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2021年
12月7日(火)
09:55

コラム集

●つむじ風 12月7日
 県内各地で展開されている工事現場の安全パトロール。寒さが厳しくなりつつある中、安全意識の啓発とともに、冬季特有の災害防止に向けた取り組みが呼び掛けられている▼パトロールでは、墜落・転落災害などをはじめ、気温の冷え込みから凍結を原因とする労働災害、交通事故への注意が喚起されている。参加した労働基準監督署側は、昨シーズン発生した大雪で転倒災害が多発したことから対策の徹底を要請。新型コロナウイルス感染症についても感染状況が落ち着いているとはいえ、引き続き予防対策に取り組むよう求めていた▼1日には県内に強風が吹き荒れ、沿岸部などで建物の屋根が飛ぶ被害が発生した。昨冬は遠野市で建設会社の仮設事務所が強風で倒れ、従業員がけがを負う災害も起きており、暴風雪への対応も心掛けておく必要がある▼「いわて年末年始無災害運動」が1日から来年1月末までの期間で展開されている。いずれの現場も、年末・年度末で追い込みの時期に入るだろうが、気を引き締め直し安全作業で完工させてほしい。
●つむじ風 12月6日
 12月に入り外に出るのも億劫になりがちだが、子どもたちには公園に行きたいとせがまれる。近所の公園は遊具が少なく、少し離れた公園に足を延ばすことも多々。ただ、それほど詳しいわけではなく、知っている公園ばかりに出掛けることが多い▼一関市では、このほど市内の公園を多くの人に利用してもらうため、国内随一の公園情報量を有する情報アプリを運営する企業と連携協定を締結。市が管理する公園の遊具の種類や施設の有無、市の主催する公園イベント情報まで幅広く提供する構えで、一関遊水地記念緑地公園や唐梅館公園、釣山公園の掲載から始めるとしている▼小さい子を持つ親にとって、どんな遊具を備えているかなどの情報は役立つように思う。公園の魅力を発信することは、その地域の魅力を周知することにもつながるのではないか▼近年の公園には健康遊具も設置されているほか、地域のイベントでの利用など、子どもたちだけの利用にとどまらない。多くの人が集まるような魅力ある公園の整備は、まちづくりの一環としても有用だろう。
●つむじ風 12月3日
 東日本建設業保証㈱が毎年公表している決算分析によると、20年度の県内建設業673者の総資本利益率は5・97%。2年ぶりに前年度を上回り、東北平均を7年連続で上回ったものの、10年ぶりに東日本平均を下回った▼総資本経常利益率は、企業が経営活動のために投下した総資本に対してどれだけの経常的な利益を上げたかを表し、企業の収益力を判断する上で最も重要な比率。東日本大震災の前にはマイナス収益が続き、09年度には管内ワーストとなった▼このころは、本県のほかは宮城、福島、山梨がワーストの常連。11年度からの6年間は一転して、岩手、宮城、福島が上位3位を続けてきた。きれい事抜きで言えば、東日本大震災直後からの応急復旧や旺盛な復興需要が3県の建設企業の収益性改善につながったことは否定できない▼全国的に見ても公共事業比率が高い本県の建設業にとって、一定の公共事業量の確保が不可欠であることは論をまたない。右肩下がりの事業費の中にあっても、工種や等級のバランスに配慮した事業費の確保が求められる。
●つむじ風 12月2日
 12年12月、山梨県内で発生した笹子トンネル天井板落下事故。ニュースで大きな衝撃を受け、道路施設の老朽化対策の重要性を痛感した。その後、5年に1回の近接目視点検の実施など、インフラを取り巻く環境は大きく変わった▼県土整備部道路環境課が県内工業高校と実施している協働による橋梁点検。先ごろ、同課職員やコンサルの担当者らは、県立久慈工業高校と協働で4橋を点検した。生徒たちは、真剣なまなざしで、インフラメンテナンスの大切さを学んでいた▼現地では、生徒自らが主役となり、橋梁の損傷状況などを確認。コンサル担当者のサポートのもと、点検結果を図面に記録していた。生徒からは「2000以上の橋を県が管理していると知って驚いた」「さびが多く、伸縮装置がボロボロだった」などの感想が聞かれた。「管理の仕事も就職先の一つとして探してみたい」との声も▼生徒による点検の成果が地域を支える。一つのやりがいを感じられたのではないか。インフラのメンテナンスとともに、担い手の育成の継続的な取り組みも重要になる。
