2月のコラム集
つむじ風2月16日

 県は18年度から、県営建設工事における社会保険等の未加入対策を強化。二次下請け以下を含み、県営建設工事における下請けを社会保険等への加入者に限定する。違反が認められた場合、工事成績評定の減点や指名停止などの措置を講じる▼13年3月の設計労務単価引き上げの際には、法定福利費の本人負担分が計上されている。国交省では17年度から、全ての工事において二次以下の下請け業者を社会保険等に加入している業者に限定。10月からは元請け業者に対する制裁金、指名停止、工事成績評定の減点などのペナルティを講じている▼本県では従来より、社会保険等への未加入を県営建設工事競争入札参加資格の欠格要件としてきた。加えて建設業許可申請や経営事項審査申請の際には、加入指導を行うなどの取り組みを進めていたことから、本県における加入率は相当高いと思われる▼これら各種施策や対策強化が目指すものは、建設業で働く人たちの労働条件の向上と担い手の育成・確保。業界にとっても、人材確保への前向きな施策と受け止める必要がある。

つむじ風2月15日

 スノーボード男子ハーフパイプでは、最終試技でショーン・ホワイト選手(米国)が平野歩夢選手を逆転。男子モーグルで日本人初の銅メダルに輝いた原大智選手は、世界の舞台ではこれまで一度も表彰台に上がったことがなかったという▼連日、熱戦が続いている平昌五輪。「筋書きのないドラマ」がスポーツの醍醐味だ。もちろん、主役が堂々と勝ち上がるのもいい。だが戦前の予想を覆す「想定外」の結果に、より熱狂する人は多いのではないか▼近年は自然災害が多発し、「想定外」という言葉を数多く聞くようになった。最近でも御嶽山や本白根山の噴火、熊本地震、広島豪雨、関東・東北豪雨、そして本県沿岸地域を襲った16年の台風10号被害と、全国各地で想定外の自然災害が発生している▼国土交通省のホームページには、ハザードマップのポータルサイトがあり、地域ごとのさまざまなハザードマップの閲覧が可能だ。まずは自分たちの住むまちのリスクを調べること。その上で想定を超えた危険についても、常日頃から家族などと話し合っておきたい。

つむじ風2月14日

 「高校生諸君は、午前中のコンテストより疲れたんじゃないかな」。県立福岡工業高校の片岡順一校長は、県電気工事業工業組合青年部と高校生ものづくりコンテスト県大会の出場生徒らとの意見交換会・交流会後のあいさつで切り出した▼片岡校長は「人と話すということは、簡単なようで実は意外と難しい。特に、初対面の人とは…」と続ける。アイスブレイクという手法を紹介しながら、「受け身でいると氷は溶けない。自信を持って自ら話すことで、互いの氷が溶けるのではないだろうか」とも▼意見交換では、生徒から企業が求める人材について質問が出された。参加者は生徒に対し「コミュニケーション能力があると、現場がスムーズに運ぶ」と答えていた。技術も大事だが、顧客、同僚らとのコミュニケーションの大切さを強調していた▼人材不足が深刻化する建設業。特に、地元建設業にとって「人材不足」と口を動かすだけでは決して解決できる問題ではないだろう。まずは、自ら動くことが、人材不足のアイスブレイクにつながるのではないだろうか。

つむじ風2月13日

 奥州市江刺区、北上市の国道107号梁川〜口内工区では、区間内に設けられる(仮称)梁川トンネルの掘削が大詰めを迎えている。トンネルの延長1022bに対して掘削は900bを超えて残り100bを切り、年度内の実貫通が予定されている▼事業を担当する県南広域振興局土木部では、「公共事業の見える化」の取り組みとして、現場見学会を数多く開催してきた。地元の小・中学生や、業界団体が企画した工業系高校生を対象とした現場見学会への対応、地元住民、県内外議会議員、業界関係者らも見学し、計19回の見学会が開かれ、延べで約630人が現場を訪れた▼小中高生を対象とした見学会では、トンネル内部に設置する防水シートに、メッセージを記入してもらう企画も行った。地域のインフラとして親しまれることや公共事業の重要性が浸透すること、建設業の担い手確保への役割も期待される▼梁川〜口内工区については、19年内の供用を予定している。トンネル前後区間の道路改良も始まっており、順調に作業が進み、早期の効果発現が願われる。

