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2020年
8月15日(土)
08:41

コラム集

●つむじ風 8月13日
 JR東北本線岩手飯岡駅の東西自由通路・橋上駅舎の新築工事が近く着工する。鉄骨造2階建てで、橋上駅舎は床面積約460平方㍍、東西自由通路は有効幅員約4㍍でエレベーターも設置される。順調に作業が進めば、来春にも仮駅舎に切り替え、22年冬にも自由通路の供用が開始される▼自由通路が開通すれば、鉄路により分断されていた永井地区の交流の活発化が期待される。東側には大型ショッピングセンターや都南図書館、それに市南部地域の活動の拠点である都南文化会館などがある▼一方、西側は住宅地が中心だが、付近には盛岡南公園がある。同公園内には、県と市共同による新野球場や屋内練習場の整備が進められる。J3いわてグルージャ盛岡のホームスタジアムの球技場にも照明設備の整備が行われる予定で、完成後は本県の球技の拠点になりそうだ▼さらには既存道路の混雑解消のため、国道4号盛岡南道路も新バイパスでの整備が検討されている。公園や道路整備が計画されている中、盛岡市南部のまちの形も大きく変わりそうだ。
●つむじ風 8月12日
 新型コロナに対応した「新しい生活様式」の定着が求められてる。その中で、国土交通省は感染対策に気を付けながら都市公園を積極的に利用してもらおうと四つのポイントをまとめた▼具体的には、▽体調が悪いときは利用を控える▽時間・場所を選び、ゆずりあおう▽人と人のあいだをあけよう▽こまめに手洗いしよう│の4点となっている。改めて、マナーと思いやりの大切さがうかがわれる▼都市公園は、身近な場所で散策や遊び、休息、スポーツなど健康的な生活に必要な活動を楽しむことができる貴重な空間だ。現在では、新型コロナの感染拡大により、一部の地域で公園全体や一部施設を閉鎖せざるを得ない状況にもなっている▼外出を控えることが多くなり、ストレス蓄積や体調不良などのコロナ禍の健康二次被害が指摘されている。全国都市公園整備促進協議会が作成したポスターには、「シートひとつでどこでもカフェ」「青空の下でエクササイズ」など公園の楽しみ方を紹介している。全国に約11万カ所あるという公園ストック。アイデアは無限大だ。
●つむじ風 8月11日
 今月は道路ふれあい月間で、10日は道の日。道路の意義・重要性に対する国民の関心を高めるため、道路清掃をはじめ、全国各地でマラソンやウオークラリーなど、さまざまななイベントが例年展開される▼県内でも、業界団体や行政が一体となった道路清掃などが実施され、道路のPRなども行われている。コロナ禍の今シーズンは、中止となった道の日関連のイベントも多かったと思われる▼県内での道路清掃活動についても、参加人数を縮小したり、参加者が一堂に会しての開会式を開催しないなど配慮。暑さが厳しい中でも、マスクなどで感染防止対策をしっかり講じて、作業している光景が見られた。道行く人たちの目に清掃している姿はしっかり映り、道路の大切さは伝わったと思われる▼例年、お盆前の活動のため、帰省や観光する人たちへのおもてなしの意味合いも込めて作業しているが、今シーズンはコロナが影を落とす。異例尽くしのシーズンは続くが、地道な活動の一つひとつの積み重ねが、良い方向へつながることを願わずにはいられられない。
●つむじ風 8月7日
 本県で新型コロナウイルスの感染者が確認されて1週間たった。感染が確認された男性が勤務している会社に対して、非難や抗議、中傷が相次いでいるとか。当事者と無関係な人たちによる非難にせよ、会社に対する抗議にせよ、あまり理にかなった行為とは思えないが…▼中世から近世のヨーロッパには、共同体の住民による悪ふざけを伴う「シャリヴァリ」という懲罰儀礼があった。長谷川まゆ帆「内なる他者の理解に向けて」(東京大学教養学部歴史学部会編『東大連続講義 歴史学の思考法』岩波書店、2020年)によると、16世紀後半からは暴力沙汰に発展するケースが増え、法的な規制の対象となっていったようだ▼長谷川氏は暴力を伴うシャリヴァリについて、共同体の均質性が損なわれたことに対する危機感を背景とした、不安や規範への感度の高まりが背景にあると見ている。共同体の均質性の喪失を現代風に言い換えれば「格差の拡大」か。本県における格差の拡大がコロナ禍の中、感染者に対する非難や中傷の横行という形で顕在化したのだろうか。
