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2018年
12月11日(火)
10:20

コラム集

●つむじ風 12月11日
 東北地方整備局南三陸国道事務所が整備を進めていた、三陸沿岸道路「釜石山田道路」のうち、大槌インターチェンジ(IC)│山田南IC間(延長8㌔)が、来年1月12日に供用を開始することが決まった。この開通により、山田町内の三陸沿岸道路は全て完成することになる▼同事務所管内では同「唐桑高田道路」の同6・5㌔区間、同「吉浜釜石道路」の同5㌔区間に続く開通。同「釜石山田道路」では、震災6日前の釜石両石IC│釜石北IC間(同4・6㌔)開通以来、2カ所目となる▼今回の供用開始により、大槌町中心部から宮古市までの約35㌔が結ばれ、観光振興や迅速な救急搬送、さらにはかき養殖が盛んな山田町の出荷拡大など、地域産業の復興支援にも期待が寄せられる▼同事務所管内の残る区間も、(仮称)釜石ジャンクション周辺を含む大部分が、年度内で開通予定で、縦軸・横軸幹線が大きく延伸する。交通の転換点を迎える中で、沿線自治体も道路の利活用に向け、産業の育成やまちの魅力づくりについて考えていく必要があるだろう。
●つむじ風 12月10日
 先日テレビで、インフラツーリズムを取り上げているのを視聴した。公共施設や土木景観を観光資源と位置付け、実際に現地へ赴き観光旅行するもので、国土交通省も積極的に取り組むようになってきている。年間1万人が参加するようなツアーもあるようだ▼本県内でも毎年7月の「森と湖に親しむ旬間」などを中心に、国で管理するダムの内部見学のなどのイベントが催されている。工事中の現場を地元住民が見学したり、完成間近のトンネルや橋などを歩くようなイベントも展開されている▼インフラツーリズムでは、国や都道府県職員といった事業主体側のみならず、地元住民らがガイドを務める事例も多くみられる。県内では、11月に開通した一関市の主要地方道一関北上線の柵の瀬橋において、民間主導で県が協力する形の見学会が開かれ、参加者から好評の声が多く聞かれた▼説明する立場に地元住民らが関わることで、インフラに対する愛着や理解がより深まることが期待される。インフラ整備の大切さなども広く周知されていくことにつながればと思う。
●つむじ風 12月7日
 数年前から聞くようになった「人手不足倒産」。帝国データバンクによると、18年度上半期に全国で発生した人手不足倒産は76件で、前年度同期から約4割の増。年度を通して過去最多となった17年度を上回るペースで発生しているという。産業別ではサービス業が最も多く、これに続くのが建設業。その背景としては、職人不足からくる外注先の確保難、職人や技術者の不足による労務費の上昇などがあるとのこと▼東日本建設業保証岩手支店が四半期に一度公表している景況調査を見ると、経営上の問題点に上げられた回答のトップは、17年7~9期から5期連続で「人手不足」で、回答割合も60~70%と高い。「従業員の高齢化」「下請けの確保難」なども人手不足の延長線上にあると言えそうだ▼人手不足は施工コストの上昇要因にとどまらず、いずれは受注機会の損失や工事の不履行などに発展するケースもあるだろう。「担い手の育成・確保」は地域建設業の存続、ひいては地域の危機管理にも関わってくる課題として取り組んでいく必要があると思われる。
●つむじ風 12月6日
 県と盛岡市は共同で、盛岡南公園内に新野球場の整備を計画している。完成すれば高校野球県大会のメーン施設となるほか、プロ野球1軍公式戦も開催されるという▼両翼は100㍍、中堅122㍍で、フィールドは人工芝。収容人員は約2万人が見込まれている。PFI手法(BTO方式)による整備を想定しており、市が単独で発注事務を行う。2021年度の供用開始に向けて、来年1月にも実施方針・業務要求水準書案を公表する予定▼別棟で屋内運動場も整備される予定。内野の連係も確認できる広さで、雪が降れば使用できない球場と異なり、通年で利用者が訪れることだろう。さらにグルージャ盛岡のJ2ライセンスが整えば…と思うが、なかなかハードルは高そうだ▼JR岩手飯岡駅から盛岡南公園までは市道岩手飯岡南公園線の整備により、アクセスが大幅に改善された上に、永井小に通う児童の交通の安全にもつながった。あとはJR岩手飯岡駅の橋上化が実現すれば、駅東西の交流の活発化はもとより、盛岡南公園の利用促進にもつながるはずだ。
