10月のコラム集
つむじ風10月20日

 11月は「過労死等防止啓発月間」。過労死防止の重要性に対する国民の関心や理解を深めることを目的に、厚生労働省などがシンポジウムやキャンペーンなど啓発活動を展開する。本県では岩手労働局が、長時間労働の削減に向けた労使団体への協力要請や、各労働基準監督署による重点監督などを行う▼本県においては、復旧・復興工事における過重労働の解消を目指す「いわてリアス宣言」が7月末に採択されている。「気仙宣言」を沿岸全域に拡大したものであり、復旧・復興工事に携わる労働者の適正な労働時間の管理や、過重労働の未然防止に向けた職場環境づくりなどを目指している▼建設業は重層構造の受注産業であることから、個別企業の責任において過重労働を解消させることは困難と思われる。ましてや東日本大震災や台風10号などで甚大な被害を受けた地域では、何よりも早期の復旧・復興が求められている。まずは発注者が過重労働を防止するための工程管理や業務の簡素化を率先して進め、現場の最先端まで浸透させる工夫が必要だろう。

つむじ風10月19日

 AEDと心肺蘇生法をテーマとした救急一般講習を取材する機会があった。地域建設業者が主催した安全大会の中の企画だ。参加した人々は、救急救命士からの説明を熱心に聞き、応急対応の重要性を再認識していた▼私事だが、先ごろ叔父が脳出血で倒れた。叔父は手術を無事に乗り越え、今では懸命にリハビリに取り組んでいる。職場が病院の近くにあったことや、そばにいた職員の皆さんが早期に異常に気付いたことが、命をつないだ大きな要因だと考えている▼取材先での救急講習は、身内の事例があった私自身にとって、非常に勉強になった。講師を務めた救急救命士は「倒れた人を3分放置しているだけで、救命率が低下する。現場に居合わせた人の処置が重要だ」と力を込めて話した。このほかにも、山を挟んだ集落では、救急車両が到着するまでに時間を要するという地域上の課題にも触れていた▼人ごととしてではなく、危機意識を持ちながら日頃からの安全研修や救急講習、チームワーク、心配りなどが大切だと実感する。取材を通して学ぶことは多い。

つむじ風10月18日

 国土交通省と建設産業人材確保・育成推進協議会は、建設業の役割や重要性について理解と関心を高めるため、工業高校等の生徒を対象とした作文コンクールを実施した▼高校生の作文コンクールには1235人が応募。女子が2割を越え、国交大臣賞の2人も女子だった。受賞作品の「魂の継承」は、歴史的建造物の修復・修繕関係の仕事に就くことを夢に持つ2年生の話。宮大工のもとでのインターンシップを通し、「先人たちのものづくりに対する『魂』を受け継ぎたい」と誓う▼同じく2年生の「将来の夢」では、今は亡き祖父と父の影響で土木を身近に感じていた作者が、「地図に残る仕事」というCMをきっかけに土木の道に進むことを決意。「父から私に繋がったように、私から子へ繋げることが私の将来の夢です」と結んでいる▼受賞作品を読むと、建設業に興味を持つきっかけは多種多様。興味から実際に働きたいという決意に至るには、あと一歩が大切。各種イベントやインターンシップなどが、一歩を踏み出すきっかけとなることを期待したい。

つむじ風10月17日

 大槌町の中心部で今月上旬、上棟式が行われた(仮称)御社地エリア復興拠点施設。市民交流や震災伝承の中核となるもので、施設は今後、来春の開所を目指し内装や設備工事が本格化していく▼建設場所は、被災した旧役場庁舎の近接地。図書館や多目的ホールなどが入る複合施設で、8月には愛称も「おしゃっち」に決定した。規模は木造3階建ての、延べ床面積2216・99平方b。隣接する御社地公園とともに、市民の憩いの場として、町の復興を象徴する建物となる▼隣の釜石市でも、中心部で整備が進む市民ホールの外観があらわになり、完成間近となっている。22日には施設の愛称、愛称ロゴマークの命名式も行われる予定。12月にはホールでの演奏会も企画されており、市では年内の開館に向け準備を進めている▼両施設とも、中心市街地のランドマークとなるもので、震災からの復興を先導する役割りが期待されている。新たなまちの文化を内外に発信していくためにも、施設の利活用を促すソフト面の充実を図っていく必要があるだろう。