つむじ風2月9日

 以前も当欄に掲載したことがある、発言その1。低入札の横行が建設業の雇用環境に与える影響について「建設業の仕事に雇用の流動性が一切なく、他産業と途絶されているのでなければ問題ない」(某有識者)▼続いて発言その2。県内建設業の社員の5割超が50代以上であることについて「事業量が減る以上に建設業で働く人がいなくなり、ひいては半分の会社が無くなる」(ある県職員)▼前者に従えば、建設業は雇用の流動性が非常に高く、入職希望者と退職希望者は大量でかつ均衡していると言える。後者によれば、建設業の労働市場へのアクセス手段は無く、入職希望者と雇用の流動性は共にゼロということになる▼建設業が労働市場から途絶しているという話は聞いたことがないが、若年者の絶対数が減少している中、入職希望者が建設業に押し寄せてくることも考えづらい。まずは産業間、地域間の人材確保競争を勝ち抜き、「岩手県の建設産業」に目を向けさせる施策が不可欠。業界任せでも役所任せでもなく、双方が知恵を出し合う必要があるだろう。

つむじ風2月8日

 国が東日本大震災からの復興のリーディングプロジェクトと位置付け、整備を進める復興道路。県内では、三陸沿岸道路「宮古田老道路」の北側一部区間(宮古市、延長4`)と「田老岩泉道路」(同市〜岩泉町、6`)の計10`が3月21日、待望の開通を迎える。山田宮古道路(17年11月開通)に続く供用区間だ▼今回開通する区間は、宮古田老道路(田老第2IC(仮)〜田老北IC(仮))の4`と、田老岩泉道路(田老北IC(仮)〜岩泉龍泉洞IC)の6`。復興道路が形をなし、着実に地域をつないでいることを実感する▼政府などへの要望活動を展開する県三陸沿岸道路整備促進期成同盟会。同同盟会の会長を務める山本正?宮古市長は「最後の1区間が開通するまで、国にしっかりと整備を要望していく」と話し、三陸沿岸地域を通過点ではなく、受け皿をつくり「目的地」とする考えを強調していた▼復興道路の開通を見据える沿線自治体。地域の強みを振り返り、それぞれが三陸沿岸地域のゲートウエーとなって、各地域に人やモノを呼び込んでいってほしい。

つむじ風2月7日

 厚生労働省がまとめた産業別離職状況。建設業に入職した14年3月卒の高卒を見ると、1年目の離職者は24・5%、2年目が13・8%、3年目が9・4%。3年目までに約半数が離職している▼同省では、雇用管理現状把握実態調査の中で「企業が考える若年技能労働者が定着しない理由」「建設業離職者が仕事を辞めた一番の理由」を聞いた。その結果を見ると、企業と離職者それぞれに理由があり、ギャップがあることも分かる▼離職者で仕事を辞めた理由の上位は、「雇用が不安定である」「遠方の作業場が多い」「休みが取りづらい」「労働に対して賃金が低い」。企業側では「作業がきつい」「(若年技能労働者の)職業意識が低い」「労働に対して賃金が低い」「休みが取りづらい」など▼60歳以上の技能者が全体の約4分の1を占め、10年後にはその大半が引退することが見込まれている。一方で、今後の建設業を支える29歳以下の割合は全体の約10%程度。若年入職者の確保・育成が喫緊の課題だが、まずは3年目までの離職に歯止めをかけなければならない。

