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2021年
4月19日(月)
09:47

コラム集

●つむじ風 4月19日
 先週の県から公告された工事案件には、道路の舗装補修工事に関するものが多かった。国の第3次補正で、舗装修繕関係の予算が多く確保されたことを受けての状況と思われる▼今後、県内各地の多くの路線で舗装補修が進められることとなる。舗装工事は、天候に左右されやすい工種の一つ。交通規制を伴う作業、交通量によっては夜間作業となる現場も考えられ、作業員らには安全や健康面に留意して作業してほしいと思う▼舗装補修に関する予算が多く確保されたが、道路管理者からは「まだまだ舗装補修の必要な個所はある。路線の適切な維持管理に向け、引き続き取り組んでいきたい」といった声も聞かれる。今冬の大雪の影響もあるのか、路面が損傷している個所が例年以上に見受けられる印象もある▼国土強靱化の関連で、河道掘削やトンネルのLED化に向けた施工なども進められている。道路改良とともに、道路の適切な維持管理に向けた舗装補修についても、災害に強いまちづくりには重要なもの。一過性で終わることなく持続的な予算確保が望まれる。
●つむじ風 4月16日
 東京商工リサーチ盛岡支店によると、県内における20年の休廃業・解散企業は374件。00年に調査を開始して以来、18年に続いて2番目に多い数字となった。産業別で見ると、飲食業や宿泊業を含むサービス業他が最も多く107件。次いで建設業が91件▼建設業の休廃業を19年との比較で見ると、20件の増加。20年の倒産が17年以来4年続けて1桁台で推移し、20年は7件であったのに対して、10倍以上の企業が休廃業を選択している▼全産業を通じての休廃業企業の代表者の年齢は70代が最も多く42・4%で、60代以上が9割近くを占める。同支店では「60代でも継承相手を見出せないまま、70代を迎えた代表者も多いと見られる」と分析している▼東日本大震災からの復興需要の一段落などを背景に、今後も休廃業を選択する建設企業が出てくると思われる。地方建設企業の事業継承は、地域における危機管理の問題でもある。単に企業という「箱」を残すのではなく、地域社会を維持するためにどのような形で企業を存続させていくかを考える必要がある。
●つむじ風 4月15日
 以前は和式ばかりだった学校のトイレも様変わりしている。文部科学省の調査(2020年度)によると、公立小中学校の洋式設置率は57・0%と半数を超えた。全国平均にはわずかに及ばないものの、本県も54・9%に達している▼自宅は洋式が大半のため、学校のトイレに慣れない子どもたちが多いと聞く。さらには公民館や駅など学校以外の公共施設も徐々に改善されてはいるものの、依然として和式が多い▼国も積極的に学校のトイレの環境改善を進めている。和式から洋式への交換のほか、床や壁、天井、建具など内装の改修、間取りの変更などの改善に対し国庫補助を実施。その結果、洋式設置率は前回調査(16年度)に比べ13・7ポイントも上昇。トイレ空間自体が以前とは考えられない環境になっているようだ。児童・生徒の健康面だけでなく、学習面でも改善が見られるという▼ウィズコロナ・ポストコロナやICT教育への対応、それに少子化…。トイレ環境に限らず、新しい生活様式に対応した学校施設の在り方を検討していく時期に来ているのではないか。
●つむじ風 4月14日
 2016年4月に第1弾がスタートしたマンホールカード。現在は累計で全国575団体758種類のカードが発行され、総発行枚数は約700万枚。25日に発行される第14弾では、41種類のカードの配布が始まる▼県内ではすでに12枚が発行されており、今回の遠野市が13枚目となる。カードには、ライトアップされためがね橋がデザイン。全国的に見ると、宮城県利府町の東北新幹線、千葉市の初音ミクなど、名所やキャラクターが彩り鮮やかに描かれている▼佐賀県は、ゲーム「サガ」シリーズと連携しロマンシング佐賀2020を企画。佐賀市中心部の歩道に「ロマンシング佐賀マンホール」を設置。デジタルスタンプラリーや、有田焼のミニチュアマンホールなどのコラボグッズを販売し、歩道空間の新しい活用法としても注目を集めた▼本県の下水道を含めた汚水処理人口普及率は、1999年度末に46・6%だったが、2019年度末には82・6%まで向上した。あって当たり前から、なくてはならない存在へ…。マンホールカードを一つのきっかけにしたい。