●つむじ風 12月5日
 国道340号の遠野と宮古の市境に位置する立丸峠工区(延長5・21㌔)の完工式が先日開かれた。20年ほど前に初めて通行して以来、怖い峠道だった立丸峠が大きく生まれ変わり全線開通した▼旧道の最小幅員は3・3㍍。区間内の74カ所のカーブが道路構造令を満たしておらず、最小曲線半径は10㍍。大峠工区(延長3260㍍)は、R∥100㍍未満の急カーブが52カ所。つまり同工区は約60㍍、小峠工区(1700㍍)は約80㍍に1カ所の割合で急カーブが存在していた▼先月17日に企画された「立丸第一トンネルをみんなで歩いてみよう!」。イベントに参加した遠野市土淵町に住む70歳代の男性は、かつての峠道を「冬ばかりでなく、夏でも命懸けだった」と振り返り、「本格的な降雪前に通行できるのはうれしい」と安堵した様子だった▼完工式で山本正德宮古市長は「この道路、できただけではだめだと思っている」と話す。単にヒトやモノの行き来する量が増えるばかりでなく、道路を生かし、地域の活性化につなげていかなければならない。
●つむじ風 12月4日
 砂浜再生に向け、養浜工事が進む陸前高田市の高田松原。1日に開かれた現場見学会には、家族連れや震災前の景色を知る地元住民らが多数参加し、砂浜を踏みしめながら、地元のシンボルの復活を喜んでいた▼見学会は、現在施工中の工事延長1000㍍のうち、海水浴場としての活用を想定する区間が完成したことから、工事を請け負うJVが企画。現地では、海岸線の中ほどにある試験施工区間から、東西に砂浜を広げていくイメージで工事を進めており、工期は年度内を予定している▼養浜工事では、海岸に砕石を投入後、1㍍の厚さで砂を被せていったとのこと。実際に歩いてみた感想は「ふかふか」で、参加者も砂を手に取りながら、粒の細かさを確かめていた。再生した景色をカメラに収める人もおり、参加者は震災からここまで回復した高田松原に感慨深げの様子だった▼砂浜の再生工事とともに、周辺では津波復興祈念公園などの整備も展開されている。市内外から人が訪れ、高田松原の美しい風景を楽しんでもらうためにも、着実な整備が求められるだろう。
●つむじ風 12月3日
 12月に入り、寒さも日に日に厳しくなってきている。先月は、各地の除雪出動式や除雪担当者の会議などを取材する機会に多く恵まれた。除雪作業も今後、本格化していく▼除雪出動の催しに関しては、功労者に対する表彰を行っている地域も見られるが、今年度から表彰を始めた地域も出てきている。今年度から表彰を始めた地域の担当者に聞くと、長年貢献してきた作業員らに感謝の意を表したいとの趣旨を第一に、後継者の育成・確保にもつなげたいとの思いがあるようだ。表彰された作業員の従事年数を見ると、40年程度の数字も見受けられた▼除雪の仕方にも技術力が必要という話は、いたる所で聞く。地域によって差があるとの指摘も聞かれる。除雪対応できなくなった企業も出てきている中だが、こうした優秀な技術力を着実に継承していくことは、今後の大きな課題となるに違いない▼まずは今シーズン、除雪作業に従事する作業員に健康に留意して無事業務を遂行し、県民の足確保が願われる。加えて、後継者の育成に関しても尽力してほしく思う。
●つむじ風 11月30日