つむじ風10月16日

 近隣に商店や医療機関、一般住宅などが多く立ち並ぶ繁華街での道路改良工事現場を訪れる機会を持った。全面通行止めの措置を講じて、医療機関などに向かう人のみが通行できる状況の中、現場代理人らが第三者への災害に気を配りながら作業している様子がうかがえた▼周囲からは、工事を見つめる住民らの光景が見られた。安全面に注意して無事故で作業を終えることはもちろん、いかに振動や騒音、埃などをなくし周囲に配慮して施工できるかが、建設業へ良いイメージを持ってもらうことにつながるように感じる▼現場を見つめる住民らの中には、重機が動く様子をじっと見つめる2、3歳ぐらいと思われる男の子の姿があった。男の子は、ひと時も目をそらさず10分近くは作業の様子を見ていただろうか。少しでも建設業を気に留め、魅力など感じてくれたならと思う▼県内各地では、産業まつりのシーズンを迎えている。重機への乗車体験など建設業とふれあう機会を催すことで計画している地域も多くあり、建設業を広く理解してもらうことが願われる。

つむじ風10月13日

 県建設業協会と県立高校の土木・建築部門の担当教員が意見を交わす「若年者入職促進懇談会」が、先ごろ開かれた。懇談会が催されたのは約15年ぶりとのこと。全産業を通じて人手不足と言われる中、建設業における担い手の育成・確保に業界と教育機関が本腰を入れて取り組む姿勢の現れだろう▼地元企業はもっとPRに力を入れる必要があること、インターンシップは就職先を選択する上での有効なツールであることなど、現役教員からの意見は業界にとって貴重な情報。給与などの待遇以上に、仕事の内容を重視する学生もいるという話もあった。業界側からの積極的な情報発信が、今後ますます重要になっていくものと考えられる▼懇談会が約15年ぶりに行われた背景には、県立高校の再編もあると思われる。再編計画の中には工業高校の学科改編も盛り込まれており、その過程の中で統廃合の対象となる学科も出てくるだろう。若年労働者を雇用し育成する立場として、技術や技能に関する教育機会が損なわれることに対し、業界からも声を上げていく必要がある。

つむじ風10月12日

 首都圏から来た人を案内した時、「道幅が広くていい」と言われた。向こうは「道幅が狭い上に車も多く、常にノロノロ運転。駐車場も非常に狭い」とか。県内では計画的に道路整備が進められてきたお蔭で、渋滞も少なくなり、快適に走行できるようになった▼その一方で、快適さの余りスピードが出過ぎてはいないか。本県の交通事故件数は、10日現在で1663件。前年に比べ7・3%減。死者は前年に比べ17・9%減の46人▼前年より件数、死者数ともに減少しているのは喜ばしい限り。だが死者数を人口10万人当たりで見ると、本県は3・63人。全国は2・11人だから1・52人多い。東北6県でも青森2・63人、宮城1・29人、秋田1・98人、山形2・52人、福島2・58人。本県がワーストだ▼日も短くなり、仕事帰りはすでに真っ暗。視界も狭まり、事故が起きやすい状態となっている。家族を悲しませないためにも「止まる(Stop)、見る(See)、待つ(Stay)」の3S運動に加え、「速度(Speed)を落とす」を徹底したい。