●つむじ風 4月13日
 県南広域振興局は、食品関係など県内企業の輸出促進を図るため、釜石港を活用した国際物流ルート構築を目指し、19年度から輸送テストを推進。このほど、2カ年にわたる実験の検証結果を取りまとめた▼テストは、常温混載(ドライコンテナ利用の商品)と、冷凍冷蔵コンテナ(リーファーコンテナ利用の食品)で、これまでに計6回実施。結果として、輸送コストでは、県外港から輸出する費用と比較し、国内陸送費用の削減効果などから、全体費用で約2│3割圧縮されたことなどを挙げている▼冷凍冷蔵コンテナのテストでは昨年10月、2企業が県産牛肉を輸出した。釜石港は、19年に県内港湾で初めて、畜産品(肉製品、毛皮、牛革など)の輸出入に必要な動物検疫港に指定されており、今回のテストはこの指定を受けてのもの。畜産品を扱う県内企業にとって大きな一歩となった▼同局では今年度もテストを実施し、ルート構築に向けた最終検証を行う方針だ。釜石港を活用するメリットを県内企業へアピールし、経済の活性化を後押ししてほしいと思う。
●つむじ風 4月10日
 学校でも新学期を迎え、黄色い帽子をかぶり、小さな体に大きく見えるランドセルを背負った小学1年生を多く見掛ける。近隣の小学校では、今年度の新1年生の人数が近年の中でも多いらしく、他の学年よりクラス数が一つ多くなったと聞いた▼宅地化が進み新築の住宅が増えたわが家の周囲を見ると、子育て世代が多い。加えて、三人兄弟程度の家庭が多く、一見では少子化と程遠いような状況になっている。ただ、これも一過性のようなもので、現在の子どもたちの成長とともに、やがて減っていくのだろうか▼子どもたちが、地元での生活を続けていくかの大きなターニングポイントとなるのが、高校や大学などへの進学時、学業を終えた後の就職時だろう。特にも、就職先がどこになるのかが大きいように思う▼地域に根差した建設業としては、子どもたちの地域からの流出を少なくするよう雇用の受け皿となることも大事な役割に思う。しっかりと雇用を維持していくとともに、勤め先として学生たちに考えてもらえるような取り組みも進めていきたい。
●つむじ風 4月9日
 県土整備部は今年度から、ICT活用工事と週休2日モデル工事に発注者指定型を導入する。ともに17年度から受注者希望型で試行しており、実績が一定程度積み重なったことに加え、ICT活用工事や働き方改革のさらなる普及促進に向けて、発注者サイドとして、より積極的に関与を図っていく姿勢を示したもの▼また今年度は、県工事における遠隔臨場の試行を受注者希望型と発注者指定型の双方でスタート。東北地方整備局と建設業協会などが協働で取り組む「週休二日制普及促進DAY」は12回実施する予定であるなど、生産性向上と働き方改革に向けた取り組みが一気に進む1年になりそうだ▼ICT活用工事と週休2日モデル工事については具体的な目標件数を設定せず、各発注公所から年間数件程度を選定して実施することになる見通し。遠隔臨場は災害復旧工事と建築工事以外を対象に「段階確認」「材料確認」「立会」を必要とする作業に適用する。数値目標や実績を過度に意識せず、現場で働く人にとってメリットがある取り組みとしてほしい。
●つむじ風 4月8日