 12月1日からスタートする「いわて年末年始無災害運動」を前に、建設業労働災害防止協会県支部の木下紘支部長が談話を発表。「作業現場の安全管理の取り組みの徹底」「車両系建設機械の接触防止対策」「高所作業場所からの墜落・転落防止対策」「交通労働災害防止対策」などの取り組み推進を関係者に呼び掛けている▼小紙でも何度か伝えているように、今年は県内建設業における死亡労働災害が多発。10月末の時点で、昨年1年間の年間死亡者数を上回る結果となっている。建設業全体での労働災害の発生件数は微増であるものの、土木工事は1割強の増加で、中でも二戸、宮古、盛岡で比較的多く発生している▼東日本大震災からの復興事業が最盛期にあり、さらには台風10号災害の復旧工事も本格化している。地域の復旧・復興が、建設現場で働く人たちの犠牲の上に成り立つようなことがあってはならない。安全で快適な労働環境の中で復旧・復興と社会資本整備に貢献できる産業であるためにも、談話の内容を受け止め、改めて職場の安全衛生に努めてほしい。
●つむじ風 11月29日
 国道46号盛岡西バイパスの全線開通により、沿道にはあっという間に大型店や賃貸住宅が立ち並んだ。同路線を使えば、盛岡市内の二つのICと中心市街地が短時間で結ばれることもあり、年々交通量が増加。早期の全線4車線化が望まれている▼復興支援道路の宮古盛岡横断道路の整備も進んでいる。そのうち都南川目道路は、19年度の全線開通を予定。同道路が開通すれば、上米内湯沢線を通り盛岡南ICと直結することもあり、盛岡-宮古間の車の流れは盛岡南IC方向にシフトすることになりそうだ▼さらに岩手医大附属病院が矢巾町に開院すれば、国道4号盛岡南地区(盛岡市-矢巾町)の交通量は一段と増えるだろう。国土交通省は、国道4号盛岡南地区の道路整備の計画検討に向けて、地元や道路利用者を対象にアンケート調査を開始した▼県南部では東芝メモリ㈱の進出により、国道4号の2車線区間拡幅や水沢東バイパス整備は急務。既存構造物の老朽化対策や交差点改良、沿道の歩道設置を含め、大動脈・国道4号もいまだに整備の必要な個所は多い。
●つむじ風 11月28日
 台風、大雨、洪水、土砂災害、暴風、雷、突風、大雪などの気象や地震、津波、火山、地球温暖化…。現象は説明できるが、過去の歴史や各現象の防災・減災に向けた取り組みの説明は難しい▼気象庁は、防災教育に使える副教材・副読本ポータルサイトを開設。対象年齢や現象、形態(かるた、絵本等)、作成者に分かれている。小・中学生向けの内容をクリックすると、分かりやすく解説しており、大人でもなるほどと感じる部分がある▼本県からは、いわての復興教育副読本として「いきる かかわる そなえる」が登録。小学校の低・高学年、中学校用が用意されており、各世代に合わせたエピソードなどを盛り込みながら、「生きる」「関わる」「備える」をまとめている▼地震や津波、風水雪害など自然災害が発生するメカニズムを理解し、過去に発生した自然災害の特性を知ることは重要。近年は、大雪による被害も深刻化している。交通機関の乱れ、停電、除雪作業、雪崩、雪解け後の洪水・土砂災害など、被害を予想し、迅速な対応が求められている。
●つむじ風 11月27日
 85年に開催された国際博覧会(万博)・「つくば万博」へ、小学生の夏休みに連れて行ってもらったことがある。多くのパビリオンが立ち並ぶ中、日本企業などが示す未来像を、ワクワクしながら見て回ったのを憶えている▼25年万博の大阪開催が決定した。来年のラグビーワールドカップ、20年の東京五輪・パラリンピック、さらに万博と、国際的なイベントが続くこととなった。政府では万博を起爆剤として、オリンピック後の日本の成長につなげていきたい考えだ▼開催場所は、大阪湾の夢洲(ゆめしま)で、期間は5月3日から11月3日までの185日間。会場建設費は約1250億円とされており、今後、造成やアクセス部分の工事などが本格化していくことになる。経済波及効果としては、約2兆円を試算している▼25年万博のテーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」。最先端技術が紹介される場になるのだろうが、被災県としては「自然災害への備え」も取り上げてほしいところ。未来を豊かにするヒントが得られるような、万博になればと思う。
●つむじ風 11月26日
