12月のコラム集
つむじ風12月13日

 国土交通省は、今年度に創設したi-Construction大賞の初受賞者を決定し、11日に発表した。東北地方整備局管内では、本県の鰹ャ山建設(一関市)が施工した「北上川上流曲田地区築堤盛土工事」が選ばれた▼同社では、築堤盛土工1万1200立方bのうち9600立方b(85%)、法面整形工では盛土工3500平方bのうち3350平方b(95%)でICT施工を実施。施工中に生じた問題をシステムメーカーに対し改良を提案。現在のシステムでは、反映されているという▼大臣賞に選ばれた轄サ子組(北海道)の現場は、全国第1号のICT土工活用工事。多くの見学会や取材に対応し、その数は30回・約700人に及ぶ。本社内に専門部署を設置し、準備やデータチェックなどを一元化。現場配属職員の負担を軽減した▼本県発注工事でもICT活用工事が増えている。施工実績がない中、日々試行錯誤の連続だろう。ICT技術は多くの技術から成り立っている。現場の声を真摯に受け止め、さらなる全体最適に向けた取り組みが求められる。

つむじ風12月12日

 8日に釜石市の中心市街地で開館した、市民ホール。市中心部への人の流れを創出し、にぎわいと文化芸術を支える拠点としての役割に、期待が寄せられる▼公募で選ばれた施設の愛称「TETTO(テット)」には、釜石と鉄の深いつながりを表した「鉄都」と、施設と隣の釜石情報交流センター(15年12月開所)をつなぐ広場上部のガラス屋根が特徴でもあることから、イタリア語で屋根を意味する「tetto」の二つの意味が込められている▼施設内には、客席数838席を有する木の大ホールをはじめ、広場に面したガラス張りにもなる白いホールなどを配置。大ホール1階部分は平土間形式へ転用できるため、二つのホールをつなぐと、広場から大ホールのステージまで最長77bのオールフラットの空間を作り出すことも可能になる▼16日には指揮者佐渡裕さんによるオーケストラ演奏会も開催されるなど、今後の活用も期待されるところ。市民の心を豊かにし、まちに彩りを与える新たなランドマークとして、釜石の復興を後押しする存在になればと思う。

つむじ風12月11日

 県や市町村などの行政と災害協定を締結する業界団体が多くなり、協定に基づく訓練も毎年行われている。訓練後にはさまざまな指摘が出され、訓練を重ねるごとに着実に体制の強化が図られている▼訓練の際によく話題に上がることの一つが、出動基準に関すること。雨量や震度に関しては数値で明確な基準が示されているものの、風速や積雪量、河川の水位に関しては、災害協定で明確な数値が提示されていない場合もあり、どのように判断したらいいか質問が出されている。最終的には、自己判断で出動してほしいとの趣旨の回答がなされることが多い▼さまざまな団体、地域での訓練を取材し、同じ団体でも地域によって行政への報告方法や内容に違いがあるのを感じる。ファクスのほか、電子メールや携帯電話、ASPなどを活用する地域もある▼培ってきたノウハウ、資金、体制など課題は多いだろうが、ある程度は統一した報告方法にすることで、よりスムーズに進むように感じる。迅速かつ正確な情報伝達は、着実に被害を減らすことにつながっていく。

つむじ風12月8日

 東日本建設業保証は毎年、決算書の提出を受けた企業の決算を分析した「財務統計指標」を公表している。岩手支店ではこのほど、東日本大震災前後7年間における主要な指標の推移をまとめた。同支店の野村茂支店長のインタビューを5日付本紙に掲載しているので、改めてご一読いただきたい▼多くの比率が改善している中、特にも目を引くのは「総資本経常利益率」をはじめとする収益性の改善。10年度まで7年間連続のマイナスだったものが11年度にプラスに転じ、ピークの14年度には7・64%に達している。震災前の最も悪い時期まで遡れば、09年度が底でマイナス3・48%。当時と比較すると、11ポイントも改善している▼足元に目を移すと、収益性を表す比率が2年連続の低下。野村支店長は、収益性低下の主な要因として受注競争の激化を上げ「利益率の低下が続けば他の比率にも悪影響を及ぼすため、適正価格での受注が望まれる」と指摘する。公共事業が再び長期的な縮小基調にある中、地域建設企業の維持に向けた施策を早々に講じていく必要がある。

