カレンダー

2021年
1月27日(水)
13:56

コラム集

●つむじ風 1月27日
 不審なメールによる情報漏えい被害や個人情報の流出…。生活に影響を及ぼすサイバーセキュリティーに関する問題が多く報じられている。会社や個人のメールアドレスには、言葉巧みな迷惑メールが日々懲りずに送られてくる▼政府は、サイバーセキュリティーに関する普及啓発強化のため2月1日から3月18日までを「サイバーセキュリティ月間」と位置付けている。今回は、「ラブライブ!サンシャイン!!」とタイアップし、「みんなで叶えるセキュリティ!」をキーワードに挙げている▼このタイアップは、『ラブライブ!』シリーズ全体を貫く、「みんなで叶える物語」というキーワードと呼応している。全員参加で意識・理解を醸成するとともに、実現していくことが重要との趣旨を表しているという▼カタカナ用語が多く、難しく考えがちだが、サイバーセキュリティーのエッセンスは「知る」「守る」「続ける」│の3要素。特に、あの手、この手の迷惑メールのように、移り変わるサイバーセキュリティー上の脅威に対して対策を「続ける」ことが大切だろう。
●つむじ風 1月26日
 先週、県電気工事業工業組合盛岡支部青年部が、県立盛岡工業高校の電気科2年生を対象に行った出前授業。部員らは電気工事業の魅力を伝えるとともに、人手不足が深刻化する業界への入職を促していた▼授業では生徒から、仕事のやりがいや会社での人材育成方法、就職時に必要な資格について質問も出された。参加した部員は、やりがいについて「マンションの電気を施工後、試験のため夜中にいっぺんに点灯させた時など、全身に鳥肌が立つほどのうれしさを感じる」と、達成感を語っていた▼「人材育成では、どのようなことをしていますか」との質問には、「空いた時間に仕事で必要な技術、図面の書き方などを教えているほか、資格の講習も受けてもらっている。ただ、資格取得のためには個々の努力が大切」と答えていた▼建設業に就職した若手へ取材すると、「職場見学をして初めて仕事のイメージが湧いた」という声も多い。学生と積極的に交流を持ちながら、より具体的な事例や現場を示すことが、担い手を確保する上で求められているように思う。
●つむじ風 1月25日
 昨年末から気温の低い状態が続き、各地で大雪に見舞われている今冬。特にも昨年末は、連日の大雪で幹線道路も含めて除排雪作業が追い付かず、道路管理者の行政には、地域住民などから問い合わせや苦情などが多く寄せられたと聞く▼問い合わせや要請などは、実際に除雪を請け負う建設業者や団体にまで及んだ事例もあったようだ。一人暮らしの高齢者らから「家の前の道路の雪かきができないので、何とかしてほしい」などの要請があったという▼昨年の大雪時には、除雪を請け負う建設業者らのコメントも掲載して、状況が一般紙などでも報じられた。除排雪業務を建設業が担っていることを、広く周知する機会にもなった気がする▼「年明け後は、地域の方々も少し慣れてきた部分があるのか、問い合わせなどは一時に比べて落ち着いた」と話す地域の道路管理者も。一年を通して最も寒い時期に入ってきた。除雪を担当する業者、オペレーターにとって大変な時期は続くが、地域住民の足、安全・安心の確保へ、健康などに留意しての作業をお願いしたい。
●つむじ風 1月22日
 県内行政機関と業界団体が協働で、公共工事を一斉に休むキャンペーン「週休二日制普及促進DAY」の実施結果が、このほど公表された。20年度の実施日数は4~9月の第2土曜日の6日。全6日実施できたとする回答は約6割で、19年度の実施日数である3日を達成した企業は約9割に上がる▼このキャンペーンは建設業における働き方改革推進の一環として実施しているもので、東北6県で同様の取り組みが行われている。本県では東北地方整備局だけではなく、県と市町村、東北農政局の県内事務所(事業所)が連携して実施していることがポイント。どこか一つの現場が休めばよいのではなく、会社全体で週休二日に取り組むことが不可欠という思想が反映されている▼21年度は年間を通して12回実施する予定とのこと。この手の取り組みは、どうしても前年度を上回る実績が求められる傾向にあるが、キャンペーンはあくまでも一つの道具であり、それ自体は目標ではない。見た目の数字を求めるのではなく、実効性が上がる取り組みとなることを期待したい。
