釜石市では18日に、議会の特別委員会で内容を説明した。今回公表された想定では、地震規模をマグニチュード9・1とし、津波で堤防などが破堤する場合と、しない場合を提示。同市では、最大津波高が18・5㍍となり、市役所は破堤しない場合は浸水しないが、した場合は浸水の深さが最大6・7㍍と想定されている▼さらに市中心部も、破堤した場合は東部地区、内陸側は千鳥町、中妻町くらいまでが、ほぼ全域で浸水すると予想。千鳥、中妻地区は、これまで浸水することを想定していなかったため、市では新たに津波避難場所を設ける方針だ。今のところ、大天場公園を候補の一つに挙げている▼今まで浸水エリアに想定されてこなかった地域住民にとっては、不安もあるはず。丁寧に内容を説明しつつ、津波避難場所や避難ルートの見直し、地域防災の在り方についても早急な検討が必要だろう。
●つむじ風 9月28日
 県内小中高校などの今年度の各種行事が、新型コロナウイルス感染症の影響で中止や延期、規模の縮小などの措置を余儀なくされる中、修学旅行は県内を巡るコースを予定する学校が多いと聞く。影響を受ける学生には我慢の状況が続くが、県内を旅行することで本県の魅力などを改めて知る機会にもなればと感じる▼学生の修学旅行だけでなく、今シーズンは県内を巡るような観光をする一般客は多いようだ。先日のシルバーウィーク中に、県内の観光地に出かけた県民も多かっただろう▼県内各地への移動には、マイカーなど車両を交通手段とした人も多かったと思われる。三陸道や釜石道などを利用して、便利になったことを実感した県民が多かった一方、県内各地の峠筋など難所を通行することで、不便さなどを感じた県民も多かったのではないだろうか▼県内各地へ出かけるのに道路が利用されることで、道路の大切さを広く周知することへつながればと思う。ひいては、改良の必要な個所も改めて認識され、事業化への流れにつながっていくことが願われる。
●つむじ風 9月25日
 台風12号は温帯低気圧に変わる見込みだが、その影響により本県沿岸部を中心に大雨が予想されている。沿岸部では22日夜からの雨によって、宮古市の国道で道路が冠水したほか、400世帯以上に避難勧告が出されていた。きょうは洪水や土砂災害などへの警戒で、気の休まらない一日になるかもしれない▼13年の秋田・岩手豪雨、16年の台風10号、19年の台風19号と、本県においても近年、豪雨に起因する大規模災害が頻発している。特にも台風19号は、狭窄部に流木や土石流が堆積して洪水が発生し、その洪水氾濫が低地に集まり内水氾濫が生じるという本県独自の災害が発生。加えて、本県では過去に例が少ない土砂災害の発生など、災害が多様化しているように思われる▼地元建設企業はこれまでも数多くの災害に対応し、地域の守り手としての役割を果たしてきた。災害の多様化によって、今後は従来の経験だけでカバーしきれない災害のパターンも出てくると考えられる。郷土史や地域の地形・地質、他地域の事例などを学ぶことも重要になるのではないか。
●つむじ風 9月24日
 盛岡市の盛岡南公園内に県・市共同で新野球場を整備する。清水建設グループが施設整備と完成後の運営・維持管理を担当する。供用開始は23年4月の予定。内野守備などが練習できる屋内練習場も併設される▼現在の岩手県営野球場は、1巡目の岩手国体開催前の1970年4月に完成した。供用を開始してから半世紀が経過。高校野球県大会の主会場として、プロ野球公式戦も定期的に開催され、震災翌年にはプロ野球のオールスターゲームも開催された▼本県野球の拠点・県営野球場とともに、県営スポーツ施設の多くが岩手国体前に整備された。県営運動公園内の各施設は、建設してから50年を経過している。県営体育館は53年、県営スケート場は48年経過。定期的に維持補修を実施しているものの、既に抜本的な改善が必要な時期が迫っている▼各市町村にスポーツ施設が建設されてはいるが、全国規模の大会を開催する規模のものは少ない。整備凍結となっているスポーツ健康科学センター・多目的屋内練習施設を含めて、具体的な検討に入る時期に来ている。