 われわれが思っている以上に、若い人たちの地元企業への就職意欲は高いのかもしれない。県建設業協会と県内高等学校の土木・建築部門担当教員による「若年入職促進懇談会」での学校側のコメントを聞く限り、県内企業がアプローチする余地は十分にあると思われる▼特にも盛岡工業高等学校土木科では、今年度の県内企業への就職が県外を上回ったという。盛岡支部が14年度から実施している合同就職説明会など、活動の積み重ねが成果として出てきたとも考えられる。ほかにも測量実習や模擬面接、現場見学会、実習資材の寄贈など、見回してみれば参考になる事例は意外に多いのではないだろうか▼懇談会の席上、参加した教員の一人は「まずは管内企業、県内企業を第一に検討するように指導している」と話していた。「学校も生徒も県外志向」という思い込みを廃し、地元企業に目を向けてもらう機会を自らつくっていく姿勢が重要。はじめから「県外志向」を言い訳にすることなく、他地区や他業種の好事例を水平展開してみることも必要と考えられる。
●つむじ風 11月22日
 久慈市は、久慈駅前と道の駅くじ「やませ土風館」の連携により中心市街地全体のにぎわい創出を図るため、(仮称)久慈駅前複合施設の建設を計画。19年度の完成を目指し、建設を進める。施設の愛称の募集も始まったようだ▼建設予定地は、同駅南側に当たる同市中央3丁目および本町1丁目地内となる。施設構造・規模は、鉄骨造3階建て(屋上庭園、展望室あり)で、延べ床面積は2518・13平方㍍の計画だ▼1階には観光交流センターや喫茶店をはじめ、図書館の一部(視聴覚室など)を配置する。2階には図書館(児童・青年図書、一般図書の一部、事務室)、3階に同(一般図書、郷土資料室、閉架書庫)を設ける。実施設計の図面を見ると、「あまカフェ」「観光プレゼンコーナー」といった文字も。完成後には、カフェなどを訪問してみたい▼新たなまちの顔となり、整備効果や機能を発揮していくことが期待される複合施設。名前を聞けば、その地域を連想できるような愛称に―。地域の内外を問わず、多くの人々に親しまれる施設となってほしい。
●つむじ風 11月21日
 今月1日から準天頂衛星システム「みちびき」のサービスが始まった。みちびきを活用した高精度な3次元位置情報を用いることで、建設分野ばかりでなく、農業、自動車、物流、防災分野で革新的なサービスや新たな産業を生み出す可能性が示唆されている▼誰でも数センチメートルの精度で位置を知ることができる社会(高精度測位社会)が、目の前に来ている。一方で、精度が高いゆえに、地図上の位置とズレるということも生じてしまう▼国土地理院では、「正しい位置なのにズレる?」と題した動画をこのほど公開し、この疑問に答えている。地面は絶えず動き続けており、特に日本列島は四つのプレートの上にある。地面のズレを補正しなければ、せっかくの高精度な測位情報が地図上で矛盾なく利用できないという▼「みちびき」の測位サービスは始まったばかり。23年度には現在の4機から7機体制に拡充する見通しで、今後あらゆる分野で利活用が進むだろう。建設産業界にとっても、生産性を高めるばかりでなく、魅力を高める導きにもつなげたい。
●つむじ風 11月20日
 なりわいの再生や産業の育成に向け取り組みを進める沿岸被災地。陸前高田市では、起業を目指す事業者などの支援のため、新たな中心市街地に「(仮称)チャレンジショップたかた」の新設を計画。施設は今後、建設工事が本格化していく▼「(仮称)チャレンジショップたかた」は、起業を目指している人や、障がい者などの雇用の場の創出を支援するテナント施設で、規模は、木造平屋建ての床面積377平方㍍。事務所や物販店舗、飲食店舗などを設置し、完成は19年3月を予定。同年5月のオープンを見込む▼大槌町でも、第1次産業を中心に新たな産業を生み出していくため、新産業創出研究センターの新設を計画。センター整備事業の拠点となる研究棟は、軽量鉄骨造2階建て、延べ床面積476・98平方㍍の規模で、年度内の完成を目指し、工事が進められていく▼新規事業者が事業に挑戦できる場の提供や、新たな産業の創出は、地域の活性化を図るためにも不可欠。取り組みを進め、所得の向上、人口の維持・増加につなげていく必要があるだろう。