●つむじ風 1月21日
 厳しい寒さに加え、連日の大雪に辟易している。地域共同の雪捨て場も既に満杯。「どこに雪を持って行こうか」と思案中だ。振り返ってみれば、ここ数年が暖か過ぎた。子供の頃は、これが通常だったと思う▼とは言え、19日の暴風雪は厳しかった。県内の高速道路は、早々に通行止めになり、盛岡市内は大渋滞となった。以前、地方から盛岡までの走行時間を「盛岡との境までで、ようやく半分」と言われていた。同日は昔のように、盛岡脱出までに相当の時間を要したらしい▼盛岡周辺では国道46号盛岡西バイパスなどの道路整備が計画的に進み、交通混雑も解消されてきたが、盛南開発や岩手医大の矢巾町移転などで、盛岡広域南部の交通量は年々増加している。さらには盛岡市道明地区の新産業等用地の開発、盛岡南公園への新野球場整備などもあり、さらなる交通需要の増加が見込まれる▼特に盛岡西バイパス以南は、どうしても国道4号に交通が集中する。岩手流通センターや盛岡中央卸売市場の物流拠点にも近接。国道4号盛岡南道路の早期事業化が望まれる。
●つむじ風 1月20日
 県高等学校教育研究会工業部会機械専門部(佐々木直美部長)主催の県高校生溶接技術競技会が先日、開かれた。今回が2回目で、県溶接協会(髙橋哲雄会長)が後援している▼競技会の開催前、同協会の会員企業4社の技術者が競技会に参加する9校に出前指導を実施。今回の競技課題は裏当金がなく、前回に比べ難易度が上がった。そのため、技術者のアドバイスは貴重で、ためになったと生徒らは話した▼付き添いの先生に話を聞くと「生徒は、溶接の技術やこつ、何気ない会話を通してプロの意識を知ることができた」と出前指導を実施する同協会に感謝。「練習では、結果がなぜこうなったのか自分で考えさせた」と話し、完成した競技材を見ると「練習を通して一番の出来だった」と目を細めていた▼競技課題に取り組む生徒からは、すでに技術者の雰囲気が…。審査は今回から外観試験に加え、超音波探傷試験も実施し、総合的に溶接技術を審査する。同じ機械と同じ材料なのに、出来栄えが異なる溶接。競技会をきっかけに、さらに興味を持ってほしい。
●つむじ風 1月19日
 県沿岸広域振興局土木部大船渡土木センターが復興事業で推進する道路整備では、6工区で事業期間を21年度まで延伸。復興完遂に向け、残部区間の工事が進められていく▼6工区のうち、大船渡市内の主要地方道大船渡綾里三陸線「赤崎工区」では、赤崎小学校から赤崎大橋間の盛土部分などが、21年度までかかる見通し。同工区総延長4100㍍の半分以上を占める、終点側から赤崎中学校までの区間2400㍍については、年度内での一般供用が見込まれている▼陸前高田市内の国道340号「(仮称)今泉大橋工区」では、計画延長2600㍍の大部分が供用済み。地域の新たな幹線として、市民に利用されている。残る区間では橋梁本体が、年度内で完成の予定。21年度は、残る気仙川右岸側の盛土部分を進めていくことになる▼防災集団移転促進事業エリアを通る、山側へのルートの振り替えや、津波時の孤立化解消など、被災地の生活を支える上で道路整備は不可欠。新たなまちの持続的な発展に向け、全体完成までの着実な工事が求められるだろう。
●つむじ風 1月18日
 あおり運転の社会問題化などにより、普及が進むドライブレコーダー。360度撮影や音声の録音、車両停止時も撮影可能など種類が豊富だが、とある調査ではその装着率は半数近くにまで上ってきているという。「後方撮影中」といったステッカーを付ける車両も多く見掛けるようになった▼車両に関わるさまざまな技術革新が進むが、将来的に建設機器に取り入れられる技術もあるだろう。以前に、普通乗用車に搭載される技術について、一般論として5年後にダンプ、10年後ぐらいに建設機械に装備されるようになるとの話を聞いたことがある▼日進月歩で着実に進む技術革新。建設業でも、安全面や効率性などの面で、今後もさまざまな技術が新たに生まれてくるだろう▼便利になり労力も減っていくことが考えられるが、扱うのは現場の作業員ら。ICT建機でもそうだが、熟練者が使ってこそその効果が最大限発揮されると指摘される。新たな技術の習得とともに、従来の技術の継承が、着実に進んでいってほしく思う。そのためにも担い手の確保は必須だ。