●つむじ風 8月6日
 県沿岸広域振興局土木部宮古土木センターは、19年台風19号で土石流の被害を受けた山田町田の浜地区に、県内初の応急対策となる強靱ワイヤーネットを設置した。砂防堰堤の完成には一定期間を要することから、先行的にワイヤーネットを整備した。砂防堰堤に関しては設計中で、10月の着工予定となっている▼同地区の土石流危険渓流2カ所(田ノ浜沢、田ノ浜沢(3))では、台風19号豪雨により土石流が発生。土砂や流木が地区内に流入し、沢の下流側に位置する家屋が被害を受けた▼ワイヤーネットの規模・構造は、延長20・0㍍、高さ5・5㍍の鋼製。現地では不安定土砂が確認されていることから、住民生活を守るための重要な対策工となる。ワイヤーネットを活用した応急対策の施工例は、西日本豪雨で甚大な被害を受けた広島県で多いという▼近年、台風や局地的豪雨、土石流などが各地を襲い、自然災害が激甚化していると感じるようになった。災害の教訓や有効な対策を確実に共有していく情報網が、今後の防災・減災事業の重要な視点になるだろう。
●つむじ風 8月5日
 「テレワークを活用して、働き方を変えてみませんか」。厚生労働省は、テレワークのさらなる普及・推進に向けて「輝くテレワーク賞」という表彰制度を創設。3日から募集を開始した。期間は9月4日まで▼表彰対象は、企業・団体と個人。企業・団体の特別奨励賞では、テレワーク活用が難しいとされてきた業界や職種で、効果的な取り組みなどを表彰。個人賞は、自らが所属する企業・団体において、テレワークの導入活動や制度設計など環境整備に尽力した労働者などを表彰する▼同省や国土交通省などで構成するテレワーク推進フォーラムは、2015年から11月を「テレワーク月間」と位置付けている。現在1037企業・団体が参加し、その中には建設企業も。テレワークを通した働き方改革の推進やテレワークの制度化に向けて試行を重ねていることが紹介されている▼輝くテレワーク賞の審査結果は、10月末に公表予定。新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、テレワークの一層の活用が求められているだけに、その結果に注目したい。
●つむじ風 8月4日
 市町村による岩手県への要望活動が、各地で開かれている。先月末には釜石と大槌による要望が行われ、2市町は県立釜石病院の建て替えなどを強く求めていた▼同病院が現在の釜石市甲子町に移転新築されたのは、1977年12月。既に40年以上が経ち、県内20の県立病院の中で最も古い建物になっている。市側は中核医療機関として施設の重要性を指摘しつつ、設備の老朽化から、感染症病棟を含めた形での「建て替え整備計画を打ち出してほしい」と訴える▼これに対し県側は、医療局による劣化調査が3月に終了していることを説明。「調査の結果を踏まえ検討していく」としている。建て替え整備については地元、釜石地域医療体制検討会からも、圏域で「唯一の急性期病院である県立釜石病院が存続する安心」を確保するため、対応が求められている▼感染症指定医療機関が無い医療圏は、県内で釜石のみ。高齢化も進んでいるだけに設備の充実、機能強化は喫緊の課題となっている。基幹病院は住民の健康と安心の拠り所となるだけに、早急な対応が必要だろう。
●つむじ風 8月3日