つむじ風2月6日

 震災復興に向け、新たな中心市街地の整備が進む陸前高田市。昨年4月にオープンした中核となる複合商業施設の周囲では、徐々に個店も開業してきており、まちなかの再生が目に見える形で動き出している▼先週、同市の中心市街地内に再建された飲食店に入ってみたが、開店時間からすぐに、多くの客で込み合っていた。震災前も市街地で利用していた店だっただけに、再建店舗でのにぎわいの様子は感慨深い。少しずつではあるが、新たなまちに活気が戻りつつあるように感じられた▼市中心部で進む高田地区の区画整理区域では先月下旬、中心市街地隣のかさ上げエリアで、宅地の引き渡しが始まったほか、新たな県立高田病院などが入る高台Dも供用を開始。海側と山側を結ぶシンボルロードと、高台部をつなぐ北幹線の一部開通により、高台Dなどと市街地との交通の利便性も高まった▼震災から、まもなく7年。市の復興を加速させていくためにも、中心市街地の魅力づくりや、高台部などとの連携強化を図る整備を、さらに推し進めてほしいと思う。

つむじ風2月5日

 推定患者数が過去最高となっているとされるインフルエンザ。確かに周囲でも例年以上に患っているといった話が聞かれる。業界団体の新年会など各種会合でも、インフルエンザで欠席する会員が多かった。個人的には、現時点でインフルエンザこそ患っていないものの、風邪を患った▼2月に入り立春を迎え、暦の上では春の季節になったこととなる。1月は寒さが厳しい日々が続き、雪も多く降った。月別の気温の推移を見ると、本県の最も寒い時期は1月のようだが、2月においても、厳しい気象状況で推移していくことも考えられる▼除雪で1日の作業の大半が過ぎている現場も多いことだろう。各社の除雪担当者は、毎日のように深夜に作業に励んでいるのも想像できる。寒さが厳しい中で、仕事で忙しい日々を過ごしているとなると、体調を崩す懸念は大きくなる▼寒さと忙しさは、事故を引き起こす可能性も高くする要因となる。日々の健康、安全管理を自分自身、周囲がともに気を配りながら作業に当たっていき、無事にこの最も寒い時期を乗り越えたい。

つむじ風2月2日

 先ごろ開かれた「復興県土づくりシンポジウム」の席上、ICT活用工事をテーマにしたパネルディスカッションが催された。受発注者双方の出席者が、現状における課題や今後の展望について意見交換した▼業界側の出席者からは、測量設計段階からの3D化、人材育成、工事規模の議論など具体的な提言がなされた。加えて「県としての明確なビジョンを示すべき」「導入するタイミングの見極めが重要。様子見は必ずしも悪いことではない」など本音ベースの意見も多く聞かれた▼中でも鈴木勇治氏(日本建設機械施工協会東北支部情報化施工技術委員会委員長)の「目的は技術採用ではなく効果を出すこと。適材適所で3D化に取り組まなければ、むしろ非効率になる」との指摘は的を射た発言だろう▼シンポジウムの主催者は県。発注者サイドが主催するイベントの中で、業界側からの発言が単なる追従とならず、それぞれが抱える問題意識を明確に提示したことは意味があると思う。イベント上のやり取りに終わらせず、実のある施策に結びつけてほしい。

つむじ風2月1日

 草津白根山の噴火から1週間。その後、噴火は発生していないものの、引き続き火山性地震が観測され、警戒レベル3を継続中。しかも本白根山での噴火は約3000年ぶりというから、まさに想定外だ▼火山噴火予知連絡会では「概ね過去1万年以内に噴火した火山および現在活発な噴気活動のある火山」を活火山と定義している。確かに地球の年齢・約46億年から見れば、1万年など瞬き程度。本県の岩手山や秋田駒ケ岳、栗駒山などは、「いつ噴火するか分からない状態」なのだと実感する▼日本各地で火山活動の活発化が見られる。ちなみに約70万年前に誕生した岩手山は、今までに何度も噴火を繰り返している。焼け走り溶岩流が誕生した江戸時代の噴火から280年ほど経過しているという。約100年前の1919年にも水蒸気爆発が発生した▼一方で火山のエネルギーは、発電や温泉など地域の生活に欠かすことのできないものでもある。火山との共生のためにも、正確な情報提供、監視・観測体制の整備とともに、火山砂防計画などの着実な推進を望みたい。

