7月のコラム集
つむじ風7月20日

 岩手大学地域防災研究センターなどの主催で、17日から開かれている「国際防災・危機管理研究岩手会議」。きょう20日は、現地視察が行われている。東日本大震災の教訓や大規模災害における復興施策など多様な視点から議論が交わされ、有意義な会議になっているようだ▼この国際会議には、国内外から200人近い専門家が参加しているとのこと。震災から7年4カ月余りが経過した現在でも、地域防災や復興への関心は高い。東日本大震災はあまりにも不幸な出来事だったが、本県における震災の教訓や復興モデルが、後世における防災と復興のフレームワークづくりの一助となることを望みたい▼地域防災や復興の担い手として不可欠な存在が地域建設業。防災研究に取り組む専門家の中には、建設業の動きに関心を持っている人も多い。初動対応から本格復興までの各局面において常に最前線で活躍している地域建設業だが、その記録は断片の集合体という側面が強い。多様化・激甚化する災害への備えとして、より体系的な取りまとめが必要な時期かもしれない。

つむじ風7月19日

 2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会。東京都内では、エンブレムやメッセージなどを目にする。中には工事現場の周囲に掲示されている物も。国際的な大会とあって注目度は高い▼県建設業協会盛岡支部青年部会(遠藤考則部会長)は、鈴木俊一東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣と面会したほか、新国立競技場の整備状況を視察した。私も取材で同行させていただいた。貴重な経験だった▼視察当日、バスが工事現場に近づくと、乗っていた一行からは「思っていたよりも規模が大きい」といった声が上がっていた。私もその一人。一度は見てみたいとの思いがあった。同競技場の施設規模は延べ約19万4000平方bで、完成時の座席数は約6万席。19年11月の完成予定で、順調に整備が進んでいるそうだ▼視察後、遠藤部会長が「今、感じている建設業の魅力を次の担い手にも伝えていければ」と話したのが印象深い。建設業のスケールを実感することも、建設業を見つめ直す刺激の一つではないか。

つむじ風7月18日

 国土地理院は、平成30年7月豪雨による被害状況を把握するため、空中写真(垂直写真)の撮影を実施し、ホームページ上で公開した。実際に画像をクリックしてみると、その鮮明な画像に驚かされる▼画面上では、広島県福山や東広島など各地区で空中から撮影された場所が点群となって表示。画像からは、山間部の谷沿いや川沿い、下流の住家が生々しい茶色とともに写し出されている。岡山県倉敷市真備町付近の被災前との比較が印象的だ▼16年の台風10号の際、ドローンが現状把握に大いに役立った。さらに現地入りしたTEC│FORCEの隊員は「住民に状況を説明する際、ドローンからの画像が分かりやすいとの評価を受けた」と話している。ドローンからの画像・映像が、災害状況を迅速に把握していることが改めて示された▼避難の呼び掛けや医薬品の運搬など。ドローンは、災害時ばかりでなく、あらゆる分野に活用法が広がりつつある。連続飛行時間の短さや天候に左右されるなど、機体そのものの性能向上を図りながら、防災面でも生かしたい。

つむじ風7月17日

 普段は遠巻きにしか見ることがない建設業を、間近で体験できる建設業ふれあい事業。建設業を知る機会となるが、体験前から身近な仕事と感じているといった声もしばしばある。聞けば、親や友人の親が建設業に従事していて、中には重機を触ったこともある子も見られる▼建設業に好印象を持ってもらう方法はさまざま。SNS上では、横浜市の病院整備工事の現場に設置された「意見箱」が話題となり、工事とは無関係の意見が投書された場合にも、一部ユーモアも交えて誠実に回答する姿勢が賞賛された▼設計、施工業者、発注者で相談して回答しているようで、内容を見ると、恋愛相談に「頑張ってください」とエール。近隣に球技場が立地し「工事がうるさくて応援しているサッカーチームが負けた」との投書には、「試合の2時間前には工事を終了するよう徹底している」などと丁寧に回答している▼さまざまな角度から建設業に興味を持ってもらう取り組みが有用になると思われる。そこからもう一歩の取り組みで、担い手確保につながることも望まれる。