 盛岡市の石割桜が開花し、春を間近で感じられるようになった。新入社員・職員を迎え入れた会社や職場もあるだろう。教育・研修などの始まりとして、重要な時期でもある▼先月、宮城建設㈱(本社・久慈市、竹田和正代表取締役社長)による普代水門建設事業に関する座談会が開かれ、取材の機会に恵まれた。東日本大震災の記憶・教訓を伝承するための企画で、同社社員が建設当時の関係者と意見を交わした▼昭和50年代の当時、同社で水門本体工事の現場代理人を務めていた宮野茂さんは、「宮城建設の当時の社長の宮城政章さんは、会うたびに『津波はいつ来てもおかしくはない。しっかりと工事しなさい』と、皆に繰り返し伝えていた。私は東日本大震災の時、その言葉通り、津波が来たと実感した。教訓や教育は、繰り返して訴えることが大切」と伝えていた。同社は、座談会で得た言葉や技術者の誇りを、研修などで伝えるという▼頭の中に浮かんだ言葉は、温故知新。郷土、歴史・文化、言葉、技術継承など―。ふと目を向けると、奥深いものばかりだ。
●つむじ風 4月7日
 道の駅「遠野風の丘」が3日、リニューアルオープンした。開店時には、拡張した駐車場がほぼ満車となるなど、フードホールや物産品展示ホールには多くの人が訪れにぎわった▼遠野風の丘は1998年8月に道の駅として登録。2011年3月の東日本大震災時には、自衛隊や消防隊、ボランティアの後方支援拠点として機能を発揮した。15年1月に北海道・東北地区で唯一の全国モデル「道の駅」に選定され、新たな施設の形を模索していた▼3日のセレモニーで本田敏秋市長があいさつ。その中で、好きな言葉として「古くて新しいものは光輝く。古くて古いものは朽ち果てる。新しくて新しいものは一過性」を挙げ、その象徴が遠野風の丘で、ハード・ソフトによる総合力の結実と強調した▼施設内は明るく広い空間を確保しており、随所に遠野らしさが出ている。かまどをイメージしたバーカウンターからは、名物のバケツジンギスカンや地ビールなどが提供されている。新たな一歩を踏み出した遠野風の丘。足を運び、「古くて新しい」を感じてほしい。
●つむじ風 4月6日
 釜石市鵜住居町に1日新設された、東北地方整備局南三陸沿岸国道事務所。開通した三陸沿岸道路などの適切な管理を図るため、旧南三陸国道事務所の建物を活用し、職員65人体制で業務がスタートした▼管理区間は、東北横断自動車道釜石秋田線の釜石ジャンクション│東和インターチェンジ(IC)間約67㌔と、三陸沿岸道路の鳴瀬奥松島IC│山田南IC間約175㌔、国道45号現道の陸前高田市│大槌町間約81㌔。総延長約323㌔にも及ぶ幹線道路の管理をカバーすることになる▼事務所初年度の当初予算は、5億8000万円。国道45号現道で、三陸国道事務所から事業を引き継ぎ歩道整備や電線共同溝を進めるほか、新規に大船渡市の権現堂交差点改良にも着手、調査設計を行う▼事業を引き継いだ三陸国道事務所から、交通安全などに関連したPPP(Public Private Partnership。官民連携)を借り受ける調整も進めているという。より安全で快適な道路空間の確保を図り、新たなフェーズに入った三陸の復興を支えてほしい。
●つむじ風 4月5日
 昨年度同様、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中、新年度を迎えた。前年度は、入社式や新入社員の研修などを中止した企業も多かったが、今年度はオンラインや徹底した感染症対策で対応する企業もあるようだ▼人事労務分野の情報機関の産労総合研究所が発表している新入社員のタイプについて、21年度は「仲間が恋しいソロキャンプタイプ」と銘打つ。新型コロナウイルス感染拡大で状況が一変し、不安で孤独な就職活動を行った新入社員について、例年より丁寧な導入教育が必要としている▼例年と違う状況は、まだ続く。指導する側にも戸惑う場面はあるだろうが、貴重な担い手を着実に育成できるよう努めていきたい▼担い手に関しては、県教委が県立高校再編計画後期計画の20年度内策定を見送った。4月以降に対象地域で、現状や将来予測を提示し、最終案を説明する場を設ける構えでいる。子どもたちにとって最適な学びの場の確保、ひいては建設業を含めた地域の担い手を着実に育成する場を確保するため、議論を尽くしてほしい。
●つむじ風 4月2日