●つむじ風 12月1日
 今月1日から7日は「雪崩防災週間」。国と県は、防災・減災の取り組みの一環として、本格的な雪のシーズンを前に雪崩災害の防止や被害の軽減の重要性を認識し、理解が深められるようにと定めている▼国土の面積の半分以上が豪雪地帯に指定されている日本。本県は全域が指定され、西和賀町と八幡平市の一部は特別豪雪地帯となっている。全国に雪崩危険個所は約2万カ所あり、本県には177カ所(2004年度公表)あり、具体的には岩泉町が36、八幡平市が18、西和賀町と久慈市が17など▼雪崩が発生しやすいケースは、急斜面や植生がまばらな場所など。気象条件や前兆現象にも要注意。雪庇や雪しわ、スノーボール、クラックのほか、斜面が平らな状態や、雪崩予防柵から雪が張り出す「巻きだれ」にも気を付けたい▼表層雪崩は、低気温で降雪が続く1~2月の厳寒期に起きやすく、最大時速200㌔にもなる。発生に気付いてから逃げることは困難なため、前兆現象や過去に発生した個所の前後区間を確認するなど普段から意識することが大切だろう。
●つむじ風 11月30日
 陸前高田市内で整備が進められてきた、気仙川に架かる今泉大橋(橋長280・3㍍)が、29日に供用を開始した。県が復興事業として推進した国道340号の同橋工区(延長2・6㌔)の主要構造物で、今回の供用により工区は全線が開通となった▼車で走行してみると、気仙町と高田町をつなぐ工区ルートをスムーズに移動することができる。周辺には津波復興祈念公園や中心市街地、さまざまな商業・観光施設が立地しておりアクセス道路としての役割にも期待が寄せられる▼18日には、県が大船渡市内で展開してきた県道碁石海岸線末崎~碁石工区(同2・4㌔)も全線で供用を開始。津波浸水の孤立対策として、門之浜地区の高台に新たなルートが確保された▼大船渡市内では高台ルートとして今後、県の主要地方道大船渡広田陸前高田線船河原工区(同2・2㌔)の全線開通も控えている。沿線には災害公営住宅や防災集団移転団地など新たな生活拠点も整備されている。災害に強い道路ネットワークとして、暮らしの安全安心を支えてほしいと思う。
●つむじ風 11月29日
 先日オープンした平泉世界遺産ガイダンスセンターには、多くの観光客らが訪れているようだ。常設展示では、平泉の世界遺産、柳之御所遺跡と奥州藤原氏を紹介するエリアに分かれており、世界遺産や奥州藤原氏に関する説明や柳之御所遺跡からの発掘物などが展示されている▼同センターの展示は概略的な内容で、詳しくは実際に足を運んで見てもらうことを促すつくりになっている。入り口には、本県内の世界遺産、橋野鉄鉱山と御所野遺跡を紹介する展示もされ、平泉のみならず県内のさまざまな場所を周遊してほしいとの思いも込められている▼平泉の世界遺産に関する展示では、五つの登録資産に加え、五つの関連資産についても紹介している。その一つが一関市厳美町の骨寺村松園遺跡▼同センターがオープンした22日、県建設業協会一関支部や一関市水道工事業協同組合は、地元農家や一関市と同遺跡内の土水路の保全活動を行った。08年からの活動は14年目となり、活動の継続で地元の悲願である、世界遺産への追加登録につながっていくことが願われる。
●つむじ風 11月26日