●つむじ風 9月23日
 近年盛んに展開されている小中高生や地元住民らを施工中の現場に招き、施工の様子を案内したり、建設業をPRする現場見学会のようなイベントも、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で自粛ムードだったが、徐々に実施されるようになってきた感がある。県建設業協会主催の今年度の高校生現場見学会も始まった▼昨年度などは、多いときには毎週のように同じ現場を訪れる機会があった。コロナ禍の影響で、現場見学会が行われないことにより、個人的にも今年度は、取材などで現場を訪ねる機会が極端に少なくなっている▼今年度内に完了を予定する大型事業が数多くある。そうした大型事業の完成や供用までの間、今後どの程度、一般の人が施工現場を見られるようなイベントが催されるかは、今後の状況次第で不透明だろう▼現場では、完成に向け日々着実に施工が進捗している。今年度は特にも、広く一般の目に触れる機会が少ない各工事現場だが、現場の状況、事業に携わる作業員らの苦労や現場の思いなど、紙面を通して発信していければと思う。
●つむじ風 9月18日
 「担い手の育成は自社にだけ目を向けず、協力会社も含めた全体の課題として捉え、対策を検討していく必要がある」。こう話すのは県空調衛生工事業協会の菅原浩幸会長。設備工事・水道工事ともに外注先の高齢化が著しい状況を踏まえ、業界全体として機動力や施工能力が毀損していくことを懸念しての発言と思われる▼建設投資額の右肩下がりが見込まれる中であるが、過去に整備した社会資本ストックの老朽化対策、防災・減災や国土強靱化への対応など、建設業の技能が必要とされる場面はまだまだ多い。当欄で度々指摘していることだが、建設業における人材育成は危機管理の問題。菅原会長の発言は、まさに慧眼と言える▼高年齢化への対応と若年労働者の確保は、建設産業全体が抱える課題。他産業も含めての人材確保競争社会において「自社にだけ人が集まればよい」という考え方では、いずれ長続きはしない。建設業における人材確保を個別企業の問題に収斂させず、行政機関も含めて広く社会全体の課題として捉える視点が必要となってくるだろう。
●つむじ風 9月17日
 久慈市内で先ごろ開かれた20年度北いわて建設ICTセミナー。セミナーは、県と県建設業協会による主催で、県の20年度新規事業である「北いわて建設技術向上促進事業」に基づき、初めて開かれたものだ。県や県北地域の建設会社の約40人が参加し、ICT技術の活用事例などを学んだ▼県側は「市町村や民間工事でも、i―Constructionの浸透が図られることが重要。国と連携し、県内へ水平展開を図りたい」と展望。実地研修の会場では、メーカー側がICT建機(バックホウ・ブルドーザー)などを稼働させ、導入効果を説明した▼実地研修においては、オペレーター視点のモニター画面を、外部モニターに映して説明。参加者らは、それぞれの施工現場にイメージを重ねながら、ICT技術の効果などを確認した様子だった▼参加者からは「若い人は技術を使いこなせると思う」といった声のほか、初期投資のコストに対する心配の声も。技術導入に向けた課題を相互に発見する意味でも、合同のICTセミナーは重要性を増すのではないか。
●つむじ風 9月16日