 県教育委員会の「新たな県立高等学校再編計画後期計画(案)」では、実業系の高校や学科の統合時期などが示されている。県南地域では、水沢工高、一関工高、千厩高の産業技術科を統合し、県南地域に大規模な工業高校を新設する方針が示され、地元業界団体などからは地元工業高校の存続を求める要望が出された▼計画策定に向けた地域検討会議でも、圏域を越えた統合による通学の負担増などを理由に、県南地域の統合案を疑問視する意見が相次いだ。工業高校の生徒確保に向け、各校の特色ある学びを広く周知することが必要とする意見も多く出された。卒業後の進路となり得る建設業をはじめとする、ものづくり産業の魅力が生徒らに伝わっていないとの指摘も出された▼生徒数ありきで考えるべきではないが、実業系高校へ進学を希望する生徒をいかに確保するは、やはり大きな課題となる。どうすれば一人でも多くの生徒が工業高校を進学先として志望するか。行政、業界、地域などが一体となり、知恵を出し合って取り組んでいくことが必要に思う。
●つむじ風 7月31日
 29日に県内で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認された。感染が確認された方にお見舞いを申し上げるとともに、本県における感染者の確認を人ごととせず、かつ過剰に恐れることなく感染防止に努めていきたい▼県建設業協会では、新型コロナウイルス感染症防止対策として、全国建設業協会が定める「地域建設業における建設現場の新型コロナウイルス感染症対策の実践」に沿った取り組みを行っている。具体的には、職場や作業現場における三密の回避、職員の体調管理、重機や車両などの消毒、Web会議の活用などが挙げられている▼このほか、打ち合わせの分散化や時間短縮、人数の縮小などにも取り組むとしている。Web会議の活用と合わせて、現場における文字通りの「働き方改革」につながる可能性もある▼世界的な感染症の拡大は不幸な事象であるが、感染症対策を入り口として、従来からの業務の見直しに取り組む機会へと視点を変えることも必要。既成概念にとらわれることなく、受発注者の双方が知恵を出し合うことが望まれるところだ。
●つむじ風 7月30日
 興味を持ったきっかけとして、「マンガ」を挙げる子どもたちは多い。将棋や囲碁などの大会も、マンガの人気とともに参加者が一気に増える。途中で投げ出す子供が大半だが、中には将棋や囲碁のプロになる人も。きっかけがなければ、原石は磨かれない▼近年は「聖地巡礼」と称し、熱心なファンがマンガ・アニメの舞台となった土地や建物を訪問。観光学では「コンテンツツーリズム」と呼ぶそうだが、本県では「ハイキュー!」の原作者の出身地である軽米町に、海外からもファンが訪れていると聞く。マンガ内に軽米町の風景が多く描かれているという▼盛岡市渋民の国道4号沿いに計画されている道の駅。同市初の道の駅となるもので、22年度からの工事着手に向け設計を推進中だ。姫神山や岩手山の眺望を生かしながら、石川啄木記念館や旧尋常小学校など啄木ゆかりの施設とも連携する▼石川啄木を主人公にしたアニメ「啄木鳥探偵處」もスタート。ドライバーの休息の場として、さらには内外の人を呼び込む地域振興の拠点施設になってもらいたいものだ。
●つむじ風 7月29日
 今月1日から始まったレジ袋の有料化。間もなく1カ月がたとうとしている。環境省では、レジ袋削減に関し、「みんなの疑問に答えます」を公開した▼最初の質問は「レジ袋だけ減らしても意味がない?」。同省は、身近なレジ袋との付き合い方から見直し、マイボトルの携帯やプラスチックごみの分別、リサイクル素材の商品購入などのライフスタイルを取り入れることを勧めている▼個人的には、マイバックを複数購入し、使用するバックそれぞれに入れている。だが、マイバックそのものを忘れることがある。会計を済ませ両手に商品を抱えている時は、「マイバックを忘れただけ。数円をケチったわけでは…」と心の中でつぶやきながら店舗を出ることも▼新型コロナウイルスの感染拡大の原因になることも指摘されているが、現時点では科学的な証拠が見当たらないと回答。世界に目を向けると、すでに60カ国以上がレジ袋の使用禁止や有料化などの規制を設けているという。レジ袋の削減をきっかけに、プラスチックとの付き合い方を見直す機会にしたい。
●つむじ風 7月28日