●つむじ風 11月19日
 業界団体で実施している技術研修会の様子を取材する機会に多く恵まれているが、最近はICTに関しての題材が、よく取り上げられる印象を受ける。国交省では対象工事が多く出され、県工事でも対象案件が着実に増えている▼ICTを導入している現場で話を聞くと、「慣れれば作業は非常に楽になる」との声が大半。起工測量でのUAVやレーザースキャナーなどを活用しての3次元設計データの作成に関して、施工業者自らでの実施に向け勉強しているといった話もよく聞く▼現状を見ると、規模の大きな道路や河川工事での活用がメーンだが、請負金額が1000万円台程度の施工でも「中小規模の工事でも施工性やコスト面が適切なものとなるか確かめたい」との考えから、導入の動きも見られる。ほ場整備での活用を考えている業者もいるようだ▼各ICT活用現場の状況を検証し、どのような形での導入が有効かを考えていく必要がある。県内各地で現場見学会も開かれているが、もう一歩進んだ取り組みも必要な時期に差し掛かってきている気がする。
●つむじ風 11月16日
 今年度も「いわて年末年始無災害運動」が、岩手労働局と岩手労働災害防止団体連絡協議会の主唱で、12月1日から1月31日までの2カ月間にわたって実施される▼この運動は「岩手県から死亡労働災害をなくそう運動」を引き継ぐ形で06年度にスタート。年末年始は慌ただしさに加えて、凍結や積雪などに起因する労災リスクが高まることから、関係者が職場の安全に対する認識を新たにし、労災根絶に向けた取り組みを推進することを目的に実施されている▼本県において、転倒や車両のスリップなど冬季特有災害が年間死傷者数に占める割合は、約2割と言われる。年末年始の労働災害発生状況が年間の死傷者数に影響するため、この時期の労災防止は最重点課題の一つに数えられている▼今年は建設業の死亡労働災害が多発傾向にあり、現時点での死亡者数は17年の年間累計を上回っている。11月は準備期間。運動期間を待たずに、リスクアセスメントや危険の見える化、安全決意宣言などに着実に取り組み、無事故無災害で年末年始を送っていただきたい。
●つむじ風 11月15日
 二戸市は、県内の市町村で初となる国土強靭化地域計画を策定した。計画期間は20年度まで。同計画は自然災害によるリスクの低減を図るため、行政機能などの強靭化に関する総合的な指針となる▼同市は、大規模自然災害が発生しても「次代へ紡ぐふるさとづくり」が停滞することのない、強さとしなやかさを備えた安全・安心な「にのへ」の構築を目指す。道路関係では、アクセス道路の複数化などを進め、孤立集落の発生の低減に向けたネットワークを構築する▼県では県国土強靭化地域計画(計画期間16~20年度)について、18年度が中間年となることから見直しを進めている。先ごろの同計画推進アドバイザリー会議では、有識者から「災害の影響は二次、三次的に及ぶ。代替性を高めなければならない。市町村レベルでの議論、個別事情の把握が大切」との声があった▼県内では滝沢市が策定に向けた取り組みを推進中で、今後も広がりを見せるだろう。地域の目線でリスクを洗い出し、行政・住民が災害に対する備えの大切さを共有する計画としてほしい。
●つむじ風 11月14日
 遠野市が主催し、県建設業協会遠野支部青年部会などが共催したブラインドサッカー体験会が先日、市民ら約60人が参加し遠野市内で開かれた。取材で訪れたが、実際に体験することになった▼講師は、ブラインドサッカー元日本代表の落合啓士さん。全員にアイマスクが配られ、まずは準備体操。2人1組となり、1人はアイマスクを着用し目をつぶり、相方は落合さんのポーズを相手に伝える。単純なことだが、これが難しい▼例えば、肩入れ。足を肩幅よりも広げ、両方のつま先を外に開いて、お尻を落としていく。手は膝の上に乗せて、肩を入れるように上体をひねっていく…。知らない人に言葉だけで伝えるためには、相手が理解できる言葉を選ばなければならない▼体験会後、落合さんは「チームがうまくいっていない時、たった一言で変わる」「仲間に対して伝わる『良い言葉』を考えてほしい」など、改めて相手のことを考えて言葉を選ぶ大切さを参加者らに訴えた。ブラインドサッカーに限らず、日常生活や仕事でも同じことが言えるのではないだろうか。