つむじ風7月13日

 大阪北部地震、平成30年7月豪雨と、6月後半からの短期間で西日本を中心に大規模な災害が連続して発生した。犠牲になった方のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方が一日も早く以前の生活に戻られることを願うばかりだ▼特にも7月豪雨は、豪雨災害の死者数としては平成入り後最悪のペースという。排水や土砂撤去など応急復旧も緒に付いたばかり。今後、多額の事業費を投入して本格的な復旧・復興を進めていくことになるだろう▼災害が多発する狭小な国土に1億2000万人を超える国民が生活している以上、災害復旧や復興に要する事業費が膨大になるのは必然のこと。一方、本県では復興・創生期間の終わりが目の前に来ている。復興は道半ばとはいえ、従前と同様に国からの手厚い支援が期待できるかは不透明だ▼ましてや「復興が一段落するので、そろそろ内陸部に一般公共事業の上積みを」という願いが容易に叶えられるとは考えにくい。本県における将来の社会資本整備のあり方を、規模感や優先度も含めて議論していく必要がある。

つむじ風7月12日

 2015年度の125件をピークに減少傾向にあるものの、県内では依然として毎年70人以上が熱中症になっている。厳しい蒸し暑さが続いたと思えば、急に服が1枚必要になったりと、県内では不安定な気候が続いているだけに注意が必要だ▼月別の発生状況を見ると、やはり7−8月が群を抜いている。2010−17年の8年間では、発症者の約8割がこの2カ月に集中。そのうち約1割が休業4日以上の重篤な状態となっている。今夏は酷暑が予想される▼業種別では、屋外での作業が多い建設業が300人。次いで製造業の86人。建設業の発症者のうち、約9割が屋外での作業中となっている。暑さ指数(WBGT値)の把握はもとより、梅雨明け後は作業の中断や短縮、休憩時間の確保、水分・塩分の補給など、状況に応じた適確な対応が求められる▼いかに対策を講じようとも、作業員自身の体調が優れなければ、熱中症はもとより、事故の発生リスクも一気に高まる。「自分の身は自分で守る」。社会人としての鉄則で、睡眠不足や飲み過ぎ、朝食抜きは厳禁だ。

つむじ風7月11日

 観光庁は、公的施設等の早朝・夜間開館の拡充に向けた訪日外国人調査を実施し、その結果を公表。訪日外国人の85%程度が早期開館等の企画への参加意向を示し、参加希望先は神社・仏閣、名所・史跡、庭園が多いという▼早朝開館等の企画への支払い可能金額は、欧米豪からの旅行者の半数が11j以上、そのうち25%程度が21j以上とか。実際に訪問した訪日外国人が支払った金額は、無料が7割だった。人員配置やオペレーションの金銭的コストを課題として指摘している▼「スマホで何とかならないのかしら」。旅行中、午前10時の開館前にチケット購入のために長蛇の列。ある女性が、チケット購入は開館前または電子チケットでもいいのではと吐露していた。促進に向けた対応策の一つに、チケット販売環境の整備が挙がっている▼ラグビーワールドカップまで430日余。早朝開館など訪日外国人の実態・ニーズを把握することは重要。人員配置やコストなど課題はあるが、3文程のサービス・おまけなど本県流のおもてなしがあってもいいのではないだろうか。

つむじ風7月10日

 西日本を中心とした記録的な豪雨は、各地に多大な被害を発生させた。先月中旬には、大阪府北部で震度6弱の地震が起きたばかり。改めて、自然災害の多い国土であることを思い知らされる▼停滞した梅雨前線の影響による今回の大雨では、広い範囲で堤防の決壊や家屋の浸水、土砂崩れが発生。時間を経るごとに死者、行方不明者が増える中、早急な救助や災害対応が続いている。梅雨明けから気温が高くなれば、被災者の衛生面なども心配されるところ。本県としても、求められる支援を進めていくことが必要だ▼9日に開かれた新市庁舎建設に係る釜石市の議員全員協議会では、議員から西日本での豪雨災害を受け、「広島などの土砂崩れが、どのようにして発生したのか。事例を分析し、新庁舎には、災害が起こらないようにしてほしい」との要望が出ていた▼釜石をはじめ、県内では急峻な地形から、大雨による災害の危険性を指摘する声が多く聞かれる。近年、雨の降り方が変わってきているだけに、土石流対策や河川改良などの着実な進捗を図ることが重要だ。