 「新型コロナの影響で職場体験が座学となった。建設業に触れ合えたことに感謝している」。県建設業協会花巻支部青年部会(片方悟部会長)が、花巻北中学校で建設業ふれあい事業を実施した際、同校の佐藤敦士校長は話していた▼学校では体験先の希望を調査し、生徒らはそれぞれの職場で体験していた。今回は、コロナ禍。各職業の代表者を学校に招き、話を聞くという形となった。やはり、話だけでは生徒らに職業を伝えることは難しかったようだ▼開会式に参加した同支部の菅原陽一支部長は「重機の操作は、女性でも簡単にできる」と生徒らに呼び掛けた。片方部会長は、「災害時には最前線で地域の守り手として活動していることも知ってほしい」と願う▼平成に始まり、30年以上が経過した建設業ふれあい事業。全身で喜びを表現する児童、はにかみながら取り組む生徒…。多くの姿を目にして、話も聞いてきた。青年部会員らの行動や仕草、何気ない会話のやり取りが、児童や生徒らの建設業に対するイメージに強い影響を与えていることを忘れてはならない。
●つむじ風 9月15日
 先週、盛岡市内で行われた県建設業協会、県主催の経営革新講座では、建設現場で万が一労働災害が発生してしまった場合に備え、講師が実践に即した対応方法を説明した▼現場での対応では、頭部や腹部内に負傷の恐れがある場合は、程度を軽く見ず救急車を要請すること。救急車を呼ぶ際は住所や災害場所などとともに、現場へのルートが分かりやすいよう目印などを伝えること。関係機械設備や被災者が使用した保護工具類など現場の保存、目撃者の確保の必要性などについて指摘していた▼さらに、第一報者から元請け担当者が連絡を受けた時は、通報者もあわてているので詳細な報告を求め過ぎないこと。けが人は何人か、動かすことはできるか、二次災害はありそうかなど、「第一報者に質問する項目をあらかじめまとめておくことが大切」とも▼災害発生時は、初期対応としてすべき項目など、事前に検討しておく実施事項も多いはず。いざという時に対応に漏れがないよう、さまざまなケースを考え、チェック表を作成しておくなどの備えが必要だろう。
●つむじ風 9月12日
 週間予報を見ても、ようやく涼しくなってきた感がある。ただ、涼しい日が数日間続いて急に気温が上がった場合に、熱中症になるケースが見られる。雨で湿度が高くなることにもリスクがあり、引き続きの注意が必要だ▼さまざま熱中症の防止対策は入念に行いつつも近年の厳しい暑さに、熱中症になることを前提に作業をするよう呼び掛ける企業もあるようだ。そうした企業の現場では、発症した際の対処を適切かつ迅速にできるよう整えているに違いない▼現場の状況や工種、周囲の環境などによって可不可はあるだろうが、夏場は午前4時ごろには明るくなることから、同時刻ごろから作業を始めて、午前中いっぱいで、その日の作業を終えるといった考え方も聞く。そのくらいしないと熱中症を防ぎようがないのかもしれない▼今夏のように猛暑の日が多く、9月までと長い期間暑さが続く中で作業をしていくには、施工業者だけで対応策を考えて講じていくにも限界があるだろう。発注者側とも協力して知恵を出し合って、包括的な対策を講じていく必要がある。
●つむじ風 9月11日
 県建設業協会は今年度も、工業高校などを対象とした現場見学会を計画している。コロナ禍で多くのイベントや研修会が中止になる中、高校生たちが現場に直接触れる機会が確保されることは意義があると思う▼建協青年部による建設業ふれあい事業、県電気工事業工業組合と県電業協会による実習用資材寄贈なども継続的に実施されている。産業間での人材確保競争も激しくなる中、県内建設業界が子供たちをサポートする姿勢を示し続けることで、地元企業に目を向けてもらう機会も生まれてくると考えられる▼高校卒業者の県内就職率も長期的に見て右肩上がりとのこと。盛岡工業高校土木科のように、県内就職が県外を上回る事例も出ている。このような関係者の努力も重要だが、地元への就職は魅力的な仕事が県内にあってこそ▼復興事業の進捗に伴い公共投資の大幅減が見込まれるが、災害の予防保全や国土強靱化、社会資本ストックの維持管理などへ、裏付けのある公共投資の計画が求められる。建設業界内にとどまらない幅広の議論が望まれるところだ。