つむじ風10月11日

 「キャラクター捕獲ゲーム型」と特徴付けられた今年度の新入社員も、働き始めて半年が経過。はじめは熱中するものの、早期離職の傾向も見られ、企業側ではやりがいや目標の提供によるモチベーションの維持に努める必要があると指摘されていた▼今月1日には、主要企業で内定式が行われた。あと半年で、彼・彼女らも先輩となる。取材を通して、県内の建設産業界で働く彼・彼女らと接すると、型にはまらず、先輩の背中を見ながら現場や社内を走り回っている姿が印象に残っている▼自分の年代のタイプを見ると、浄水器型や四コママンガ型だろうか。浄水器型は「取り付け不十分だと臭くてまずいが、うまくいけば必需品」。四コママンガ型は「理解に時間がかからず傑作もある一方で、市場にあふれているので安く調達できる」と、少々辛口の評価が…▼産業能率大学では、新入社員を対象にした理想の上司を尋ねる調査を実施。17年度のトップは、男性が松岡修造さん(3年連続)、女性が水卜麻美さん(初)。上司にこそ、情熱と誠実が求められているようだ。

つむじ風10月10日

 県建設業協会の主催による工業系の高校生を対象とした現場見学会が開かれている。見学する高校生には貴重な体験となった様子で、普段学んでいる部分、見学して新たに発見した部分と双方があり、今後の学習に生かしていきたいとの声が多く聞かれる▼土木系の学科では、公務員も含めて学んだことを生かした進路を考える生徒が、比較的多いと聞く。学んだことを生かし、土木分野での活躍が期待される▼建設業への就職を志望する生徒に聞くと、志望のきっかけに父親など自分に近い立場の人が建設業で働いているのを見たことを挙げるケースが多い印象を個人的に持っている。間近で見る機会があれば、建設業は就きたいと思ってもらえる魅力的な産業であるということだろう▼先日、建設業ふれあい事業を取材した際にも、重機の操作などが楽しかったようで、「建設業を将来の進路に考えてもいい」と話す生徒が、男女問わず多くいた。さまざまな場面を捉え、建設業を周知する機会を増やすのが、担い手の確保へ有効な手段の一つであることは確かに感じる。

つむじ風10月6日

 県の18年度予算編成における要求・調整基準を見ると、公共事業費の通常分は17年度と同水準。通常分には台風10号災害に関連した事業費も含まれることから、総枠も含めて別途協議での対応になる見通し▼震災復旧・復興需要の終了後、県内建設投資額は震災前の規模に縮小すると言われている。参考までに震災前に編成された県の11年度当初予算に計上された公共事業費を見ると、780億5100万円。17年度の公共事業費の通常分は505億9300万円で、震災前と比較して35%も減少している▼復興事業に充てられている事業費がそのままゼロになる訳ではないにしても、以前のレベルに戻すことも簡単ではなさそうだ。さらに人件費や材料費などのコスト上昇分を勘案すると、震災前と同規模は実質的な減額を意味している▼建設業界として公共事業費の増額を求めていくことは当然であるが、業界の内輪内側だけで議論が終始しては意味が無い。一般の県民からも社会資本整備の必要性を訴える声が上がるよう、機運醸成を図っていく必要があると思われる。

つむじ風10月5日

 東日本大震災後に事業化となった県内の多くの道路整備計画。国や県などは、津波被災地を支える道路の構築へ、各地で工事を精力的に展開している。事業中の道路のうち、17年内に大きな節目を迎える道路がある▼代表的な事業の一つは、東北地方整備局三陸国道事務所が全力で整備を進める三陸沿岸道路「山田宮古道路」(山田IC〜宮古南IC、延長約14`)だ。工事が最終局面に入っており、11月19日に待望の開通を迎える。国の復興道路・復興支援道路のうち、震災後に事業化となった区間では初めての開通となる▼二つ目は、県北広域振興局土木部が事業を進める一般国道281号案内工区(久慈市、延長約2・1`)。同日の開通を予定している。地域が抱えてきたあい路区間の一つを解消することとなり、防災面などにおいて地域の連携が強化されることだろう▼津波被災地の事業計画は、にぎわいの創出などにシフトしてきたように感じる。県内で開通という段階に入っていく道路。地域の未来につながる道路として、有効活用していくことが求められる。