●つむじ風 11月13日
 新たな学校給食センターの建設に向け、先週、地鎮祭を行った釜石市。事業は今後、20年4月の供用開始を目指し、現地で工事が本格化していく▼新センターは、同市鵜住居町に、鉄骨造一部2階建て、延べ床面積2516平方㍍の規模で整備される。供給能力は1日最大約2600食で、市内小・中学校全14校をカバー。施設にはHACCPを導入するほか、ドライシステムを採用した調理室をはじめ、新たにアレルギー対応調理室や炊飯室を配置。食育機能や、震災を教訓に災害対応設備も設置される▼地鎮祭で施工者を代表しあいさつした、日鉄住金テックスエンジ㈱の今西昭裕取締役常務執行役員建設事業部長は、「子供の時に食べた地元の海の幸、山の幸は、いつまでも記憶の中に刻まれるもの」と語り、「釜石を離れることがあったとしても、この地を思い出させる」センターの機能に期待を寄せていた▼新施設を拠点に提供される古里の味が、次代を担う子供たちの地元愛を育み、さらに震災からの復興の記憶を思い起こさせるものになればと思う。
●つむじ風 11月12日
 冬の使者である白鳥が、県内各地に訪れ始め、冬の足音を感じる。渡り鳥が飛来するシーズンになってくると、鳥インフルエンザの懸念が強まってくる▼県建設業協会では、「家畜伝染病における緊急対策業務に関する協定」を県と締結。家畜伝染病が発生した場合、県の土木関連部署が所管する殺処分後の家畜の埋却、通行する車両を消毒するポイントの設営に係る作業について、同協会で補助するなどの活動を担っている▼同協会奥州支部では、作業に慣れておく必要があるとの考えで、昨年から定期的に高病原性鳥インフルエンザ防疫対応実地訓練を実施、今シーズンの訓練が先日開かれた。実際に防護服を着用し、重機での掘削や埋却、石灰散布作業に至るまで本番さながらの訓練を展開した▼訓練を重ねることで手順がスムーズになる。県側から出される注意点を聞いていても、訓練を積んだことで得た知識や教訓などと感じられる場面が多くあった。実際に発生した場合は時間との勝負とされるだけあって、作業に慣れておくことは非常に重要なこととなる。
●つむじ風 11月9日
 東日本建設業保証㈱は毎年度、決算書の提出を受けた企業を対象とした財務統計指標を公表している。先ごろ公表した17年度の決算分析によると、県内704社の総資本経常利益率は6・29%。3年ぶりに前年度を上回り、ピーク時である14年度に次ぐ水準となった▼収益性の向上と歩調を合わせて健全性を表す指標も向上。自己資本比率は37・26%と、16年度に引き続き過去最高を更新している。借入金依存度も下がっており、利益確保に伴う資本の蓄積が進み、経営の安定化が図られている企業が多いことが見て取れる▼東日本大震災前の総資本経常利益率を見ると、最も悪い09年度にはマイナス3・48%まで落ち込んでいた。決して本意ではないだろうが、東日本大震災の復興需要が県内建設企業の経営改善に寄与したことは否めない▼言い換えれば、時代ごとの社会が抱える問題にハード整備で応え、地域社会とともに発展してきた産業が建設業。震災復興の先、建設業がどのような社会の問題に応えていくか。文字通り地域課題として考えていく必要がある。
●つむじ風 11月8日
 盛岡市内で小学校時代を過ごした人にとって、岩山は何度も訪れた懐かしい場所なのではないか。遠足や冬のスキー学習等々…。入学後の最初の遠足で、展望台から盛岡市内を一望した記憶がある▼盛岡市民から長年親しまれてきた鹿島精一記念展望台が、盛岡市の18年度都市景観賞に選ばれた。鹿島建設の設計・施工により1962年に建設され、盛岡市に寄贈されたもの。建築から約50年を経て、同社によりリニューアルされた。今後も盛岡市の代表的な建築物として市民から親しまれ、さらに盛岡を一望できる景色は、今後も観光客を魅了することだろう▼同展望台のある岩山公園一帯には、動物園、遊園地、競馬場などの観光施設が点在。盛岡市では何度も訪れたくなる場所として、同公園の再整備を目指している。動物公園についても再整備を計画中だ▼国直轄で整備が進められている都南川目道路が全線開通すれば、市外・県外から岩山一帯へのアクセスも向上する。建設中の簗川ダムも岩山一帯とともに、新たな憩いの場所となり得るのではないか。