 市立第一中学校の建て替え整備を計画する大船渡市。今月中旬には第6回同校建設委員会が開かれ、基本設計案が了承された。計画スケジュールでは、年度内で実施設計まで策定する予定。工事着手に向け、準備が進められていく▼少子化から学校統合の取り組みが進む同市では、日頃市中、越喜来中、吉浜中の3校が、4月に一中へ編入統合。今回の建て替えは、学校の統合と施設の老朽化に対応するため行われる▼案では、学校を校舎棟と体育館棟で整備。4階建ての校舎棟には中庭を設け、1階に統合4校の校史展示スペースや、交流の場となるラウンジ、学習発表などにも活用できる大階段を設置。2│4階は南側が普通教室ゾーン、北側が特別教室ゾーンとなっている。武道場は、校舎棟の東側2階に配置される予定だ▼基本設計は8月の策定を予定。順次、実施設計に入っていくことになる。生徒の使いやすさを第一に、時代の変化に応じた教育環境を確保するためにも、利便性や機能性について、さまざまな立場、視点から検討していく必要があるだろう。
●つむじ風 7月27日
 宮古市にある県立宮古商工高等学校の先生方の話を聞く機会に恵まれた。本年4月に創立された同校では、宮古商業高校と宮古工業高校の伝統を継承し、社会で幅広く活躍できる人材の育成を目指している▼長年、商業畑だったと話す校長は、工業校舎で学ぶ生徒たちの真面目さや集中力、実習時のお互いの声掛けに感激したという。新型コロナウイルス感染症の影響で、学校活動が思うように進められていない現状も話しつつ、「工業・商業の生徒たちによる交流を深めたい」とも。生徒たちが相互に何を学習しているかを知ることで、それぞれの視野・選択肢を広げることにもつながる▼県電気工事業工業組合と県電業協会は毎年、県内の工業高校などに対し実習用資材を寄贈している。本年も活動が始まり、20日には宮古商工高校に対する資材の寄贈が行われた▼担い手の確保・育成は、産業界の重要課題だ。地道な支援活動は、担い手育成の原点とも言うべき取り組みとなる。活動が続けられてきたという伝統を重んじながら、地元企業が担う使命をPRしていきたい。
●つむじ風 7月22日
 建築家の安藤忠雄氏は、遠野市中心部の旧三田屋を改築して子ども向け本の施設の建設を計画。先日、同施設に関する会議が開かれ、名称が「こども本の森遠野」に決まった▼会議には、こども本の森構想ワーキンググループメンバーで県建築士会遠野支部の角田直樹支部長が出席。角田支部長は、「古民家と最先端設備」「暗いと明るい」「狭いと広い」など対比をキーワードに挙げ、「子どもらの創造力を刺激する施設の整備を」と呼び掛けた▼今月5日、大阪市内に「こども本の森中之島」が一足先に完成した。安藤氏は、地球は一つとの考えを示しながら、「子どもたちと『自分だけの一冊』との大切な出会いの場となることを期待しています」と施設のホームページにコメントを寄せている▼既存図書館との差別化、教育現場のデジタル化…避けては通れない課題も指摘されている。利用する子どもらの声を忘れてはならない。世界各国の子ども向けの本も並べるなど、永遠の日本のふるさと遠野から、世界に向けて羽ばたくきっかけとなる施設になってほしい。
●つむじ風 7月21日
 陸前高田市気仙町の今泉地区に、㈱醸(カモシー)が発酵食品に特化した商業施設を新設する。施設は、工事に着手済み。年内の供用開始に向け、今後、整備が本格化していく▼施設名は、「陸前高田発酵パークCAMOCY」。建物は、東日本大震災の津波で被災後、区画整理された場所に木造平屋建て、床面積596・23平方㍍の規模で新設される。施設は「発酵」をキーワードに、みそなど関連食品の販売、飲食店舗を集積した商業拠点となるもの。昨今、健康志向が高まっている中で、幅広い関心を呼びそうだ▼入居テナントには、チョコレート工房や発酵食品を使った食堂、セレクトショップ、クラフトビール、パン屋など7店舗が入る。建物中央にアトリエとフードコート、海側にはテラスも設け、開放的な空間で飲食などを楽しめる▼周辺は、諏訪神社があるほか、旧吉田家住宅(県指定文化財)も復旧されるなど歴史文化が息づく場所。商業施設が、気仙の伝統が薫る町並みの再生とうまくマッチし、地域に新たなにぎわいを生むものになればと思う。
●つむじ風 7月20日