つむじ風12月7日

 海外旅行・観光情報の「地球の歩き方」が実施した冬の人気旅行先ランキングによると、1位は京都。2位以降は、東京、北海道、兵庫、神奈川…と続く▼いずれも観光地や特産品の名前がパッと浮かぶ。ぜひ一度は訪れてみたい都道府県ばかりではある。ただ本県も世界遺産・平泉や雄大な自然、温泉地、新鮮な海・山の幸など魅力的な観光資源がたくさんある▼県内では、震災復興のリーディングプロジェクトとして、三陸沿岸道路や宮古盛岡横断道路、東北横断道の整備が着々と進められている。三陸沿岸道路では、山田宮古道路が震災後事業化区間で初めて開通。縦軸・横軸が全線開通すれば、内陸部はもとより、大都市圏からのアクセスも一気に向上する▼19年のラグビーW杯では釜石で2試合が行われ、9月25日にはフィジーが登場する。海外からの観光客は近年、インターネットなどで十分に調べてから訪れる人々も多い。W杯効果を県内全域に波及させるためにも、大会本番までに本県を国内外にどのようにPRしていくか。2年間はあっという間だ。

つむじ風12月6日

 花巻労働基準監督署は、管内の建築工事現場での労働災害が増加していることから先月、「木造家屋建築工事業災害防止強調週間」を実施。5日間で28現場を監督指導し、21現場で何らかの労働安全衛生法の違反が認められた。違反率は75%だった▼改めて違反の内訳を見ると、事業者の講ずべき措置等が20現場(違反率71・4%)。その中で、最も多いのが墜落防止措置で10現場(同35・7%)。高さ2b以上の作業床の端や、足場に手すり等を設けていなかったという▼特に目を引くのは、法違反を認めた現場のうち危険個所への立ち入り禁止や作業の停止、機械設備等の使用停止を命じたのは3現場だったこと(すでに解除済み)。わずか5日間の監督指導で3現場というのは、やはり多いと言わざるを得ない▼厚生労働省では今月1日から、No more!墜落・転落災害@建設現場として「建設業における墜落・転落災害防止対策強化キャンペーン」を展開している。足場のみならず、はしご・脚立、屋根の上などからの墜落・転落災害の防止対策も確認したい。

つむじ風12月5日

 震災からの災害復旧に向け、先月29日に最後のケーソンの据え付けが行われた釜石港湾口防波堤。事業は年度内の全体完成を目指し、大詰めを迎えている▼災害復旧事業は12年2月に着手。震災前と同じ南堤延長670b、開口部同300b、北堤同990bで復旧される。震災の津波で、南堤は同約370bにわたり崩落。北堤はほとんどがマウンド上に留まったものの倒壊した。事業では、復旧に向け新たに南北堤で37函を設置。今回、最終函が据え付けられたことで、現地では上部工の整備に拍車が掛かっていく▼釜石港では、9月にガントリークレーンが供用を開始。先月17日には、上海、釜山、寧波などと釜石を直接結ぶ、外貿コンテナ定期航路も開設された。同港の物流情勢が高まる中、荷役稼働率の向上を図るためにも、港内静穏度を確保する防波堤の役割は、一層重要性を増している▼コンテナ物流のさらなる飛躍とともに、被災した市の復興を支える基盤、暮らしの安全安心を高める砦として、施設の一日も早い復旧が求められているだろう。