つむじ風7月9日

 梅雨らしい天候の続く県内だが、豪雨により全国各地で被害が発生している。避難指示も多くの地域で出されているが、実際には開設された避難所へ避難していない住民も多く見受けられるようだ▼県内でも、以前に比べ避難指示や避難勧告、避難準備情報の出る機会が多くなった。人的被害を少しでも軽減するためには、防災への意識をさらに高める必要があるだろう▼県南広域振興局土木部では、奥州市水沢の水沢メイプルで08年の岩手・宮城内陸地震の被害や復旧の様子などの写真を収めたパネル展を開催中。パネル展は、先月に一関市内で開かれたのと同様の内容となるが、同地震は奥州市内にも大きな被害をもたらし、奥州市民にも自然災害の脅威の周知、防災意識の高揚に向け催すこととした。災害に対する備えが広く進むことが願われる▼梅雨時期、毎年のように全国の至る個所で規模の大きな自然災害が発生している。自然災害に対するハード整備には限界があるというものの、これだけ頻繁に発生する状況下、もっと規格の高い整備が必要に思われる。

つむじ風7月6日

 盛岡市で12日、「フォーラムがんばろう!東北」が催される。本県での開催は、前身である「フォーラム東北は訴える!インフラ整備これでいいのか」以来10年ぶり▼10年前のフォーラムを振り返ると、公共事業費の削減基調に底が見えず、道路特定財源の一般財源化など社会資本整備を取り巻く状況が厳しさを増していた頃。一方で、岩手・宮城内陸地震の発生直後ということもあり、地域建設企業の社会的な役割に対する評価や、着実なインフラ整備の重要性を東北から訴えていくという気運の高まりも見られた▼それから10年が経過し、東日本大震災や台風10号が本県に甚大な被害をもたらした。県内の公共投資は約3倍まで増大し、地域の建設企業に対する期待はさらに高まっている▼それでも本質的な問題は何一つ解決していない。震災対応分を除けば公共事業費は低調。常に低価格競争に転じる危険性を持った入札制度の構造など、各種課題は先送りされたまま。岩手の地から何を訴え、どう頑張っていくか。単なる一過性のイベントで終わらせたくないものだが。

つむじ風7月5日

 県電気工事業工業組合(平野喜嗣理事長)と県電業協会(松橋武志会長)は例年、県内の工業高校などに実習用資材を合同で寄贈している。先ごろ、同組合宮古支部の佐々木勝支部長や村山利一副支部長らは、宮古市の県立宮古工業高等学校を訪問し、ケーブルや配線器具類を寄贈した。次世代の人づくりを支える大切な取り組みの一つだろう▼佐々木支部長は寄贈式で、基本を学ぶ姿勢を大切にするよう生徒に呼び掛けながら、「取得した技術を出来るだけ地元企業で、地域や復興のために」と期待を寄せていた▼私事だが、高校時代に日本史を教わった先生がいた。落ち着いた口調で語り、授業の内容を分かりやすく説明していた姿が印象に残っている。今は、同校の校長だ▼寄贈式の場には、この春に同校を卒業した女性の姿も。現在、女性は宮古市内の会社に就職し、電気の道を歩んでいる。社会に出てからも学ぶ姿勢の大切さは変わらない。生徒たちには資格取得などに向けて努力を積み重ねるとともに、培った技術を地域の力としてほしい。