つむじ風10月4日

 建設産業で進む就業者の高齢化。担い手の確保が課題となる中、その解決方法の一つとして建設産業での女性の活躍が挙げられている。国土交通省と建設5団体は共同で「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」を3年前に発表し、官民挙げたさまざまな取り組みを進めている▼同省では、全国10都市で参加費無料の建設産業女性活躍セミナーを開く。東北地区では、今月16日に仙台市の宮城県建設産業会館で開催を予定。セミナーの中で、女性経営者が「建設業を女性の一生の仕事に」と題し基調講演するほか、パネルディスカッションでは現場で働く女性技術者や技能者、事務職の担当者らが参加。女性の入職・定着、さらなる活躍に向けたヒントを提供するという▼同計画の冒頭、官民で目指す目標として「女性技術者・技能者の5年以内の倍増を目指す」とある。希望を持ち、困難にもめげず働いている女性がいる中で、何らかの理由で建設産業から離れていく女性もいる。働き「続ける」ことができる環境とは何か。官民挙げて考えていかなればならない。

つむじ風10月3日

 陸前高田市今泉地区の高台造成地で、本体工事が始まった気仙小学校。9月下旬の安全祈願祭で初めて現地を訪れたが、眼下に広田湾や概成した防潮堤、新たな中心市街地などが見渡せるロケーション。市のさまざまな風景に抱かれた開放的な空間は、児童にとっても快適な教育環境となりそうだ▼施設は普通教室棟や特別教室棟、体育館棟、ホール棟、プール棟で構成され、構造は木造一部鉄筋コンクリート造および鉄骨造。延べ床面積は約4400平方b。隣には、保育所の建設も予定されており、子供たちが集まるエリアになる▼設計担当者は安全祈願祭で、住民との話し合いにより、設計の密度が高まったことに感謝。「校舎は一塊の大きな箱型ではなく、切妻屋根の各棟が集まり町並みのように見える形が特徴」と、説明していた▼「校舎ができることで子供たちが笑顔になり、その笑顔が地域に広がっていけば」とも。供用が開始される19年1月には、周囲でも住宅などが徐々に立ち上がってくるはず。学校が、新たなまちに活力を与えるものになればと思う。

つむじ風10月2日

 ほ場では、稲の収穫される様子も見られるようになってきた。今夏は低温や日照不足が続き、大雨や強風にも見舞われた。今シーズンは、県最高級のオリジナル米「金色の風」の市場への初出荷も予定され、どの程度の量、品質の米が収穫されるか注視される▼稲だけでなく、さまざまな農産物などでも天候等による影響が出ている。果樹では、先月の台風18号の接近により、収穫を間近にしていたリンゴやナシが落果する被害が発生している。沿岸部では、サンマ不漁の状況が続く。秋は深まっていくが、持ち直しが願われる▼農村物の収穫後に本格化していくのが、ほ場整備。今シーズンも8月頃から多くのほ場整備がらみの工事が発注されている。来春の田植えの時期までの長期間の作業となるが、安全面などに気を付けていきたい▼今夏が悪天候の多い気象で推移しただけに、今秋や今冬がどのような気象になっていくか心配される。気象だけはどうにもならない面もあるが、ある程度例年と違う気候となることも考えた施工計画を立てる必要があるかもしれない。

つむじ風9月29日

 国内における戦後最悪の火山災害と言われる御嶽山噴火から、27日で3年が経過した。本県においては話題に上がることも少なくなったが、死亡者・行方不明者を合わせて60人を超える甚大な被害は、四つの活火山を有する本県にとって、決して他人事とは言えない▼建設業界に目を転じてみると、洪水や津波などと比較して火山に対する関心は決して高くはないだろう。災害の予測が困難であることに加えて、時間のスケールが大きすぎることなどから、つかみ所が無いというのが正直な反応だろうか▼小紙ではこのほど、岩手大学地域防災研究センター客員教授の土井宣夫さんによる連載、「シリーズ岩手の火山」をスタートした。土井さんは内閣府の「火山防災エキスパート」を務めるなど、岩手における火山研究の第一人者として知られており、建設業界にとっても有意義な情報が提示できると思う▼地域の守りである建設業界が火山に対する理解を深めることは、災害に強い県土づくりに資するに違いない。未読の方は、27日付の本紙8面をご覧いただきたい。