 「あぁ~若いうちにもっと勉強しておけばよかった」。20代、30代の頃、周囲のおじさんたちがよくこぼしていた。「何だよ。大学をサボってばかりの俺への当てつけかい」と捻くれてみたものだった▼このところ売れている本の一つに、鈴木哲也『学術書を読む』(京都大学学術出版会、2020年)という一冊がある。主要な読者には若い研究者や学生を想定しているようだが、独学や教養ブームの一環か、思いのほか社会人にも読まれているらしい▼そこで説かれているのは「専門外の学び」の大切さ。専門外を学ぶ上でのヒントとして「学史」の有効性を提示し、問題の本質を突くためには問題が抱える領域外からの視点が必要であることを教えてくれる▼「そっかそっか。それでは専門外の本も読まないと」。しかし最近は本を手に取っても集中力が続かない。専門外の本を読むには基礎知識も必要だ。そもそも俺の専門領域って何なんだ?。「あぁ~若いうちにもっと勉強しておけば…」。ふと気が付けば、一人ぼやくおじさんが出来上がっていたのだった。
●つむじ風 4月1日
 都道府県別の道路実延長を見ると、北海道に次ぐのは意外にも茨城県。なだらかな地形で居住可能面積が比較的広く、県土各地に主要都市が分散しているからだとか。常磐道や圏央道など高速道路網の整備も進んでいる▼本州一の県土を有する本県だが、道路実延長は9番目。道路が張り巡らされた茨城県では、都市や集落を結ぶ道路は複数あるのだろうが、急峻な地形が続く本県の場合は1本しかない場合が多い。「命の道」と呼ばれるゆえんだ▼先月末で復興支援道路の宮古盛岡横断道路が全線開通した。三陸沿岸道路も一部区間を残すのみとなっている。早期復興のリーディングプロジェクトとして、かつてないスピードで整備が進められてきた。ただ急峻な地形を通るため、構造物の占める割合が多い。さらには積雪寒冷地だけに、劣化の進行にも影響を与える。数十年先には、一気に劣化する可能性もある▼宮古盛岡横断道路は、国道46号とともに、日本海の秋田市と北東北の拠点都市・盛岡市、太平洋の宮古市を結ぶ重要な路線。国による一体的な管理を望みたい。
●つむじ風 3月31日
 「運転席からでも道路が終始見通せない」「前に進めず船酔い状態に感じることもある」。除雪業務に従事するオペレーターが、ホワイトアウトでの作業の様子を現在開催中の北上・西和賀の除雪記録展で伝えている▼主催する県南広域振興局土木部北上土木センターの及川郷一所長は、昨夏から企画を考えていたという。県内で唯一の除雪の直営班を有する同センターにとって、除雪は欠かせない業務。「オペレーターらの本音や誇りを持って作業していることが伝われば」との思いを話す▼安全第一、体調管理など心身ともに労苦が伴う除雪業務。その中で、除雪後の広くなった道路やきれいな朝日を見た瞬間、住民からの感謝の言葉…。つらいことよりうれしいことの方が多いというコメントが印象に残っている▼除雪記録展は4月16日まで。北上会場は土日も開催しており、ぜひ家族での来場を。今冬は記録的な大雪に多くの人が悩まされた。それゆえに除雪業務に対する関心は高かった。一人でも多く関心を持ってもらうためにも取り組みを続けてほしい。
●つむじ風 3月30日
 県は、陸前高田市内で砂浜再生事業を進めてきた高田松原海岸を、4月1日午後2時ごろから一般に開放する。震災から10年を経て、市のシンボル・高田松原に砂浜が復活することになる▼「白砂青松」の景勝地だった高田松原は、約2㌔にわたる砂浜を有していたが、震災による地盤沈下と津波で9割が消失。約7万本ともいわれた松林も、「奇跡の一本松」を残して全て流失した▼県は砂浜の再生に向け、14年3月に高田地区海岸養浜技術検討委員会を設立。委員会での検討結果を踏まえて試験施工200㍍を実施後、17年10月に試験施工分を含む延長1000㍍の本格施工に着手。19年3月に砂の投入が完了し、経過観察を経て今回の一般開放となる。7月15日には海開きも予定。現地にはトイレ棟やシャワー棟なども設置される▼4月1日は、一部供用していた高田松原津波復興祈念公園の残るエリアも、大部分が利用可能となる。高田松原周辺の供用エリアの拡大とともに、来訪者が増え、震災の記憶と教訓の伝承、にぎわいの創出につながればと思う。
●つむじ風 3月29日