 24日に盛岡で初雪が降った。平年よりも14日遅い観測だという。小紙でもこの時期、除雪機械の出動式や除雪功労者表彰の記事を掲載している。いよいよ本格的な冬▼県建設業協会はこのほど、マンガ冊子「我らイワケン株式会社2『除雪編』」を発刊した。17年に制作したマンガ冊子の続編で、冬期間の重要な役割である除雪の現状を伝えることを通じ、地域社会における「縁の下の力持ち」としての建設業の存在を認知してもらうことを目指したもの▼昨冬は各地で記録的な大雪、その前は暖冬と少雪。自然災害と同様、こちらの都合はお構いなし。一方、市民の立場からは「仕事だから当たり前」と不満も出るし、感謝よりもクレームが多くなる。「100点満点でやっと0点」の仕事だなぁと実感する。多くの人が冊子を手に取り、除雪への理解が深まることを願ってやまない▼それにしても、除雪が一冊のマンガになるとは。それもPRマンガにありがちな格好良過ぎる主人公はおらず、若手オペレーターの心の揺れも絶妙に表現。作者のそのだつくしさん、さすがだな。
●つむじ風 11月25日
 田瀬、湯田、四十四田、御所、石淵の「北上川上流総合開発ダム群」が、土木学会の2021年度選奨土木遺産に選定された。26日には、盛岡市のマリオスで認定書の授与式が行われる。それを記念し、北上川学習館(一関市)では特別展を開催中だ▼北上川5大ダム群は、北上川特定地域総合開発計画に基づき建設された。いずれも地形・地質・気象的に厳しい条件下で建設され、多目的ダム建設の技術開発や技術者育成に大きく貢献した。石淵ダムは胆沢ダムに引き継がれたが、洪水調節はもとより、発電や水道用水・かんがい・工業用水の供給にと、現在に至るまで地域の発展を支えている▼既設ダムの老朽化、頻発する豪雨災害…。ダムを取り巻く状況が変化する中、今後は既設ダムの再生が中心となっていく。本県の北上川上流でも、四十四田ダムの堤体かさ上げなどを実施する「北上川ダム再生事業」が進められている▼既設のダム再生にも、さまざまな困難が立ちはだかる。ダム新設で培った技術を、再生事業の中で継承し、さらに発展させてほしい。
●つむじ風 11月24日
 建設関連団体と県との意見交換会で、議題に挙がる働き方改革への対応。担い手の確保が喫緊の課題となる中、発注者・受注者双方の早急な取り組みが求められている▼12日に行われた建設コンサルタンツ協会東北支部と県との意見交換では、支部側が担い手確保・育成のための環境整備として、納期の平準化や、総合評価落札方式での若手・女性技術者の配置に対する加点などを要望。このうち県側は加点への動きについて、年度内の施行を目指し作業を進めていることを語っていた▼働き方改革とともに、企業の健康経営も大きなテーマとなっている。県内の建設関連企業の中には、日頃の生活習慣を見直すため健康経営アワードを開き、講習や表彰などで従業員の健康意識の向上を図っているところも。高齢者人口の比率が拡大する中で、健康保持・増進への取り組みは重要度を増している▼社内の活力や自社の価値を高めていくためにも、従業員の働きやすさや健康について考え、ワークライフバランスに配慮した職場づくりを進めていくことが必要だろう。
●つむじ風 11月22日
 除雪業務で除雪車両に携行したGPS端末を用いて、作業実績の管理や除雪費用の算出などができるシステムを導入する自治体が増えてきている。システムは、除雪業務に関する事務の軽減を図ることを目的に、取得した除雪車両の移動軌跡や除雪の要望個所をシステム上で一元化することで、最適な除雪計画の策定も目指すとしている。システムが、除雪を担う業者にも有益なものになることが願われる▼除雪を担う業者では、担い手を育てるために運転席の横に若手オペレーターを座らせるなどして、技術を身に付けさせようとする動きが見られる。県では、オペレーターの担い手確保に向けて、冬季通行止めとなる区間の一部個所について、除雪の練習場所として提供するとしている▼除雪も当然、技術力が要求される作業となる。地域によって除雪の巧拙に大きな差があるとも聞く▼出動式を取材していても、除雪を担当するオペレーターらの高齢化が進んでいるのを感じる。技能をしっかり伝承した上で、担い手の確保へもつながっていくことが期待される。
●つむじ風 11月19日