つむじ風9月28日

 今や、地域の観光資源となっている道の駅。旅行会社などの人気投票では、新鮮な農畜産物・魚介類の販売や、それを生かした飲食施設、それに温泉などプラスワンの魅力を持つ施設が上位にランキングされているようだ▼国交省は、高速道路からの一時退出を可能とする「賢い料金」を全国17カ所の道の駅で追加実施する。高速道路を降りて道の駅に立ち寄り後、1時間以内に再進入した場合には、降りずに利用した料金のままとする措置。ETC2・0限定だが、本県ではおりつめ(九戸村)が対象となる▼県内では、東北横断道や三陸沿岸道路の整備が急ピッチで進められている。今は復興推進のため通行料金は無料だが、有料化の場合には点在する既存の道の駅がこの措置の対象となり得る▼現在は全国3施設で実験中。利用者の意見を見ると、1時間で十分と感じているようだが、交流人口の増加が望まれる本県にとっては、もう少し時間延長ができないものか。目的地を定めない、ゆったりとした道の駅めぐりもいい。三陸沿岸地域こそ、そういう場所ではないか。

つむじ風9月27日

 1972年に当時の行政管理庁や経済企画庁、科学技術庁、大蔵省、文部省、運輸省、郵政省が連携し、10月の第1週を「情報化週間」と設定。現在では、10月を情報化月間と位置付け、様々な行事を実施している▼情報化月間の一環として、1980年に工業高校生と商業高校生を対象とした第1回「全国高校生プログラミング・コンテストを開催。2014年度からは「U│22プログラミング・コンテスト」がスタートし、今年度からは小学生部門がスタートした▼2020年度から日本の小学校でプログラミング教育が必修化される。さらに、その10年後にはプログラミング教育を受けた世代が、就職する年齢となる。見よう見まねでパソコンを操作していた世代と、小学校からパソコンの基礎を教えられた世代が職場をともにする時代がやってくる▼プログラミングの是非はともかく、大切なのはプログラミング的思考だろう。自分が意図することを実現するために、何が必要で、どのように組み合わせ、改善し、近づけていくか。世代に関係なく大切なことだ。

つむじ風9月26日

 釜石港に県内で初めて設置されたガントリークレーン。年々増加する同港のコンテナ取扱量に対応するため、関係者の悲願となっていただけに、23日の供用開始式では施設に懸ける地元の期待の大きさが感じられた▼今回の設置は、震災復興のため大阪府から県大船渡土木センターに派遣され現在、府港湾局に勤務する職員との縁がきっかけとなり、無償譲渡が実現したもの。阪神淡路大震災で神戸港が被害を受けた際に、復興支援のため堺泉北港に設置された3基のうち、1基が岩手に贈られた▼式に出席した大阪府の竹内廣行副知事は、「東北の経済成長に役立ててほしい」と語ったほか、「南海トラフ巨大地震が発生した際は、大阪が助けてもらう立場になるかもしれない」と話し、東北・関西の交流を続けていきたい考えを示していた▼釜石港周辺は縦軸、横軸の幹線道路の結節点として、物流の活性化が期待されている。大阪府のエールに応えるためにも、集荷範囲の拡大、企業へのアピールを図り、同港のさらなる利用促進に取り組んでいく必要があるだろう。

つむじ風9月25日

 普段何気なく車で走行している路線において、自転車で走行している人を横目で見ると、苦労してこいでいる様子を見かけることがある。車では気付かないものの坂道になっていて、自転車にとって登るのが大変なようだ▼先日、徒歩による道路点検を一緒に歩いて取材する機会に恵まれたが、歩いてみてこそ気付かされることが多くあった。わずかな区間でも歩道が途切れていたり、狭い個所の横をスピードを出した車両が通過していくのは怖く、少しの凸凹や側溝蓋のがたつきで歩きにくさを感じた▼徒歩による点検は地道な作業だが、車両からでは分かりにくいことにも気づかされる。道路利用者にとって真に必要な事業を講じていくために必要なものだろう▼同じ路線でも交通手段で不便さが違うほか、朝夕などのラッシュ時に渋滞が激しくなるなど時間帯、普段は気にならないような窪地でも雨が降ると冠水しやすいなど天候によっても、通行する上で不具合を感じる部分は大きく異なるものだろう。さまざまな条件を加味しての道路整備、維持管理が求められる。