 本県では、まだ油断ならず雪に見舞われることも考えられるが、日本列島の各地から桜の便りが届く季節となった。冬期通行止めとなっている路線では、通行止めの解除に向けて春先除雪も始まっており、5月の連休前後ごろには通行できるようになると見られる▼県南地区を中心に大雪に見舞われた今冬。北上や両磐地区では、除雪に尽力した建設業者の姿を伝えようと除雪に関する展示を開催している。除雪機械や除雪の作業内容などを展示しているほか、今シーズンの積雪の状況などをデータやパネルで掲示。除雪を担当するオペレーターがどのような一日を過ごしているか実例で紹介もしている▼一関地域では、昨年末に12月として過去最高となる降雪や積雪を観測するなど、各地区で今シーズンは記録的な大雪に見舞われた。過酷な条件下で、オペレーターらは道路利用者の安全安心な通行、円滑な経済活動のため除雪に当たってきた。今回の展示を通して除雪をはじめ、さまざまな面で地域に尽力している建設業界の姿が、広く伝わっていってほしいと思う。
●つむじ風 3月26日
 県電業協会は19年度から、協会員を対象とした一斉休日を試行している。電気工事業における職員の処遇改善推進に向けた取り組みの一環として2月と6月に実施しており、今年2月が3回目だった▼今回の試行結果を見ると、「全社員実施できた」と回答した企業の割合は35・0%。昨年2月と比較して7・3ポイント上昇し、土曜休日への取り組みが徐々に浸透している。一方で「一部の社員ができなかった」もしくは「全社員できなかった」の合計は6割以上となっており、その理由の7割以上を「元請け・発注者からの要請」が占めている▼停電作業など、発注者の休日に合わせての作業が必要という電気工事業の特性もあるが、「土曜日に休む考えがない」「他職種との兼ね合いや顧客の都合」などの声も上がっている。個別の業種だけでの対応には限界があり、建設生産システム全体で取り組むべき課題も多い▼電業協会では21年度も、年2回の一斉休日の試行を検討。データが積み重なることで、季節ごとの傾向など具体的な対策が見えてくるものと思われる。
●つむじ風 3月25日
 国が東日本大震災後の11年11月に事業着手した一般国道106号宮古盛岡横断道路。復興支援道路と位置付けられた同道路は、28日に全線開通となる。開通するのは宮古市内の3区間で、今回の供用で18分程度の時間短縮が期待される。より一層、沿岸と内陸が近くなる▼先日、報道機関を対象に現場が公開された。参加者はテレビカメラなどで、開通前の準備の状況を記録していた。実際に通行してみると、道路が山間の地形を走っているのだと改めて気付く。復興支援道路のスケール感や、工事の難易度の高さを肌で感じられた▼最近では、国道106号の話題になった際、「宮古と盛岡が近くなったなあ」という声を耳にするように。同路線は生活や観光に密着した道路の一つ。全線開通への地域住民・利用者らの期待は、大きいものだろう▼宮古市田老地区には震災遺構「たろう観光ホテル」があり、震災津波の記憶をとどめる場所がある。観光振興への利活用とともに、自然災害の教訓を伝承するルートの一つとして、継続的に活用することが大切になってくる。
●つむじ風 3月24日
 西和賀町が、東北地方整備局北上川ダム統合管理事務所とまとめた「西和賀町かわまちづくり計画」が19日、国土交通省に新規登録された。県内では盛岡、一関に続き3カ所目。東北では初めてダム湖を活用した計画となっている▼実施個所は、和賀川に整備された湯田ダムのダム湖である錦秋湖周辺。国と町が連携して水辺を整備するとともに、和賀川と錦秋湖内の利用ルートや周辺交通網を活用したソフト施策を組み合わせ広域ネットワーク化を図る▼湯田ダムを活用し地域活性化を目指す湯田ダムビジョン推進協議会の取り組みは、2019年度の第5回ジャパン・ツーリズム・アワードに入賞。20年7月には、錦秋湖大滝ライトアップが日本夜景遺産に選ばれるなど官民一体で地域活性化や観光振興に取り組んでいる▼春夏秋冬、季節ごとに異なる表情を見せる和賀川や錦秋湖周辺。計画に盛り込まれたハード・ソフト施策を組み合わせ、点から線、線から面、さらに面から空間へ…。それぞれが魅力を引き出し、何度も訪れたくなる空間となることを期待したい。