●つむじ風 1月15日
 県営南青山アパートがこのほど完成した。県などが都市再生機構(UR)岩手震災復興支援本部に要請して整備を進めてきたもので、完成式を2月11日に行い、同日から入居が可能となる見通し▼南青山アパートには、集会所や支援センターを設置。常駐の職員を配置し、入居者や近隣で暮らす被災者らの相談対応や見守り支援に当たる。県では高齢化が進む周辺地域と一体となったコミュニティー活動にも、集会場などの活用を図っていく考え。「被災者も地域住民も安心して暮らせる地域づくり」を目指すとしている▼これで県内の災害公営住宅216地区、5833戸(うち内陸部12地区、283戸)が全て完成、震災から10年の節目を前に、公営住宅を必要とする全ての被災者に対して、住宅を供給する体制が整ったことになる▼災害公営住宅が寝起きするだけの場にならないよう、コミュニティー活動の充実が不可欠。日ごろからの共助の力を高めるためにも、行政機関やNPOなどが目配りをして、コミュニティーを意識的につくっていく取り組みが必要だろう。
●つむじ風 1月14日
 二戸市の中心部に架かる都市計画道路荒瀬上田面線の岩谷橋。県は、同橋の老朽化解消や市内の交通渋滞の緩和などを図るため、架け替え事業を進めている。1期、2期に分けて工事を実施する計画で、1期施工分の上部工については、先ごろ完成検査を終えた。3月下旬にも床版工事に取り掛かる。1期施工分に関しては、21年度上半期の暫定供用を目指す▼23年度の全体完成を目標としており、綿密な工程調整が重要となっている。市街地に位置し作業ヤードが狭く、既存橋梁を生かしながらの架け替えとなることから、工事の難易度も高いという▼同橋は、市内の歴史ある橋梁。県によると、初代の橋梁は明治期に架けられ、大正の改修、昭和の改築を経て、現在の形となった▼平成に事業着手し、令和に供用となる新たな岩谷橋。発注者・受注者・地域が連携し、プロジェクトを進めている。今回の架け替えで4代目の橋となり、地域の歴史に新たなページが刻まれる。まちの景観になじみながら、どのような姿を見せてくれるのか。地域からの期待も大きいだろう。
●つむじ風 1月13日
 国土交通省と厚生労働省が連携して、建設業の人材確保・育成に向けた取り組みを進めている。来年度予算案で、魅力ある職場づくり、人材育成、人材確保を柱に施策を展開する▼国交省では、人材を確保するため、建設キャリアアップシステム普及・活用に向けた官民施策パッケージを新たに実施。人材育成に関しては、地域建設産業の生産性向上と持続性の確保を図るための予算を盛り込んだ▼厚労省関係では、「つなぐ化」事業を継続実施。3000万円を予算化している。同事業では、工業科のみならず普通科の高校や高等専門学校の先生・生徒と建設業界がつながる機会として、出前授業や現場見学会などの実施を予定している▼建設業の技能者の約3分の1は55歳以上。この数字は、他産業と比べ高齢化が進んでいることを示している。建設業への入職ばかりに気を取られるのではなく、定着に向けた取り組みも必要となっている。建設業が「地域の守り手」としての役割を果たしていくためには、中長期的に人材確保・育成に取り組んでいかなければならない。
●つむじ風 1月12日