つむじ風1月31日

 環境省が推進するウオームビズ。05年度から冬期の地球温暖化対策の一つとして、暖房時の室温を20度に設定し快適に過ごすライフスタイルを推奨している▼同省ホームページのWARMBIZコーナーでは「ありがち?冬のオフィスは●●●●!?」を紹介。全国20〜60代の男女有識者661人を対象に「冬のオフィスの室温」の調査結果を公表し、37・5%(およそ3人に1人)が「暖めすぎていて暑い」と思うと回答している▼さらに、冬のオフィスは乾燥がつらい、と感じている人は59・9%。男女別結果では、男性が50・3%、女性は79・9%という値が…。空気の乾燥は、肌の乾燥、ドライアイのみならず風邪やインフルエンザの原因となるので注意が必要。ウィルスの活性化を抑えるには、湿度50%前後が必要という▼暑さ、寒さの感じ方は人それぞれだが、やはり気になるもの。職場であれば、窓を開けての換気や設定温度の上げ下げは、勝手に一人でできるものではない。湿度にも注意し室温20度を目安に、快適な職場環境に向け意識と情報を共有したい。

つむじ風1月30日

 豪雨災害、洪水対策に向け整備が進む、気仙川の改修事業。流域の住田町や陸前高田市では、地域の復興とともに、自然環境に配慮した治水対策整備が図られており、工事は今後も続いていく見通しだ▼計画では、14年から、おおむね10年で、30年に一度発生する規模の大雨、洪水に対応する整備を施す方針。当初予定していたダムの新設による治水対策は、震災を受け中止となり、現在は河川改修方式で事業を推進。工事は徐々に各地で取り掛かっており、住田町内では、昨年春に事業の第1号工事が完成している▼同町の中心部では、木造の役場庁舎、大船渡消防署住田分署(建設中)が、市街地の中核エリアを形成。さらに、伝統的な町家と土蔵を活用した交流拠点施設も整備されており、地域の特色を生かしたまちづくりが進められている▼気仙川は町中心部を流れており、今後は町並みの景観などに配慮した河川の環境整備も重要になってくるだろう。地域と調和した環境整備が、川に親しむ憩いの空間を構築し、中心部の魅力を高めるものになればと思う。

つむじ風1月29日

 先週の日本列島は、大寒波に見舞われた。都心でも大雪となり、道路の通行止め、公共交通機関の運休など大きな影響を受けた。本県も沿岸部を含め各地が大雪に見舞われた▼今回の寒波に際しては、事前から注意喚起が大々的になされた。事前に備えをしっかりすることで被害を防いだり、影響を少なくできた人も多かったことだろう。震災以降、地震時にも注意喚起はかなり大きくなったように感じ、津波注意報などが出た際、即座に避難することを強い口調で喚起されるようになった▼避難情報などに関しては、少しでも可能性があれば、例え空振りに終わったとしても出すべきとの意見もある。避難軽減につながる面がある一方、空振りが続けば「避難情報は出たけど、今回も大丈夫だろう」との心理になってしまう側面もあり、情報が出た際に住民が「即座に避難する行動をとらなければ」との心理にさせる仕掛けが必要だろう▼避難などの情報が多く出るのは、心理的に穏やかでない。安全・安心に生活を送っていくため、必要なハード整備の進展も願われる。

つむじ風1月26日

 最強寒波の到来とかで、真冬日が続く寒い1週間。屋外で働く皆さん、遠距離の現場まで通われている皆さん、除雪に従事されている皆さん、本当にお疲れさまです▼17年の建設業における労働災害の特徴の一つとして、転倒災害が占める割合が大幅に減少したことが挙げられる。特にも土木工事においては16年が18・3%と事故の型別で最も多かったが、17年は6・5%と大幅に減少した▼冬期間の気象条件によるところが大きいものの、「STOP!転倒災害プロジェクト」などの取り組みや、岩手労働局、建災防県支部など関係機関の努力の成果もあると思われる。転倒災害の発生状況が1年間の労災の発生件数を左右することも多いため、引き続き十分な対策が望まれるところだ▼しばらくは、厳しい作業条件が続くものと思われる。17年は交通事故による労働災害も目立った。前県建設業協会会長の故宇部貞宏氏が呼び掛けていた「社員を五体満足で出勤させ、五体満足で帰宅させる意識を徹底してほしい」との言葉を、改めて企業経営者は意識する必要がある。