●つむじ風 3月23日
 20日午後6時すぎ、宮城県沖で発生した地震により、宮城県では最大震度5強を観測。本県でも強い揺れを感じた。先月13日にも宮城、福島両県で最大震度6強となる地震が起きたばかり。二つの地震は震災の余震とみられており、今後も注意が必要だ▼今回の地震では一時、気象庁から宮城県沿岸に津波注意報が発表されたが、目立った潮位変動はなく解除となった。津波は無かったが、地震で地盤が緩んでいるおそれもあるため、降り続いた雨に伴う土砂災害などには警戒していきたい▼震災から10年を経て、地震への備えは一層重要度を増しているように感じる。日本海溝・千島海溝沿いの地震や、南海トラフ地震の発生も想定される中、震災の教訓を再確認し、県内外に伝えていくことが求められている▼震災対応を伝えるという面では、復興支援で他県から本県に派遣されてきた応援職員の役割も大きいはず。各県に戻った後、本県での経験を有事の際に生かしてもらうためにも、応援職員とのつながりを保ちつつ、防災に対する情報の共有を図ってほしいと思う。
●つむじ風 3月22日
 一関市内では、今年に入ってから、県が復興支援道路に位置付けて整備を進めてきた個所が、立て続けに開通を迎えている。1月24日に国道284号の石法華工区が開通したのを皮切りに、3月13日には国道342号の花泉町白崖工区が開通。28日には、国道343号の大東町渋民工区の開通を見込む▼三つの工区は、いずれも暫定形での開通となった。石法華工区は、今冬の大雪を考慮して早隘路の通行解消を早期に図るため、約1カ月前倒しで供用。白崖工区は、現道の一番の難所を解消できるとしてバイパス部が供用となった。28日の供用を予定する渋民工区もまた、現道の隘路区間を早期に解消したいとの思いで、バイパス区間を供用する▼現場を訪れたときなどは、20年度内に開通できるのだろうかと思いもしたものだが、施工業者らの相当な尽力で開通にこぎ着けたと思われる。その労苦には、頭の下がる思いだ▼暫定での開通となり、現場では引き続き残工事が進められる。安全などに留意し、残る工事についても順調に進めて無事、施工を完了してほしい。
●つむじ風 3月19日
 国土交通省は、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、防衛省とともに「第5回インフラメンテナンス大賞」の募集を開始した。5月17日までで、今回から応募受け付けはWEBフォームのみとなる▼応募するのは▽メンテナンス実施現場における工夫部門▽メンテナンスを支える活動部門▽技術開発部門│の3部門。応募締切後に有識者等による審査を経て、今秋には各大臣賞や特別賞、優秀賞が決まるという▼本県関係では、第2回の農業農村分野でアドプト活動による農業用水路等の保全管理が、公園分野で野田村の復興事業により整備された公園を官民協働で維持管理する持続可能な仕組みの構築が、それぞれ優秀賞を獲得した実績がある▼第4回のメンテナンスを支える活動部門の下水道で、「下水道管内調査のライブ映像公開による下水道の見える化と地域住民との交流」が受賞した。インフラメンテナンスを進めていく上で、専門的な技術はもちろん、地域に暮らす人々を巻き込み興味や関心を引き出すことも大切な取り組みの一つだろう。
●つむじ風 3月18日
 震災後に整備が進められてきた復興道路・復興支援道路の4区間が近く開通する。そのうち沿岸と内陸を結ぶ宮古盛岡横断道路は3区間。宮古側から蟇目-腹帯間(延長7・0㌔)、川井-箱石間(同7・0㌔)、平津戸・岩井-松草(同7・0㌔)。開通式典は3区間合同で28日に行われる▼昨年暮れに最大の難所・区界道路が開通。新区界トンネルなどにより、冬期間の安全度が一気に向上した。今回の開通により、宮古-盛岡間の通行時間はさらに18分短縮して87分に。「県内90分圏構想」が、いよいよ現実のものになる▼宮古盛岡横断道路については、このほか田鎖蟇目道路が新規事業化している。また箱石達曽部道路についても、新規事業化候補個所に追加され、国の21年度予算の成立を待って新規事業化される予定となっている▼内陸部と沿岸部の主要都市を結ぶ横軸道路。いずれも冬期間の交通は困難を極めている。東北横断道に続き、宮古盛岡横断道路の復興支援道路も全線開通するが、広い県土を有する本県での災害に強い「命の道」づくりは、まだ途中だ。