つむじ風9月22日

 業界団体と行政当局との共通の話題は、若年労働者の育成と担い手確保。中でも完全週休2日制の導入をはじめとする働き方改革については、双方が優先度の高い課題として捉えているようだ▼少子化が進む中での他産業との人材確保競争を考えた場合、週休2日の導入は現実問題として取り組むべき課題であることに間違いない。間接工事費の補正や工事成績への加点を行うなど、発注者が実施企業に対するインセンティブを付与している点を見ても、その重要性は理解できる▼建設業に従事する人の就労環境に関する議論が活性化し、改善が進むのは良いことだが、週休2日制は全てを解決する魔法の杖ではない。若年労働者を確保する上での手段の一つに過ぎず、取り組むべき課題はまだ数多くある▼また、行政当局と建設業界が共に目指す最終ゴールが「完全週休2日制の実現」では、少々寂しい気もする。若年労働者が地域の基幹産業である建設業に将来を託すため、地域社会の将来像をどのように描いていくか。知恵を絞るべきは、本来このテーマのはずだが。

つむじ風9月21日

 三陸沿岸地域などにおいては、東日本大震災からの住まいの再建が進む。県内では震災対応の災害公営住宅5964戸の建設が予定され、県のまとめによると8月末現在で約8割の4928戸が完成。沿岸部では災害公営住宅の整備が最終局面を迎えている▼山田町では、公募型プロポーザル方式の建物提案型買取方式で実施する「平成29年度山田町災害公営住宅等買取事業(飯岡団地戸建住宅型)」を公告した。同町内で計画されている災害公営住宅としては、最後の発注となる▼整備予定戸数は計46戸で、整備場所は町立山田中学校北側の防災集団移転促進事業区域内に当たる。18年度中の着工・完成を目指しており、19年1月の入居開始予定。一日も早い住宅の完成が望まれる▼市町村や県は、災害公営住宅の早期整備に向けて、買取型や敷地提案型といった様々な事業手法を検討してきた。用地の確保など、地域上の課題もあったことだろう。震災の記憶の一つとして、検討を重ねた事業手法やノウハウ、課題などを次世代に引き継いでいくことも大切になる。

つむじ風9月20日

 国土交通省はこのほど、官民連携まちづくりの手引を全面的にリニューアル。都市再生特別措置法の改正による新規制度や運用実績・運用事例を盛り込み、内容の充実を図った▼「まちづくり団体の位置付けを明確にしたい」「公共空間を活用してまちづくりを進めたい」「住民自らまちの魅力を高めていきたい」「まちづくりに低未利用の土地、建築物を活用したい」…。まちづくりに対する悩みや思いは、千差万別のようで共通する部分もある▼運用事例として、札幌大通まちづくり鰍フ道路占用許可の特例を挙げている。同社が札幌市に都市再生整備計画を提案し、札幌市が同計画に位置付け、公的空間を開放。オープンカフェの設置・運営と広告板を設置し、収益を市に還元。市は、道路維持管理や地域イベントなどまちづくりに還元している▼豊富な人材、潤沢な資金、自由に整備できる施設…まちづくりにとって理想的な条件だが、現実的ではない。小さな「できない」を少しでも「できる」に変えてこそ、にぎわいと魅力につながるのではないだろうか。

つむじ風9月19日

 7、8、そして今月と、毎月のように県内は大雨に見舞われ、大雨や洪水警報が発令、法面の崩落や冠水などによる路線の通行止めや住家での浸水被害も発生している。避難指示などが出されるような状況になった大雨もあった。秋雨前線や台風による大雨の季節は、これからが本番で注意が必要だ▼今年は、カスリン・アイオン台風から70年で、さまざまな催しなどが展開されている。地域の水害リスクを知って防災意識を高めることなどを目的としたもので、台風で被災した際の写真を見たり、体験談を聞く機会を持つこともあるが、涙なしには聞いていられなくなる▼こうした体験談などを教訓にして、備えることが大事になる。ダムや堤防といった施設の能力には限界があり、防災意識をいかに浸透させるかなどのソフト面の強化が課題の一つとされている▼ソフト面の強化は確かに必要なものだが、ハード面の整備推進も同様に重要なもの。県内を流れる大河・北上川にもまだ無堤区間が多くあり、70年が整備推進の契機にもなっていくことが望まれる。