つむじ風7月4日

 2008年5月末、東北地方整備局は緊急災害対策派遣隊(TEC│FORCE)を発足。当時の隊員は293人。初の本格出動は、わずか半月後の6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震だった▼南海トラフ地震発生の切迫性が高まっている現在、中部地方整備局は、「南海トラフ巨大地震におけるTEC│FORCE活動計画(受援活動)」を全国で初めて策定。全国から派遣されるテックフォースの中部地方での活動計画を具体的に定めた▼計画では、結集した部隊を被災自治体へ迅速に展開するためのタイムライン、進出経路、活動拠点などをまとめた。南海とらふ地震後、中部地方には日最大で約950人の隊員と約280台の災害対策用機械が全国から集結するという▼16年の台風10号災害では、被災状況を住民らに説明する際、ドローンからの画像や動画が奏功し、分かりやすい説明につながった。計画策定は初めの一歩。今後も生まれてくるであろう新たな技術も融合しながら、被害の最小化や被災状況調査・応急対策の迅速化、応急復旧の加速化につなげたい。

つむじ風7月3日

 先月末に市民体育館と、魚河岸にぎわい創出施設が着工した釜石市。市内では復興計画に登載される主な公共施設も、おおよそ工事に着手し、新たなまちづくりが最終盤を迎えつつある▼市民体育館は、震災で被災した桜木町の旧施設を、鵜住居町に再建するもの。300bほど東側では、(仮称)釜石鵜住居復興スタジアムが建設中で、工事進捗率は9割を超え、7月末の完成を予定。体育館の完成後は、釜石のスポーツ振興を支える地域となるはずだ▼魚河岸にぎわい創出施設は、市の復興を先導するプロジェクトに位置付けられている事業。地元水産物の紹介スペースや飲食施設、釜石湾を一望できるテラス・デッキを設け、海とまちをつなぐ、さまざまなイベントなどを通し、地域の活性化を図っていく▼にぎわい創出施設の工事安全祈願祭で、野田武則市長は「この施設が大いに活用されれば、釜石の発展は間違いない」と、期待を込めていた。体育館も含め、多くの人が訪れ、利用できるソフト面の取り組みを進め、市の復興に結び付けていく必要があるだろう。

つむじ風7月2日

 県で整備を進める一関市の主要地方道一関北上線の柵の瀬橋新橋は、連結を迎えた。現地製作で施工が進んだ橋が一つにつながり、大きな節目となる▼連結に際して催された式典では、50a四方の区画にコンクリートを詰め込み締め固めた後、コテで均す作業、神事などを執り行った。新橋の早期完成や期待を表す声も多く聞かれた▼式典には、発注者や受注者らのほか、地元小学生も参加。県では今後、開通までに地元の小学生らを対象とした見学会などの催しも検討している。施工の様子を気にする市民の姿も多く見られるようだ。新橋が完成すれば県が管理する橋で2番目の橋長になるとの側面もあり、地元から愛される橋となる要素を多く持っている▼今後、橋梁関係で橋面舗装、高欄や照明の設置工事が進められ、11月までの工期を見込む。供用については、橋梁前後の改良舗装なども進めた後、年内を目指すとしている。事業自体は、供用後も旧橋撤去といった施工が行われる。一日も早い開通が望まれるが、安全面には留意して作業を進めてほしく思う。

つむじ風6月29日

 岩手宮城内陸地震から今年で10年。大地の営みにおいて10年間の刻みが何ら意味を持たないことは承知の上であるが、大阪府北部地震をはじめ全国で地震が頻発し、尊い人命も失われている現在、地域建設業の社会的な役割を再認識している人も多いと思われる▼またこれからは、豪雨による洪水や土砂災害などの危険が高まる季節に入る。地域建設業は「インフラの町医者」とも言われる危機管理産業。行政機関が地域建設業の健全な維持に努める責任があるのと同様に、建設業界サイドも自らの災害対応力を維持し、向上させていく責任がある▼本紙では今月から「いわて防災学教室」の連載を再開した。執筆は岩手大学地域防災研究センターの所属教員の皆さんで、掲載は月1〜2回程度のペースを予定している。自然災害や地域防災、復興まちづくりなど広範なテーマを取り上げたいと考えている▼当該連載など多様な機会を捉えて、建設産業界の皆さんにとって有意義な話題提供をしていきたい。その上で、地域建設業の災害対応力の向上につながれば幸いに思う。