 県建設業協会は、東日本大震災から10年余りを経過した被災地の今を伝える記録誌を発刊した。写真レポートでは、県の復興計画に掲げられた三つの原則「安全の確保」「暮らしの再建」「なりわいの再生」に沿って、UAVによる空撮写真なども用いて復興インフラの現状を伝えている▼記録誌には、協会役員や青年部会による座談会も掲載。役員座談会では、震災直後から復興の最盛期に至るまでの各支部の対応と課題を振り返りながら、ポスト復興期における地域建設業のあり方などについても議論している▼向井田岳会長をはじめ現役役員には、発災当時から本部・支部で役員を務めてきた人も多い。特にも当時から支部長職にあって被災地の陣頭指揮を執った役員は、発災直後からの記憶も鮮明。常に最前線に立ちながらも、俯瞰的に状況を見続けてきたことが分かる▼今回の記録誌発刊の目的の一つは、震災の記憶と教訓を風化させることなく次世代に伝えること。復興の現場で得た教訓や提言を、災害に強い地域づくりと建設業の健全な発展に生かしてほしい。
●つむじ風 11月18日
 県内を車で走っていると、あちこちに広がる田園風景や緑地公園など、岩手の豊富な自然が目に飛び込んでくる。田舎の良さや素朴さ、本格的な冬が近づきつつも、優しい空気感などを感じられる▼私事だが、母方の実家は兼業農家だった。小さい頃にはよく遊びに行き、ビニールハウスの中の作業を覗き込んだり、野菜などをお土産にもらったりしたものだ。今では、段々と耕す畑の規模も小さくなり、僅かな農作物を栽培している。何となく思い出が薄れてしまっていくようで、寂しさを覚える▼県では、各地で農業農村整備事業を展開しており、地域の営農活動を支援している。事業では、農業生産性の向上や担い手の確保などに向けて、農地の区画整理や集約化、畑地かんがい施設や農道の整備など、さまざまな取り組みを進めている▼もう一つの重要な取り組みは合意形成。事業の実施には、地域の理解が不可欠となる。農村地域のポテンシャルを継続的に引き出していくためにも、事業の成果について発信し、理解を深めてもらう取り組みを大切にしたい。
●つむじ風 11月17日
 気象庁は、積雪の深さや降雪量の6時間先までの予報を10日から開始した。これまでの「現在の雪」から「今後の雪」にリニューアルし、24時間前から確認できるようになった▼リニューアルの背景には、昨シーズンの大雪や近年の集中的・記録的な降雪により、大規模な車両渋滞や停留を引き起こすなど、社会活動への影響が問題となっていることがある。昨シーズン、本県でも県南部を中心に大雪に被害が発生した▼県南広域振興局土木部北上土木センターは、今年3~4月にかけて北上・西和賀の除雪記録展を開催。その中で、除雪オペレーターが、今年2月の暴風雪を「除雪車の運転席からでも道路が終始見通せなかった」とホワイトアウトの怖さを表現している▼「今後の雪」は、雪の広がりは適切に予報できる一方、その量は実際よりも少なめに予報する傾向があるため注意が必要。1時間ごとに情報を更新し、約5㌔格子で面的な分布を一体的に確認可能とのこと。積雪の深さや降雪量の分布の傾向を把握するため、積極的に利用しながら今後の雪に備えたい。
●つむじ風 11月16日
 先週、花巻市で開かれた「いわての地域づくり・道づくりを考える大会」では、地域住民の代表者が道路の重要性について意見を発表。交通ネットワークの着実な整備を求めた▼このうち、同市に本社を構え金属部品の加工を手掛ける㈱アイオー精密の鬼柳一宏代表取締役社長は、物流インフラが経営に欠かせない存在となっている状況を説明。顧客が必要な数量だけ、求められる納期で受注生産するビジネスモデルを展開する中、「高度な物流網を駆使することで、地方に立地しながらも全国広域へ距離感なくサービスを提供できる」と語っていた▼さらに来年入社の高校生の中には、実家のある沿岸部から釜石自動車道を使って通勤する人がいることも紹介。「高速道路網の整備や拡充による副産物として、従来よりも広域からの従業員確保が可能となった」と、人手不足の補填に期待を込めていた▼道路ネットワークは、企業の納期順守を支え、さらに雇用の可能性も広げる重要な社会基盤。地域経済の発展を図るためにも、一層の整備促進が求められるだろう。