 成人の日だった11日。今年の成人式は新型コロナウイルス感染症の影響で、各自治体で対応が分かれた。式典の延期や中止を決断した自治体もあれば、感染防止対策を徹底した上での開催、オンラインで配信した自治体もあった▼総務省の人口推計では、21年1月1日時点で20歳の新成人は20年に比べて若干増えたものの今後、長期的に減少傾向と予測されている。減少傾向が続く一方の次代を担う学生らを、各業種、企業で半ば奪い合うような構図になる▼その構図は、大学や高校への進学時から始まっている見方もできる気がする。本紙で実施した県内高校の建設関連学科2年での進路意向調査では、建設業への進路を考える生徒からは、学んでいることを生かしたいとの理由が多く挙がった▼県教育委員会が示す「新たな県立高等学校再編計画後期計画(案)」では、多くの実業系高校や学科が再編対象となり、実業系高校や学科への進学を希望する中学生が少ないのを示しているとも言える。実業系高校へ進学を希望する中学生を増やすための策も必要だろう。
●つむじ風 1月8日
 県が先ごろ公表した21年度当初予算の要求額は7454億8000万円。20年度当初予算から20・0%の減となった。県土整備部の要求額は713億9500万円で、62・6%の大幅減。もっとも減少分の1194億5000万円は震災対応分と重なることから、実質的な要求額は前年度並みを維持するものと見込まれる▼国土交通省の21年度当初予算案は11・4%の減だが、前年度予算における臨時・特別の措置を除いた通常分は、ほぼ横ばい。21年度を初年度とする「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に関連する公共事業費1兆3611億円(国費ベース)は、20年度3次補正に計上される見通しだ▼加速化対策に基づく事業費が、本県にどの程度配分されるか分からないが、本県が抱える諸課題の解決に向け、必要な事業量が確保されることを期待する。地域の建設産業が復興・創生期間の終了に伴う公共事業の減少をカバーしながら、将来にわたって強靱な県土づくりに貢献できるよう、地域に根差した企業が受注できる仕組みも必要になるだろう。
●つむじ風 1月7日
 昨年末、県内で最大震度5弱の地震が発生。震源は青森県東方沖で、東日本大震災の余震という。さらには千島海溝や南海トラフなど、巨大地震が切迫。国内に安全な場所などないことを実感する▼子供たちが一日の大半を過ごす学校で、施設の耐震化が計画的に進められている。文部科学省によると、公立小中学校の学校施設の耐震化率は全国で99・4%。また屋内運動場の吊天井など非構造部材の耐震対策も推進中だ▼一方で、公立小中学校のバリアフリー化の状況を見ると、校舎が▽車椅子用トイレ65・2%▽スロープによる段差解消(門から建物前)78・5%-などとなっている。屋内運動場はさらに低く、避難所に指定されている施設であっても、車椅子トイレの整備率は37・2%にすぎない▼学校施設のバリアフリー化に関する整備計画や方針がある学校設置者は、わずか14・9%。高齢化の進行に、豪雨災害の激甚化、巨大地震発生への懸念…。有事の際には、多くの住民が学校施設を利用することになるだけに、誰もが使いやすい施設であることが望まれる。
●つむじ風 1月6日
 総務省は、新年を迎えるに当たり、2021年1月1日現在の丑年生まれの人口と、新成人の人口を公表。丑年生まれの人口は1066万人で、総人口1億2556万人(男性6110万人、女性64446万人)に占める割合は8・5%となっている▼新たに成人に達した人口(2021年1月1日現在20歳の人口)は124万人で、前年比2万人増。総人口に占める割合は0・99%で、11年連続で1%を下回っている。1949年生まれの人が成人に達した時が246万人という数値には驚かされる▼厚生労働省がまとめている人口動態統計(概数)の出生数には、さらに驚かされる。2017年に生まれた赤ちゃんの出生数は94万9065人、翌18年が91万8400人、19年には86万5234人。年々減少傾向を示している▼人手不足、高齢化、3K…建設産業界の現状を語るためには必要な言葉だが、業界のイメージとして定着してしまっている。悪いイメージはなかなか払拭できないが、あらゆる手段でものづくりの魅力を地道に伝え続けていくしかないだろう。
●つむじ風 1月5日