つむじ風6月28日

 阪神北部地震でブロック塀が倒壊し、女児が死亡した痛ましい事故を受け、全国では通学路の緊急点検が進められている。悲惨な事故をこれ以上、繰り返してほしくないものだ▼都市部での直下型だったためか、今回の地震では住宅地での水道管が目立った。水道管は高度経済期に一気に整備が進められ、特に都市中心部で老朽化が急速に進行している。中心部だけに交通量も多く、管路の耐震化更新も思うように進まない▼厚生労働省によると、16年度末の基幹管路の耐震適合率は、全国平均で38・7%。本県は49・4%と全国平均を上回っているものの、それでも半分に満たない。このほか浄水施設や配水池などの耐震化も、十分に進んでいるとは言い難い▼災害時に被災地で必要となるのは食料や水、電気など生活に欠かせないもので、救急病院などでは水が必要になる。首都直下や南海トラフなどの巨大地震発生が懸念されているが、プレートが交差する日本では、どの地域でも震度6弱程度の地震は起こり得る。水道管の老朽化対策・耐震化は喫緊の課題だ。

つむじ風6月27日

 大雨や暴風などに関する気象情報は、その対象範囲に応じて、全般気象情報、地方気象情報、府県気象情報│の3種類。それらの情報形式には、文章形式と図形式があるが、これまで図形式は府県情報のみだった▼気象庁は、きょう午後3時から、全般気象情報と地方気象情報も図形式の情報提供を開始する予定。文章では表現しづらい危険度の高まる場所や、時間帯などに関する広い範囲の防災上の重要なポイントを一目で把握できるようになる▼具体的には、台風の接近時に広い範囲の気象状況を危険度分布や、今後の気象見通しを時系列の表形式で示すバーチャートなどを提供。例えば、河川上流の危険度の高まりは、その後の急激な下流の増水が予想される。その増水を見越し、関係機関や住民らの速やかな対応にもつながるだろう▼台風や集中豪雨、それらに伴う河川氾濫や土砂災害など。本県をはじめ全国各地で自然災害が発生している。事前に情報を把握し、速やかに安全行動に移すことの重要性を過去の災害事例が示している。改めて有効に活用したい。

つむじ風6月26日

 7月1日から同月7日までの全国安全週間を前に、各企業で安全衛生大会が開かれている。大会を契機に改めて作業環境を見直し、安全管理の徹底を図っていきたい▼夏季での労働災害ゼロに向け、暑さ対策も呼び掛けられている。県内の職場における熱中症発生者数は、15年以降、毎年70人以上となっており、特に来月から増える傾向にある。7月は梅雨が明けて、本格的な暑さを迎える時期だけに、各現場で休憩場所の整備や、水分・塩分の摂取、万が一発生した場合の対処について、準備しておくべきだろう▼警察署からは、交通安全への対策も求められている。死亡事故の特徴としては▽薄暮・夜間の時間帯▽道路横断中の歩行者が多く犠牲になっていること▽飲酒運転で発生していること│が挙げられており、ハンドルを握る際は注意が必要だ▼安全意識を継続していくためにも、リスクアセスメントの実施や、作業員同士で声を掛け合い、現場の問題点など情報を共有していくことが大切。労災撲滅に向け、ルールの順守、健康管理に努めていきたい。

つむじ風6月25日

 大阪府北部で発生した地震から、きょうで1週間。崩れた学校のブロック塀の下敷きになり小学生が亡くなったことを受けて、県内でも学校施設の緊急点検が行われている▼ブロック塀は、78年の宮城県沖地震を教訓に、現在の安全基準が定められている。ただ、規模の大きな地震のたびに崩れたブロック塀の下敷きになることで死者が発生し、早急の対策が望まれる▼毎秋に開催される一関地方の住宅祭では、地震に強い家づくりを提唱する催しが開かれているが、ブロック塀についても対策を啓発。現在の基準では、ブロック塀の高さや控え壁の設置などが定められているが、会場では鉄筋を入れる重要性、基礎の根入れがない塀の危険性などを特にも強調している▼今年の一関地方の住宅祭は、10月20、21日の開催予定。今年も地震に強い家づくりを提唱する催しを企画することが考えられる。さまざまな場面で地震への備えが啓発され、建築物や構造物へ十分な対応が取られることが願われる。点検や対策工が進むよう補助を手厚くするなどの取り組みも望まれる。