つむじ風12月4日

 先月は、さまざまな団体の安全パトロール、業者の安全大会、各種安全講習に関して取材する機会が多くあり、厳冬期が本格化する直前の活動で、注意喚起がなされた▼道路状況が悪くなければ自転車で通勤しているが、日々寒さが増しているのを肌身に感じ、体の動きが鈍くなっているのも実感する。冬時期は寒さに加え、防寒着などで厚着になることも動きに俊敏さがなくなる要因となる▼凍結や積雪を起因としたもの、暖房機器使用などを起因とする一酸化炭素中毒など、冬期間は危険の芽が多くなる。各団体のパトロール結果を各現場に水平展開するなどして事故防止で年末年始を迎えたい▼今年もあと1カ月をきった。年末の時期になるに当たり、各現場とも慌ただしい状況になっているとも想像する。慌ただしさや天候などから思うように作業が捗らず、少しでも進捗率を上げようと無理な作業をすることも、災害を発生させるリスクを高める要因となる。もう少しと長時間労働を重ねたことによる弊害も心配され、その点のケアも大事な時期を迎えている。

つむじ風12月1日

 工業高校で土木を学ぶ生徒たちは、思っている以上に地元での就職を望んでいるかもしれない。県盛岡広域振興局土木部が盛岡工業高校土木科の生徒を対象に行った現場見学会終了後のアンケートを見ると、約8割が建設業、半分以上が県内への就職を希望している▼現場見学会は授業の一環であることを踏まえれば、やや模範解答寄りだろうが、少なくとも生徒たちは地元の建設業に一定の共感を抱いているものと考えられる。ところが3年生の就職先となれば、10月末現在で進路が固まっている生徒のうち半分近くは行き先が県外だという▼工業高校の就職担当教員によれば、県外企業が人材確保に相当力を入れているとのこと。地元の中小企業では専門の採用担当を配置することは困難だろうが、業界団体を通じての教育機関との連携など、対応策はあると思われる▼地元企業では、一定程度の定期的な採用があり、卒業生が定着している企業が好まれる傾向にあるようだ。地元企業が連携して業界の魅力を高めながら、担い手の育成・確保を健全に競い合ってほしい。

つむじ風11月30日

 東北地方整備局三陸国道事務所が整備を進めてきた三陸沿岸道路「山田宮古道路」が、待望の開通を迎えた。開通式典の会場には、子どもたちの姿もあり、地域で喜びを分かち合った。会場で配布されたパンフレットでは事業概要とともに、道路の整備効果を強くPRしている▼一つ目の整備効果として、命をつなぐ緊急輸送道路の確保を掲げる。東日本大震災の津波浸水区域を回避でき、道路ネットワークの強化が図られ、地域の安全な道路を構築した。二つ目は、震災遺構や点在する景勝地など、三陸の観光資源へのアクセスを向上させたことによる観光振興の支援だ。宮古港〜室蘭港間のフェリー航路との連携も期待される▼食べ物などの身近な例では、宮古港で水揚げされた鮮度のよいタラなどを輸送できる。道路の開通により、競争力の向上や出荷量の増加、販路の拡大などが期待できる▼多くの難題を乗り越え、事業着手から6年での開通を実現した山田宮古道路。今後も整備効果を継続的に発信しながら、全線開通への機運を高めることも大切だろう。

つむじ風11月29日

 今年の新語・流行語大賞にノミネートされている「インスタ映え」。釜石市のミッフィーカフェかまいし前に設置された人気キャラクターのミッフィーをモチーフにしたマンホールは、まさにインスタ映えするのではないだろうか▼来月9日からは現地でマンホールカードが配布される。カードは、GKP(下水道広報プラットホーム)が企画・監修するマンホール蓋のコレクションアイテム。マンホール蓋を管理する都道府県や市町村と共同作成。カード配布は今回で第6弾となり、釜石市のほか九戸村も配布予定だ▼本県では、第3弾の花巻市が初で、今回の釜石市・九戸村が続いている。今回は、鹿児島県内で初発行され、これで全都道府県で発行。累計で、252地方公共団体293種類、発行枚数は約140万枚になるという▼マンホール愛好家はマンホーラー、女性は蓋女(ふたじょ)と呼ばれているとか。この小さなきっかけとインスタ映えとの相乗効果で、マンホールの奥深さや下水道への理解、さらに建設産業の正しい理解につながることを期待したい。