●つむじ風 9月10日
 国土交通省がまとめた19年の全国の水害による被害額は、全国で2兆1500億円となった。年間被害額では、統計開始以来過去最大。昨年の被害額の大半は台風19号によるもので、被害額は約1兆8600億円。18年7月豪雨による被害を上回り、こちらも統計以来最大の被害額となった▼台風19号は伊豆半島に上陸。関東と東北の太平洋側を進み、三陸沖に抜けた。東日本一帯に被害は広がり、全国74河川の約140カ所で堤防が決壊。内水氾濫や土砂災害も至る所で発生し、建物被害は8万棟を超えた▼北国にとっては、太平洋岸を沿って進む台風が最も危険。日本海に比べ海水温が高いため、勢力が衰えないまま北上する。気象庁が統計開始以来初めて東北の太平洋側に上陸した16年台風10号は、岩泉町を中心に本県沿岸部に甚大な被害をもたらした▼温暖化の影響からか以後、太平洋岸を北上する台風が度々発生している。東日本への台風襲来はこれから。人命被害の撲滅には公助・自助・共助が不可欠だが、地域の高齢化やコロナ禍で限界を迎えつつある。
●つむじ風 9月9日
 県建設業協会北上支部青年部会(木戸口幸弘部会長)は8月27日、県立黒沢尻工業土木科3年生の就職希望者23人を対象に模擬面接を実施。今回で10回目となるが、生徒ばかりでなく、取材する側も緊張する▼新型コロナの影響で、面接時はマスクを着用し、距離を十分に確保していた。面接時には、大きな声ではっきりと答えるように心掛けているとは思うが、実際にはモゴモゴと何を言っているか分からず、聞き返される場面が幾度か見られた▼長所と短所を聞かれた生徒は、すらすらと長所を話した後、「私の短所は…」と言ったきり沈黙。時間は15秒ほどか。こちらの心臓もドキドキしてきた時に、絞り出すような声で「忘れました」と。生徒にとって忘れることができない、貴重な経験だっただろう▼今年は新型コロナの影響で高校生の採用選考の解禁日は、10月16日になる。木戸口部会長は「面接で模範解答はあるが、自分の思いや考えを大切に自信を持って答えてほしい」と生徒らにエールを送った。必死で考えた自分の思いや考えを忘れないでほしい。
●つむじ風 9月8日
 担い手不足が喫緊の課題となっている建設業界。各地で開かれる建設業地域懇談会では、業界側から若手の確保に苦慮する実態が語られ、早急な対応が求められている▼釜石地区の懇談会では、業界側が「内陸には土木科を設ける高校があるため、管内からも生徒が入学するが、就職となると地元に戻ってこない」と現状を説明。「同じ『担い手不足』と言いながらも、内陸と沿岸では状況が違う」と指摘していた▼さらに「先生方も含め一般的に土木への関心が薄れてきているように感じる。そうした中では、土木関係に進む生徒も減ってくるのではないか」と危惧する声も。職場体験にも来ない実態を語り、県側へ沿岸部への土木・建築学科の設置を切望していた▼「管内の技術者はだいたい60歳前後。あと5年もすればいなくなってしまう」との指摘もあり、若手への技術の継承や、持続的な企業経営を考えれば待ったなしの状態となっている。将来にわたる地域の守り手を確保するためにも、課題解決に向け県、学校を交えた取り組みが求められている。
●つむじ風 9月7日
 文教施設に業界団体の奉仕活動を取材に行った際、突然サイレンが鳴った場面があった。取材したのは、防災の日である9月1日。避難訓練のためのもので、職員らの指示で子どもたちが外へ足早に避難していく様子が見られた▼防災の日をはじめ、8月30日~今月5日までは防災週間、今月1日に加えて3、6、12月の各1日は防災用品点検の日に定められる。防災週間、あるいは今年も多発している災害の度に、防災について改めて考えた読者も多かったと思う▼災害時の行動の仕方をしっかり確認、家族などで話し合っておく重要性は、さまざまな場面で周知される。その際に、堤防などの防災施設に頼り過ぎてはいけないという話を聞くこともある。頼り過ぎは禁物だが、さらなる防災施設は必要ないとの考えには傾かないでほしいと思う▼これだけ頻繁に豪雨災害が起こる中、安全に安心して生活していくため、これまで以上に防災施設の整備は重要。防災施設と防災教育の双方をさらに充実させて、甚大化している災害に備えていくことが必要に思う。
