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2019年
9月23日(月)
06:20

コラム集

●つむじ風 9月20日
 台風15号の影響による千葉県の大規模停電が続いている。全国版の業界紙を見ると、電気・通信設備工事業者が現地に数千人規模の人員を配置し、復旧に当たっているようだ▼住家被害も相当数に上がり、一部損壊も含めて6000戸を超える被害が発生。全国の業界団体からブルーシートや土のう袋、トラロープなどの支援物資が千葉県に送られている。県建設業協会も、ブルーシート2252枚とトラロープ(100㍍)65巻を搬送した▼これらの資材は協会本部と盛岡支部の備蓄資材に加えて、盛岡支部の会員企業が商社から調達した。協会に要請があったのは14日午後で、資材をそろえて出発したのが同日夜9時前。土曜日にこれだけの資材を集めることは容易でなかったと思われる▼これから完全週休2日を導入する会社が増えれば、現場や会社と連絡が取りづらいケースも増えると考えられる。一方で、災害の激甚化に伴い広域的な支援を求められる場面も多くなりそうだ。精緻なマニュアルは不要だが、最低限の決め事と心構えを持つことが必要になるだろう。
●つむじ風 9月19日
 県建設業協会北上支部(木戸口幸弘部会長)は、高校生の就職選考解禁前に県立黒沢尻工業高校の就職希望者を対象として模擬面接指導を実施。部会員8人が面接官となり、生徒は本番さながらの雰囲気を体験した▼ある生徒は「先生との面接ではそれほどではなかったが、相手が異なるとこんなに緊張するとは」と額には大粒の汗。「今回の経験を生かし、本番では質問に対して自分の思いを明確に伝えられるようにしたい」と気を引き締めていた▼気になるのは、新規高卒就職者の離職状況だろう。厚生労働省が公表した2015年卒の建設業の高卒就職者の離職率は46・7%。半数が離職という驚きの数値だが、宿泊業・飲食サービス業63・2%、小売業48・8%、医療・福祉47・0%、卸売業41・1%、情報通信業39・6%など。実は他業種でも多い▼20年3月新規高校卒業者の選考が始まった。就職はゴールではなく通過点であり、自らが望む将来が実現することを願っている。面接の緊張感とともに、必死で考えた志望動機、将来目標などを忘れずにいたい。
●つむじ風 9月18日
 台風15号の被害の大きさに驚いている。千葉県内の停電は未だ6万軒超。電柱の倒壊、家屋の屋根の破損と、まるで大規模地震の発生後のようだ。懸命な作業が進められているが、全体の電源復旧はまだ先という▼日常に電化製品が溢れている中、停電中の地域では生活が成り立たない。貯水池までポンプで水を汲み上げられないため、一部地域では水道も使用できない。東日本大震災で体験したが、改めて電気の大切さを痛感している▼大規模災害時には、地域の避難所となる公立学校施設。文部科学省は、公立学校の防災機能の保有状況を調査した。防災機能の保有状況は、▽備蓄倉庫78・1%▽飲料水73・1%▽非常用発電機等60・9%▽LPガス等57・1%▽災害時利用通信80・8%▽断水時のトイレ58・3%―となっている▼前年度に比べ改善してはいるものの、特に非常用発電機やLPガス、トイレの整備が遅れている。いずれも生活に直結するものだ。台風、地震と自然災害が多発する日本列島。災害はいつ発生するか分からない。早急な整備が必要だ。
●つむじ風 9月17日
 本紙で掲載するさまざまな整備事業に関する特集記事、日ごろ取材活動していても、現在実施している多くの整備事業の完了が見えてきているのを感じる。先週掲載となった県内の汚水処理事業特集でも、管布設が一段落し、維持管理や管路更新などがメーンとなってきている市町村も多くなってきている▼一方で、市町村要望などを見ると、インフラ整備に関わるものも多い。整備の必要な個所がまだ多くある表れと言え、地域密着の地元業界もまた、整備の必要個所を把握し、整備を求めていく流れが必要に感じる▼国では、第4次安倍再改造内閣が発足。県においては知事選、県議選が終わり、新たな顔ぶれが決まった。今後、どのような流れになっていくか注視するとともに、業界としては発言などができる場において、率直に声を上げていきたい▼県建設業協会や県空調衛生工事業協会、県電業協会の各支部の代表者らと県が、抱える地域課題などについて意見交換する建設業地域懇談会。今年度の懇談会は一関、千厩地区を皮切りに、きょう17日から始まる。