●つむじ風 11月13日
 県内の各路線で冬期通行止め期間に入るなど、冬の足音が着実に聞こえてきている。県内各地で除雪業務の出動式が開催されており、出席した除雪業務従事者は、降雪シーズンを間近に控え、気持ちを新たにしていた▼県南広域振興局土木部管内では、今シーズンの除雪について、県道と金ケ崎町道を交換して業務に当たる構えで、同町道2路線を、県管轄の除雪担当区間として対応することとしている。交換除雪は、作業する路線の兼ね合いなどを見た上で、効率性を考えて実施している。除雪業務従事者の効率化や人手不足の観点でも、有効な措置と聞く▼昨シーズンは、特にも県南地域で記録的な大雪に見舞われ対応に苦慮した。今シーズンは、ラニーニャ現象が発生したとみられることから、降雪量が多くなることが危惧されている▼同部管内では、貸与27台、借上58台の除雪機械で作業に当たるほか、緊急時には借上の除雪機械を最大93台にまで増やして対応する体制を整えている。オペレーターらには、健康面に十分留意して県民の足確保に尽力してほしい。
●つむじ風 11月12日
 県内建設業における労働災害が高止まりの傾向にある。9月末現在、県内建設業における休業4日以上の死傷者数は173人で、前年同月比25人、増減率では16・9%の増。同月末現在の死亡者数累計は6人で、前年同月の2人を大幅に上回って推移している▼事故の型別で前年を上回っているのは「墜落・転落」「転倒」「動作の反動・無理な動作」など。また、建設業の労災による死亡者の半分が「墜落・転落」によるもの。岩手労働局によると、作業床に手すりなどの設置がなかったケースや、墜落制止用器具(安全帯)を使用していなかったケースもあったという。基本を順守した墜落防止措置の徹底が改めて求められる▼今年も12月1日から2カ月間、「いわて年末年始無災害運動」が実施される。運動期間の実施事項の一つに、「積雪・凍結による転倒災害、墜落災害の防止」をはじめとする冬季特有災害の防止に向けた取り組みが挙げられている。11月は準備期間。本格的な積雪・凍結シーズンを前に、墜落・転落や転倒災害への備えを万全にしたい。
●つむじ風 11月11日
 小学校で食べた給食はパンが中心で、それと牛乳、あとはローテーションのように一定の期間で巡ってくるおかずだった。そのため数十年経った今では、給食に対する思い出はほとんどない。中学校は牛乳のみで、家から弁当を持ってきて食べた▼盛岡市が道明地区に計画している(仮称)盛岡学校給食センターは、待望の着工を迎えた。9日には、現地で安全祈願祭が行われた。同事業は、㈱ジーエスエフを代表企業とするグループによる㈱盛岡スクールランチパートナーズが施設の設計・建設から運営、維持管理を担当。設計・建設期間は23年1月までとなっている▼同センターでは、1日最大8500食の給食を市南部の小中学校17校に供給。食品衛生を徹底するほか、停電時にも給食を供給できる設備を併設。さらには食育の拠点として、全体の調理工程の見学もできるという▼食は、子どもたちの健やかな発育・発達の基礎となる。新しい給食センターでは、地元産の食材や郷土料理を積極的に取り入れ、食の面からも郷土愛を醸成してほしいものだ。
●つむじ風 11月10日
 遠野市は、世紀の大修理と位置付け、同市綾織町で重要文化財千葉家住宅の保存修理工事を進めている。先日、来年度から屋根葺きが始まる前に、壮大な屋根の骨組みなどを間近で見てもらおうと見学会を開いた▼現在、主屋は仮設屋根が設けられ外部から外観が見えない。見学会では補修・補強が進む薄暗い1階内部から、2階の仮設屋根に囲まれた明るい空間に案内されると、13間半の深い煤色の桁が目の前に。茅葺きに隠された骨組みの無骨さと壮大さが印象的だった▼江戸時代後期の天保年間に、大飢饉の御救普請として建てられたと伝えられる千葉家住宅。屋根の葺き替えは定期的に実施し、いずれも少人数の職人と多数の手伝いや助け・助人と呼ばれる専門職人以外の人手でまかなわれ、地域全体によって支えられてきたという▼市のホームページには、現在の作業やこれまでの工事の状況などを詳しく掲載している。伝統的な技術や現代の技術、古い技術と新しい技術との融合など新たな挑戦の様子が、建設業の重要性や魅力の発信につながることを期待したい。