●つむじ風 11月7日
 先日、仙台市内で開かれた震災伝承シンポジウム。テーマは「何を残し、何を伝えるか」。パネルディスカッションに参加した徳山日出男氏は「やっと、このテーマで開くことができる時期になったという思いがある」と話した▼シンポジウムでは、パネリストから数年前に被災地の住民や学生に復興祈念公園に求められる質問をした際の回答が示された。「何か思いを馳せるような場所」「同窓会ができるような場所」「来た人が木を植えて、次世代が成長を楽しめるような場所」など▼一方で、「行って何かを学ぶとなると重くなる。楽しくなるような場所がいい」との学生の声にはっとさせられたという。震災を風化させないということを考えた際、震災の傷跡を柔らかく包み込むことも大切なのだろう▼作家・井上ひさし氏は「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをゆかいに…」との言葉を残している。震災を風化させないため伝え続けるには、人の死という重く、暗く、深いテーマを避けることはできない。井上氏の言葉も忘れずにいたい。
●つむじ風 11月6日
 震災からの復興に向け、沿岸各地で整備が進む津波防護施設。ラグビーW杯の開催地となる釜石市鵜住居地区周辺では、来年9月の開幕を視野に、水門、防潮堤工事の進捗が図られている▼同地区では、ラグビーの試合会場となる釜石鵜住居復興スタジアムが7月末に完成。スタジアム周辺では、県沿岸広域振興局土木部が、鵜住居川水門と片岸海岸防潮堤の整備を進めている。両施設とも高さはTP+14・5㍍。同防潮堤は19年3月、同水門は同年8月の概成を計画している▼同防潮堤は延長818・3㍍。盛土量は36万7200立方㍍を誇り、間近で見るとかなりの迫力だ。「震災学習列車」を運行している三陸鉄道が、来年3月のJR山田線宮古│釜石間の移管後、新鵜住居駅を起点に防潮堤などを見て回る企画を組めば、津波の脅威を分かりやすく伝えられるのではないか▼このほか同土木部管内では、釜石市や大槌町の中心部などを守る水門、防潮堤整備も進められている。被災地の復興を支える津波防護の要となるだけに、着実な工事の進捗が求められるだろう。
●つむじ風 11月5日
 10月下旬に青森県で開かれた東北建設業協会ブロック会議。社会インフラ予算の増額や、18年度下期における大型補正予算の早期編成など7項目が提案された。地域建設業の生命線である公共事業費の確保を、今後も呼び掛けていく必要がある▼頻発する激甚災害への対応と、老朽インフラの計画的な維持更新を図るために、地域建設業の存在は不可欠。国民の安全・安心を守るセーフティネットの一つとして、地域建設業を半ば公的な存在として位置付けることも可能だろう▼一方のインフラ整備における最優先事項は、国土強靱化や事前防災。さらには少子高齢化に伴うコンパクト+ネットワークの実現、施設の集約化や統廃合など、縮小社会の中でこそニーズが生まれる公共事業があるかもしれない▼防災・減災、既存インフラの維持管理、縮小社会などのキーワードから、社会に不可欠な地域建設業の姿が再構築されていくと思われる。事業費の確保という量の議論に終わらず、公共事業と建設業界のあり方を質の面から一体的に考えることも重要ではないか。
●つむじ風 11月2日