つむじ風11月28日

 県内各地で展開されている、工事現場の安全パトロール。12月1日から来年1月31日までの期間で実施される「いわて年末年始無災害運動」を前に、各現場で事故対策の徹底が呼び掛けられている▼岩手労働局が示す県内全業種における労働災害の死傷者数(1月〜10月)は、1021人で、前年同期比33人の増。建設業でも土木工事などで増加傾向となっている。冬期間の事故防止措置は、労災の発生件数を抑える鍵となるだけに、各現場で冬季特有の災害などに留意していく必要があるだろう▼特に建設業の死亡災害の要因で、4割以上を占める「墜落・転落」については、厚生労働省が年末年始の無災害運動期間に合わせ、「建設業における墜落・転落災害防止対策強化キャンペーン」の実施を計画。作業床や手すりなどの設置、安全帯の使用など基本事項の順守を求めている▼沿岸被災地で進む復興工事では、建物や橋梁など高台、高所での作業も多い。寒さや風が強まる季節となるだけに、重大事故につながらないよう再度、安全対策を確認していきたい。

つむじ風11月27日

 11月下旬だが、今シーズンは例年より早く県内各地で積雪となっている。特にも冬時期は、長距離運転していると一呼吸置きたくなるが、ドライバーにとって安らぎの場の一つとなるのが道の駅だろう▼道の駅は、道路利用者の休憩の場としてのほか、道路利用者や地域住民への情報発信機能、道の駅を核として地域の町同士が連携する機能なども併せ持ち、近年は、災害時に利用するための防災機能も充実されてきている▼道の駅第48回登録では、東北地方で5駅が追加された。追加により全国で1134駅、東北では160駅、本県が33駅となる。県内では今回、一関市室根町の国道284号沿いに道の駅「むろね」が追加となった。今年度内の開通を目指して整備が進む室根バイパス沿いに立地するもので、道の駅に関しては来年度のオープンが見込まれる▼道の駅「むろね」の特徴として、地場産品などの販売コーナーの設置、観光や道路情報の一元提供、災害時の防災機能などが挙げられている。機能が最大限発揮され、活気あふれる施設になることが期待される。

つむじ風11月24日

 「ひとりの人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な一歩」。宇宙飛行士のアームストロングが、月に降り立った時に地球に送ったメッセージだ▼21日には、一般県道大ケ生徳田線徳田橋下部工(その1)工事の安全祈願祭が現地で行われた。現橋の老朽・狭あい化とともに、同橋前後の線形不良のため長年、抜本改良が望まれていた。下部工の本格着工の知らせは、地元や盛岡広域の人々にとって「大きな一歩」だったのではないか▼内陸部と沿岸部を結ぶ宮古盛岡横断道路の整備や岩手医大附属病院の移転、矢巾スマートインターチェンジの整備などもあり、国道396号と国道4号を結ぶ同路線の重要性はさらに高まっている▼特に矢幅駅前地区には、岩手医大附属病院とともに、県立療育センターや盛岡となん支援学校も移転するなど、高度医療・福祉の拠点が誕生する。県都・盛岡はもとより、県内全域からのアクセスの向上が求められる。平成30年代中ごろとされる同橋の早期完成とともに、盛岡西バイパスの南進実現に向けて声を上げていきたい。

つむじ風11月22日

 国土交通省は、17日からi│Constructionロゴマークの二次アンケートを開始している。当初は3案から絞り込む予定だったが、総得票数で3位と4位が僅差だったため、4案から選定となった▼今回の選定に向け、10月にi│Construction推進コンソーシアム会員に候補9案について一次アンケートを実施。「先進感」「刷新力」「推進力」│の三つの判断基準ごとの得票数と総得票数を踏まえ今回の4案選定に至った▼4案を見ると、一点に向かうパースで一丸となるイメージ、広がりとスケール感をオーバル型で表現。矢印をモチーフに、先進性と推進力を表している。いずれも判断基準を満たしi│Construction導入を後押しするようなデザインとなっている▼二次アンケートは今月末まで。ロゴマークの公表と使用開始は、年内をめどにしている。年明けからは、本県内の対象現場で掲げられるだろう。建設産業から日本を次のステージに推し進める原動力となるようなシンボルが選ばれることを期待したい。