●つむじ風 11月9日
 釜石市で開催された今年度の「ぼうさいこくたい」。企画されたセッションやプレゼンブースなどには高齢者や家族連れ、地域の消防団の姿も大勢見られ、防災に対する関心の高さがうかがえた▼クロージングセレモニーでは、地元高校生が「私たちは震災の経験を伝えられる最後の世代」と語っていた。伝承施設の来訪者には、実際に震災を知らない子供たちも増えているとのこと。復興整備を終えたまちを、日常の風景として捉える子供たちも出てくる中で、震災の伝え方にも工夫が求められているように思う▼ぼうさいこくたい前に開かれた「津波防災の日」の基調講演では、東北大学災害科学国際研究所の今村文彦所長が、スポーツと防災のコラボを提唱。防災運動会などを企画することで、「楽しく学び、学びを行動に移せるようになるのでは」と話していた▼堅苦しい震災伝承や防災教育では、その場限りで終わってしまうはず。次世代に興味を持って学んでもらうためにも、「より楽しめる」「より身近に感じられる」伝え方を取り入れていくべきだろう。
●つむじ風 11月8日
 娘が母校に今年度から通い始め、校内に入る機会に恵まれるようになった。母校の現在の校舎は、私自身が小学生当時に建設されたもの。過ごしたのは、6年の3学期だけだったが、少し校内を歩いただけで当時が思い出された▼当時を振り返ると、遠巻きに施工の様子を見ることはあっても、間近で見学する機会は一度もなかった。キャリア教育が重要視されている今日、校舎の建設工事などが実施されている場合、その学校の生徒が施工中の現場を見学する機会はあるのだろうか▼先日、学校の施工現場を訪問した際、施工業者から「ここは6年生の教室になる場所で、何とか2月ぐらいまでに施工を終えたい。数週間だけだが、新しい校舎で6年生も思い出を作って卒業してくれれば」との思いを聞いた。過ごした期間は短くても、新校舎での思い出は6年生にも必ず残るはず。無事故で順調な進捗が願われる▼施工現場を見学する機会は、建設業をPRできる場面にもなり得る。工事への思いも伝えながら、建設業の魅力などを伝える場としての活用が期待される。
●つむじ風 11月5日
 当欄で何度かネタにした、入札制度改革華やかなりし頃の県幹部職員の発言。「県工事は誰がやっても同じだから、入札参加者は多い方がいい」。なかなかパンチが効いた一言だが、当時の社会情勢がそのような発言を促したのだろう▼県営建設工事における総合評価落札方式の試行開始は、この発言と同時期の06年度。時代ごとの社会的な要請や業界側の要望なども取り入れながら見直しを重ね、今年で15年となった▼先ごろ開かれた県と県建設業協会との意見交換の席上、総合評価落札方式の地域精通度に関して「除雪は究極の地域貢献。単純なボランティア活動とは意味が異なる」との声が上がった。地域貢献に対する評価は長く議論の対象となっており、14年度には清掃活動などを入札参加審査基準の加点対象から除外することも議論された▼地域建設業はインフラの町医者という評価が定着した現在、いまさら「誰がやっても同じ」ではないだろうが、県営建設工事をどのような企業に請け負ってほしいか、地域貢献に対する評価も含め、明確にしてもよいのでは。
●つむじ風 11月4日
 行楽シーズンで自動車に乗る機会が多くなる11月。警察庁と経済産業省、国土交通省、環境省で構成するエコドライブ普及連絡会は、11月を「エコドライブ推進月間」と位置付け、エコドライブの普及・促進を図っている▼同会は、2003年に「エコドライブ10のすすめ」を策定した。これまで「自分の燃費を把握しよう」は第10項目だったが、エコドライブに取り組む上で「燃費を把握する」ことが重要と考え、昨年2月に第1項目に移した▼エコドライブ10のすすめでは、無理なことをお願いしているわけではない。アクセル操作にゆとりを持ち、適正なタイヤの空気圧、不要な荷物をおろす-など。10分間のアイドリング(エアコンオフの場合)で、130CC程度の燃料を消費するという。昼休みにエンジンをかけていると約800CCも消費することになる▼ガソリンスタンドに表示されている価格に思わず二度見した。燃油価格の高騰が続けば、家計ばかりでなく企業経営にも深刻な影響が懸念される。まずは自分の燃費を把握し、できることから始めたい。