つむじ風1月25日

 東日本大震災からの早期復興を掲げる宮古市では、同市復興計画が終盤を迎えている。同市は、復旧期・再生期に続く計画期間として、17〜19年度を「発展期」と位置付けており、復興の総仕上げを進めている▼先ごろ、山本正?宮古市長の講演を取材する機会を得た。同市復興計画の17年度末見込みによると、搭載事業数392事業のうち、158事業は実施中、234事業は完了等。市が実施する事業の大部分は完了に向かっており、水門・防潮堤、道路の整備などの県事業も最盛期を迎えている。国が進める三陸沿岸道路「田老岩泉道路」の施工も最終局面に入っており、17年度内に開通する予定だ▼同市では、復興後を見据えた動きもみられる。6月には宮古港と北海道室蘭港を結ぶフェリーが就航予定。山本市長によると、室蘭市長との間で「宮蘭(みやらん)航路」と呼称しているとの話題も▼同市では、港のにぎわいを地域の経済活動に結び付けていきたい考え。新たな道路や海のルートを生かしながら、三陸の情報を発信し、人やモノを呼び込みたい。

つむじ風1月24日

 宿泊業の生産性向上推進事業に取り組んでいる観光庁。2017年度に全国5カ所でワークショップを企画し、今月31日には本県のホテル志戸平で予定している▼同庁は、16年度の同事業の成果として宿泊事業者の「カイゼン」活動の好事例を動画と事例集にまとめた。人手不足解消に向け▽人材育成による1人3役▽作業改善・標準化▽シフト改善▽IT化・機械化・道具化│などのテーマに分けて事例を紹介している▼テーマの説明が興味深い。「1人3役を進めるためには、まず、誰がどのような業務ができるのかを、俯瞰性、一覧性をもって把握することが必要」「まず何がムダか気づくこと」「改善後の作業を標準化」「人だからできること、必ずしも人がやらなくていい作業を切り分ける」▼18年を「生産性革命を深化させる年としたい」と力を込める石井啓一国土交通相。革命、深化と重みのある言葉が並んでいるが、それらの根底にある、「小さなインプットでも、できるだけ大きなアウトプットを生み出す」という考えであることを忘れてはならない。

つむじ風1月23日

 先週、市内で最後の復興公営住宅が着工した釜石市。今回建設される市中心部・浜町地区の工期は、12月までを予定。同地区の完成によって、市の復興公営住宅は、全ての整備を完了する計画となっている▼浜町地区の建設場所は、浜町1丁目40│1他。現地は土地の造成に時間を要し、当初の計画から2年遅れでの着工となった。規模は鉄筋コンクリート造5階建ての、延べ床面積2366・48平方b。住戸は31戸が整備される▼工事の安全祈願祭で、野田武則市長は「住民に戻っていただく、あるいは新たな方々に住んでいただかないと、地域の発展には結び付かない」とし、「復興公営住宅への入居、さらに宅地造成の活用によって、昔のにぎわいを取り戻せるよう、市としても努力していきたい」と、語っていた▼今回の建設地周辺では、新魚市場が完成したほか、にぎわい創出施設の新設も計画されている。「魚のまち」の拠点として期待されるエリアだけに、一日も早い住まいの確保、生活基盤の整備を図り、地域の復興につなげてほしいと思う。

つむじ風1月22日

 今年、来年は首長選挙が予定される自治体も多い。各業界団体の新年会の時期を迎えているが、特にも近々選挙が予定される地域においては、選挙に関する話題も多く挙がり、周囲も例年に比べて慌ただしい雰囲気に包まれている印象を持っている▼直近の予定を見ると、今月に任期満了に伴い首長選が実施される市町村が複数あるほか、3月には奥州、金ケ崎、久慈の首長選が見込まれている。各市町村の来年度予算案の概要も見えてくる時期だが、来年度の予算案がどういった編成となるか注視している人も多いことだろう。首長選が行われる地区に関しては骨格編成となり、その後の補正予算で投資的事業などが肉付けされるものと見られる▼投資的事業の落ち込みの兆しも見られるようになってきている。今後は投資的事業が減っていくことが予想されるが、整備必要個所で着実に進捗していくことが期待される。新年会でも仕事の話になると、暗い話題が上がることも多いが、まずは明るい展望となることに向け、新年会を気持ちを新たにする機会にしたい。