つむじ風11月21日

 先週は、高田松原津波復興祈念公園の中核になる、(仮称)国営追悼・祈念施設の管理棟と、釜石市では追悼施設などを設置する鵜住居駅前の津波復興拠点が工事に着手した。震災の犠牲者を悼む施設整備が、各地で具体化していく▼管理棟整備は、道の駅の機能も含むもので、施設内には震災津波伝承施設や地域振興施設、道路情報施設、休憩所などを設置。鵜住居の拠点エリアにも、追悼施設を中心に、津波伝承施設や観光交流施設などを新設する計画で、整備により後世への教訓伝承と、域内の復興を後押ししていく▼管理棟の着工式では、設計担当者が「施設は海に向けて祈念する『祈りの軸』、それと交わる『復興の軸』を基本にしている」と説明。「二つの軸そのものがわれわれの体験と、その後の対応、願いを表現している」とし、「これらが未来へ伝えるメッセージになれば」と語っていた▼数百年後の未来へ、震災の教訓を伝承していくためにも、その第一歩となるハードの整備と、その後の維持管理、運営を着実に進めていく必要があるだろう。

つむじ風11月20日

 小中学生や高校生などを対象とした現場見学会を取材する機会に多く恵まれている。「工事の見える化」の取り組みとして、業界団体などの主催に加え、県など発注者が主体となって開かれているものも多い印象を受ける▼見学会では工事の様子を見学し、工事概要について説明するとともに、構造物の一部に絵を描くなどの催しも。工事の進捗とともに、描いたものは見えなくなるが、構造物がある限り永遠に残るとあって、学生らには良い思い出に残ったに違いない▼建設業の一部を体感する機会として、重機に試乗してもらう催しを展開する現場も多く見受けられる。学生に話を聞くと、楽しいひと時となったこと、工事について理解を深めたことが感じられる▼「公共事業とともに、建設業に就いて理解を深め、将来就く仕事の一つに考えてもらえば」との声は、業者とともに発注者である行政側からも聞かれる。現場見学会は、建設業を知るきっかけとして大きなものと感じる。その先、いかに就きたいと思ってもらえるか、違った仕掛けも必要になると思う。

つむじ風11月17日

 県営建設工事に条件付一般競争入札が全面導入されて10年が経過した。単純な時間の刻みが制度の見直しに対する物差しになるとは思わないが、10年を経て、公共調達に対する社会的な要請も変化。制度疲労が生じてきたことも否定できない▼入札制度改革に当たって真っ先に挙げられていたのは「競争性・透明性・公正性の確保」。この場合、発注者の基本的なスタンスは、一定の条件を踏まえつつも「この案件を受注したい人は誰でもどうぞ」となる。応札するもしないも受注者の自由。災害復旧事業で入札不調が多発しても知ったことではない。このケースでの模範的な答弁は「制度上、問題は無いものと認識しております」だろうか▼実際にそんなことを考える行政職員は(少なくとも今は)いないだろう。建設企業の側も、条件が悪い中でも可能な限り受注したいと考えているはずだ。「競争性・透明性・公正性」よりも「公共性」が優先されることが、受発注者の共通認識ではないか。そうであれば、10年目の今が、制度の見直しにちょうどよい時期かもしれない。

つむじ風11月16日

 19日の開通を控えた三陸沿岸道路「山田宮古道路」。先ごろ、東北地方整備局三陸国道事務所の建設監督官に、同道路を案内いただいた。供用開始へ準備の最終段階に入り、現地で最後の作業に当たっていた人たちの笑顔も印象的だった▼同道路は、山田町山田の山田インターチェンジ(IC)と、宮古市金浜の宮古南ICを結ぶ延長約14`の自動車専用道路となっている。車の中で下方から道路を見上げた場合と、実際に道路上に立った場合では、スケール感などの印象が全く違った▼同事務所や業務・工事関係者、地域が一つになって造り上げた道路。東日本大震災からの復興を体現する道路の姿を見つめていると、県民の一人としても感慨深い▼開通式典は19日午前11時30分から開かれる。午前10時からは、地元児童による郷土芸能の披露などの記念イベントも催される予定だ。震災津波からの復興を進める被災自治体にとって、新たな道路の開通は希望となる。開通の喜びをかみしめながら、着実に整備が進んでいる他の事業区間の姿も見つめていきたい。