●つむじ風 11月2日
 内閣府などが主催する第6回防災推進国民大会(ぼうさいこくたい2021)が6、7日の両日、釜石市で開催される。今回のテーマは「~震災から10年~つながりが創る復興と防災力」。発災から10年の節目の年として改めて震災と向き合い、国全体の防災力の強化を目指していく▼同大会は、防災の大切さや国と地域ごとの防災活動の現状を情報発信し、国民全体の防災意識の向上などを目的に開催されるもの。今回のプログラムのうち、6日の内閣府主催によるハイレベルセッションでは、市民ホールTETTOで、東北被災地の復興と防災力の強化を担ってきた内外のリーダーらに、10年間の経験や未来のビジョンを語ってもらう予定となっている▼このほか2日間にわたり、防災復興展示会や地震体験車などのモーターショー、沿岸の伝承施設・震災学習列車などを活用した体験プログラムといったイベントも企画されている。大会を通して、これからの復興と防災の在り方を考え、震災の経験と教訓を共有することで、防災文化を醸成する場になればと思う。
●つむじ風 11月1日
 とある学校では、老朽化対策の施工に際して仮設校舎の整備が必要となり、仮設校舎を先行して整備。仮設校舎に入居した学生たちからは、「新しくきれいな建物になって、前の校舎より過ごしやすく快適」といった感謝の声が、施工業者に多く寄せられたという▼新たな学び舎の完成はまだ先で、学生が生活を送っているのはプレハブの仮設校舎。プレハブの建物なのに、既存校舎より過ごしやすさを感じている状況に、「愕然とした」と施工業者では話していた▼多くの公共施設の老朽化対策が必要となってきている中、文教施設も決して例外でない。このエピソードを聞いて、老朽化している校舎での学校生活に子どもたちが抱いている不便などは、想像以上なのではと感じさせられた▼子どもたちが不便など感じずに勉学に励んでいくため、校舎等の老朽化対策として、財政状況はあるだろうが、最善の措置を講じていってほしいと思う。加えて、今後の学校施設整備では近年多発する災害に対応すべく、建設場所についてもしっかり考慮していく必要があるだろう。
●つむじ風 10月29日
 25日に福島市で開かれた東北建設業協会ブロック会議。東北6県の建設業協会は、国土強靱化の計画的推進と社会インフラ整備予算の確保など6項目を要望した。要望項目の中からは「復興」の言葉が消え、軸になったのは、国土強靱化への予算確保、早期の補正予算編成、東北管内の格差解消など▼全国的に自然災害が頻発する中、地域の守り手となる地域建設業の存続に向けて、激変緩和措置としての「地域係数(仮称)」の導入も要望。被災地特例で実施されている復興係数の代替措置として、地域実態を反映した新しい係数を導入することで、災害発生時における施工確保にもつながるものとして提案された▼本県においても「復興係数に助けられている」という声が多く聞かれる。しかし、いつまでも係数頼りの業界ではいられないのも事実。生産性向上への自助努力は大前提であるが、現場実態に即した内容への標準歩掛りの見直し、現場状況に合った設計図書の作成、施工条件の変化に迅速に対応した設計変更など、発注者サイドの抜本的な取り組みも必要だろう。
●つむじ風 10月28日