●つむじ風 9月4日
 10月1日から今年度の全国労働衛生週間がスタートする。9月は準備期間として、「過重労働による健康障害防止のための総合対策の推進」「労働者の心の健康の保持増進のための指針等に基づくメンタルヘルス対策の推進」「労働災害の予防的観点からの高年齢労働者に対する健康づくりの推進」など7項目に重点的に取り組むことが求められている▼労働衛生週間は今回が71回目。国民の労働衛生に対する意識高揚、事業場における自主的労働衛生管理活動を通じた労働者の健康確保などに大きな役割を果たしてきた。今年度のスローガンは「みなおして 職場の環境 体の健康」。事業場における労働衛生意識の高揚を図るとともに、自主的な労働衛生管理活動の促進を呼び掛けている▼今年度は新型コロナウイルス感染症の拡大防止も重要なテーマ。実施要綱では三密回避を徹底しながらの活動実施が求められているが、職場での感染症対策自体が労働衛生管理における重点項目の一つと言える。労働衛生環境の改善と感染防止の一体的な取り組みを期待する。
●つむじ風 9月3日
 県や岩泉町などは、16年8月の台風10号災害の教訓を踏まえ、小本川における「山間部の流域治水」の取り組みを進めている。県は河川改修事業や砂防事業などのハード対策、町は防災士の育成などのソフト対策を実施。流域の関係者が協働で対策を推進しており、地域防災力の向上や防災意識の高揚を図っている▼県や同町は先ごろ、被災後からこれまでの取り組みなどを小本川の現地で説明。同町の佐々木重光危機管理監は「行政のみならず、住民と連携して災害対応に当たることが重要。自助・共助の概念をしっかりと伝え、流域治水や総合防災を進めていく」と、強い決意をにじませた▼沿岸広域振興局土木部岩泉土木センターでは「地域の皆さんに防災インフラの重要性を知っていただき、防災意識の共有を図っていきたい」。さらには、「山間部にある中小河川の流域治水として、全国的なモデルになるのでは」とも▼台風10号災害から5年目を迎えた。災害に強い県土・国土づくりのためにも、流域関係者が一体となり、教訓を広く発信することが求められる。
●つむじ風 9月2日
 昨年9月から11月にかけて発生した自動車の路上故障件数は7万件。単純計算で一日当たり約800件。この中には、確実な点検・整備の実施により未然に防げたものもあるという▼国土交通省は、自動車関係団体などと協力し9・10月を「自動車点検整備推進運動」強化月間として、全国各地で点検・整備の重要性を広く周知・啓発していく。重点項目として、女性や10~30代の自動車ユーザーを中心に点検・整備の必要性や重要性の啓発などを掲げている▼東北地区では、大型自動車等の車輪脱落事故が増加傾向。そのため、東北運輸局は、冬用タイヤへの交換が始まる時期を前にして大型車両の使用者や運送事業者、ドライバーに対して、車輪脱落事故防止の点検・整備の励行を呼び掛けていくとしている▼マイカーについても点検・整備が必要であり重要だろう。車体の震え、走行中の異臭、ハンドルの振動、色のついた水漏れ、水温計の異常上昇、走行中の異常音、アイドリングの調子、ブレーキの効き、パワーがない…。車からの危険信号を見逃してはならない。
●つむじ風 9月1日