●つむじ風 9月13日
 「過去に経験したことがないほど採用状況が良さそうです」。ある工業高校のベテラン職員が顔をほころばせる。求人数だけではなく、従来は求人を出さなかったような会社…。その教員曰く「雲の上の会社」からの求人も多いとか▼近年、県外大手の工業高校向け求人が増加していると言われてきた。手元に具体的な数字を持っているわけではないが、ベテラン教員が「過去にないほど」というぐらいだから、若年労働者の確保に対する大手企業の力の入れようが分かろうというもの▼初任給を聞いて驚いた。入社後の教育体制を聞いてさらに驚いた。「県内企業への就職はどうですか」と尋ねることが場違いに思えるほど。「生徒たちが県外に出て行ってしまうのがね…」と、手放しで現在の売り手状況を歓迎しているわけでもなさそうだが▼それでは、いかにして地元企業が大手と競争していくか。若年者の地元志向を喚起するにしても、一定水準の待遇、資格取得やスキルアップへの支援などは不可欠。業界団体と行政機関とのきれい事抜きでの連携が必要になる。
●つむじ風 9月12日
 先ごろ、宮城建設㈱(竹田和正代表取締役社長)の社内技術発表会・社内研修会を取材する機会を得た。技術発表会では、同社の社員による6作品の論文発表が行われ、培った技術を伝えることの大切さを改めて感じた▼同社では、技術を備えた品質管理や、技術の伝承などに重きを置く。竹田社長は「技術の進化には、一人ひとりの好奇心と向上心が必要」と語り、全員参加型の発表会とするよう呼び掛けていた▼発表のテーマは、施工中の湊橋下部工工事や、久慈港湾口地区防波堤整備事業など。発表者が現場から得た手応えや考察、課題を乗り越えるための対策・工夫などをそれぞれの目線で伝え、技術や経験を全社で共有した。論文に関しては、社報として形に残している▼発表当日、質疑応答を進める中で、構造物などの施工データをアーカイブに残すことが大切ではないか、50年後の補修を見据えた資料の保存を―といった声も。保有する技術の練度を高めながら新技術との融合を図るとともに、現場経験の伝承が地域の担い手の大切な視点になると実感した。
●つむじ風 9月11日
 国土地理院は、風車と老人ホーム以来13年ぶりに新たな「自然災害伝承碑」の地図記号を制定。防災の日の1日、地図記号「自然災害伝承碑」を掲載した初めての2万5000分1地形図を刊行した▼自然災害伝承碑は、過去に起きた津波、洪水、火山災害、土砂災害などの自然災害の情報を伝える石碑やモニュメントをあらわす。地図記号は、記念碑の記号に碑文を表す縦線を加えている。従来の記念碑記号より若干大きいサイズ(縦・横・線幅が約1・5倍)となっている▼自然災害伝承碑を含む地形図は15面で、東北では宮城県気仙沼市の4基を含め計60基が掲載。同日には、ウェブ地図「地理院地図」で公開している自然災害伝承碑の情報について、新たに21市区町61基を追加公開。今回の追加公開により、公開数は41都道府県94市区町村の278基となった▼近年、頻発する自然災害。先日の台風15号も然り。過去に現地でどのような災害が発生したかとともに、各地で発生した自然災害によりどのような被害が生じているのかについても改めて確認しておきたい。
●つむじ風 9月10日
 大槌町が内陸側で進めてきた新大槌トンネル(延長1035㍍)と、架け替え事業として整備した大柾橋(同78・6㍍)が、29日午後3時に開通することが決まった▼このうち、新大槌トンネルは、小鎚の三枚堂地区と大槌の大ケ口地区を結ぶ2車線道路トンネル。町道小鎚線とつながる三枚堂側の坑口から、山側を緩やかなカーブを描くトンネルで抜け、大ケ口住宅地を通る町道大ケ口線と接続するルートになっている。延長は1035㍍で、幅員は同6・5㍍。掘削工事は三枚堂側からの片側掘りで、17年5月から本格化した▼開通によって、津波浸水区域の町中心部を経由せずに、内陸側で行き来できる新ルートが構築されることになる。大ケ口側から県立大槌病院へ、さらに小鎚側からは大槌学園や大槌インターチェンジへのアクセスが円滑になり、暮らしの向上が期待される▼県内では復興事業として、山側へ道路を切り替える改良工事が、現在も進められている。被災地の安全安心を確保するためにも、1日も早い完成に向け進捗を図っていく必要があるだろう。