 報道発表資料が久慈市役所からファクスで届いた。八戸・久慈自動車道完成記念大会が、11月19日に同市で開催されるとの案内だ。「祝 開通」という大きな字も記されている。沿線住民の願いが道路の開通につながったことを記念する大会。今後の道路の利活用を考える貴重な場となる▼同自動車道は、青森県八戸市と本県久慈市を延長50㌔程度で結び、三陸沿岸道路の一部となっている。侍浜インターチェンジ(IC)~洋野種市IC間が3月20日に開通し、同自動車道として全線開通した▼06年からこれまでは、整備促進のための住民大会が開かれてきた。その中で、地域の子どもたちが道路に込める思いを発表したことを思い出す。「誰かに助けを求める時も、誰かを助けに行く時にも利用できる大切な命をつなぐ道になる」▼両県の骨格とも言える道路。東日本大震災からの復興の先へ、地域として命の道を活用するためのアイデアが重要となる。完成記念大会では、意見発表なども予定されている。今後も一体となって、地域活性化への手掛かりを探りたい。
●つむじ風 10月27日
 花巻労働基準監督署(平松正俊署長)は、昨年度に続き『見える』あんぜん事例集の第2集を作成した。第2集では、感染対策が新たに盛り込まれ、37事例の見える安全活動が紹介されている▼感染対策に関しては、消毒液やマスク、検温器の設置のほか、感染予防に向けたグッズの作成や標語の設置など、各社とも工夫をこらした見える化を実践している。空気中のCO2濃度測定機を設置し、換気の判断基準を見える化している事例も挙がっている▼転倒災害も全業種共通の課題となっている。骨折などの思わぬ重症も発生し、中には後遺症を残すなど、本人ばかりでなく企業にも大きな損失をもたらしてしまう。第2集では、冬季の転倒災害防止に向けカラフルな危険個所の図を作成するなど見える化に努めている事例が掲載されている▼岩手山の頂上付近の山肌が白くなり、季節はいよいよ冬を迎えようとしている。建設業での転倒災害が増加傾向にある。第2集とともに第1集の転倒災害に関する安全対策を参考にしながら、早め早めに対応していきたい。
●つむじ風 10月26日
 陸前高田市は今月上旬、最後まで残っていた脇之沢漁港海岸の災害復旧(防潮堤)工事で完成検査を実施。これで震災で被災した同市管理漁港の復旧・復興事業が全て完了となった▼米崎町で進めていた脇之沢漁港海岸の防潮堤は、総延長1862・5㍍。整備延長の内訳は、県が整備した高田海岸の防潮堤に続く沼田地区が468・6㍍、さらに東側に伸びる脇の沢地区が913・0㍍、両替漁港へとつながる勝木田地区が480・9㍍となり、津波に対する一大防除ラインが形成された▼今回整備された防潮堤の天端高は、高田海岸の第2線堤と同じTP+12・5㍍(震災前はTP+6・15㍍)。構造形式には、L型式や逆T式などが採用された。工事は、16年3月から約6年半をかけて完成した▼震災当時に現地を訪れ、倒壊した防潮堤が続く光景にぼうぜんとしたことを覚えている。あれから約10年半。気仙川水門から脇之沢漁港海岸へと伸びる防潮堤ラインは、復興を象徴する景色となった。津波防災の要として、市中心部の暮らしを守ってほしいと思う。
●つむじ風 10月25日
 奥州市が計画する新市立病院について、市としての建設候補地が、県立水沢農高の農場用地に絞られた。新病院は、総合水沢病院、まごころ病院、前沢診療所を統合し、衣川診療所と衣川歯科診療所の外来機能を維持して整備する位置付けとなる▼事業は、総合水沢病院の老朽化から新病院の移転整備が計画されたことから始まり、協議検討を進めていたものの、地域の医療体制の在り方の議論が不足しているなどの指摘が出され、計画を凍結。地域医療介護計画で市立医療施設の再編の考え方を示した後、次期改革プランで今回の提示に至った▼きょう25日から来月2日まで、市内5会場で改革プランについて住民説明会が予定されている。地元などから、まごころ病院や前沢診療所の存続を求める声が多く出されている一方、地域医療の存続へ再編などの措置が必要な状況にもなっている▼行政の丁寧な説明と、地元住民らが納得できる方向になることが望まれる。地域医療の行方が最善の方向へ向いていくよう、官民一体で真剣に考えていく機会としていってほしい。
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