 新型コロナウイルス感染症の影響は、さまざまな分野に及んでいるが、資格取得を目指す学生らにも大きく、試験の延期を余儀なくされるなどしている。ただ、先日話を聞いた工業高校の生徒からは、「試験の延期を悪く考えるのではなく、むしろ勉強できる期間が長くなった分、実習に多く励めると捉えている」と、しっかり前を見据えていた▼生徒を指導する学校側も、試験の延期により中だるみなどが生じないよう、資格試験に向けたカリキュラムを組み直すなどの対応を迫られ、工夫を凝らしている様子。今後の状況次第では、延期となった試験がどうなっていくかも不透明だが、これ以上の影響は少なく済むことが願われる▼就職活動でも、面接をオンラインにする企業が出てくるなどの変化に、学生は戸惑いながらも必死に対応しようと頑張っているようだ。今年は、職場体験などについても学校や企業によって、対応が分かれてくるだろう。例年と違う状況下でも、次代を担う学生らが立派な技術者へと成長していくため、業界としても協力していきたい。
●つむじ風 7月17日
 岩手労働局は先ごろ、県内7労働基準監督署が実施した定期監督指導の結果を公表した。監督指導を実施した2996事業場のうち、労働基準関係法令などの違反が認められたのは1926事業場。違反率は64・3%だった▼違反率が最も高い業種は、接客娯楽業で76・5%。建設業は67・4%と県内平均を上回り、全産業中ワースト2。決して褒められたものではない。主な違反状況を見ると、安全衛生基準が55・5%と、全産業を通じて最も高い割合となっている▼一方で、労働基準法に関連する違反割合は低い傾向にある。違反率が最も高いのは割増賃金に関する違反で、9・1%。最も高い接客娯楽業が39・7%、建設業の次に低い運輸交通業でも22・6%と、他産業と比べると群を抜いて低いことが分かる▼雇用・労働環境の厳しさが話題に上がる建設業であるが、安全衛生法への取り組みを強化することで、全体の違反率が大きく下がることになる。県が策定した「県における建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する計画」の使いどころも端々に出てきそうだ。
●つむじ風 7月16日
 雪の少ない冬に、梅雨期の豪雨。今年の気象が温暖化の影響か否かは定かではないにしろ、九州一帯で発生している豪雨が海水温上昇の影響を受けていることは間違いない▼日本は急峻な地形が多く、短期間に大雨が降ると、河川に水が一気に流れ出す。特に山間の河川狭窄部では、水の逃げ場がなく、水位が急激に増す。2016年の台風10号では、岩泉町で同様の被害が発生。限られた時間の中で、いかに人命を守るか。重い宿題が解決されていないことに、改めて気付かされた▼今回は、新型コロナウイルス感染症が復旧の妨げとなっている。熊本に派遣された香川県高松市からの応援職員が、地元に戻った後の検査でコロナへの感染が確認された。ボランティアの受け入れも難しく、避難所での感染拡大にも注意を払わなければならない▼本県を含む東北北部でも11-12日の雨で、各河川の水かさが増した。中国や九州が経験したことのない豪雨に見舞われている中、本県もいつ同様の状況になるか分からない。人命の救助とともに、コロナへの対応は十分だろうか。
●つむじ風 7月15日
 国土交通省は、8月を道路ふれあい月間と位置付け、その活動の一環として推進標語を3部門に分けて募集した。このほど、募集があった1098作品の中から入選作品が決まった▼最優秀賞を見ると、小学生の部は「また会える あなたとわたしを つなぐ道」。中学生の部は「ゆずり合い 心や道に 咲く笑顔」、一般の部は「ありがとう 生きる力を くれた道」。いずれの作品も、道路に対する感謝や優しい言葉使いに心が和む▼今回の応募総数は、例年よりやや少なかったという。選考委員の一人、交通・環境ジャーナリストの吉岡耀子氏は「新型コロナによる生活の不自由さにさらされていると、あらためて外出や道路の価値を感じます。その中での選出作業ではいつにも増して道を身近に感じました」とコメントしている▼東日本大震災、近年の台風などによる豪雨災害。普段何気なく利用する道路や橋のありがたさは、失って初めて分かることが多い。今回選ばれた作品が多くの人の目に触れ、道路に対する思いやりが社会全体に広がることを期待したい。