つむじ風9月15日

 19・20年度の県営建設工事競争入札参加資格審査基準では、土木CPDS・建築CPDの履修要件の引き上げや、女性活躍への取り組みに対する評価が盛り込まれる見通し。県では今後、業界団体からの意見も聞き、具体的な内容を詰めていく考え▼17・18年度の審査基準では、地域貢献活動に対する評価の大幅な見直しが議論された。「評価のためのボランティアになっている」などが主な理由で、清掃や環境美化などへの加点を廃止する内容だった▼地域貢献への加点は業界内でも早くから賛否が分かれていた。「活動のインセンティブになる」と歓迎する人がいる一方、「これ見よがしのボランティアを誘発するだけ」との声もあった。尊敬する業界の先輩が、「地元企業にとって当たり前の活動だったものが、いつの間にか『地域貢献』と名付けられていた」とあきれていたことも覚えている▼加点廃止の是非はともかく、建設業の地域貢献を考え直す機会ぐらいにはなっただろう。ボランティアに取り組む企業が激減し、足元を見られる結果を招いたかもしれないが。

つむじ風9月14日

 今年は、北上川の濁った姿を何度見たことか。雨音で目が覚めてしまうほども度々。翌朝、堤防の上部まで水位が上昇している北上川を見て、何とも言えない恐ろしさを感じた▼8月24−25日の大雨では、北上川も一部で氾濫危険水位を超過。北上川ダム統合管理事務所によると、5大ダムで東京ドーム約41個分の水を貯め込んだ。四十四田、御所の両ダムがなければ、盛岡市街地で堤防が決壊した可能性もあったという。その場合は約4600戸の浸水被害が発生したと想定される▼先月の大雨では深夜、避難勧告などのエリアメールが入る度に驚いて飛び起きた。洪水はいつ襲ってくるか分からない。携帯電話は、人的被害を防ぐための重要なツールだと改めて感じた▼と同時に、社会福祉施設や高齢者・障がい者のいる家庭では、メールが入ってから迅速に行動できるか疑問に思った。多分、夜間の場合は避難基準を下げたり、早めに情報を流したりしているのだと思うが…。カスリン・アイオン台風により甚大な被害を受けてから、間もなく70年の節目を迎える。

つむじ風9月13日

 総務省が公表する通信利用動向調査。2016年9月末の結果を見ると、過去1年間のインターネット利用者数(個人)は推計1億84万人。インターネット利用者の割合は83・5%で、1998年のインターネット世帯普及率6・4%に比べ、飛躍的に向上している▼1988年のきょう、コンピュータ・ウィルスが日本上陸。電子掲示板に意味不明の文字列が書き込まれていたことから、ウィルスによる仕業と発覚。本人のIDやパスワードが電子掲示板に暗号化して書き込まれていたという▼30年後の現在、休み明けに会社のパソコンでメールソフトを立ち上げると、多いときで50件ほどのメールが届くことがある。必要なメールは数件で、残りはウィルスが添付されているであろうメールということも▼実際、資料や画像などをメールでやり取りする機会が増えている。「添付写真の件」「請求書について」「お知らせ」など、悪意ある第三者は、あの手この手で添付ファイルを開かせようしている。まずは相手の名前やメールアドレスを確認することを習慣付けたい。