●つむじ風 9月9日
 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の開幕が迫ってきた。日本代表の活躍、W杯開催がもたらす効果などが期待される。4年前の前大会では、五郎丸歩選手がプレースキックを蹴る前に両手を組み精神統一を図るポーズが、話題の一つとなった▼五郎丸選手の一連の動きはルーティンに挙げられ、気持ちをコントロールさせる面などで有用なものとされる。誰しもが普段の仕事、さらには日常生活でも朝起きたなら意識せずとも必ずはじめにすることなど、ルーティンを持っているのではないだろうか▼ルーティンを意識してした後に、作業する人も多いと思う。ルーティンをした場合としてない場合では、出来栄えが大幅に違うとの検証結果もあるという▼現場のルーティンには、朝礼などでの危険予知活動(KYK)が挙げられる。最初は意識していても、毎日同じ活動をしていれば、何となくの気持ちで取り組みかねない。KYKに何となくの気持ちで取り組んでいては、事故の危険性が高まる。事故防止へ大切なルーティンと、意識をしっかり持って臨みたい。
●つむじ風 9月6日
 今年も10月1日から、全国労働衛生週間がスタートする。労働者の健康管理や職場環境の改善などに関する国民の意識を高め、職場の自主的な活動を促して労働者の健康を確保することを目的に毎年実施され、今年で70回目。期間中には、事業者らによる職場巡視、優良職場や功績者などの表彰、労働衛生に関する講習会や見学会の実施などが呼び掛けられている▼9月は準備期間に当たり、重点事項には「過重労働による健康障害防止」「メンタルヘルス対策」「化学物質による健康障害防止対策」「石綿による健康障害防止対策」「受動喫煙防止対策」「治療と仕事の両立支援」などが挙げられる。建設業においては、長時間労働の是正や休暇取得などへの対応が求められるだろう▼今年のスローガンは「健康づくりは、人づくり、みんなでつくる、健康職場」。健康で長く働くことができる企業には良い人材が集まり、ひいては企業の発展にもつながる。健康づくりは企業づくり。健康職場の形成に向けた取り組みを、前向きな企業戦略として捉えたいところだ。
●つむじ風 9月5日
 「下水道 見えないしごとに 金メダル」(下水道いろいろコンクール標語部門・国土交通大臣賞)。10日は「下水道の日」。全国200カ所以上で、処理場の見学会などのイベントが開催される。これを機に、下水道の役割や重要性などへの理解を深めたい▼「下水道の日」は、台風シーズンが「適当」と今月10日に設定された。「雨水の排除」を念頭にしたものとか。近年の雨の降り方を見ると、汚水処理とともに雨水排水の重要性の高さを感じる▼2019年度末の汚水処理人口普及率は、全国で91・4%。前年より0・5ポイント上昇。未普及人口は残り1099万人となった。本県の普及率は81・6%。順調に整備が進められているものの、全国とは未だ9・8ポイントもの開きがある▼処理場や下水道管の老朽・耐震化対策も喫緊の課題となっている。大規模地震などでライフラインに支障が生じた場合、下水道だけは代替手段がない。都市部の生活がマヒするのは確実で、老朽化の解消と耐震化を図るとともに、マンホールトイレの設置など対応策の実施が求められる。
●つむじ風 9月4日