 東日本大震災の発災から9年5カ月が経過。災害の風化が危惧される中、沿岸被災地では、震災の記憶や教訓の伝承に向けた取り組みが進められている▼大船渡市は先月末、防災学習ネットワーク形成基本計画案を示した。市では津波伝承・防災学習の基本理念として、既存施設を活用し連携・回遊を図っていくことなどを設定。この理念を踏まえ、案では市内各地にある伝承・学習施設などでネットワークを形成し、災害の教訓や備えの重要性について情報発信していく考えだ▼大槌町では、震災の津波により同町赤浜地区の「旧民宿あかぶ」屋上に乗り上げた、観光船「はまゆり」の復元を目指していたが、寄付金が必要な事業費に至らず断念。今後は旧民宿の解体補償の手続きを進め、模型モニュメント案など復元に代わる伝承方法を検討していくとしている▼2市町とも、陸前高田市内の「震災津波伝承館」、釜石市内の「うのすまいトモス」など、近隣に位置する類似施設と連携を図りつつ、特徴ある防災学習の在り方を模索していく必要があるだろう。
●つむじ風 8月31日
 先週は、県建設業協会の各支部青年部会による建設業ふれあい事業が、多くの地区で開催された。例年は、6、7月ごろに開催する地区が多いが、コロナ禍が影響して、学校側と協議した上で、この時期になった地区が多かったと思われる▼青年部会員らは、残暑の厳しい中でも、マスクを着用するなどして感染症対策を講じるとともに、熱中症にもしっかり注意して活動。さらには、重機などによる事故が起きないように最新の注意を払って対応していた▼暑さやコロナ対策などの悪条件の中でも、ふれあい事業に臨む生徒らは、楽しそうに重機の操作などに取り組み、その姿は印象的だった。感想を聞いても、貴重な経験となり、建設業に好印象を抱いた子が多かった様子▼秋以降に延期して、ふれあい事業を計画する地区もあるようだが、同様に子どもたちにとって楽しく有意義なひと時となることが願われる。例年と違う状況下でも、できる限り例年に近い状態で事業を行い、成果も上げられるようにするため、さまざまな視点から検討しておくことが肝要に思う。
●つむじ風 8月28日
 先ごろ開かれた県採石工業組合の業務管理者研修会では、採石場における新型コロナウイルスの感染防止が一つの大きなテーマになっていた。研修会の中では、特にも喫煙所や休憩室のリスクを指摘。感染症の危険性を一般論で終わらせず、職場ごとの具体的な問題点をチェックし対策を講じることが呼び掛けられた▼講習会の開き方自体も新型コロナウイルス感染症への対策を強く意識し、講師・受講者の双方がフェイスシールドを着用。工組によれば、今後もフェイスシールドを用いる機会が増える可能性があることから、少しでも慣れてもらうため試行的に実施したとのこと▼国土交通省はこのほど「建設業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を改訂。建築工事の現場やオフィスにおける三密回避の徹底などを呼び掛けている▼工種や規模によって細部は異なるにしても、基本的な対応策は見えている。先述の研修会でも席の配置や手指の消毒、換気などの基本を徹底していた。基本を順守した上での各社の創意工夫。労災防止対策と根本は同じか。
●つむじ風 8月27日
 「町のため かげで働く 下水道」(2016年度盛岡市下水道標語コンクール教育長賞)。地面の下に張り巡らされた管路により、汚水は処理場に集められ、微生物などにより汚れを取り除かれた上で放流される。普段の生活では見えない所で、清流が維持されている▼盛岡市の下水道管路の総延長は、18年度末で1877㌔。そのうち50年以上前に布設された管路は、総延長の3%に当たる65・86㌔。40年以上50年未満が185・25㌔、30年以上40年未満が568・66㌔、20年以上30年未満が591・97㌔。20年以上40年未満の20年間に布設された管路が全体の6割近くを占める▼20-30年後には、これらが一気に老朽化する。東京などの大都市圏では、下水管路の老朽化による道路の陥没なども度々発生している。盛岡市でも、ストックマネジメント事業の計画的な推進が喫緊の課題となっている▼一方で、温暖化による降雨の局地化・集中化・激甚化により、浸水対策の重要性も高まっている。まさに「人々を かくれて守る 下水道」(同、18年度市長賞)である。