つむじ風9月12日

 先月末に、学校施設環境の復興を宣言した大船渡市。震災以降進めてきた、被災校舎の高台移転や、校庭からの応急仮設住宅の撤去などが完了したもので、市内の復旧・復興事業は一つの節目を迎えた▼同市では震災の津波により、越喜来小、赤崎小、赤崎中の校舎が全壊。発災した3月から5月にかけ、小学校5校・中学校4校の校庭では応急仮設住宅の設置工事が開始され、運動の場が長期間にわたり制限されてきた。被災3学校については、16年度で高台移転の整備が完了。学校施設の耐震化や、校庭の使用再開に向けた取り組みも図られた▼大船渡の隣、釜石市では鵜住居や唐丹地区で新校舎が供用を開始。陸前高田市では、16年に高田東中が完成したほか、今後も、今泉地区の高台で気仙小の新築工事、高田地区の高台でも、高田小の移転整備が予定されている▼学校施設の復旧・復興事業が、終わりに近づく沿岸被災地。生徒や、地元住民の期待も大きい施設だけに、被災前以上の機能の充実を図り、新たなコミュニティを育む基盤になってほしいと思う。

つむじ風9月11日

 ここ数週、県内に新規に進出してきた企業の工場新築、すでに立地する企業の工場増設工事に関する取材の機会に多く恵まれている。いずれの企業も、地元から多くの雇用を計画し、働く場が増えることでさまざまな効果が期待される▼地元雇用に関して、企業の代表者が口をそろえるように話しているのが、「良い人材が集まった」というもの。岩手には優秀な人材がそろっているとの感触を持っているようで、当初は他工場からの異動も含めての操業を計画していたものの優秀な人材が集まったことで、ほぼ地元雇用だけで操業し、実質的な経営も地元で雇った人材に担わせるビジョンを描く企業もあるようだ▼県内の実業系の高校は、少子化の影響なども重なって定員割れしている学科も多い。学科の統廃合なども余儀なくされている▼専門的知識やスキルも要される製造業の働き場が創出されることで、実業系高校へ進む学生の増加を期待したい。優秀な人材が着実に成長し、養った能力が発揮される進路へ進むとともに、地元への就職を促す環境整備も求められる。

つむじ風9月8日

 毎年10月1日からの1週間、「全国労働衛生週間」が実施される。今年は「働き方改革で見直そう、みんなが輝く、健康職場」をスローガンに、労働衛生に関する国民の意識高揚を図るとともに、労働者の健康確保を目指す▼9月は準備期間に当たり、メンタルヘルス対策や過重労働による健康障害防止など、重点項目4点への対策が呼び掛けられている。具体的な取り組みとしては、各種研修や情報提供、ストレスチェック制度の適切な実施、時間外・休日労働の削減などが上げられる▼16年の定期健康診断の有所見率を見ると、建設業が74・4%と不名誉なトップ。運輸交通業と比較しても10ポイント近く上回っている。項目別では、血中脂質、肝機能検査、血圧など生活習慣病に関連する項目や、聴力での有所見率が高い傾向にある▼復興事業がピークを過ぎたとはいえ、いまだに工事量は高水準。台風10号の復旧工事も本格化する。労働災害防止に目が向きがちであるが、社員や現場で働く人たちの体調管理や暮らしへの気配りも、建設企業における重要なテーマに違いない。

つむじ風9月7日

 東北地方整備局三陸国道事務所が急ピッチで整備を進める三陸沿岸道路。17年度開通予定の山田宮古道路などで工事が最終段階に入る中、工事状況のかわら版やパネル展示による進捗状況の見える化にも力を注ぐ▼山田宮古道路の施工状況(8月28日現在)を見ると、多くの個所で舗装工事を展開中。山田第2トンネル(延長1985b)の内装板の設置や、津軽石パーキングエリア(仮)の盛土工事・舗装工事などを実施している▼16年台風10号災害の被災地のうち岩泉町内においては、田老岩泉道路が17年度に開通する予定だ。同町役場の地域整備課・復興課長が先ごろのインタビュー時、震災・台風災害からの産業再生に向けて「復興道路を活用し、知恵を出すことがわれわれの責任」と話していたことが印象深い▼震災復興だけでなく、観光や産業の振興、台風からの復旧なども支える道路。自治体側としても復興の先を見据え、復興道路の活用策や利便性などを県内外に積極的に見える化し、三陸地域に人を呼び込んでいくことが大切になるだろう。