 「あなたのまちを、居心地が良く歩きたくなるまちなかへ!」。国土交通省は、まちの修復・改変を目指し、160都市とともに新たな都市再生プログラムを推進する▼同省は今年7月に、まちなかを車中心からひと中心にチャレンジする自治体として「ウォーカブル推進都市」を募集(随時受付中)。全国から160都市、本県から盛岡市と花巻市が賛同し今後、政策実施のパートナーとして同省と政策検討を進めていく▼支援対象イメージとして、街路等の広場化や公共空間の芝生化・高質化、沿道施設1階の開放・リノベーション、観光地の景観改善、オープンカフェ等の実施、街路空間内の電源設備…。このほか、AIやIoTを活用した新技術の導入や荷捌き駐車場の整備なども▼世界中の多くの都市では、街路空間を車中心から「人間中心」の空間へと再構築する取り組みが進んでいる。「居心地が良く歩きたくなるまちなか」は160都市それぞれの形があるだろう。今回の取り組みが、地域課題の解決や新たな価値の創造につながることを期待したい。
●つむじ風 9月3日
 9月に入り、いよいよ開幕が迫る、ラグビーワールドカップ(W杯)2019。試合が行われる全国12会場では、最終調整が進められているはず。準備に万全を期し、選手や観戦者を迎え入れたい▼試合会場となる釜石市では、釜石鵜住居復興スタジアムの常設部分の完成後、仮設スタンドの増設で約1万6000席を確保した。スタジアム周辺では、アクセス道路となる三陸沿岸道路や横断道が開通済み。先月には、根浜海岸にオートキャンプ場やレストハウス、多目的広場を有する市の観光施設もオープンし、W杯時には施設の活用が見込まれている▼津波対策では県が、スタジアムの目の前で片岸海岸防潮堤と鵜住居川水門、釜石港公共ふ頭側では、甲子川水門の整備を実施。同防潮堤は既に完成。二つの水門も、津波防護機能が発現済みとなっており、防災施設として大会を支えていく▼開催地の中で唯一新設されたスタジアムや周辺のハード整備、さらに区画整理など新たなまちづくりの経緯、機能を示すことで、国内外へ復興の進んだ姿を発信してほしいと思う。
●つむじ風 9月2日
 奥州市水沢の国道397号小谷木橋の新橋は、上部工の現地での架設が順調に進み、11月には閉合を見込む。橋梁前後区間の改良舗装も進み、20年度の開通に向け、開通する区間に関わる工事について、今年度で発注が終わる見通しとなっている▼小谷木橋の架け替え事業は、これまでに見学会などが幾度と催されており、今年度も計画されているようだ。新橋が地元に愛されるとともに、公共事業への正しい理解が広まることが望まれる▼小谷木橋の施工現場には、工業高校の生徒も多く見学に訪れている。以前取材した生徒たちは、施工のスケールの大きさに圧倒され、今後の学習の参考にもしている様子だった▼先日、県建設業協会などが主催の土木系工事現場技術発表会の場で、橋梁点検を体験した盛岡工業高校生徒の発表を取材する機会があったが、「高校生として地元のためにできることに取り組んでいきたい」との思いには頼もしさを感じた。そんな学生が、学校での学習、工事現場の見学などを通して、建設業界へ進む思いを強くしていってもらえればと思う。
●つむじ風 8月30日
 盛岡市建設業協同組合は今年度から、担い手の確保と育成に向けた取り組みを強化。市教育委員会が実施するキャリア教育と連携して、「職場体験学習受入・キャリアアドバイザーリスト」への情報提供を行っている。このほど第一弾として、盛岡市内の建設企業が中学生3人の職場体験を受け入れた▼建設業における若年労働者の確保対策としては、土木や建築のコースを持つ工業高校を対象とした実習支援や就職説明会、現場見学会などがあり、一定の成果を上げている。学校によっては、地元企業への就職が県外大手を上回るという好事例も出てきた▼長く続けてきたことが信頼と実績につながったと思われ、今後も息の長い取り組みが求められる。さらに幅広く建設業に目を向けてもらうためには、中学生と保護者を対象としたPR活動は有効と考えられる▼今回、生徒の一人が職場体験後に「建設業は力仕事というイメージだったけれど、管理の仕事が大切だと知った」と話していた。業界側の明確なメッセージは、生徒たちにしっかりと伝わっているようだ。
●つむじ風 8月29日