つむじ風1月19日

 数年前の建設業地域懇談会で、県側の出席者から一言。「事業量が減る以上に、建設業で働く人がいなくなり、ひいては半分の会社が無くなります」。どの会社も採用ゼロを永遠に繰り返すわけでもなし、不思議なことを言うものだと思ったが、単なる脅しや虚勢でないかもしれない▼東京商工リサーチによると、17年に発生した人手不足関連倒産は全国で317件。企業倒産が小康状態にある中、ほぼ前年並みとか。産業別では建設業が79件で最多。要因を見ていくと代表者や幹部職員の死亡や引退など「後継者難」型が圧倒的だが、同社によると「求人難」型の増加も目立っているという▼冒頭の発言は、県が15年度に実施した建設業構造実態調査の結果を踏まえてのもの。県内建設企業の社員は半分以上が50歳台以上。一方で20歳代以下は10%程度であり、50歳台以上が退職した分を補うには確かに少なすぎる。一方で、将来的な公共事業費の推移と、建設業における就業者数や年齢構成などの最適解は未知数。官民が本音で議論する時期に、早すぎることはないと思うが。

つむじ風1月18日

 観光庁は、2017年の訪日外国人の旅行消費額(速報値)を公表した。前年比17・8%増の4兆4161億円となり、5年連続で過去最高額を更新。4兆円突破も初めてとか。前年度をわずかに下回ったものの、1人当たりの旅行支出は15万円を超える▼国籍・地域別では、中国・台湾・韓国・香港の東アジアが7割を超える。確かに年末年始の東京都内で中国系の外国人を多く見掛けたが、ヨーロッパ、東南アジア等々、さまざまな地域の人々も増えている感じがした。スクランブル交差点で有名な渋谷などは、外国人の方が多いような印象を受けた▼京都、フジヤマ、東京…。リピーターが増える中、代表的な観光地以外にも多くの外国人が訪れるようになっている。ただ本県に限れば、訪日外国人を見掛けることが多くなっているものの、急激に増えた印象はない▼東北新幹線や東北自動車道に加え、復興道路、復興支援道路の整備が完成すれば、県内外の時間距離は一気に短縮される。釜石でのラグビーW杯を起爆剤に、本県の良さを国内外に広く浸透させたい。

つむじ風1月17日

 県が発表しているインフルエンザの流行状況。今年第1週の本県の1定点医療機関当たりのインフルエンザ疾患の患者発生状況(定点報告)が14・15となり、注意報基準を超えた。今後、本格的な流行状態に入るものと見られる▼インフルエンザ流行とともに、空気が乾燥するこの時期に注意したいのが火災。総務省消防庁が公表する17年1〜6月における火災の概要(概数)を見ると、総出火件数は2万2780件。おおよそ1日当たり126件、11分ごとに1件の火災が発生したことになる▼出火原因別に見ると、たばこ2314件(10・2%)、たき火2063件(9・1%)、こんろ1538件(6・8%)など。見過ごせないのは「放火」と「放火の疑い」を合わせると3213件(14・1%)という数値。東京や神奈川など大都市を抱える都府県で高い割合を示しているが、件数の多さに驚くばかりだ▼これから、さらに空気が乾燥する時期を迎える。現場や現場事務所も例外ではない。出火防止や危険物品等の管理、延焼拡大防止など、今一度確認したい。