●つむじ風 7月14日
 陸前高田市内の高田海岸周辺では、県整備の気仙川水門が、一部の施設(遠隔設備)を除き昨年度末に概成。津波防護機能を発現している▼同水門の規模は、延長211㍍、堰柱の幅35㍍。ゲートは5門を設置。設計津波高はTP+12・5㍍で、県内の水門では最大級の規模を誇る。水門とつながる高田海岸の防潮堤第2線堤も、接続部の盛土を終えたことで、区域の津波防御ラインが確保された。現在、接続部では急ピッチで被覆ブロックの設置工事を推進中。県では気仙川水門・防潮堤とも、年度内での完成を目指す▼両施設の背後地では、高田松原津波復興祈念公園の整備も進められている。園内では、市が再建した運動公園の完成式典が8月8日に予定されており、残るエリアも年度内で概成する見込みだ▼海岸部では今後、再生された砂浜の供用も控えている。高田海岸周辺は水門・防潮堤の整備とともに、祈念公園や砂浜再生など、本県の復興を象徴する区域。県内外に震災から立ち上がる岩手の姿を示すためにも、全体供用までの着実な整備が求められるだろう。
●つむじ風 7月13日
 昼食後に午後からの仕事に備えて、仮眠を取る人も多いだろう。現場において、車内や現場事務所の休憩所などで横になる作業員らの光景は、日常的なものと言える。睡眠については質や適正な時間など、健康を保つためにさまざまな方法が論じられる▼時間に関しては、20代から30代前半の若い世代の睡眠時間が、この10年間に1割程度増えて約8時間になったとの調査結果が出ている。23時前に就寝する割合が増え、起床時刻には大きな変化はなく、若い世代の自宅で過ごす生活様式の傾向に加え、横になってスマートフォンを見ながら眠りに落ちることが影響しているとの分析がなされている▼就寝前にPCやスマートフォンの画面を見るのは、睡眠の質が落ちるとも言われる。若い世代で睡眠時間は長くなったものの、健康面でプラスになったとは言い難い気もする▼ちなみに他の年代の睡眠時間は、ほぼ横ばいの結果だったようだ。蒸し暑さが感じられれ、これからは暑さも厳しくなる。熱中症対策の重要な要素の一つとされる睡眠、適正にして仕事に臨みたい。
●つむじ風 7月10日
 土木学会が主催するシンポジウム「震災復興10年の成果と課題を俯瞰する~今後の備えへの教訓」が先ごろ、オンライン形式で開かれた。今後の復旧・復興や事前復興に資する知見を得ることを目指し、震災復興10年の成果と課題を抽出するための議論が交された▼このシンポジウムは、東日本大震災からの復興を総括することで、将来的に発生が予想される大規模災害の事前復興につなげるとともに、今後の社会と土木技術者のあり方を問うリレーシンポジウムの初回として催されたもの。東北地方整備局など関係者による話題提供や、専門家によるパネルディスカッションが催された▼パネルディスカッションでは、生活、なりわい、安全という三つの観点から復興の教訓を探った。本県からは岩手大学農学部の三宅諭准教授がパネリストとして参加。「基盤を作り込んでからではなく、まずは人が住み始めて、住民が手を加えていく形も必要では」と、住みながら作り変えていく復興まちづくりを提言した。復興に限らず、まちづくり全般に共通した視点と言える。
●つむじ風 7月9日
 「建設業は地図に残る仕事」。子どもを対象とした多くの現場見学会や交流体験学習の場で、よく耳にしてきた言葉だ。県内では新たな道路の開通を近く迎えることになり、岩手の地図がまた一つ、新しくなる▼東北地方整備局三陸国道事務所が整備を進めてきた宮古市内の三陸沿岸道路「宮古中央ジャンクション~田老真崎海岸インターチェンジ(IC)」と、宮古盛岡横断道路「宮古港IC~宮古中央IC」が12日に開通する▼今回の供用で、県内の三陸沿岸道路は田野畑村以南が全て開通することとなり、気仙沼市までの約139㌔が自動車専用道路で結ばれる。宮古盛岡横断道路は道路機能が三沿道に結節され、周辺のアクセス性が大きく向上する▼数年前、当時小学5年の地元児童らが今回の開通区間を見学した。学習テーマは「命の道をつくる」。子どもたちが成長した今、完成後の道路に感動を覚えることだろう。大人になって道路を通行した際には、暮らしに欠かせない基盤だと実感するのではないか。節目を迎える道路は、地域の思いをつないでいく。