 30日で台風10号災害から丸3年となる岩泉町。町内各地では、町による災害復旧事業や県による河川改修事業などが展開しており、目に見える形でまちの復旧・復興が進んでいる。町内で人的被害までも発生した台風10号災害。30日午後2時には慰霊祭が開かれる予定だ▼同町によると、町管理の公共土木施設では、被災358カ所中193カ所が完成(7月末時点)。個所ベースでの事業進ちょく率は53・9%となった。災害公営住宅63戸も全戸が完成した▼3年を経て、同町では新たな課題が見えてきた。流木・土砂除去や生活橋の復旧支援などにおいて、当初予想よりも町単独費の持ち出しが膨らんでいるという。国や県に対し財源措置などを要望し、現場の声を伝えている▼同町は今後、8月30日や9月1日の「防災の日」に合わせ、台風災害を踏まえた防災訓練の実施を計画している。町では「防災意識を培い、災害を忘れないよう、継続的に後世につないでいく」としている。ハードの着実な復旧・復興とともに、自然災害の教訓を振り返ることを大切にしたい。
●つむじ風 8月28日
 総務省消防庁は、今年7月の熱中症による救急搬送状況をまとめ公表した。全国では、昨年と比べると3万7789人少ない1万6431人だったという▼発生場所別の救急搬送人員を見ると、住居が最も多く6141人、次いで道路2708人、公衆(屋外)1999人、仕事場1948人。本県は昨年の370人に対して今年が199人と減少したものの、人口10万人当たりの救急搬送人員を見ると、15・55人で東北6県の中で最も多い数値となっている▼7月に安全パトロールを取材した際、現場では数多くの熱中症対策が実施されていた。例えば、▽WBGT計を配備し数値を周知▽気温30度を超えた場合には休憩時にかき氷を提供▽休憩する部屋にクーラーを設置│など。以前と比べると、創意工夫を図りながら対策を講じている▼間もなく9月。やっと最近、過ごしやすくなってきたが、油断してはならない。今夏の暑さで体は思った以上にダメージを受けているかもしれない。睡眠、食事、過度の飲酒を控えるなど、まずは自らの体調管理を心掛けたい。
●つむじ風 8月27日
 国、県、陸前高田市が連携して整備を推進する、高田松原津波復興祈念公園。来月22日には、道の駅「高田松原」など主要施設の一部が供用を開始することとなり、現在、内装などオープンに向けた準備が進められている▼道の駅の規模は、鉄筋コンクリート造一部鉄骨造2階建てで、延べ床面積は4340平方㍍。施設内には、県整備の震災津波伝承館や、市整備の地域振興施設などが入る。このうち伝承館は、震災のありのままの事実や、教訓を伝えつつ、復興へ進む姿を発信する場となる▼地域振興施設部分については、来月15日から20日まで(時間は、午前11時から午後3時まで)、プレオープンすることが決まった。産直エリアや、飲食店舗が生み出す新たなにぎわいは、地域の復興を後押しするはずだ▼来月25日には、いよいよ釜石鵜住居復興スタジアムで、ラグビーワールドカップの試合が行われる。今回の道の駅とスタジアムの間は、三陸沿岸道路を使えば、車で1時間程度。22日のオープンが、大会の盛り上がりに弾みを付けるものになればと思う。
●つむじ風 8月26日
 道路ふれあい月間の今月、道路について改めて考える機会にもなっている。お盆期間中には、車で遠出した人も多いと思うが、個人的にもさまざまな路線を運転した▼道路改良を実施して幅員が広くなり、歩道が設置され、線形が良くなった路線を走行するとその快適さを実感する。歩行者の多い時間帯、渋滞時などには特にも感じる。これから降雪シーズンを迎えれば、さらに強く感じるだろう▼走行が快適になり安全面が向上する一方、その走行のしやすさから、ついスピードを出しすぎてしまう側面もある。追い越しをかける車両の増加が、全国的に問題となっているあおり運転につながる可能性もあり、危険度が増す恐れもある▼道路改良後、通行する車両の傾向などを加味して、道路の中央にポールを設置するなどして追い越しができないような措置を講じたり、あえて中央線をなくして車両のスピードを抑制する効果を生んだ事例もある。ドライバーのマナー向上が求められる一方、路線を使用する人の安全が確保されるよう対応もしてほしいと思う。
●つむじ風 8月23日