つむじ風1月16日

 震災からの復興を支えるため、沿岸部で進む道路ネットワークの整備。発災から6年10カ月が経過し、被災地で計画されていた幹線道路や生活道路も、徐々に形が見え始めている▼陸前高田市では、高田地区の土地区画整理事業で、今月下旬から道路の切り替えや供用開始を迎える区間が、さらに増えていく。29日には、海側と山側を結ぶシンボルロードや、高台造成地をつなぐ北幹線が、それぞれ一部供用を開始する予定。市街地や高台部の供用区域も拡大しており、エリアをつなぐルートの整備は急務となっている▼津波対策などで整備を計画する県の道路改築も、事業の進捗が図られている。高台ルートを構築する、大船渡市内の大船渡綾里三陸線「赤崎工区」や、大船渡広田陸前高田線「船河原工区」では、用地が固まってきたことから、来年度で工事の発注が本格化する模様だ▼住まいの再建や、なりわいの再生が進む中、暮らしの利便性を高め、災害にも強いルートの確保は、重要性を増している。地域の復興を促すためにも、道路の早期整備が求められるだろう。

つむじ風1月15日

 一関労働基準監督署がまとめた17年の労働災害の発生状況に関して、死亡災害が0件の結果となった。同署管内で死亡災害がなかったのは97年以来で、実に20年ぶり。県全体での死亡災害0件、災害自体の減少も望まれる▼同署の17年の労災発生状況を詳しく見ると、建設業に関しては増加している。死亡災害0件の継続、労災の発生件数を減少させていくには、やはりいかに建設業での災害数を減らしていくかが鍵となる。業界としては、今後も気を引き締めて災害防止活動に取り組む必要がある▼今年度業界団体などのパトロールを取材していて、参加している同署職員は、墜落・転落、建設機械、倒壊・崩壊の三大災害に加え、過重労働になっていないかに関しても注視して巡回している印象を受ける。これから年度末に向かっていくが、工期が迫っていることなどから遅くまで働く職員が多くなることが懸念される▼一年を通して最も寒い時期に入ってきており、冬季特有災害にも気を付ける必要がある。しっかり安全管理に取り組み、日々作業していきたい。

つむじ風1月12日

 本県における建設業振興策の基軸となる「いわて建設業振興中期プラン」。最終年度に当たる18年度には、次期計画の策定に向けた見直し作業が行われる予定▼現行計画では、復興後の県内建設投資額を「大震災津波発生までの水準程度まで減少」と想定。現行計画を策定した後に発生した台風10号という変数を加えても、国の復興創生期間の終了と同時期に、復旧・復興需要が一気に剥落することは間違いなさそうだ▼これまで明確な議論に至らなかった「震災前と同水準の公共事業費」が、本当に目の前に来ている。次期計画においてはこの部分を大前提に据える必要があるだろう。同時に、労務単価などのコストが震災前を大きく上回っていることから、震災前並みの予算規模では、当時の事業量を1〜2割程度下回る可能性もある▼次期計画の中では、これまで以上に若年労働者の雇用確保と人材育成、就労環境の改善が求められることになるだろう。せめてどの程度の予算規模と事業量が確保されるのか、大づかみでも数字が提示されれば議論の手がかりとなるのだが。

つむじ風1月11日

 県沿岸広域振興局土木部宮古土木センターは、一般国道340号和井内工区(宮古市)の改良を進めている。同工区の事業には1997年度に着手し、あい路の解消に向けて整備を推進してきた。長年にわたって力を注いだ事業が節目を迎える▼事業区間のうち、永田地区(延長1・24`)と和井内地区(1・22`)では、2017年9月に部分供用を開始。現在は未供用区間を施工中で、17年度末までの全線供用を目指している▼地域住民への事業の見える化の取り組みも。区間内構造物となる和井内大橋(橋長54b)の上部工工事に当たっては、国内最大級のクレーンによる橋桁架設の現場見学会を開催し、道路整備に対する理解を深めてもらった▼国道340号は、三陸沿岸道路などの復興道路を補完する県の復興支援道路。路線全体で見ると、交通の難所と呼ばれる個所が今もあるように感じられる。道路の課題解消やネットワークの強化には、地域との連携が不可欠。これからも地域の声に耳を傾けながら、事業の掘り起こしや工事を進めていくことが望まれる。