 新年あけましておめでとうございます。読者の皆さま、本年も小紙をご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます▼3月11日で東日本大震災から、10年の節目を迎える。車が突き刺さった学校、街なかに乗り上げた船、壊滅した市街地…。膨大ながれきを縫うように建設企業が道路啓開を進めていた当時、風景が一変した沿岸被災地を目の当たりにし、「再建までに一体どれほどの時間がかかるのか」と呆然としたことが思い起こされる▼あれから10年近くがたち、三陸の姿は復興事業により大きく変わった。新たな中心市街地や住宅団地、多重防災の役割を担う水門、防潮堤などが整備されたほか、復興道路・復興支援道路は大部分がつながり、地域間交流、地元経済を支えている▼これらの整備が、震災での犠牲があって進められてきたということを忘れてはならない。震災の教訓を再確認し、復興の歩みを振り返りながら、今後に生かしていくことも重要。頻発する大規模自然災害に対し、一人の犠牲者も出さない官民協働の取り組みが求められている。
●つむじ風 12月28日
 本日付で本年の本紙は納刊。今年1年間も皆様から温かいご指導やご愛読を賜り、心より感謝申し上げます。新しい年も建設産業に寄り添い、有意義で興味を持っていただける紙面づくりに努めてまいります▼新型コロナウイルス感染症抜きでは語ることのできない今年一年。各現場では、常に作業員らの体調に気を使っているだろうが、一層神経をとがらせ、感染症防止対策を図っていることだろう。特殊な工種によっては、全国各地に赴くような業者や技能工に頼まざるを得ず、入念に体調を確認してから来県してもらっているとの話も聞く▼コロナを起因とした景気の落ち込みで、公共事業費の動向も懸念される。業界では、一定程度の公共事業費が持続的に確保されなければ、除雪業務や災害時の対応など、地域の安全・安心を守る活動に十分な対応ができなくなりかねないと訴え続けてきた▼今月、県南地域で記録的な大雪に見舞われ、除雪を担当する業者では連日、フル稼働で業務。今回の状況も踏まえて、公共事業費の安定的な確保が図られてほしいと思う。
●つむじ風 12月25日
 県土整備部道路環境課と県内工業高等学校は19年度から、協働による橋梁点検を実施している。2年目となる今年度の対象校は、盛岡工業高等学校と久慈工業高等学校の2校。生徒たちは県やコンサルの職員からの指導を受けながら、現地での橋梁点検のほか、健全性の診断と判定などにも取り組んでいる▼この取り組みのポイントは、実習が現場体験にとどまらず、「協働」という形で現場の実務や成果として反映されること。点検した内容は実際の点検結果として報告される。調書には生徒たちの名前も記載され、県の施策にも反映されることになる。19年度に点検した橋梁の中には、早期に措置を講じるべき「Ⅲ判定」だった橋梁もあった▼橋梁点検に参加した生徒の一人は「日ごろ通っているときには気が付かない橋梁の状況や、部材ごとの劣化状況を知ることができた」と話していた。模範解答と言えばその通りかもしれないが、土木の道を志す上で、日常的に利用するインフラに関心を持つ視点は重要。生徒たちの気づきにもつながったのではないだろうか。
●つむじ風 12月24日
 12月は道路の開通が続いた。沿岸地域に目を向けると、国が整備した三陸沿岸道路「洋野種市インターチェンジ(IC)~階上IC間」(洋野町~青森県階上町)や、「田野畑北IC~普代間」(田野畑村~普代村)が開通。県が整備した一般国道340号押角峠工区(宮古市~岩泉町)も供用を迎えた。県境や地域を越えた交流連携の促進などが期待される▼沿線自治体の首長らは、開通式のあいさつで、期待の言葉や意気込みを語っていた。特に印象に残るキーワードは、整備効果の発揮と道路の活用だ▼道路の整備効果としては、通行時の安全性の向上や、医療施設への迅速な救急搬送の支援、地場産業の活性化などが期待されている。今後も多くの整備効果が現れるだろう。地元では道路の活用に向けて、得られた効果を内外にPRすることも大切ではないか▼年度末に向けて、本県の道路ネットワークは新たな形を見せる。東日本大震災から10年という節目が近づく中、道路や港湾、にぎわいの拠点など、地域のインフラは地域を盛り上げるための重要な視点となる。