 本紙では今月から、新連載「技術士の目~いわてを見る」を月2回ペースで掲載する。県内在住の技術士の皆さんからご寄稿いただき、建設分野に限らず幅広く話題提供していく予定だ▼これは10年4月にスタートし、東日本大震災による中断をはさみながら、14年3月まで150回にわたって掲載した連載を再開したもの。当時の連載開始のお知らせでは、公共事業の大幅削減や低入札の横行などを背景とする、建設現場からの技術喪失への問題意識を提示し「安全で安心な郷土を創り、建設産業の基盤を支えているのは、紛れもなく現場の技術です」とある▼読み返すと、肩に力が入り過ぎている感はあるが、底が見えない右肩下がりの状況下、建設業界の地盤沈下に一石を投じたいという気持ちが強かったと思う。復興需要のピークアウトに伴う建設投資の急激な減少が見込まれ、建設現場から意欲と技術が失われていくことが懸念される。しかし災害が激甚化する中、建設業における技術の重要性は増す一方。新連載を技術について再考していただく一助としたい。
●つむじ風 8月22日
 東日本大震災からの復興に向けたリーディングプロジェクトとして、国直轄で整備が進められてきた復興道路・復興支援道路。三陸沿岸道路、宮古盛岡横断道路ともに20年度までに全線開通する見通しとなった▼そのうち宮古盛岡横断道路の都南川目道路は、年内にも全線開通する見通しだ。未開通区間は、田の沢IC-手代森IC間の約3㌔。全線開通すれば、都南大橋付近で国道396号と県道上米内湯沢線で直結するだけに、内陸部と沿岸部との時間距離短縮はもとより、盛岡市周辺の混雑緩和につながるものと期待される▼このほか、宮古-箱石の下川井(宮古市)が19年度末、藤原-宮古中央IC(同)が20年夏ごろまでに開通する予定。区界-簗川は20年内で、他の区間は20年度末までの開通を目指す▼同道路の整備延長は約66㌔。全区間が完成すれば、観光・物流・医療支援でも多大な効果が期待できる。一方で、沿岸部を襲った台風10号では国道106号の多くの区間が通行止めに。自然災害が激甚化する中で、災害に強い道路整備が求められる。
●つむじ風 8月21日
 1010ミリバール(当時。現在はヘクトパスカル)以上の高気圧は青色、990ミリバール以下の低気圧には赤色。新聞の天気図に着色し、ノートに切り貼り。小学生の夏休みに、気圧の動きや天気をテーマにした自由研究に活用したことを覚えている▼その天気図が初めて新聞に登場したのは、1924年のきょう。国民新聞(現在の東京新聞)に掲載されたという。それから約1世紀。今では、新聞やテレビ、インターネットにおいてカラフルで動きのある天気図を見ることができ、気象がより身近になった▼ネット上では、過去の天気図を閲覧することができる。例えば、1924年8月21日を見ると、島根県沖に勢力の強い台風が位置。日を送ってみると、日本海を北東に進んでいることが分かる。自分や家族の生まれた日の天気図も手軽に調べることも▼気象庁は、スーパーコンピューターを用いて未来の大気状態をシミュレーションする数値予報をもとに「全球モデル」を公開。10日先までの大気の流れを連続で示している。紙面の天気図とともに活用したい。
●つむじ風 8月20日
 お盆を含む連休中は、行楽地やイベントに出掛けた人も多かったのではないか。復興が進む沿岸地域など、「三陸防災復興プロジェクト」の成果が、誘客の促進につながっていればと思う▼7日まで防災教育やシンポジウム、食、観光などをテーマに展開してきた、同プロジェクトの閉幕セレモニーでは、実施したイベントを振り返り、国内外とのつながりを力とする開かれた復興の意義を確認。岩手の復興が、世界や未来に広がっていく形も共有した▼リアス海岸の北山崎、浄土ケ浜、碁石海岸に代表される三陸ジオパーク、さらに三陸の豊かな食材、食文化を活用した地域振興にも期待が寄せられるところ。多くの人に三陸の食、自然、文化を堪能してもらいながら、震災からの復興の現状を知ってほしいと思う▼開通した三陸沿岸道路や、東北横断道を利用することで、沿岸部の周遊もしやすくなった。アクセス性の向上をうまく利用しつつ、国内外から何度でも来たくなる、味わいたくなる仕掛けづくり、情報発信に取り組んでいくことが求められるだろう。