●つむじ風 3月17日
 国土交通省は、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、防衛省とともに「第5回インフラメンテナンス大賞」の募集を開始した。5月17日までで、今回から応募受け付けはWEBフォームのみとなる▼応募するのは▽メンテナンス実施現場における工夫部門▽メンテナンスを支える活動部門▽技術開発部門│の3部門。応募締切後に有識者等による審査を経て、今秋には各大臣賞や特別賞、優秀賞が決まるという▼本県関係では、第2回の農業農村分野でアドプト活動による農業用水路等の保全管理が、公園分野で野田村の復興事業により整備された公園を官民協働で維持管理する持続可能な仕組みの構築が、それぞれ優秀賞を獲得した実績がある▼第4回のメンテナンスを支える活動部門の下水道で、「下水道管内調査のライブ映像公開による下水道の見える化と地域住民との交流」が受賞した。インフラメンテナンスを進めていく上で、専門的な技術はもちろん、地域に暮らす人々を巻き込み興味や関心を引き出すことも大切な取り組みの一つだろう。
●つむじ風 3月16日
 県沿岸広域振興局土木部が震災後に整備していた水門全4カ所(大槌川、小鎚川、鵜住居川、甲子川)は、本体が今月で完成。管内の防潮堤全4カ所は昨年度で工事を終えているため、同部所管の津波防護施設が全て完成することになる▼同部が整備した水門・防潮堤の背後では、釜石市、大槌町が復興事業として新たなまちづくりを展開。中心市街地を再建したほか、同市鵜住居地区では、住宅地や復興スタジアムを整備、震災伝承施設も設置された。同町中心部には防潮堤陸側に町の追悼施設も整備される予定となっている▼完成した津波防護施設は、被災地の暮らしを守る安全安心の要となるもの。震災の発災から10年となった11日には、同部主催の追悼セレモニーが行われ、完成した水門で同部職員と施工者が、改めて防災対策の推進を誓った▼復興整備として進めた水門や防潮堤などのインフラ施設は、目に見える形で震災の教訓を伝える教材にもなるはず。震災遺構などとともに、こうしたインフラを被災地間で連携させつつ、防災学習に生かしてほしい。
●つむじ風 3月13日
 東日本大震災の発災から10年の今月、国が整備を進めてきた復興道路や復興支援道路、県が復興支援道路に位置付け整備を進めてきた個所で、開通を予定する区間が多くある。供用により地域振興や安全確保など、さまざまな効果をもたらすことが期待される▼20年度内の開通を目標とした施工には、タイトな工程となっていることに加え、今冬の大雪により工程が、さらに過密になった個所もあると聞く。施工業者らは、相当な苦労をしながら作業していることがうかがえる▼復興道路や復興支援道路には、21年度以降の開通を見込む区間も。20年度内の供用を目指していたものの、さまざまな要因で供用時期を変更した個所も見受けられるが、万全な状態で供用を迎えることが、一番に重要視されるべきだろう▼公共事業の効果の早期発現は大事。ただ、施工業者が、より良いものを造り上げられるよう工期設定などの環境を整えていくことも重要に思う。残る整備区間について、早期の完成とともに、しっかりとした施工が進められ無事に供用の日を迎えてほしい。
●つむじ風 3月12日