●つむじ風 8月26日
 日本気象協会(長田太理事長)は、㈱カラー(庵野秀明代表取締役社長)の協力である補完計画を作成。公式ウェブサイトで公開を始めた。庵野氏の名前でピンときた方がいるのではないだろうか▼今回の計画は、エヴァンゲリオン仕様の防災パンフレットで、名称は「防災知識補完計画」。エヴァンゲリオンの作中では、世界規模の大災害「セカンド・インパクト」が描かれており、同計画は、エヴァンゲリオンの世界観をイメージさせるデザインとなっている▼計画は、地震・台風編と事前準備編に分かれ、いわゆるエヴァ風なフォントやデザインで防災知識を紹介。同協会では、「より多くの方に防災に関心を持っていただき、災害時に一人でも多くの方の命を守ることを目標にしている」としている▼防災や避難に関して、ペットのことや避難生活中でも生活の質を上げる方法などにも言及。災害時に正しい情報を入手するため、災害用伝言板や各都道府県の防災ホームページなどをすぐ見ることができるように登録しておくことを呼び掛けている。今後の参考にしたい。
●つむじ風 8月25日
 東日本大震災の発災以降、迅速な避難に向けた対応が課題となっている沿岸被災地。防災教育とともに、各地で避難路の設置に向けた取り組みが図られている▼陸前高田市では、高田松原津波復興祈念公園から、今泉地区の高台に向かう新たな避難路を確保。国が山側へ切り替えを進める新国道45号整備工事の現場内を利用するもので、24日から供用を始めている。同公園では、昨年9月に震災津波伝承館や道の駅などが供用を開始しており、利用者の安全確保に大きく寄与することになる▼新たな避難路のルートは、同公園から気仙大橋を渡り、整備中の新国道45号の一部現場内を通過後、避難階段を上がり、指定避難所の市立気仙小学校へ至るもの。高台までの避難距離は約1200㍍。これまでの気仙大橋を渡り、指定避難所の今泉地区コミュニティセンターに至るルートと比べ、300㍍ほど短縮される▼公園全体の供用が始まれば、訪れる人も増えてくるはず。利用者の安全確保に向け、今後も避難路の確保、ルートの周知徹底を図っていく必要があるだろう。
●つむじ風 8月24日
 県内も厳しい残暑が続いている。先日、施工現場を訪れた際、通された現場事務所の一室は、事務所内で最も快適に過ごせる部屋とのこと。大きなエアコンが設置されるなど適温に保たれ、通常は休憩や打ち合わせ、会議の場として使われている部屋の様子だった。おかげで、厳しい暑さを感じず話を伺えた▼事務所内で快適に過ごせる空間の形成のほか、作業場でも各種設備や身に付ける道具、飲食物での工夫など、現場ごとにさまざまな方法で、暑さ対策を講じていることと思う。現場代理人らから伺うたびに、新たな暑さ対策のアイデアを聞く印象がある。それだけ、熱中症防止を重要視しているのを感じる▼長雨は作業工程が遅れる要因となるが、猛暑も遅れの要因となり得る。湿度、気温、日差しの強さの3要素で暑さを表す暑さ指数(WBGT値)に基づき、一時的なものも含めて作業中止を余儀なくされる頻度が多くなれば、作業工程に支障が出かねない。各現場とも暑さ対策に余念はないと思うが、くれぐれも無理な作業だけはしないよう心掛けたい。
●つむじ風 8月21日