●つむじ風 7月8日
 梅雨前線の影響により4日未明、鹿児島、熊本の両県を襲った記録的な大雨は、河川の氾濫や土砂崩れなど各地に大きな爪痕を残した。毎年のように発生する豪雨災害は、本県にとっても人ごとではない。日頃から万全の備えを心掛けたい▼熊本県では、豪雨で球磨川が氾濫し、球磨村の特別養護老人ホームなどが被災。このほか、橋の流出や道路の寸断により孤立地区も発生している。16年の台風10号で氾濫した岩泉町の小本川による水害を、思い起こした人も多いのではないか▼今回の大雨では、熊本県南部を中心に発生した「線状降水帯」による影響も指摘されている。線状降水帯は、次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなしている状態。ほぼ同じ場所を通過・停滞することで激しい雨が降り続くエリアになってしまう▼この降雨エリアの発生を予想することは、難しいとされている。局地的短時間で降る大雨に、どのように対処するか。ハード面での備えはもちろん、ゲリラ豪雨に対応した避難方法などを、もう一度確認しておく必要があるだろう。
●つむじ風 7月7日
 梅雨前線の影響により4日未明、鹿児島、熊本の両県を襲った記録的な大雨は、河川の氾濫や土砂崩れなど各地に大きな爪痕を残した。毎年のように発生する豪雨災害は、本県にとっても人ごとではない。日頃から万全の備えを心掛けたい▼熊本県では、豪雨で球磨川が氾濫し、球磨村の特別養護老人ホームなどが被災。このほか、橋の流出や道路の寸断により孤立地区も発生している。16年の台風10号で氾濫した岩泉町の小本川による水害を、思い起こした人も多いのではないか▼今回の大雨では、熊本県南部を中心に発生した「線状降水帯」による影響も指摘されている。線状降水帯は、次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなしている状態。ほぼ同じ場所を通過・停滞することで激しい雨が降り続くエリアになってしまう▼この降雨エリアの発生を予想することは、難しいとされている。局地的短時間で降る大雨に、どのように対処するか。ハード面での備えはもちろん、ゲリラ豪雨に対応した避難方法などを、もう一度確認しておく必要があるだろう。
●つむじ風 7月6日
 「エジプトのナイル川など世界の著名な都市は、河川とともに共存・共栄で文明をつくってきた歴史がある。平泉の黄金文化も北上川と深い関係を持って発展したものと受け止めている」と指摘するのは、勝部修一関市長。一関地区かわまちづくりが、国交省のかわまちづくり支援制度に登録され、登録証伝達式の席上で話していた▼支援制度は、河川空間とまち空間が融合した良好な空間形成を支援するもの。一関地区かわまちづくりは、磐井川沿川について観光振興による交流促進、賑わい形成に向けた各種施設整備などを内容としている▼人類や地域の発展に大きな影響を与えるなど、さまざまな恩恵をもたらしてきた河川。一方で、大雨などで氾濫した際には人類に牙をむく存在となる▼今シーズンの梅雨時期も、全国各地で大雨による被害が発生している。北上川をはじめ県内を流れる河川には、まだまだ治水対策が必要な個所が多くある。今後の河川と共存しての生活には、未整備区間の解消とともに、近年の雨の降り方にも対応した治水事業が必要に思う。
●つむじ風 7月3日