 きのう3月11日で東日本大震災から10年。震災で犠牲になられた皆さまに謹んで哀悼の意を捧げるとともに、その御霊の安らかなることを、心よりご祈念申し上げます▼10年前の紙面を手繰ってみたところ、14日(月曜日)付で本紙を発行している。3月11日は金曜日。県建設業協会の宇部貞宏会長(当時)が13日に県などを訪問し、以後の対応を協議したことを掲載しているので、印刷は日曜日だったのだろう▼弊社の沿岸担当記者と営業が最初に宮古市に入ったのは17日。翌18日にはIGRいわて銀河鉄道や県盛岡広域振興局土木部岩手土木センターの協力を得て、県北担当記者が建設業協会久慈支部に支援物資を届けている。体感的にはもっと後のような気がしていた▼時間の流れに対する感覚だけではなく、発災直後お互いどのように連絡を取り合ったか、各人の記憶が微妙にズレている。連絡をくれた記者本人が、そのことを覚えていなかったりもする。あっという間にも感じた10年はそれだけ長い。そしてこれから重ねていく時間は、おそらくもっと長い。
●つむじ風 3月11日
 三陸沿岸地域に甚大な被害をもたらした11年3月11日の東日本大震災の発生から、きょうで丸10年。被災地域や全国、世界の多くの人々の思いが紡がれ、少しずつであっても着実に、未来に向かって復旧・復興の歩みが進められてきた。三陸復興。この言葉で、さまざまな出来事が思い起こされる▼沿岸市町村は震災後、住民・被災者に寄り添い、復興計画を策定。防災集団移転促進事業などの手法を駆使し、高台移転や土地区画整理などによる復興まちづくりを進めてきた。国は、復興道路や湾口防波堤の整備を力強く推進。県は水門や産業基盤の整備などを進めている▼変わりゆくまちなみを見つめ、ハードの整備や防災・減災には、建設産業界の力が不可欠だと強く実感する。それと同時に、子どもたちに災害の教訓を伝える大切さも―▼震災対応の最前線で奮闘した建設行政・建設産業界が、この10年で発揮した技術力・ノウハウ。さらに地域との歩みそのものが、次代への新たな記憶や教訓となるのではないか。それぞれが得た教訓を次世代につなぐ。復興は道半ばだ。
●つむじ風 3月10日
 1950年3月23日に世界気象機関条約が発効したことを記念し、毎年同日は世界気象デーと設定された。世界気象機関(WMO)は、今年のテーマを「海洋と私たちの気候・天気」とし、特設ページを立ち上げた▼テーマは、国連の「持続可能な開発のための海洋科学の10年」が、21年から始まることを記念して選ばれた。特設ページの冒頭、『天気や気候と言うと、ほとんどの人は大気中の中で起こっていることだけを考えます。海のことを無視すると、全体像を見落とすことになってしまいます』と記されている▼以前、地球温暖化に関する講演で、講師が「海洋は熱を吸収したり、二酸化炭素を吸収したり、地球温暖化の役割を担っている」と説明。「海洋は大気に比べ変化しにくいが、いったん変化してしまうとその状態が長く続く」と指摘していた話しを思い出した▼海に囲まれている日本列島は海洋の影響も大きいだろう。近年の台風、大雨、今冬の大雪など。「いったん変化してしまうとその状態が長く続く」ということに向き合う覚悟が必要となっている。
●つむじ風 3月9日
 三陸沿岸道路は宮城県気仙沼市内で、気仙沼湾横断橋(延長1344㍍)を含む気仙沼港インターチェンジ(IC)―唐桑半島IC間7・3㌔が6日に開通。仙台市から田野畑村までの約260㌔が一本につながった▼当日は午後3時30分に一般供用したことから、現地を車で走ってみた。横断橋からは、眼下に同市の魚市場などを備えた湾が一望できるほか、海側には気仙沼大島大橋の白いアーチも望め、大渋滞の中、10分ほどのドライブを楽しむことができた▼特に、横断橋の橋脚から高くそびえる主塔のスケールの大きさは圧巻。横断橋は、主塔から張られたケーブルで橋桁を支える「斜張橋」と呼ばれる形式で設置されており、主塔の特徴的なフォルムは今後、復興道路のシンボルになるだろう▼県内でも、三陸沿岸道路の侍浜IC―洋野種市IC間16㌔、宮古盛岡横断道路も3区間計21㌔が月内に開通の予定。三陸沿岸道路の残る区間も、年内の完成が計画されている。三陸全体の発展に向け、着実な整備を図り、一日も早い全線開通を目指してほしいと思う。
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