●つむじ風 12月23日
 先日、仙台市内で開かれた復興加速化会議の第11回会合。本県など被災3県や仙台市から、地域事情に差はあるものの、「復興事業の着実な推進に施工確保対策は必要」と統一的な声が挙がった。現場の実態を受け止めて、赤羽一嘉国土交通相は、「来年度も復興係数を継続する」と表明した▼会合には達増拓也知事が出席。達増知事は、復興の再生状況として、昨年9月にオープンした東日本大震災津波伝承館に触れ、「新型コロナの影響で一時休館したが、11月末時点で来館者が27万人を突破した」と紹介。さらに、「復興道路等の整備が進み、釜石港の港湾取扱貨物が増加し、コロナ禍でも利用企業が前年よりも増えている」と報告した▼震災から間もなく10年を迎え、節目という表現が使われる。「東北の復興なくして日本の再生なし」と赤羽国交相は繰り返す。東日本大震災の復旧・復興事業とともに、2016年や19年の台風災害からの復旧工事の重複が、現場に追い打ちをかけている。今後も現状を把握しながら、現場の実態を踏まえた施策の継続が求められている。
●つむじ風 12月22日
 先週17日に陸前高田市今泉地区で開業した、㈱醸の商業施設「陸前高田発酵パークCAMOCY(カモシー)」。当日は、大勢の地元住民がパンなどの商品を買い求め、さまざまな「発酵」の味を楽しんでいた▼完成した施設には、発酵をテーマにパンやみそ、しょうゆ、チョコレート、クラフトビールなどの製造・販売、発酵食品を使った弁当・惣菜店、食堂など8店舗が入居。今後は来年3月の本格オープンを目指し、品ぞろえを充実させていく模様だ▼オープニングセレモニーで来賓の戸羽太市長は、「この施設や市街地、道の駅を循環できる形にし、観光客に足を運んでもらえるよう行政としてもバックアップしていきたい」と祝辞を述べ、カモシーを起爆剤とした市全体の発展に期待を込めていた▼周辺では震災で被災後、気仙川で復旧を進めていた姉歯橋も開通。高田町にある中心市街地とのアクセスも向上した。カモシーを核とした発酵文化の発信とともに、市内にあるにぎわい拠点への回遊性も高め、陸前高田全体の復興につなげてほしいと思う。
●つむじ風 12月21日
 先週は、県内各地で積雪し真冬日が続いた地域もあるなど、冬本番となっている。厳冬期を迎え、業界団体などによるパトロールも展開されており、冬季特有のものを含め、労働災害防止に努めていきたい▼先日、パトロールで訪れた施工現場では、女性が現場代理人を務めていたほか、施工管理を担当する女性も在籍。ベテランの男性技術者らが、しっかり支えている様子だった。現場で活躍する女性も増えている建設業だが、パトロールで訪れた現場で、女性が現場代理人を務めていたケースは初めてという参加者も多かったようだ▼パトロールした参加者は、安全管理などとともに、女性ならではの目線で現場を管理しているのを感じていた様子。トイレや現場事務所などの整然さ、掲示関係の見やすさ、さまざまな気配りなどが特にも目を引き、「良い現場」と参加者の多くが口にしていた▼女性社員による現場パトロールを展開している建設企業も多く見られる。さまざまな社員や角度からのチェックで、現場の安全衛生の向上などにつながっていってほしい。
●つむじ風 12月18日
 国土交通省と建設産業人材確保・育成推進協議会が主催する「20年度高校生の作文コンクール」で、本県から2人が入賞。そのうちの一人、淺沼小春さん(盛岡工業高等学校2年生)の「一人ではできないからこそすべき事」が国土交通大臣表彰を受賞した▼重機オペレーターが目標と話す淺沼さんは、土木への道を志す一方、「地元の復興が進んでいるように思えず、次第に『私一人が地元に戻ったところでこの状況を打破できるのだろうか』と考え込むように」なったと記す▼無力感さえ感じたというが、そこから「岩手全体の発展に貢献したい」と目標をさらに一段高く引き上げた。将来をオペレーターに限定せず、幅広く勉強した方がよいとの担当教員からの助言を受け、「オールラウンダーになるため、これまで関心が薄かった分野も根気よく勉強したい」と前向きに話している▼淺沼さんは女性技術者や技能者が活躍する建設業界も心に描く。いずれも「一人ではできない」こと。若い人たちの夢や目標を後押しできる岩手の建設産業界であってほしい。