つむじ風6月22日

 復興道路や港湾など復興事業の進捗に伴い、インフラのストック効果に関する議論が活発化している。本日22日からの宮古│室蘭間のフェリー航路開設は、昨年の釜石港へのガントリークレーンの設置と並んで、ストック効果発揮の最たる事例だろう▼道路関連では、三陸沿岸道路の4区間が開通予定。東北横断自動車道釜石秋田線も、年度内に全線が開通となる見通しだ。沿岸部へのアクセス性が飛躍的に向上し、各種イベントの成功にも寄与するものと思われる。本県の復興事業においては、道路と港湾の連携が効果を発揮していると言われており、復興道路・復興支援道路の事業進捗による一層の効果発現を期待したいところだ▼ストック効果の議論が本格化しているということは、復興事業が終盤にあり、復興の過程において本県経済を牽引してきたフロー効果が縮小の一途にあることを意味している。今後はこれら基幹的なインフラのストック効果を分析・検証した上で、周辺の道路ネットワークや関連施設などの新たな建設投資へと結びつけていく必要がある。

つむじ風6月21日

 16年台風10号対応工事が本格化した岩泉管内では、労働災害の防止や交通安全の確保に向けて、新たな動きが始まった。県建設業協会岩泉支部や岩泉町、県などからなる岩泉地区工事安全協議会が設置された▼同協議会の構成メンバーは同支部のほか、同町、県沿岸広域振興局土木部岩泉土木センター、町・同センター発注工事の受注者となっている。宮古労働基準監督署と岩泉警察署がオブザーバーを務める▼初会合の総会では、円滑な情報連絡体制を構築するため、地区代表者を受注者から選定した。地区代表者は代表者会議への出席などを行う。同協議会では、7月に第1回パトロールを実施予定。今後、月1回ペースで現場を点検し、工事事故の防止を図る▼総会では岩泉小学校児童に対し、「にゃんぜんだいいち」(安全第一)の缶バッジ目録を贈呈する一幕も。児童や校長に話を伺うと、復旧・復興が目に見えて進んでいる様子に、うれしさを感じていた。地域を支える建設業界。地域と一体となって、早期の復旧・復興や労災防止などに力を注いでほしい。

つむじ風6月20日

 昨年の東北北部の梅雨入りは7月1日頃だったが、今年は20日も早い11日頃。梅雨明け後の最盛期に必要な農業用の水などを蓄える重要な時期でもあるが、一方で雨の日が多くなり、大雨による災害も発生しやすくなる▼国土交通省は、学校現場の防災教育に活用できるよう学校関係者向けにガイドブックを作成。水害発生時の避難手順やタイミング、避難訓練のパターンなど、訓練を実施しやすくするポイントを掲載している▼ガイドブックでは、浸水想定区域図やハザードマップをもとに学校敷地の水害リスクを分類。避難訓練を水平避難(高台避難)、垂直避難、学校待機、大型の台風(大雨)の接近に備えた集団下校│にパターン化。訓練時に活用できる教材例もあり、児童からは「イラストだと想像しやすい」と好評だ▼水害は、降雨から危険な状況になるまで猶予時間がある進行性の災害。学校教育ばかりでなく、地元建設業として、平時から水害のリスクや取るべき行動など必要な準備を整え、水害時には正しい情報をもとに的確に行動できる体制を整えたい。