 今年度の建設業地域懇談会が17日スタートした。「意見は聞いてもらえるが、入札制度などの具体的な施策に反映されない」として、一時は業界側に開催の是非を問う声もあったが、装飾無しで問題意識を共有できる場としての意義は十分にあると思う▼懇談会で中心となるテーマも、その時々の社会情勢によりさまざま。入札制度改革の最盛期、必死にダンピング対策を求める業界側の声に対して、木で鼻を括ったような回答を返す職員がいたことは忘れられない。当時の支部役員の会社の中には、すでに破綻したところもある▼東日本大震災以降は入札不調対策や施工確保も主要な議題であったが、ここ数年は担い手の確保や働き方改革、復興・創生期間終了後の公共事業費の確保などに関心が移ってきた。事業費の急激な減少に伴い、価格競争の激化に対する懸念の声も強まっている▼今年度は建設関連業務における低入札対策の強化、企業合併に対する特例措置の見直しなども話題に上がっている。今後の健全な業界像を探る上で、重要な意見交換の場になりそうだ。
●つむじ風 8月20日
 本県を襲った16年台風10号災害から、30日で丸4年となる。広範囲で被害を受けた岩泉町では、公共土木施設の災害復旧工事が最終盤を迎えている。同町は現在、町道の復旧工事を進めており、20年度末までに完了する見通し。林道の復旧工事や災害公営住宅の建設、分譲地の整備は19年度中に完了した▼同町では被災後のマンパワー不足などを解消するため、発注者支援型CM方式を導入した実績もある。町と協定を結んだUR、㈱URリンケージが関係機関との協議や工程調整、事務補助などで支援。CM方式以外にも、県土木技術振興協会が設計積算などで支援に入った▼同町は、激甚災害の対応について「市町村単独では人的な面、ノウハウに限界がある」と訴える。被災後には、避難所の運営や仮設住宅の整備など、多くの人の力が必要とされた。町村レベルでは、土木、農林、水産施設を一つの課で管理している自治体もある。市町村の共通課題として人手不足の深刻化が予想される中、自然災害に備えた広域支援システムの構築が重要性を増している。
●つむじ風 8月19日
 東日本大震災で被災し、陸前高田市が同市沿岸部に再整備した高田松原運動公園。8日には完成記念式典が開かれ、施設は全面供用を開始した▼園内には、第一野球場「楽天イーグルス奇跡の一本松球場」など、野球場とサッカー場を各2面、さらに屋内練習場、ミーティングルーム、多目的広場などを設置。式典であいさつした戸羽太市長は、部活動や各団体の大会をはじめ、プロスポーツの公式戦開催、スポーツ合宿の誘致などに取り組み、「交流人口の拡大を図りたい」と、生まれ変わった施設の活用に期待を込めた▼市長らと共にテープカットで完成を祝った、高田第一中学校2年・サッカー部の臼井昇汰さんは、「新しく完成したピッチの上で、素晴らしいプレーができるよう練習に励みます」と、力強く語っていた▼式典後、第一野球場では市内野球スポーツ少年団の大会も開かれ、選手らは声援を受けながら懸命にプレーしていた。スタンドの観客も試合を楽しんでいた様子。スポーツの力が市民に笑顔をもたらし、市の復興を支えるものになればと思う。
●つむじ風 8月18日
 東日本大震災で被災し、陸前高田市が同市沿岸部に再整備した高田松原運動公園。8日には完成記念式典が開かれ、施設は全面供用を開始した▼園内には、第一野球場「楽天イーグルス奇跡の一本松球場」など、野球場とサッカー場を各2面、さらに屋内練習場、ミーティングルーム、多目的広場などを設置。式典であいさつした戸羽太市長は、部活動や各団体の大会をはじめ、プロスポーツの公式戦開催、スポーツ合宿の誘致などに取り組み、「交流人口の拡大を図りたい」と、生まれ変わった施設の活用に期待を込めた▼市長らと共にテープカットで完成を祝った、高田第一中学校2年・サッカー部の臼井昇汰さんは、「新しく完成したピッチの上で、素晴らしいプレーができるよう練習に励みます」と、力強く語っていた▼式典後、第一野球場では市内野球スポーツ少年団の大会も開かれ、選手らは声援を受けながら懸命にプレーしていた。スタンドの観客も試合を楽しんでいた様子。スポーツの力が市民に笑顔をもたらし、市の復興を支えるものになればと思う。
バナー バナー バナー バナー バナー バナー バナー バナー バナー