●つむじ風 12月17日
 北上川、中津川、雫石川の合流点に位置する「川の街」盛岡。盛岡のまちづくりは、合流点の丘陵地への築城から始まっているため、中心市街地は北上川や中津川沿いに位置。盛岡城をはじめ、観光資源が点在している▼国土交通省と盛岡市が連携して進めている「盛岡地区かわまちづくり」は、09年度にスタート。今年度でハードの整備を終える。これまで管理用道路や階段、河道整正、親水護岸などの整備を実施。散策路を使い、岩手銀行赤レンガ館などの歴史的建造物や深沢紅子野の花美術館などの文化施設、啄木歌碑などを巡ることができる▼特に開運橋に隣接した木伏緑地では、盛岡市によるPark-PFI事業により、飲食店や広場が整備され、市民や観光客の憩いの場となっている。さらには舟運実現に向けた船着き場も整備中だ▼郊外への大型店舗進出などにより、中心市街地の空洞化が懸念されてきたが、かわまち事業開始後は観光客も順調に増え、年間500万人を突破。人の歴史は、川との関わりの歴史でもある。地域の貴重な観光資源だ。
●つむじ風 12月16日
 文部科学省と気象庁は、日本の気候変動2020を公表した。日本の気候変動を、これまで観測された事実や、今後の世界平均気温が2度または4度上昇シナリオで推移した場合の将来予測を取りまとめた▼主な将来予測まとめを見ると、年平均気温が2度上昇の場合は約1・4度、4度上昇の場合は約4・5度上昇。日降水量の年最大は同約12%(約15㍉)、同約27%(約33㍉)増加し、1時間当たり50㍉以上の雨の頻度は2度上昇が約1・6倍、4度上昇が約2・3倍に増えると予測▼降雪・積雪は減少し、雪ではなく雨が降るとする一方で、大雪のリスクが低下するとは限らないという。強い台風の割合が増加し、さらに台風に伴う雨と風は強まると指摘。海面水温は、温まりやすい陸地に近いことや暖流の影響で、予測される上昇量は世界平均よりも大きいとしている▼「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」が閣議決定された。本県でも気象災害が激甚化・頻発化する昨今、県土の強靱化に向けた取り組みを加速化・深化していかなければならない。
●つむじ風 12月15日
 県は住田町中心部で、気仙川の改修に伴い昭和橋の架け替えを計画している。事業は現在、同橋下流部で仮設歩道橋の工事を推進中。新橋の整備に向け、準備が進められている▼既存の昭和橋は、世田米商店街と役場周辺を結ぶ、橋長72・94㍍、幅員3・2㍍のコンクリート橋で、1933年に完成。橋脚の間隔が狭く、川底から橋桁までの高さが不足しているため、増水時に流木などが川の流れを妨げ、浸水被害を及ぼす恐れがあることから、架け替えが計画された▼新橋の規模は延長72㍍、幅員7・8㍍で、完成時期は23年度を想定。事業では現在、現橋の下流200㍍ほどで、仮設の歩道橋(延長66㍍、全体幅員2・6㍍、うち歩道部分は2㍍。車両は周辺の橋梁を利用)を進めており、来年1月末か2月上旬にも完成の見込みとなっている▼同町では町中心部の活性化に向け、庁舎周辺の整備計画も検討しているところ。商店街と役場周辺を結ぶ新橋の重要性が増していく中で、地域の景観にマッチし、中心エリアの発展にも寄与する橋梁を整備してほしいと思う。
●つむじ風 12月12日