つむじ風6月19日

 18日午前に大阪府北部で発生した地震。誰もが、阪神・淡路大震災を思い起こしたのではないか。千葉や群馬など、このところ大きな揺れが相次いで発生しているだけに、改めて有事の際の対応を確認しておきたい▼今回、大阪で発生した地震の規模は、マグニチュード6・1。最大震度で6弱を観測し、近畿地方を中心に、関東から九州でも震度5弱〜1を観測。各地で火災や、家屋、ブロック塀などの倒壊、さらに停電、水道などライフラインの被害が相次いだ▼発生時刻が朝の通勤・通学ラッシュを直撃したことから、都市部を中心に交通機関も混乱した。気象庁は、今回の地震が「南海トラフに影響を与えることは考えづらい」としているが、今後想定される大地震に備え、さまざまな時間帯やシチュエーションでの対策を練っておくことが求められるはずだ▼本県としても、必要な支援を進めていくとともに、地震時の危険個所の洗い出しや、耐震補強の推進、さらに土地勘の無い人にも分かりやすい避難経路のあり方などの検討を、図っておくべきだろう。

つむじ風6月18日

 岩手・宮城内陸地震発災日の14日、県建設業協会一関支部では、毎年行っている情報伝達訓練を実施。10年の節目となった今年度の訓練では、災害情報支援システムやデジタル無線機などをフル活用して臨み、有事に備えた▼近年は、豪雨に見舞われる機会が多くなってきているが、同支部では訓練にとどまらず、ほぼ毎年実際に活用する場面があるという。年2回の訓練に加え、実際に使う機会もあることで、システムに触れることが多くなり、円滑に使えることにつながっている▼同支部は災害時の体制を整えているが、同様の体制を県内の各業界団体に広げられるかというと、費用や規模、地域事情など課題も多々ある。同支部で整える機器も、会員の費用負担などがあって運営できている▼各地域、団体により災害時の対応には、違いがあるのが現状。地元が対応の中心になるのが基本ではあるものの、災害の規模などによっては隣接地区などの支援が必要となるケースも考えられる。それぞれの体制について、共通理解を深めておくことは必要に感じる。

つむじ風6月15日

 6月は土砂災害防止月間。県では市町村や砂防ボランティア県協会などと連携して、県内各地域の土砂災害危険個所点検パトロールを実施している▼台風10号災害の教訓も踏まえ、近隣に要配慮者利用施設がある土砂災害危険個所を優先的にパトロール。施設管理者も同行して現地を点検した。危険個所や砂防施設などを実際に見て土木関係者からアドバイスを受けることで、土砂災害を身近に受け止め、防災意識を高めたようだ▼岩手大学農学部の井良沢道也教授が15年度に実施した調査によると、本県における要配慮者利用施設への土砂災害対策は、ハード・ソフト両面で全国と比べて遅れているとの結果が出ている。現在もその傾向に大きな変化はないだろう▼要配慮者利用施設における被害の防止と低減に向けては、福祉部門と防災部門が連携した警戒避難体制のチェックが必要。今回のパトロールには学校関係者も参加しており、教育部門との連携強化も期待される。地域防災の一端を担う地元建設業界も、福祉・教育部門との連携が必要になるかもしれない。

つむじ風6月14日

 14日からロシアで開催されるサッカーW杯。夏季五輪を凌ぐ世界最大のスポーツイベントだ。日本の前評判は高くないが、サッカーには番狂わせが多い。初戦の結果が良ければ、国内のボルテージも一気に上がるはずだ▼来年は日本でラグビーW杯が開催される。聞けば、観客動員数はサッカーW杯と夏季五輪に次ぐ大会だとか。釜石で開催される2試合には、国内のラグビーファンや出場国のサポーター等々…。来秋はすごいことになりそうだ▼大会を支えるのはやはり道路。宿泊施設が広範囲に及ぶことが予想される中、特に整備中の三陸沿岸道路や東北横断自動車道などの復興道路、復興支援道路の果たす役割は非常に大きい▼復興支援道路といえば、急峻な地形が続き、冬期は厳しい寒さとなる国道106号(宮古盛岡横断道路)で、長大な山岳トンネルや高架橋の整備が精力的に進められている。それだけに完成後には、高度な維持管理技術が必要となる。災害時や冬期間の道路交通の確保を万全にするためにも、直轄指定区間の早期編入を望みたい。