つむじ風11月15日

 2014年以降、木造家屋建築工事業で死亡労働災害が発生していなかった花巻労働基準監督署。だが、10月に死亡労働災害が発生した。重く受け止めた同監督署は、今月13日から17日にかけて「木造家屋建築工事業災害防止強調週間」を実施している▼監督指導の重点事項として、元方事業者の統括管理や木造家屋建築工事現場で必要な資格の選任および職務の遂行状況、墜落防止対策、木造加工用機械│の4項目を挙げている。期間中に20〜30現場を集中的に監督指導する方針だ▼厚生労働省では、元方事業者が実施する望ましい安全管理の具体的手法として「元方事業者による建設現場安全管理指針」を公表。安全衛生管理計画の作成や過度の重層請負の改善、作業手順書の作成、協議組織の設置・運営│などを挙げている▼ぐっと寒さが増してきた。冬季特有災害を含めた労働災害の発生するリスクが高まり、年末・年始の慌ただしさなどによる労働災害の一層の増加も懸念される。刻一刻と変化する現場で、それぞれの現場に適した安全管理を徹底したい。

つむじ風11月14日

 震災からの復興に向け、被災地各地で整備事業が進む商業施設。釜石市の鵜住居地区でも新たにテナント型の商業施設が計画されており、19年春頃の開業が見込まれている▼同地区の人口は、震災前の11年2月時点で6630人だったが、今年3月時点で4割減少。周辺には災害公営住宅や学校施設が新設されてきており、新たなまちづくりの中で、地域のにぎわいを醸成していくためにも、商店街の再建は大きな課題となっている▼先日開かれた鵜住居まちなか再生計画策定委員会では、同地区の商業施設について、佐々木憲一郎委員長が「まちの顔となるだけに、計画が遅れれば地区に戻ってくる人も少なくなると考え、迅速に取り組む必要がある」と指摘。隣のまちも含めた、商圏の考え方の重要性などを語っていた▼鵜住居地区では17日に、駅前津波復興拠点整備の安全祈願祭が予定されており、いよいよ追悼施設などの工事が動き出す。公共施設の整備とともに、なりわいの復興を示すためにも「まちの顔」の再生事業を着実に進めていく必要があるだろう。

つむじ風11月13日

 主要地方道大更八幡平線(八幡平アスピーテライン)や県道八幡平公園線(八幡平樹海ライン)が冬期通行止めの期間に入るなど、冬の足音を感じる時期となった。寒さも日に日に厳しさを増している▼県内各地では、除雪車の出動式が催されている。正式には今シーズンの除雪担当業者が決定していない地区もあるようだが、円滑に決まり降雪時、着実に作業が行われることが願われる▼除雪も技術力が大きく問われ、地域によって除雪の巧拙に大きな差があると聞く。除雪を担当するオペレーターらの高齢化が進んでいる中、技能の伝承、担い手の確保が必要になっている。住民協働による歩道部の除雪が実践されている地域もある▼除雪作業については、ICT建機を活用することはできないかとの提案もあるようだ。実際に可能ではあるものの、降雪時にGPSの精度が落ちる上、除雪延長が長い場合、膨大な量のデータを作成する必要があることなどが課題に挙げられている。ただ、ICT建機が除雪作業の簡略化へ可能性を秘めている部分はあるだろう。

つむじ風11月10日

 10月31日に秋田県で開かれた東北建設業ブロック会議。東北6県の建設業協会と国土交通省の幹部職員らが参加し、公共事業予算の確保、復旧・復興事業の推進、適正な利潤の確保など7項目で意見を交わした▼今年度、全国9地区で行われたブロック会議では、事業量の地域間格差や週休2日制の導入が主な議題だったとのこと。東北においても震災復興の推進という大命題を抱えつつ、大型補正予算の編成や働き方改革などに話題がシフトしているように見える▼特にも週休2日制に対しては、受注者側も本腰を入れて取り組む考えのようだ。いささか性急な感もあり、技能労働者の手取り減少や企業負担の増加なども懸念される。東北建設業協会連合会では、週休2日制を導入しても給料を減らさないための「(仮称)担い手係数」の創設を提言している▼週休2日制はあくまでも、働き方改革や担い手確保における手段の一つ。これが自己目的化しては、別の部分に歪みが生じることは避けられない。本来の目的を明確にした上で取り組みを着実に進める必要がある。