 10月下旬に青森県で開かれた東北建設業協会ブロック会議。社会インフラ予算の増額や、18年度下期における大型補正予算の早期編成など7項目が提案された。地域建設業の生命線である公共事業費の確保を、今後も呼び掛けていく必要がある▼頻発する激甚災害への対応と、老朽インフラの計画的な維持更新を図るために、地域建設業の存在は不可欠。国民の安全・安心を守るセーフティネットの一つとして、地域建設業を半ば公的な存在として位置付けることも可能だろう▼一方のインフラ整備における最優先事項は、国土強靱化や事前防災。さらには少子高齢化に伴うコンパクト+ネットワークの実現、施設の集約化や統廃合など、縮小社会の中でこそニーズが生まれる公共事業があるかもしれない▼防災・減災、既存インフラの維持管理、縮小社会などのキーワードから、社会に不可欠な地域建設業の姿が再構築されていくと思われる。事業費の確保という量の議論に終わらず、公共事業と建設業界のあり方を質の面から一体的に考えることも重要ではないか。
●つむじ風 11月1日
 東北地方整備局北上川ダム統合管理事務所長の成田秋義所長による講演を取材する機会を得た。講演では四十四田ダムなど、県内の五大ダムの役割を語った▼県内にある四十四田、御所、田瀬、湯田、胆沢の五大ダムが発揮する効果は大きい。同事務所によると、五大ダムの総貯水容量は約5億㌧で、有効貯水容量は約4億㌧。五大ダムの水力発電により、県内の年間発電量の16%、約8万世帯分の電力を供給している▼かんがい用水の補給にも力を発揮している。五大ダムによる用水の補給面積は、県内の水田面積の25%。成田所長は「約240万人分の生活に必要な米を生産できるよう、水を供給している。県内の人口を遥かに上回り、全国への米の供給に寄与している」と話した▼13年8月の大雨、同年9月台風18号では、御所ダムや四十四田ダムの洪水調節により、盛岡市街地の河川の水位を低減。大量の流木の流下も防ぎ、下流の流木被害も軽減したものとみられている。地域の暮らしを守り、産業を支えるダム。当たり前のように身近にあるダムを見つめ直したい。
●つむじ風 10月31日
 国土交通省と環境省、経済産業省、警察庁で構成するエコドライブ普及連絡会。同連絡会は11月を「エコドライブ推進月間」と位置付け、エコドライブの普及・促進を図っている▼同連絡会では「エコドライブには、特別な知識も、高度な技術も必要ない。大切なのは、思いやる気持ちを常に持ち続け、環境に、人に、優しい運転を積み重ねていくこと」としている。エコドライブ10のおすすめでは、少しの心掛けで燃費向上できることが分かる▼例えば、燃費に関しては、最初の5秒で時速20㌔を目安にすると燃費が10%程度改善。車間距離をあけると、無駄な加速・減速がなくなり、市街地で2%、郊外で6%ほど燃費が向上。エンジンブレーキを活用することで2%程度の燃費が改善。適切なエアコン使用や適正なタイヤ空気圧なども呼び掛けている▼現場に車両で移動することが多い建設業。エコドライブ10のおすすめなどを参考に、できることから実践していきたいが、時間に追われていては難しいだろう。まずは、時間に余裕を持った行動を心掛けたい。
●つむじ風 10月30日
 新市庁舎の整備を計画する釜石市。庁舎建設に係る基本計画・基本設計業務の事業者も、プロポーザルにより佐藤総合計画が選定され、今後、施設は整備内容の具体化が図られていくことになる▼プロポーザルでの佐藤総合計画案では、「釜石の絆と命をつなぐ防災庁舎」をコンセプトとして提示。災害に強い「強靭な庁舎」とするほか、東西軸の議会・行政棟と、南北軸の会議棟の交点には「みんなのホール」を設置。ホールを市民交流・市民協同の場、災害時は一時避難場所とすることで、防災啓蒙や多世代交流、まちづくりの活性化を図るとしている▼会議棟には低層のゲート型ピロティを設け、「みんなのホール」と一体利用が可能な屋外交流スペースとする想定。災害時は、屋外の災害対策スペースとして、給水や炊き出しなど多目的な利用も視野に入れている▼整備事業では、施設の20年度着工、21年度の完成を目指している。復興を支える釜石のシンボルとして、安全安心の拠り所となるだけに、多くの市民の声を反映させた設計を作成してほしいと思う。
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