つむじ風6月13日

 EE東北18期間中の7日に開かれたUAV(ドローン)競技会。総合技術と一般参加の2部門で競い、本県関係者も両部門に出場。一般参加の渇h組(遠野市)で構成した「チームしげ」は、初出場で第3位となった▼競技エリアは、両部門とも共通。フットサルコート規模の12b×31bだが、高さは6・5b〜4・5bと傾斜。四方がネットで囲まれ、その中に幅2b、長さ約10b、高さ3・2bほどの橋梁模型が配置されると、思った以上に狭い空間だった▼競技後のFPV実演も印象に残った。ドローンからの映像を受信するゴーグルを装着した操縦者が、競技エリア内を、独特の音を発しながら猛スピードで縦横無尽に飛行。操縦者は「慣れですよ」と笑うが、スピード感とテクニックに驚かされるばかりだった▼競技会には延べ2100人が見学。ネット越しの3方向から審査員や見学者、出場者の目が注がれた。ドローンそのものの性能や操作性は日々向上するだろう。例えば、災害現場など、プレッシャーの中で操作する場面があることを忘れてはならない。

つむじ風6月12日

 10日に開館を迎えた、大槌町文化交流センター。エントランスホールで開かれた、オープニングコンサートには、この日を待ち望んでいた町民が大勢訪れ、施設への期待の高さが伺えた▼2階の震災伝承展示室では、被災当時の様子を、映像をはじめ、写真や住民が自ら語った言葉のパネルで伝えている。「あっという間に、水かさが上がってきた。膝まで来たらもう歩けなかった」。「高台移転しても『海のそばで暮らす』ということは、常に津波に遭遇するリスクにさらされているということ」などのリアルな言葉は、津波の脅威を強く印象付ける▼木造3階建ての、3階部分には図書館を配置している。国内の木造建築で、3階に図書館を設ける建物は珍しく、施設は今年度の「いわて木材利用優良施設コンクール」で、県知事賞の受賞が決定している。オープン当日は、多くの町民が館内を見て回りながら本を手に取っていた▼中心市街地の顔となる施設として、隣接する御社地公園や周辺商店街との回遊性を高め、町のにぎわいと復興を支えてほしいと思う。

つむじ風6月11日

 先週は、季節外れの暑さが続いた県内。今週の予報を見れば、気温に関しては落ち着く印象を受ける。全国各地で梅雨入りしてきているが、県内も梅雨入りの時期を迎える▼県内の水田を見ると、田植えがだいぶ進んだ。前年は、日本穀物検定協会の食味ランキングで、ランクを落とした品種もあり、最高評価の奪還へ強い意気込みが見受けられる。今シーズンも季節外れの気温が見受けられているだけに、今後どのような気象で推移していくか注視される▼効率的で安定的な営農などを目指し進められる、ほ場整備。今年度も各地で計画され、これから発注が本格化してくる。整備効果の発現が期待されるが、一方で「ほ場整備したところで、農作業する人がいるのか」との声も聞かれ、「今ある水田も将来、埋め立てられて別な用途に使われる個所も多いのでは」と考える人もいるのが側面としてある▼ほ場整備は、地元の機運の高まりが事業化へ一つの大きなきっかけとなる。整備とともに、ほ場が末永く使われるよう将来像もしっかり描くことが大事だろう。

つむじ風6月8日

 6月は「全国安全週間」の準備期間。建設業においては、経営トップによる安全パトロールの実施、リスクアセスメントの確実な実施、建設業労働安全衛生マネジメントシステムの導入と実施などが実施事項に上げられている▼今年度は、第13次労働災害防止計画の初年度。建設業では計画期間内に死亡者数15%以上、休業4日以上の死傷者数10%以上の減少を目指すとしており、安全週間と準備期間を契機に、良いスタートを切りたいところだ▼本県の建設業においては、今年の1〜3月までの3カ月間で、前年の年間死亡者数の半数に当たる4人が亡くなっている。これは14年以来の高水準。今後は台風10号災害の復旧工事が本格化することに伴う、労災の増加が懸念される▼一日も早い復旧・復興への貢献が求められるのと同時に、建設業界に対しては労働時間の短縮と週休2日への社会的な要請が強まっている。建設現場で働く人の健康と安全を本気で考えるならば、見栄えのよいスローガンや建前論ではない実のある対策を、発注者も含めて講じていく必要がある。