●つむじ風 8月19日
 2012年9月に供用を開始したスーパーコンピュータ「京」が16日、計算資源の供用を終了した。今後、調整を経て今月中にシャットダウンする予定となっている▼これまでの研究成果として、京を運用する計算科学研究センターによると医療やコンピュータ分野をはじめ、火星の天気予報も…。最近では、東京の山の手線内ほぼ全域に当たる約10㌔四方における地盤や建物の揺れについて、大規模シミュレーションを実施した▼京の後継機となる「富岳」の開発が進んでいる。昨年度末に製造に着手し、21年度ころからの供用開始を計画。京でさえ1年もかかる問題が数日で解けるようになるとか。文部科学省が設定した防災・環境やエネルギー、ものづくりなどの課題を解決する道具として期待されている▼富岳の研究テーマの一つに豪雨の予測を掲げている。研究開発が成功し、豪雨がどこを襲うかが半日前に分かるようになれば、豪雨による被害を軽減することが可能となる。京の成果を引き継ぎ、富岳がさらなる進歩を目指す。新たな挑戦が始まろうとしている。
●つむじ風 8月13日
 今シーズンは、天皇陛下の代替わりで5月が大型連休となったが、お盆もまた大型連休の日程。土日や山の日との組み合わせで、10~18日までの9日間が休日となり、まさに休暇中の読者も多いだろう▼長期間の休暇で遠出する人もいるだろうし、厳しい暑さ続いているのもあって「涼」を求め出かける人もいると思われる。「涼」と言えば、河川や湖、海といった個所を思い浮かべるが、河川敷などでのバーベキューや花火を楽しむ家族連れなどの姿も見かける▼河川を取り巻く公共施設には、ダムや堤防、橋梁などがあるが、ダムに関しては施設を生かした各種イベントが開催され、奥州市胆沢の胆沢ダムではダム堤体の登山体験、カヌーやラフティング体験会、流木親子クラフト教室などのイベントを実施している▼海周辺には、水門や防潮堤といった土木構造物が立地する。インフラツーリズムが盛んになってきているが、「涼」が感じられる場所との組み合わせで企画することで集客につなげ、公共施設への理解を深める場にもしていくことはできないだろうか。
●つむじ風 8月9日
 東北地方整備局は先ごろ、雫石町で災害対策現地本部の設営と通信の訓練を実施した。大容量のデータ送信が可能な無線アクセスシステム、公共ブロードバンド移動通信システムなどを用いて、現地の状況を映像で確認したほか、整備局と現地とのテレビ会議なども行った▼国交省では、大規模な自然災害が発生した際に、TEC│FORCEやリエゾンを派遣するなどして、被災状況の調査や応急対応、現地支援に当たっている。この訓練も現地との情報共有を確実にすることを目的に開かれた。訓練の実務を担当した整備局の職員は「訓練の中で見つけた課題を踏まえながら改良を重ね、自治体支援に当たりたい」と話している▼今回の訓練には電気通信の関連企業も参加していた。県建設業協会では行政機関と連携した情報伝達訓練を実施している支部があり、訓練を通じて災害時に想定される課題を検証している。各業界団体の本部も、県や市町村、国土交通省などと連携した訓練の機会を多く持つことができれば、地域建設業の災害対応力がより高まると思われる。
●つむじ風 8月8日
 宮古市は、旧本庁舎・分庁舎の跡地整備に向けて、設計作業を進めている。跡地には、多目的広場や市の歴史を伝えるための記憶の庭、駐車場などを配置予定。新庁舎や宮古駅前、商店街、港などを結ぶ空間づくりを進める▼跡地整備の計画面積は、本庁舎エリアが約8300平方㍍、分庁舎エリアが約2700平方㍍。本庁舎エリアには多目的広場や記憶の庭、駐車場、トイレ棟などを配置する。分庁舎エリアにおいては、敷地内で2㍍程度の高低差があることから、階段を設け、2段式の広場とする方向▼19年度は設計や庁舎の解体工事を進め、20年度をめどに跡地整備に着手する。21年度ごろの供用開始予定。概算工事費は、数億円規模と試算されている▼跡地整備事業の基本計画のキーワードは、「憩いの場」「賑わいの場」「つながりの場」「伝承する場」。軽トラ市など、各種イベントの開催も想定されており、地域を盛り上げるスペースとなりそうだ。地域活性化のためには、受け皿が重要に。将来を見据え、人とのつながりが広がるような跡地の姿を期待したい。