つむじ風11月9日

 災害が発生した時に、学校施設は地域の避難所に指定されている。被害が大きく、滞在が長期間に及ぶ場合には、厳しい生活を強いられる。本県は積雪寒冷地。東日本大震災が厳冬期に発生していたら、避難所での生活はもっと厳しいものになっていただろう▼日本は周りを海に囲まれた島国であり、地震の巣の上にある。さらに急峻な地形ゆえに、あっという間に河川が氾濫。浸水や土砂崩れが発生する。温暖化の影響からか、近年は台風の大型化も目立つ。大規模自然災害に対し、余りにもぜい弱だ▼全国の公立学校の92・1%が避難所に指定されている。文科省が実施した防災機能に関する調査によると、95・2%が防災担当部局と連携・協力体制を構築しているものの、防災機能の保有状況は▽備蓄72・0%▽飲料水66・4%▽電力53・4%▽通信77・2%▽断水時のトイレ49・5%▼スロープや多目的トイレの設置も徐々に進んでいるが、これから。これらの整備が進めば、被災者だけでなく、子どもたちの学校生活も過ごしやすいものになるのではないか。

つむじ風11月8日

 先日、宮古市の新里トレーニングセンターで開かれた国道340号宮古岩泉間整備促進住民総決起大会。同センター内には同市や岩泉町の住民ら約1000人が参加。仮称・押角トンネルの一日も早い完成と未改良区間の早期事業化という熱い思いを決議という形で採択した▼大会では、沿線の2小学校の児童が意見発表。大川小(岩泉町)の児童は、宮古市から同路線を利用し通勤する先生が、大型トラックとのすれ違いに緊張し、大きな音のクラクションに怖い思いをしていると訴えた。未改良区間の事業化にもつなげてほしいと願った▼新里小(宮古市)の児童は、昨年の台風10号で道路が寸断。休校を余儀なくされ、当たり前の生活ができくなった。不安な一週間を過ごしたが、道路がつながると便利なだけでなく、安心して生活でき、多くのヒトやモノが今まで以上につながるだろうと発表した▼道路、トンネル、橋梁…。すべてははつながってこそ効果がある。この思いもつなげることで、単なる足し算ではなく相乗効果となって現れるのではないだろうか。

つむじ風11月7日

 2019年ラグビーワールドカップ日本大会の試合日程と会場が、2日に公表された。今後、19年9月20日の開幕に向け、全国12の会場では本格的な準備に入っていくことになる▼全48試合中、釜石では1次リーグの2試合(9月25日のフィジー│アメリカ地区第2代表、10月13日のアフリカ地区代表│敗者復活予選勝者)が行われる。野田武則市長も開催試合の決定に、「選手がベストパフォーマンスを発揮できるよう環境整備にまい進していく」と、コメント。被災地として世界に向け震災支援への感謝を示していく考えだ▼12会場で唯一の新設となる(仮称)釜石鵜住居復興スタジアムは、4月に着工し現在、18年7月の完成に向け整備中。観客席は常設で約6000席、仮設で約1万席を設ける予定となっている▼鵜住居地区で計画される公共施設や、スタジアムへのアクセスを担う幹線道路なども、鋭意事業の進捗が図られているところ。被災地唯一の開催地として注目されるだけに、復興整備を着実に進め、世界に震災から立ち上がる姿を発信してほしいと思う。