 公共事業を進める上で、用地関係の状況は事業の進捗に大きく影響する。業界団体から発注者に対する要望でも、用地関係の問題をしっかり解決した後の発注を求める声が多く聞かれる▼国交省が進める一関遊水地事業では、通常時は従来と同様に農地等として利用し、大洪水時には流水を貯留して洪水を調節する遊水地として利用する地役権補償に関する協定に、国交省と地権者団体が調印した。事業着手から約半世紀が経過し、大きな節目を迎えた▼一関遊水地事業の事業経過について、当時の様子を映像などを通して見ても、さまざまな課題がありながらも、事業者らの粘り強い説明、地元や地権者の深い理解、協力などがあって進捗してきたことがうかがえる▼一関遊水地事業は、20年代前半の運用開始を目指し、事業は大詰め。一方で、用地関係では土地名義人として約2000人に及ぶ地権者との個別協議に入っていくこととなる。地権者らとの協議、事業も円滑に進み、地権者が安心して農地を利用でき、市民の安全・安心な暮らしにもつながっていってほしい。
●つむじ風 12月11日
 県建設業協会は今月から、WEB会議とWEBセミナーシステムの運用を開始した。新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図るとともに、従来からの課題であった時間や場所の制約を解消し、スムーズな情報共有と会員企業の各種負担の削減を目指す考え▼建協では、03年から全会員を対象としたイントラネットを運用。12年からは東日本大震災の教訓を踏まえ、衛星携帯電話やインターネット通話を導入するなど、社会情勢に合わせて情報共有システムを進化させてきた。今回、コロナ禍の中における会員の利便性向上に加えて、将来的な災害対応への活用も視野に入れる▼「建設業協会は全てオンラインで済ますつもりか」と、口さがない人たちの声も聞こえてきそうだが、建協の向井田岳会長がシステム運用開始式の席上で「対面での会議やセミナーの重要性は変わらない」と話している通り、基本はあくまでも席を共にしての対話。流行に乗じて全てをオンラインに置き換えるのではなく、状況に応じて選択可能な自然体のツールの一つという位置付けだろう。
●つむじ風 12月10日
 本県と青森県が復興道路でつながる。国が整備を進めてきた三陸沿岸道路の洋野種市インターチェンジ(IC)~階上IC間(延長7㌔、洋野町種市~青森県階上町)は12日、待望の開通を迎える▼今回の開通区間は、三陸沿岸道路「洋野階上道路」(同23㌔)のうち、北側7㌔に当たる。東日本大震災後の11年度に事業化された自動車専用道路となる▼開通後には、沿線地域の水産加工業や国内有数の畜産業・鶏卵産業を支援。迅速かつ安定した救急医療活動の支援などの整備効果も期待される。さらに、首都圏方面に向かう際、東北自動車道とのダブルネットワークの機能発揮も期待される▼地域からは、開通への期待の声が大きい。本県産ウニの漁獲量は本州一で、洋野町のウニの漁獲量は県内シェア1位。同町の水産加工会社は「出荷時間が短くなるほか、多くの加工時間を確保できる。より安定した品質の商品を届けられる」という▼本県や地域のポテンシャルを引き出す復興道路。ウニなどの食材をはじめ、三陸ブランドを飛躍させる力となることに期待したい。
●つむじ風 12月9日
 今シーズンは、ロシアをはじめヨーロッパ各国で家きんでの高病原性鳥インフルエンザが発生し、韓国でも発生が確認。国内でも6県17事例(7日時点)が確認されている▼県建設業協会と県は、07年4月に「高病原性鳥インフルエンザへの対応に関する協定」を締結した。これまでも、協定に基づいた訓練を各支部で実施するとともに、鳥インフルエンザが発生した場合の対応などを確認。万が一に備えた対応を行っている▼実際の作業前には、問診票に必要事項を記入し、体温や血圧を測定後に医師から問診を受ける必要がある。以前、訓練を取材した際には、10人の作業従事予定者のうち、数人が「実際には作業できない」との診断を受けていた▼鳥インフルエンザでは、発生農場で原則24時間以内に殺処分し、72時間以内に埋却する必要がある。これまでの訓練で、重機・資機材の調達や埋却には力を発揮できるだろう。現地で作業する人がいなければ、対応できない。コロナ禍で、日々の体温や健康状態など体調管理に努めているだろうが、細心の注意を払いたい。
バナー バナー バナー バナー バナー バナー バナー バナー バナー