つむじ風1月10日

 厚生労働省と独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構は、「18年度高年齢者雇用開発コンテスト」を開催する。コンテストは、高年齢者がいきいきと働くことのできる職場づくりの事例を募集・収集し、優秀事例を表彰するもので、4月20日まで応募を受け付けている▼17年度は、全国から124編の応募があった。厚生労働大臣表彰の優秀賞を受賞した七欧通信興業(東京都、電気通信工事業)では、定年後は希望者全員を66歳まで再雇用。運用面で健康や技術力などの一定条件のもと、さらに再雇用している▼同社では、生涯現役を目指し、高齢社員の戦力化への取り組みを推進。技術指導員として人事発令し、存在を明確化。賃金面では、定年前後で四つの観点から職業変更の比較を行い、継続雇用者の賃金を決定し、本人の納得性向上につなげた▼会社の戦力とともに、次世代への伝承も。本人には高いハードルだが、それも経験と技術があってこそ。過去の受賞企業の事例を見ると、「モチベーション」と「コミュニケーション」がカギを握っているようだ。

つむじ風1月9日

 新年を迎えて第二週だが、きょう9日が仕事始めという企業もあるだろうか。建設業における働き方改革の動きが活発となってきている中、職員の休日確保などの待遇改善に取り組む企業も多いことだろう▼工業など実業系高校に通う生徒の進路に関して聞くと、学んだこととは異業種、もしくは関連業種にしても県外へ就職する生徒が多いようだ。学生にとって職業選択する上での重要な要素の一つとなるのが、休日をどの程度取得できるのかとされる▼成人の日を挟んだこの時期、新成人に関して話題に上がるが、総務省で発表した1月1日現在の人口推計による1997年生まれの新成人は、123万人で前年と同数だった。今後は減少を続ける見通しで、2025年には110万人を下回る見込みとなっている▼分母が少なくなる上に、異業種や県外へ就職する学生が多いとなれば、地元建設企業へ入職する若手は減る一方。働き方改革の一環となる現場での完全週休2日制に関して、行政と業界が議論を深めて不具合なく実行できる制度となることが望まれる。

つむじ風1月5日

 「生産性の向上」と「働き方改革の推進」。この大きな流れは、今年も変わることはないだろう。むしろ、社会的な要請として一層強まることが容易に想像できる。若年労働者が少なく労働時間が長い産業というイメージが定着した建設業は、他産業に増してこのテーマと向き合う必要がありそうだ▼生産性向上と働き方改革は企業経営者にとって、必ずしも一致しないテーマかもしれない。特にも労働集約型産業と言われる建設業においては、「働き方改革」と「週休2日制」を等号で結ぶことはできても、「生産性向上」イコール「週休2日制」とならないのが難しいところ▼東日本建設業保証鰍ェ毎年まとめている財務統計指標を見ると、東日本大震災前、県内建設業の生産性は東日本管内ワーストが定位置にあった。これは当時、経営環境が厳しい中にあっても人を大切にする姿勢の現れと言われていた▼「人を大切にする」という岩手方式の働き方改革を通じて、生産性向上を実現してほしい。2018年が、そのスタートを切る1年になることを期待する。

つむじ風1月4日

 読者の皆様、本年も本紙をご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます▼震災から間もなく7年目を迎える。沿岸被災地で復旧・復興事業が懸命に進められている中、国が復興支援道路として整備を進めている三陸沿岸道路、東北横断自動車道釜石花巻線、宮古盛岡横断道路の整備が順調に進行中だ▼昨年11月には、震災後事業化区間で初めて三陸沿岸道路「山田宮古道路」が開通。区界峠の難所を解消する宮古盛岡横断道路「区界道路」の新区界トンネルが貫通し、11日には貫通式が行われる。ラグビーW杯開催に先立ち、18年度には東北横断道が全線開通する予定。三陸沿岸道路でも、吉浜−釜石間など4カ所で開通が予定されおり、交流の活発化が期待される▼ただ13年8月の豪雨や16年の台風10号では、県内各地で河川の氾濫や基幹道路の寸断が相次いだ。橋梁やトンネルなど道路構造物、上下水道や農業用施設の急速な老朽化、さらには公共建築物の耐震化や人口減少に伴う集約化など、課題は山積している。安全・安心な県土づくりは、まだ道半ばだ。