つむじ風11月6日

 12月1日から来年1月31日までの2カ月間、「いわて年末年始無災害運動」が実施される。今年度のスローガンは「あなたの安全家族の願い、年末年始も無災害」。主な実施事項として、冬季特有災害の防止や「安全決意宣言」などが挙げられている▼この運動は、「岩手県から死亡労働災害をなくそう運動」を発展させ、06年度にスタートしたもの。年末年始の慌ただしさに凍結・積雪などの自然要因が加わることを踏まえ、運動の対象を死亡労働災害から労働災害全般に拡大している▼積雪寒冷地である本県は、冬期間の労働災害が年間の発生件数にも影響する。冬期間において特に留意すべき労働災害は、転倒災害と交通事故。加えて施工条件の厳しさが予想される台風10号災害の復旧工事での労災防止は重点課題だろう▼近年は長時間労働の是正や過重労働の未然防止など、労働衛生面に注目が集まっている。一方で時短のしわ寄せが安全面に生じるようでは本末転倒。無災害運動を契機として、労働災害のない安全で健康な職場づくりに努めていただきたい。

つむじ風11月2日

 東北地方整備局三陸国道事務所が全力で整備を進める三陸沿岸道路。同道路のうち宮古田老道路(宮古市松山〜同市田老字小堀内、延長約21`)の区間内では、(仮称)閉伊川橋の桁を接続する締結式が行われた。関係者や地域の代表者らは最後のボルトを締め、笑顔で喜びを分かち合っていた▼取材で宮古市を訪れ、国道106号や県道宮古港線を通るたびに、同橋の姿を目にしてきた。山側では切土区間が見え、新たな道路のイメージが浮かんでくる▼同橋の全長は502bで、幅員は12・79b。上部工は市街地側、閉伊川側の2工区に分けて施工した。桁が架かったことで、今後はコンクリート床版や高欄などの工事が展開される▼同橋の施工に当たっては、16年台風10号災害に伴う段取りの再調整のほか、国道や線路、市街地がある中での架設作業など、多くの難題を乗り越えてきた。施工者からは「風景の一部になり、地元に親しまれる存在となってほしい」との声も。三陸沿岸道路の一部として、地域の未来を支える橋となることが期待されている。

つむじ風11月1日

 1928年のきょう、ラジオ体操の放送が開始された。それから約90年が経過した。1951年に現在のラジオ体操第1が制定されてからは、運動会や夏休みの風物詩として、工事現場の朝の風景として、馴染みの光景となっている。今では、知らない人を探す方が難しいのではないだろうか▼軽快な音楽とともに「腕を前から上にあげて…」で始まる伸びの運動から、深呼吸まで。ラジオ体操第1に要する時間は3分強。13の運動で構成されている。ラジオの音と前方で動いている人を見ながら、半ば強制的にさせられていた子どもの頃。だが、意識して映像を見てみると、指先がしっかり伸び、踵・膝・肘の位置が思っていた以上に動いていた▼秋も深まり、最低気温は一桁の前半に。吐く息は白さが濃くなる11月。冬はすぐ目の前に来ている。寒さに体が慣れるまで時間が必要だろう。特に現場では、寒さに慣れるためにも就業前に体を動かし、温めてから入ることが求められる。今の時期こそ、意識して取り組みたい。意識するか、しないか。その差は大きい。

つむじ風10月31日

 復興道路の整備を進める南三陸国道事務所は先週、施工現場を報道関係者に公開。完成し、つながった橋梁やトンネル区間を実際に走行するなどして、大詰めを迎えた道路の進捗状況を示した▼釜石の市街地で進む(仮称)釜石中央インターチェンジ(IC)の現場も視察したが、国道283号をまたぐ橋梁は桁の架設が完了。構造物の整備にめどが付いたことで今後、盛土が進めば、来春にもICの形が見えてくるとのこと。18年度の開通に向けネックとなっていた部分だけに、ICの姿が実感できるようになれば、開通への機運も高まりそうだ▼管内では(仮称)唐丹第3トンネルが6月下旬に貫通したことで、全トンネルが完成または貫通済みとなった。橋梁も大槌町内の二つの高架橋で上部工が完了すれば、管内の道路はおおよそ一本につながることになる▼同事務所では、来年度で延長41・6`にもわたる復興道路・復興支援道路が開通することになる。完成へラストスパートに入る時だからこそ、現場には着実かつ無事故無災害での施工が求められているだろう。