 7月は「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」の重点取組月間。WBGT値の確認と、必要に応じての作業の中断・短縮・休憩時間の確保の徹底、水分・塩分の補給などへの取り組みが呼び掛けられている▼岩手労働局によると、94年から16年までの間に熱中症で亡くなった人は8人。発生月で分類すると、7月が4人で最も多く、次いで8月の2人。屋外での作業で多く発生しており、年代別では特段目立った傾向はないようだが、産業別で見ると、建設業が4人と半分を占める▼これからの夏の課題は、建設現場における新型コロナウイルス感染症対策と熱中症対策の両立。大手ゼネコンでは、マスク着用による熱中症リスクの低減に向けて全国の現場にマウスシールドを配備するなどの対策を講じているようだ▼地方の中小建設業としては、国交省のガイドラインをベースに、「新しい生活様式」を意識した対策を取っていくことになるだろう。現場で働く人の安全を守るため、受発注者が協力して現場で明らかになった課題の解決に臨む姿勢が求められる。
●つむじ風 7月2日
 緊急事態宣言が全面解除されたが、首都圏では新型コロナの感染者の増加の兆しが見え始めている。人と接触する機会が増えれば、感染者は増える。医療崩壊に陥るような増え方だけは避けてほしい▼本県では、新型コロナの感染者が確認されていない。マスクの着用や手洗い・うがいの徹底など、日ごろの努力の賜物とは思うが、交通事故の死亡者は危機的状況が続いている。6月29日現在で、前年より4人増の26人。人口10万人当たりの死者数は、全国平均の2倍となっている▼改正道路交通法が施行された。あおり運転の厳罰化などが柱で、免許は即取り消しとなる。これだけ社会問題となっているのに、なぜ減らないのか。専門家によると、「運転による気持ちの高ぶり」や「意思疎通ができないことによる誤解」などを挙げている。こちらは軽く注意を促したつもりでも、「先にあおられた」とカチンと来て、行為に及ぶのだろうか▼仕事上でも誤解は、大きなミスや事故につながりかねない。普段から互いの意思疎通をスムーズにすることが、いかに大切なことか。
●つむじ風 7月1日
 きょう1日から1週間は、「エイジフレンドリー職場へ!みんなで改善 リスクの低減」をスローガンとする全国安全週間。労働災害防止に向け、産業界での自主的な活動の推進と職場での安全に対する意識を高め、安全を維持する活動などのさらなる定着を目指す▼例年であれば、安全大会などでの経営トップによる安全への所信表明や安全パトロール、講演会等の開催、職場見学等の実施などが行われてきた。現在の新型コロナウイルス感染症の状況では、「三密」となる可能性が懸念される▼厚生労働省では、「大会や講演会などのイベント開催の中止または延期」「多数が参加する安全パトロール、職場見学など社内行事の中止、延期または開催形式の見直し、参加者の限定」「テレビ会議などの積極的活用」などの対応策を例示。三密を避けての取り組みを呼び掛けている▼社会資本整備の担い手であり、地域の守り手として災害時には最前線で地域の安全・安心の確保を担う建設業。裾野の広さも考慮し、現場やオフィスの実態に応じた対策が求められている。
●つむじ風 6月30日
 大槌町は震災津波伝承事業の一環として、町全体の追悼・鎮魂の場となる(仮称)鎮魂の森の新設を計画している。事業では整備方針の検討に向け、3月に遺族アンケート調査を実施。26日には町議会全員協議会で、調査結果が報告された▼アンケートは、芳名板や祈りの対象など追悼の場の在り方について問うもの。遺族752人に配布し、355人が回答した。調査項目のうち「芳名板に名前を記すことの是非」では、「記してほしい」が8割を超えたほか、記名方式は「固定式」、公開方法は「常時公開」が高い割合を占めた▼「芳名板以外の祈りの対象」については、「慰霊碑」が最も多く、次いで「献花台」となった。「その他」の具体例では、「震災の被害や避難の大切さを伝えるもの」といった趣旨の意見が、複数見られた▼町では今夏で整備方針をまとめ、来年1│3月で基本設計、21年度で実施設計を作成する方針。22年度の着工を目指す。犠牲者、被災者の気持ちに寄り添いつつ、復興への思いを新たにする憩いの空間を創造してほしいと思う。
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