●つむじ風 8月7日
 仕事や勉強の疲れを、休養や楽しみで回復することを意味するレクリエーション。社員旅行や運動会、懇親会など、企業や現場でも積極的に取り入れられている▼先日取材したある現場では、20社ほどで構成する職長会を組織。おそろいのポロシャツや意見箱を設置し、職人の声を大事にしながら現場を進めている。活動の一環として、バーベキュー大会を開催。約100人が参加し、ビンゴ大会などを通して、コミュニケーションの和が広がったと報告した▼介護業界では、機能回復や介護予防に加え、喜びや生きがいを与える点で、レクリエーションに大きな可能性があるとしている。14年に介護関連の民間資格としてレクリエーション介護士が新設。介護職員ばかりでなく、その他の職種や介護家族なども取得。18年2月には2級の資格取得者が2万人を超えたという▼レクリエーションは、休むことも重要な要素。お盆には多くの現場が休みとなる。これまでの仕事の疲れを休養や楽しみを通して回復し、現場におけるレ・クリエーション(創造)につなげたい。
●つむじ風 8月6日
 アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリングが考案した「割れ窓理論」。軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで、凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるとする環境犯罪学上の理論で、建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていない象徴となり、ほかの窓もまもなくすべて壊されるとの考え方となっている▼理論は、さまざまなものに置き換えられる。実際に、違反駐車の取り締まりを徹底させたことで違反駐車を減少させたことにより、犯罪の減少にもつながった実例が見られる▼業界団体などの道路や河川の清掃、施工業者が現場周辺の環境整備を行うことは一般的なものになってきているが、こうした活動もまた、割れ窓理論に当てはまる。こまめに清掃して周辺のきれいな環境が保持されれば、ごみを捨てる人がいなくなり、施設を大切に使おうという気持ちになる▼道路ふれあい月間の8月に入り、各団体などで道路清掃などが計画される。一つの活動を継続していくことが、さまざまな効果を生むことにつながることも認識して行っていきたい。
●つむじ風 8月5日
 アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリングが考案した「割れ窓理論」。軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで、凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるとする環境犯罪学上の理論で、建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていない象徴となり、ほかの窓もまもなくすべて壊されるとの考え方となっている▼理論は、さまざまなものに置き換えられる。実際に、違反駐車の取り締まりを徹底させたことで違反駐車を減少させたことにより、犯罪の減少にもつながった実例が見られる▼業界団体などの道路や河川の清掃、施工業者が現場周辺の環境整備を行うことは一般的なものになってきているが、こうした活動もまた、割れ窓理論に当てはまる。こまめに清掃して周辺のきれいな環境が保持されれば、ごみを捨てる人がいなくなり、施設を大切に使おうという気持ちになる▼道路ふれあい月間の8月に入り、各団体などで道路清掃などが計画される。一つの活動を継続していくことが、さまざまな効果を生むことにつながることも認識して行っていきたい。
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